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2004 Rußland 114 Min. 劇映画
出演者
Konstantin Khabensky
(Anton Gorodetsky)
Dmitry Martynov
(Yegor - アントンの息子)
Mariya Mironova
(イゴールの母親)
Valeri Zolotukhin
(Kostya - アントンのかつての隣人、吸血鬼)
Vladimir Menshov
(Geser - コスティアの父親)
Aleksei Chadov
Mariya Poroshina
(Svetlana)
Galina Tyunina
(Olga - ふくろう)
Yuri Kutsenko
(Ignat)
Zhanna Friske
(Alisa Donnikova)
Ilya Lagutenko
(Andrei - バンパイア)
Anna Dubrovskaya
(Larisa - バンパイヤ、アンドレーの愛人)
Viktor Verzhbitsky
(Zavulon - 闇世界の支配者)
Rimma Markova
(Darya Schultz - 魔女)
Aleksei Maklakov
(Semyon)
Aleksandr Samojlenko (Ilya)
Anna Slyusaryova (Lena)
見た時期:2005年9月
90年代に書かれた小説の原作があり、作家はセルゲイ・ルキヤネンコと言います。普段ロシアの文学とは縁が遠いのですが、SFファンタジーの世界では1作だけ大好きなのがあります。セルゲイ・ルキヤネンコは私に取っては2人目のその方面の作家にあたります。
映画の方はカザクスタンのティムール・ベクマンベトフ監督が作っています。去年からナイト・ウォッチ三部作に取りかかっているので、ここ暫くは他の映画を作る余裕はないでしょう。彼は2001年からロシア、アメリカ合作の作品も世に出しています。ロジャー・コーマンと組んでいる物もあります。
モスクワの町。1992年、アントンは女性と付き合っていましたが、その女性は妊娠していました。誰の子供かははっきりしないのですが、アントンは女性の出産を望まず、魔女に彼女の流産を祈願。魔女は自宅の台所から船で旅行中の女性に腹痛を起こさせ間もなく流産するところです。突然そこへ得体の知れない男女が現われ、魔女と遣り合い、魔女を逮捕。事情聴取が行われます。それを驚きながらぽかんと見ているアントン。実はアントンにはこの男女が見えないはずだったのです。
中世に休戦協定が成立してからは、X−メンに出て来そうな超能力を持った人たち、ヴァン・ヘルジンクに出て来そうなバンパイヤ、スリーピー・ホローに出て来そうな魔女などが一般人と平行してそれぞれ他を尊重しながら調和を保って生きていました。事情を知らないのは一般人だけですが、一般人にはこういう超能力者は見えないか、一般人のようにカムフラージュされていて、さらに特殊能力を持った者が規則違反をすると警察のような役割を果たす超人がいて、取り締まっていました。
さて、10年ちょっと経った現在。イゴールという少年が吸血鬼に狙われ始め、規則違反を監視している人たちが動き出します。イゴールはロシアでは比較的裕福な家でシングル・マザーに育てられ、12歳。通学の途中だったり、地下鉄に乗っている時に、本人が気付かない所で吸血鬼にストーキングされていました。アンドレーとラリサというカップルがイゴールに噛みつくチャンスを狙い、催眠誘導のようなことをしてある廃屋に誘い出します。これを追うのが黒眼鏡をかけたアントンたちのグループ。彼は1人で動いていますが、他に熊さんと虎さん、そしてその上司のような市の職員がいます。彼らには普通とちょっと違う武器がいくつかあって、それで一般人でない者を見分けたりします。
廃屋に呼び出されたイゴールはあわやと言うところをアントンに救われ難を逃れます。イゴールには自分が数人の大人に囲まれていることは本来は分からず、空家で妙な力に揺り動かされたようなことになります。イゴールはその後も狙われ続けるのでアントンたちも護り続けます。
それとは別にアントンたちのグループは世の中の変化を察知します。妙な天候異変が起き、大きなアパートの近くにヒッチコックも顔負けの大量の鳥が飛び回り、発電所では説明不可能な故障事故が起き、市内は大停電。飛行機はタービンに鳥でも吸い込んだのか故障を起こし、ねじが1個外れます。そのねじは落下してある女性のコーヒー・カップの中に着陸。飛行機は墜落し始めます。向かう先は市内の住宅街。大きなアパートにぶつかれば大量の死者が出ることは確実です。こういった出来事がまるで磁石で吸い寄せられるかのように1つの方向に向かって進んで行きます。
一刻を争う事態の中アントンたちは再び襲われ、今度は人質に取られている少年を救出すべく戦います。その過程でアントンは自分とイゴールの関係、当時の事件がその後どういう連鎖反応を生んだかを悟ります。事件の大部分は1992年の出来事と、腎臓を患う母親を持つ女性の呪いから発生していたのです。それが大きな渦となって破滅に向かっているところでした。謎の糸がほぐれ改めてイゴールの救出に向かうアントン。その先のおとしまいはいかに・・・で第1篇は終わるのですが、これはまだ序の口らしく、3作まで行きます。
指輪物語が勝つか、マトリックスが勝つか、ナイト・ウォッチが勝つか。ロシアの興行収入では指輪物語に迫ったとか、越えたという話が聞こえて来ます。私は指輪物語は1作を見ただけでリタイア、マトリックスは取り敢えず全部見ましたが、2度見ようと思えたのは1作目だけ。ナイト・ウォッチはどうやら最初から3作と決めてかかっていたようで出演予定の人は確保してあるようです。そして長編はお得意の国ですから、指輪物語やマトリックスよりおもしろい作品になるかも知れません。
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