映画のページ
参加作品
開催予定:2016年8月
今年のファンタも終了しました。途中で受けていた印象のままで、不作の年と言えます。いい作品を持って来ようにも、作られていなければ交渉すらできないので、こういう結果になったと言えるでしょう。
去年と同じく、今年も冬のファンタがあり、主催者が現在のファンタを終えたらすぐ日程を発表するそうです。今年もベルリンがスタート都市で、ほぼ平行して開催されたニュルンベルクも終了。まだ開催中なのがミュンヘン。これから開催されるのがケルン、フランクフルト、シュトゥットガルトで、最終のハンブルクは9月8日から始まります。なので全部終わるのは9月18日。その後すぐに冬のスケジュールが発表されるそうです。恐らくは週末に10本。
去年はここにファンタのファンが期待するような作品が何本か入っていましたから、と言うか、レベルに達しないだめな作品がありませんでしたから、皆ここに期待しています。
去年から同時刻に2本上映する方式を全廃し、通しのパスを買った人は必ず全作品がみられるように変更になりました。なので以前は延べ60数本参加して、3分の1程度は同時刻上映のため見られない形だったのが、去年から57〜58枠あり、全部見られるようになりました。数本は再上映なので、本数は52〜53本程度です。1日の本数は5本。
もしかすると1日6本は体にきついと思った人がいたのかも知れません。何しろコアの参加者の年齢は40歳後半から50台。中には60歳代に入っている人もいます。姿だけ見ると、このおじさん、おじいさん、このおばさんがゾンビや吸血鬼を見に映画館に来て、家には眠るためだけに帰る、それを10日以上続けるとは信じられないでしょう。しかしそれが現実です。そんな中去年は夏のファンタに入りきれなかった作品、積み残し作品をクリスマスに持って来ています。
それから一般公開のスケジュールの前に出してしまおうという作品があるのかも知れません。主催者は外国の映画祭に出かけて行き、ファンタでの上映の約束を取り付けるのですが、同時に様々な商業上のコネクションからドイツ国内の一般公開、DVD リリース、テレビ放映の契約とも関わりが出て来ます。ファンタ主催者は契約の当事者ではありませんが、ファンタがきっかけになって契約の話が進むことはあると思います。
春先に10本、夏場のメインのファンタに50本強、クリスマスに10本となると、通しのパスを買った人は70本強見ることになり、実際に見られる本数では過去最高のレベルに達しています。年間数万円の出費になりますが、本数で割ると正規の料金の半額以下。夫婦やカップルで休暇旅行に行く費用と比べても話にならないほどの安さ。そして2人ぼっちの乗りでリゾートに行くと友達もできませんし、仮にできても再会はそう簡単ではありません。ファンタですと宿泊費用ゼロ(中にはこのためにわざわざ地方からベルリンに来る人もいますが)、食費はもしかすると安め、そして何十人の単位で友達ができます。次回来ると再会ができるので、人によっては年3回再会。そして趣味、波長が同じなので、話がどんどん進みます。
前半が終わりかけています。今年はまだ物凄い「これだ!」という作品はありません。技術的には駄作と呼べるほどひどい作品も出ていません。その中間でやや低迷している印象です。
それでも健闘していて成績で言うと5まではいかないけれど、3の上とか4ぐらいの作品はあります(ここでは日本式の通信簿の点数)。
技術的にはきちんとし、有名な俳優も動員できているのに、テーマの焦点の絞り方が曖昧だったり、とんだ勘違いをしていたりする作品もちらり。
短編も見ましたが、時間が無いので感想は後日。
さあ、今日から開始です。
今年は事故でも無い限り全作品が見られるようにプログラムが組まれています。
30周年なので何をやるのだろうと思ったら、最初の作品開始の前に20分近くこの30年を記録した写真と、30周年を祝う主として監督のビデオ・メッセージが上映されました。30年前から参加している人はほんの数人ですが、25年以上という人は私も含めかなりの人数になります。
この写真集とビデオ・メッセージは私たちの歴史そのものなので、 DVD にでもして発売してくれないかと密かに願っています。私が話し込んだ監督や女優がぞろぞろ出て来ます。
