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だめだった X2 / X-Men 2

Bryan Singer

2003 USA 133 Min. 劇映画

出演者

Patrick Stewart
(Charles Xavier - 教授、校長)

Hugh Jackman
(Logan/Wolverine、一匹狼)

Famke Janssen
(Dr. Jean Grey)

Halle Berry
(Storm、嵐を呼ぶ女)

James Marsden
(Scott Summers)

Anna Paquin (Rogue)

Aaron Stanford
(John Allerdyce/Pyro、火炎放射器少年)

Shawn Ashmore
(Bobby Drake/Iceman、何でも凍らせる少年)

Alf Humphreys
(Steven Drake- ボビーの父親)

Jill Teed
(Madeline Drake - ボビーの母親)

James Kirk (Ronny Drake- ボビーの兄弟)

Ian McKellen
(Erik Lensherr/Magneto - ザビエルのライバル)

Rebecca Romijn-Stamos
(Mystique/Raven Darkholme - マグニトの腹心の部下)

Cotter Smith
(McKenna - 大統領)

Jackie A. Greenbank
(大統領秘書)

Brian Cox
(William Stryker)

Michael Reid MacKay
(Jason 143 - ストライカーに使われる青年)

Keely Purvis
(ストライカーに使われる少女)

Kelly Hu
(Yuriko Oyama - ストライカーの部下)

Alan Cumming
(Kurt Wagner/Nightcrawler - ストライカーに使われて、大統領暗殺の命をおびた間者)

Bruce Davison
(Robert Kelly - 議員)

見た時期:2003年5月


X−メン

Bryan Singer

2000 USA 104 Min. 劇映画

出演者

Patrick Stewart
(Charles Xavier - 教授、校長)

Hugh Jackman
(Logan/Wolverine、一匹狼)

Famke Janssen
(Dr. Jean Grey)

Halle Berry
(Storm、嵐を呼ぶ女)

James Marsden
(Cyclops/Scott Summers)

Anna Paquin
(Rogue/Marie D'Ancanto)

Alex Burton
(John Allerdyce/Pyro、
火炎放射器少年)

Shawn Ashmore
(Bobby Drake/Iceman、
何でも凍らせる少年)

Ian McKellen
(Erik Mangus Lensherr/Magneto -
ザビエルのライバル)
Brett Morris
(Erik Magnus Lehnsherr、
少年時代)
Kenneth McGregor
(Mr. Lehnsherr -
エリックの父)
Rhona Shekter
(Mrs. Lehnsherr -
エリックの母)

Rebecca Romijn-Stamos
(Mystique/Raven Darkholme - マグニトの腹心の部下)

David Black (大統領)
Elias Zarou (国連事務総長)
Bruce Davison
(Robert Kelly - 議員)

見た時期:2000年9月

詳しくないストーリーの説明あり

続編はだめというのはよく聞く話です。期待を裏切られることが多いのも事実。デッドコースター(ファイナル・デスティネーション 2)のように「どうせだめだろう」という悲観的な期待、少な目の期待、遠慮がちな期待を見事に裏切ってくれる例もたまにはあります。これはあくまでもたまにの話。

★ 監督のシンガー

神童とまで騒がれたブライアン・シンガー。作品数は少ないですが、大きな話題にはなります。比較的少ない作品の過半数に当たる3本を見ましたが、そのうちの2本が X Men です。結論から言うと乗れませんでした。

シンガーに気の毒なのは、私の趣味がユージュアル・サスペクツの方向を向いていること。ゲーム的な事件を追うという筋だと大喜びしてしまう性質なので、ユージュアル・サスペクツで見事に騙された時は「よくぞやってくれた」。セブンユージュアル・サスペクツでケビン・スペーシーが私たちをこけにしてくれたのを見て、これからもどんどん観客を騙し、欺いてもらいたいと大いに期待したものです。その後スペーシーは1つのタイプに固定されるのを嫌い、シッピング・ニュースなど全く違うタイプの作品へ。私は今でもユージュアル・サスペクツのような作品に復帰してもらいたいと願い続けています。

★ ファンタジーはあまり好きではない

次にシンガーに気の毒なのは、私がファンタジー的な話を好まないところ。この辺になるとシンガーの責任ではありません。SFホラー、SF戦争、SF犯罪、SFコメディー、SFロマンス、SFカウボーイ、SF人形劇などは好きなのですが、ファンタジーっぽい話だけ苦手です。さらに運の悪いことに私はスタートレック・ファンでなく、ウィリアム・シャトナーにもパトリック・スティワートにもへも引っかけない、失礼、何の敬意も払わないのです。ついでながらスター・ウォーズも苦手。

話をひっくり返すと、スタートレック・ファンならパトリック・スティワートの出番も多いこの作品、気に入るかも知れません。かえすがえす残念なのは、スティワートの声が聞けなかったこと。実はこの人とマッケラン氏、声に演技の強味があるようなのです。顔はあまりパッとしないけれど声の表現力で勝負という俳優は英国には時々います。ところが私が見たのは翻訳版。いつも同じ声優がスティワートの声を担当します。ちょっと嗄れ気味の声です。いつも同じパターンで、大マンネリ。日本では本人の声が聞けるので、この作品意外といいかも知れません。