ま、そういうわけで始まりました。今日からは時間の許す限り見た後のコメントを入れます。
全作品が発表になりました。
1日6コマは止めたようで、今年はコンスタントに5コマです。初日が2本、その後は5本。57枠取ってあり、参加作品は52(1枠は短編集で、全体を1本と計算しています)。5本は再上映です。
韓国が2部作のように作った作品の両方がみられます。ストーリーが密に繋がっているのか分かりませんが、1つはアニメのようです。
長い間ファンタでは参加作品が少なかったイタリアが今年は参加しています。スペインとアルゼンチンの合作も来ます。以前鮮やかに決まる作品が来たことがあるので、ちょっと期待。
現在参加作品の3分の2ほどが発表されています。
現在30本。オープニング、フィナーレ、血の滴るコーナー(コンペ)も発表されました。今年のオープニングはダニエル・ラドクリフの死体、フィナーレは韓国のゾンビ映画です。両作品とも楽しそう。
毎年60本以上、70本以下の参加なので、半数弱が決まったことになります。
最後のリストを含め、ナビゲーションは追って調整します。
カテゴリーが決まり始めています。判明した作品はそちらへ移しました。
現在参加作品の3分の1弱が発表されています。
ファンタ参加作品の発表が始まりました。まだカテゴリーは不明。
詳細はこちら。
↓ ↑ プログラムへの近道オープニング
監督は長編デビュー。今年のファンタにはラドクリフが2度登場。片やシリアス映画で FBI の囮捜査官、こちらでは最初から死んでいる死体の役。イライジャ・ウッドにも合いそうなとぼけた役。解説を読んだ限りでは必見。
トレイラー: トレイラーを見てもなぜこういうタイトルになったのか分かりません。しかしトレイラーを見ただけで爆笑。フィナーレの映画にしてもいいかと思われます。
後記: タイトルの意味判明。ハンク(生存者)がマニー(死体)を様々な道具として使うのを、スイス・アーミー・ナイフに例えてあります。
いくつか解釈の方法があると思えますが、自分も含め仲間の何人かはハンクが知恵遅れの青年で、ストーリーの多くの部分が幻想という意見。枠の部分を印象通り信じるとすれば、幻想ではなく、飛行機事故か何かで孤島に流れ着き、助かったが、孤独で自殺を試みる。ちょうどその時にラドクリフの死体が流れ着いたため自殺中止。その後の会話は本当はラドクリフは物を言わないけれど、ハンクが生き延びるために(自己防衛の本能で)死体と話しているように思い込んで精神的に死に向かわず助かったという話。
物語は非常にシュール、描写は比較的緩い。ゲイの男性軍に気に入られるタイプの作品。
注目の作品
脚本家としては44本、監督としては17本手がけている監督。
1965年から1969年の間に主人公はボンベイで本人曰く少なくとも41人殺した。人数が本人にも分からなくなるほど殺している。人の注目を集めるために殺しをやり、警察をライバルとみなすサイコパス。コメディー仕立て。
トレイラー: 分かりやすそうな犯罪映画。元ネタが実話なのでコメディーにしていいものか迷いますが、1960年代のサイコパス系の連続殺人犯の話。
ミュージカル・シーンは無さそう。
後記: テーマの扱い方は数年前に南米から参加した連続殺人鬼を思わせます。両方とも実際に起きた事件からインスピレーションを得て作られているのでパクリとは言えません。インドの方はそこにもう1つ捻りが入っていて、木片を隠すのは森がいいという論理が成立します。死体をあまり直接映さない手法で控えめな描写になっているにも関わらず、殺人のインパクトは強いです。人物描写が上手く行ったためと思われます。ミュージカルを期待する向きには失望でしょうが、犯罪映画を期待する人にはお薦め。
注目の監督
この作品は間もなくリストからはずされました。なので来ないかも知れません。
来る場合、ラングレンは悪魔退治をします。
・・・注目の監督のカテゴリーに入りました。
ミシシッピーの田舎町。警察お手上げの連続殺人事件発生。すでに9人死亡。FBI も見当のつかない事件をデモン・ハンターと称する男が手伝う。悪例は人の体を移り回る。始めは男を信じなかった FBI 捜査官と2人で悪魔退治。
トレイラー: 無い!
血の滴るコーナー (コンペ)
見た人は大半がゲテモノだという意見。
トレイラー: トレイラーもゲテモノ風。何となく常識を破った映画の原則に沿った印象。このジャンルとしてはそれほどユニークではないかも。
アエロスミスのライブ・パーフォーマンスの監督。タイラーはカメオではなく、きちんとした俳優として出演。
親友がガールフレンドに裏切られたので、その男の誕生日を祝うことにして、2人の男がメキシコに向かう。羽目をはずしたことから麻薬騒動に巻き込まれる。
トレイラー: パンツ一枚でさまよう男。3日前に戻ると、友達がメキシコを紹介すると言っている。注意の標識が出ているのに無視。酒、薬、闘鶏、女、メキシコを侮るといかんよという意味なのかは見終わらないと分かりません。
後記: コンペの1作目。仲間内ではさほど評判が良くなく、4(日本の通信簿の逆で、1が最高、6が落第)などをあげた人がいたのですが、私は1にしました。
90年代後半に有名なスターを動員した同様のプロットの作品があり、先日フランスのテレビ・ドラマの一環として英国の語学教育に使われた推理物のストーリーのプロットもご紹介しましたが、Happy Birthday の方が意外性が強く、上手に料理してありました。全体の4分の3あたりまでは数々の映画を見、多くの推理小説を読んだ私でもこの展開になるとは気づきませんでした。しかも、最後の4分の1になってからも2段構えになっていて、2度驚くことができます。
まあ、自分のバンドのプロモーション・フィルムを撮る監督としてタイラーがどこかから拾って来た人物だとしても、なぜわざわざ俳優として出演するんだろうと訝っていましたが、こういう気の利いた作品だったら顔を出したくなるのも納得。
監督は長編デビューかも?過去に短編をたくさん作っています。
トレイラー: このところ極限状態の映画が多過ぎる気がしますが、これもまたサバイバル映画のよう。ゾンビのために普通の生活が破綻し生き残ろうとする女性の話。
後記: この日は解説を読む限り憂鬱になるようなテーマばかり並んでいましたが、いざ見てみると最初の3本は嫌な順番に並んでいたようで、2本目、3本目に進むに連れてややましな感じになって行きました。その2本目です。
ゾンビ・サバイバル物。元は夫婦と赤子の3人家族だった女性。車で避難をしているうちに夫が死に、赤ちゃんも現在はいません。車を根城にしてアメリカの北東の地域にいます。1人で飲み水は川から取り、風呂は川で水浴。洗濯も川で。食べ物は森で虫をつかまえたり、ベリーの類を集めたりしていますが、食料は足りていません。時にはゾンビがいる側の地区に侵入し人家から残った食料を取っています。ガソリンは無い様子で、間もなくタンクは完全に空になりそう。携帯電話は電池が切れる寸前。ラジオは自家発電のようで、時たまフランス語の放送が入っています。カナダに近いのでしょう。
ある日そこへ怪我をした青年と少女が通りかかります。少女は青年の妻の連れ子だったらしく、その女性はいません。
1人切りだった女性はこの日から3人の共同生活に。青年は3人でカナダに逃げようと主張。2人は元からカナダを目指している様子。しかし元からそこにいた女性はなぜかそこにとどまりたがります。なので2人は女性を置いてカナダに向かう決心を固め、いざという時に豪雨。そのため出発は延期。
男性は彼女を連れて行くためなのか、単に久しぶりに年齢の合う女性と会ったためなのか、彼女と一夜を共にします。義理の娘は年頃になり、青年に恋心を抱いており、その夜自分が青年を誘惑するつもりでテントの中で準備をしていたら、青年は車の中で女性と関係してしまいます。
近くにある民家の存在を教え、3人は食料を仕入れに向かいますが、男性はゾンビに襲われてしまいます。少女は民家で女性を縛り付けて男性と脱出しようと思っていたのですが、現実には男性が死んでしまい、女性2人だけが残り、2人はカナダを目指します。
女性がその場を離れたがらなかった理由は自分の手で赤ん坊を殺したため。ゾンビになりかけたのかよく分からなかったのですが、腹に出来物ができ始めていました。