ファンタジーなので美女が容姿を誇りながら登場。普通の世間では女性を見かけで判断しては行けませんが、こういう映画はそこが見せ所。期待に背かぬよう女性軍はがんばっています。2作目はミスティック役の女性が用も無い所に何度も顔を出し、台詞もほとんど無しですが、見せ場を作っています。見る価値はあります。これこそザ・ボディー。(← ここをクリックすると全然違うボディーが出て来ます。)

★ あまりおもしろくないストーリー

概ね前のメンバーが再登場しています。しかしストーリーがどうもパッとしませんでした。予算も前より増やしてもらい、前のメンバーがほぼ揃い、前作がヒットしたので、誰にも不満はないでしょう。しかしファンタジーやパトリック・スティワートのファンでないなどの個人的ハンディーを考慮しても前より弱いという印象でした。

鐘や太鼓で大宣伝。マトリックスが出る前に公開して一稼ぎを狙った作戦もいいですが、見終わって何だか理屈が良く分からなかったのです。

筋にちらっと触れますので、見る予定の人は退散して下さい。目次へ。映画のリストへ。

前作と今回の作品をざっとまとめると、時代は現代から近い未来。人類はこれまで通りに暮らしています。その人類の横に突然変異を起こしたのか、人間が持っている能力ではあるけれどこれまで使っていなかった能力を使える者が出て来たのか、まあ理由はともかく、ミュータントのような存在があります。周囲の者の理解を得ることができず、家族の愛はあっても恐れられてしまったりとまあ、この人たちは超能力があるおかげで不幸な人生を送る運命にあります。そういう能力を持った長老がチャールズ・ザビエル。彼は若い人を孤立、不幸から救い、その能力を上手に発揮できるようにと学校を経営しています。表向きは私立の英才教育専門の寄宿舎。これが政府の知るところとなり、政府側はミュータントを危険分子の集団と見なし抹殺(← ここをクリックすると全然違う抹殺者が出て来ます)を考えています。一部の議員が特に過激な事を考えています。

これだけでは話がつまらないので、ザビエルの長年の友人エリック・レーンズヘア(変な名前です。レーンズヘアというのは中世の封建殿様のことで、名前というよりステータスを示す言葉です。しかしイアン・マッケランにはそれほどたくさん部下はいません。領地なんてのもない様子)を悪役にして、対決もさせます。第1話はもっぱらこの両者の戦いです。

★ 続編

第2話では趣向を変えて、悪い軍人を出して、その男がレーンズヘアを脅かして利用。ザビエルとはあまり喧嘩しません。代わりに第1話でちらっと出ていた狼男ことウルフマン・ジャック、いえ、ヒュー・ジャックマンの秘密が出て来ます。彼は他のミュータントと違い出生の秘密があります。話の中心はブライアン・コックス扮するストライカーの悪巧み(ブライアン・コックスは最近売れまくっています。)

★ 強い者が被害者?

疑問に思ったことがあります。ミュータントたちは圧倒的な力を持っていて、少年でも火炎放射器のようにその辺のパトカーを何台もぶっとばしてしまう、若い女性でも最新式の戦闘機を墜落させるほどのトルナードを起こすなどということが朝飯前です。なのに、みな根深い被害者意識を持って固まっています。こんなべらぼうな力を持っていてこんな事をしたら普通の人間が恐れを抱くのは当たり前と単純に思ってしまうのですが、映画を見ていると作っている側は観客にミュータントに対する同情心を期待しているかのようです。アメリカ映画ですとすぐ檻に閉じ込めようとか、もっとラディカルに消してしまおうなどという話に発展することがあるのも事実ですが、なぜ強い者の方が弱い者より先に被害者意識に発展するのかは、分かりにくいです。インタビューによるとブライアン・シンガーは子供の時から特別扱い、のけ者扱いをされていて、学校に関しては良い思い出が1つも無いそうす。そういう経験のある人だから原作に引かれたのでしょうか。学校時代にいくつも楽しい思い出を持っている者には分かりにくい話なのかも知れません。

最後にアメリカの大統領と掛合う時でも、超能力で周囲をすべて麻痺させてしまって大統領だけにある報告書を読ませ、政府内に不正があったことを知らせ、ミュータントとの戦闘態勢を納めるという筋運びです。

何も考えずにアハハとポップコーンを食べながら見ていればいい映画なのかも知れませんが、何かがひっくり返されていて、力の無い普通の人間が圧倒的な力を持ったグループに丸め込まれてしまったような印象が残ります。こういう映画では美女の活躍、素晴らしい調度品のある寄宿舎、超近代的な刑務所に驚き、それ以外の所は追求しては行けないんでしょうね。

★ 監督に取っては大成功

ユージュアル・サスペクツでは特殊効果ゼロで、頭の良さだけで勝負したブライアン・シンガー。その後こういう大きな企画を任せられたという意味では大出世。第2話も任せられたというのは業界の信頼も得たということ。興行成績に関してはいいニュースを耳にします。またユージュアル・サスペクツのような映画だけでなく、全然違うジャンルもできるということを示したことで、今後の仕事のオファーの幅が広くなり、規模も小さい物から大きい物までいろいろ来るでしょう。めでたいことです。しかしなぜか Xメンには不満が残り、私の心は MIB の方に傾いてしまいます。あれはミュータント(同朋から生まれた変種)でなく、エイリアンでしたが、移民を認められて平和に暮らしている「ビザのある」エイリアンと、違法に移動して MIB の検問に引っかかる「ビザのない」エイリアンの話でした。何となく平和でのんびりした話でした。

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