最近の私は間断なく用があって以前のように静かに読書とか、映画をゆっくり見る精神的な余裕が欠けています。なのでこの作品は退屈に思えたのですが、以前のように用があっても頭の切り替えがさっとできた時期や、失業中で特段義務的な用事が無かった時期だったら、ゆっくり進行するストーリー、風景をたっぷり見せる作風は気に入ったのではないかと思います。
まだ情報が入っていないので、トレイラーを見ただけの話ですが、学校の先生と悪がきの対決のようです。それがエスカレートしてかなり残酷な話に発展する感じ。
トレイラー: 映像にかなり気合が入っています。芸術性を追求しながら撮っている感じ。
後記: 前半は英国の荒れた学校の描写。教師が生徒から全く無視され、車に傷をつけられたり、やられ放題。それも長年の間そうなっている様子。教師は文学や歴史担当。
後半は教師が遂に切れてしまい、2人の生徒を殴って気絶させ、自宅の地下室に監禁。1人は意識が戻らず、教師は残りの1人を攻撃。手足を机と椅子に縛りつけ、言葉の説明を求め、辞書で10秒以内にその言葉を見つけ説明を読まなければ釘で手を打ち抜いたり、電動の釘刺し機で脅したりします。2人の生徒はすでにこの段階で血みどろ。
後半の後半は2人目の生徒が目を覚まし、同じような拷問を受けますが、教師に頭突きを食らわしたため教師が激昂し、殺されてしまいます。加えて、1人目の生徒の兄の恋人が誘拐され、人質に加わります。その後の展開で2人は助かり、教師は死亡。
雰囲気としては前にイスラエルで子供に悪さをする教師を被害者の家族がリンチする話と似ています。この種のストレス、暴力、荒れ放題の学校の様子は大陸側では英国独特、典型的な現象と信じられており、そのイメージにぴったり一致する脚本、演出です。
大陸側の欧州にも学校の問題はあり、ドイツでは教師で長期の病欠や早期年金生活者の数が多いと聞いています。教師の生徒に対するアプローチの仕方がどう見ても間違っていると言わざるを得ない先生は結構な数います。大学にも学生との接し方を知らない、教わっていない、考えをめぐらさない先生がかなりの数いました。それでも映画で映画で描かれている学校の様子で言うとアメリカがかなり前から最悪状態、欧州では英国がトップを走っているような印象を受けます。ドイツについては学校の中を描いた映画はあまり見ていないので同じように比較することはできません。現実の学校は英米の映画ほどひどくありません。
大学の場合研究に没頭したいので学生の事は知らん顔している教師がいるという事情があります。高校以下の学校ではどうしてそうなるのだろうと私は長年考えていましたが、結論の1つには達しています。
大学で教職を取る学生を教えているのが上に書いたような研究の方に重きを置いた教師だと、学生はいくらたくさんゼミに出席して、国家試験に合格し、教職の免状を取っても、歴史や文学の内容ばかり詳しくなって、生徒との接し方はほとんど習わないか、型通りの内容しか身に着きません。生徒1人ひとりの適性に合わせた教育など夢のまた夢。そうなると生徒や学生も欲求不満になり、矛先が教師虐めに向くのではないかと思いました。
俳優には気合が入っていましたが、反吐が出るような作品でした。
長編2作目あたり。強い雷雨の夜バスを待っている8人が経験する妙な出来事。
トレイラー: 古いホラー映画のスタイル。モノクロ風でポイントだけカラー。画面を楽しめそう。
長編デビュー。イタリアも出資していますが、韓国映画と言える設定。オカルト映画のようで、ずっと前にも1度韓国から似たような作品が来たように思います。キリスト教徒の人口が多い国なので、この種のテーマは日本よりインパクトがあるのかも知れません。
轢き逃げ事故で怪我をした少女が悪魔に魂を乗っ取られる話のようです。
監督の自作短編のリメイク。
トレイラー: 解説の内容を順当に見せるトレイラー。
脚本は2人で書いています。前作のブラック農場ホラー 100 Bloody Acres が長編デビューで、そちらも2人で作っています。
メディアをおちょくる内容のようです。ドッキリ・カメラ式のテレビ番組「スケア・キャンペーン」が人気。制作者がグレード・アップを図る。廃屋にカメラを仕掛け、知らずに入って来た人を幽霊のメイクをした少女が驚かすという計画。しかしもしこのトリックに引っかかった人が冷血な殺人鬼だったらどうなる?
トレイラー: チェーン・ソウが登場し、血がドクドク流れます。
後記: 過ぎたるは及ばざるが如し。コンセプトはメキシコでトラブルに巻き込まれる2人を描いた Happy Birthday に近いのですが、どんでん返しの回数が多過ぎて、見終わると馬鹿らしくなってしまいます。
ドッキリ・カメラで一般人を引っ掛けるように観客に思わせておいて、実はスタッフがスタッフを引っ掛けます。それも2重、3重になっていて、スタッフのうち何人がグルなのかが分かりにくくなります。そこへさらに別な所から来た殺しのグループが加わり、さらにそこにまたある人物が絡んで・・・とロシアの人形のおもちゃのように数回どんでん返しがあります。最後に観客が「いいかげんにしてくれ」と思うようでは失敗作。
監督は長編デビュー。鋼鉄ジーグの直接の映画化ではなく、題材に使っている。イタリアではよく知られているらしい。大人向けの話なので、子供は連れて行かないように。
トレイラー: これが長編デビューとは思えないいい構成。画面も良く、楽しそう。ローマのご当地映画なので、ローマの町を知る人はもっと楽しめそう。方言にも注目。 ファンタでは長い間イタリアは劣勢。この作品で盛り返すかも知れません。
後記: 今年のファンタの前半ではまだ特にいい作品に出会っていません。その中でよくまとまっていると思える作品。笑いあり、アクションあり、ストーリ展開にテンポあり、モラルもまあ守られている万人向きの作品。SF 色はあまり強くありませんが、主人公が鋼鉄の強さを持った人間になってしまう所が SF なのでしょう。日本のアニメがイタリアで大受けしており、それを素材にしているので、その世代(35歳から上)には大受けするようです。
成功の理由の1つは中心人物のキャラクターの設定ではないかと思います。誰1人としてまともではないのですが、行動にユーモラスなところが混ざっていて、アメリカのピカピカのスーパーヒーローと比べ不完全。悪役も間が抜けていたり。その人間的な面が観客に伝わるのが好かれる理由かも知れません。
1988年テヘラン。イライラ戦争に翻弄された母娘。
トレイラー: トレイラーを見ただけでは戦争のストレスでノイローゼ気味になっているのか、(映画として)本当に悪魔か幽霊が出ているのかは分かりにくいです。母子家庭の大変さは伝わります。
後記: メイン・テーマは母子家庭の大変さではなく、社会の上の層に属するわがまま娘が結婚して母親になったというだけの話でした。戦争のストレスで母子ともノイローゼ気味になって・・・大変だ、同情しようと思っていたら、せっかく大学に行ったのに、学業より政治運動に時間を使い過ぎて卒業できていないまま宗教革命に入ってしまい、中断していた学業に戻りたいと言っても認めてもらえなくなってしまう若い母親の話でした。
なんだかんだ言っても大学に入学する程度の知性はあるはずなのに、現実の状況判断の能力が無く、子連れで疎開を拒否するため、母親は子供を危険にさらしているのですが、その自覚がありません。大学をちゃんと卒業して医者になれている夫は招集され、戦地に近い場所で医療活動をしている様子。
この女性は戦争があっても無くても身辺でプロテストするネタを見つけ、政治活動に没頭してしまうタイプ。とりあえず卒業だけはしてしまう方向を選ぶ方が得なのですが、彼女は挫折する道を選んでしまうタイプのように見えました。入ったからには卒業してしまうと、その後色々な所に応募する時一段階上を目指せるのですよ、男尊女卑の社会でも。
制作側は戦争に翻弄される気の毒な親子という路線を狙ったのだと思うのですが、見ている方は違う印象を受けてしまいます。母親は娘の頭がおかしくなったと思って行動していますが、観客は母親の頭がおかしい、娘の方は爆撃の恐怖で怯えてノイローゼっぽい反応をしているのだろうという印象を受けます。
深読みすると母親は平時であろうが、戦時であろうが、自分の思った通りに事が運ばないとおかしな反応をするキャラのように見えます。本人が母親に愛されて、甘やかされたのかも。女優はその辺を結構深く解釈して演じていました。あるいは、監督がそこまで考えて演技指導をしたのかも知れません。
監督長編デビュー。これまた世界滅亡後の話。最近通常の社会が破綻したという前提で撮られる作品が多過ぎて食傷気味。
トレイラー: 解説通り。東洋系の顔をした2人の少年がが、一線を越えてしまった人たちの住む地域で住処を探しているシーン。2人がメキシコのインディオの系統なのかは不明。日系、韓国系だと言われても納得しそうな風貌です。
後記: 「昼間っからポルノかよう」と使い慣れない言葉遣いで文句を言いたいところですが、ポルノとしても役に立っていない作品。
世界が破滅した後のメキシコのはずの舞台。鉄筋作りの比較的がっしりした建物に住み着いている中年男の所へ若い兄と妹が流れ着く。住居と食料を提供してもらう代わりに男の命令に従う兄妹。最初は卵のケースのようなダンボール(日本ではプラスティック・ケースだったと記憶していますが、欧米は紙製が多い)と木材を使って室内を洞穴のような装飾にする作業を手伝わされます。
その間に肉を食べたがらない兄は肉(人肉かも知れない)を食べることを強いられたり(妹は気にせず食べる、兄は暴力も使って脅されてようやく食べる)、兄と妹でセックスをすることを強いられたり(妹はあまり気にしない、兄は自分たちは兄と妹だからだめだと断わる)、どうも教会が禁じることをやらされている様子。
後半兵士が飛び込んで来て、兄を傷つけます。その代償として兵士は中年男に殺され、男は兵士の血と肉を混ぜてどろどろの液体を作る・・・など観客には「こいつ、何やってんだ」というような行動が続きます。
終わり近くにはなぜか、どこからか大勢の男女がやって来て、セックス・オルギアを始めます。
結局最後この場から脱出してみると、メキシコは全く破滅などしておらず、平常通りの生活が続いています。
時たま制作者がエンターテイメント性、俳優の技量などは無視して、反教会とか、反政府など特定のテーマを強調するために映画を作りますが、それなのかなあと思っているところ。しかし反教会を今頃メキシコでやらなければ行けないような事情があるんだろうか。だとしても作風が稚拙で、最後まで「君たちはあほか」という感想のまま。
外国なので、前張りなどはせず、見たくもない物を昼真っから見せられます。食欲減退しますよ。
公式プログラム
事件の内容は違うかも知れませんが、隣人に不信感を持つという枠は The Ones Below と似ています。
トレイラー: 日本から来る作品は筋がおもしろくても俳優の演技が学芸会風で興醒めしてしまうことが多いです。クリーピー 偽りの隣人 / Creepy はそこが多少改善されている感じで、俳優の表情や体の動きが多少ましになった感じです。トレイラーでしゃべる人の声を聞くと訓練の仕方を考え直した方がいいように思います。ドイツ映画界もその辺は似たような弱点を抱えています。近所の英国には声だけで人を圧倒する演技力を持った人がうじゃうじゃいます。留学して演技を勉強するとか、英国人の出演する映画をもう少し研究したら、シナリオはけっこうおもしろいのだから日本の映画界にもチャンスがあるかと思います。
以上はシリアスな実写作品の話。ふざけた内容の作品にはできのいい物もあり、外国人がその種のジョークを理解するかなどには頓着せず、今後もわが道を行ってもらいたいです。
アニメもいくつもの違うジャンルが評価されており、最近もアニメなどに関係なさそうな職業に就いている人からある海外でも有名になったアニメを見て感激したと言われました。このジャンルは日本がリードしていますので、当分はこの線でいいでしょう。
実在の人物をスキャンしてアニメ化する手法のアニメ。そのため声を担当する俳優名と、ボディーを提供する人のダブル・キャストになっています。Regis Lucis Caelum の英語の声優はショーン・ビーン。ビーンは渋いタイプのいい俳優ですが、そして出演作は100本を越えていますが、「ビーンと言えばこれだ!」というのはジェームズ・ボンドを裏切る 006 の役ぐらい。私は彼の出演する作品をかなり見ていますが、脇役がほとんどです。ちょっともったいない感じです。
トレイラー: やや誇大妄想的な舞台設定。トレイラーには台詞がありませんが、出演者(アニメの元に使われた人物の顔)はほぼ欧米人。この種の作品は苦手。
後記: こういう作品だろうと思っていました。私、この種のアニメ、ストーリーに全然関心無いの。ビーンももったいない使い方。
元ネタは漫画。バグズ2号編の実写版。撮影はアイスランド。最近の火星ブームに乗って今年も火星映画が作られました。
トレイラー: 井上さんがあまり感激しないことに同意。
後記: 井上さんも私もこの作品に感激しなかったのは年を取ったためなのか、大昔からきちんとプロットの整った推理小説や、語り口のいい小説などが好きだったためなのか。こういうのがいいという人は多分いると思います。私はその世代から外れてしまったようです。
続編ができそう。
Mother's Day、ソウ2〜4 (リンクは1)の監督。
自作の漫画が元ネタという話もある。
人生がうまく行っていた不動産ジャーナリストの妹の家族が全員殺される。現場は甥っ子の部屋。数日後家を訪ねると、その部屋だけ家からもぎ取られている。しかし警察の捜査は間もなく終了。ジャーナリストは謎を追う。元ボーイフレンドだった警官と一緒に彼女は調査を続ける。この何十年かちょくちょく残酷な殺人現場が家からもぎ取られる事件が起きていた。追って行くと小さな町にたどり着く。町の人は沈黙を守る。しかしある幽霊屋敷に答が潜んでいるのでは・・・。
その屋敷には殺人事件の起きた家の一部をつなぎ合わせて1つの屋敷が作られているという都市伝説があるとのこと。
宣伝用ポスターの1つに描かれている屋敷がおもしろい。なので画面、撮影に期待。
トレイラー: B級に徹した作風で、まとまりがいい。
改めて見たドイツ語のトレイラーだと、絵空事だということははっきり分かるが、エンターテイメント性があり、見ている間は楽しそう。
後記: 結構期待していたのですが、大はずれでした。友人からも似たような意見を聞きました。
前半は調子良く始まります。プロットもおもしろそうに見えますし、俳優のアウトフィットにも工夫があり、撮影もいいです。その上謎の殺人事件が絡むので、推理小説ファンも期待してしまいます。
ところが後半、話の全容がほぼ判明してから退屈モードに切り替わります。延々幽霊っぽい存在が主人公を脅かすだけ。
特におもしろそうに見えたのに肩透かしを食う点があります。主人公の女性がなぜか携帯電話も使われる現代に40年代、50年代のアウトフィットで出て来ます(残念ながらこの女優も大々的に整形したのかなと思える役者顔)。姉妹一家や他の人は大部分現代的。主人公の職場に出入りする人たちはなぜか古めかしい印象。
そして次世代のケビン・ベーコンかと思えるようなイケメンの刑事も独特の雰囲気を出すのに成功しているのですが、如何せん、プロットがほとんどゼロ状態で救いようがありません。よく考えてみると Mother's Day もやや尻切れトンボな作品でした。
監督は長編デビュー。
自分なりにこじんまりと成功していた画家。家族3人で自分の別荘に行くが、その家に幽霊が住み着いていることを発見。霊媒師を呼んで来る。霊媒師の話によると友好的な幽霊で、人畜無害とのこと。念のためにもう1人の霊媒師にセカンド・オピニオンを求める。こちらは危険な霊だから徹底的に退治しろとの意見。
トレイラー: 超レトロな方法で調査をする霊媒師の様子を黙って見守る画家のシーン。
後記: 中盤に差し掛かっています。ようやくプロフェッショナルな作りの作品が出るようになりました。
トレイラーを見ただけではこの作品の良さ、怖さは伝わりません。非常に平凡な生活をしている家族、大成功ではないけれどそこそこお金になり、家族を養うことができる画家。悪い性格の人はおらず、これまでうまく行っていました。
別荘とは言うものの、ちゃんとした家で、自然に触れることのできる土地にある別宅という感じ。明るく近代的な作りの家。そこに幽霊が出ます。驚いた家族はゴーストバスター(霊媒師、エクソシスト)を頼みますが、最初のバスターは上にも書いたようにここの幽霊は人畜無害だからそのまま暮らす方がいいとの結論。セカンド・オピニオンを頼んだところから話は困った方向に動き出します。
この作品のいい所は非常に平凡で善良な一家の所にゴーストバスターなどという妙な職業の人が来ること、1人目と2人目では職業的な責任の持ち方に大きな差があること(誰がそんな事を予測できるか!?)、2人目の男の真の目的が何かさ最後になるまで分からないところ、見終わると前にファンタに出た別な怖〜い作品との関連も浮かんで来ること、それが実に平凡な家、家族にもたらされるので、観客もどの視点から見るべきか分からないところです。平凡さの中に異常さがうまく織り込まれ、それに良く合った俳優を選んであります。
幽霊が本当にいるかどうかも問われる作品で、最後家族が助かるにあたって最初のゴーストバスターが正しかったことが証明されます。ということは幽霊は本当にいるんだ・・・。最初のゴーストバスターがいかにもゆるい感じで、観客は「この男、まじめなのなかいな」と思わせるところも脚本の勝利。
監督は長編デビュー。
舞台は麻薬依存者、犯罪者などが集まるコミュニティー。主人公は病気に加え麻薬からくる症状も抱えている。そこへ陰謀が・・・ですって。
トレイラー: 無軌道、自堕落な生活をしている主人公や友人のシーンが出た後、「あなたは妊娠しています」と言われる主人公。その後はスプラッターの様相を呈して来る。
この予告だけだと、あまり見という気がしない。
後記: 解説、トレイラーから受ける印象とは全然違う。あまりパッとしない土地に住んでいる女性が主人公。ディスコのような店でしたたか酔っ払い、記憶の一部が欠落。やがて妊娠していることが分かる。
彼女を助けようとする女友達もいて、やがて出産。ところが生まれて来たのは・・・。その上友達と思っていた人物は実は・・・という結末。生まれて来たのはエイリアンらしいのですが、あまりおもしろい演出ではありませんでした。見なくても損はしないでしょう。
過去のホラー映画をもじったようなタイトル。
若い2組のカップルがセックス・クラブで乱交をするつもりが、そのベッドに呪いがかかっていたという、解説を聞いただけでは馬鹿話に思えるストーリー。
トレイラー: スプラッター、スクリーミング・ホラーのようです。
後記: 2日目の最初に上映。この日はプロットの弱い作品が2つあり、その1つ。準主演で刑事役の俳優はいい味を出していましたが、他はプロットの弱さも含め全滅状態。
トレイラーにも使われた冒頭のシーンが期待を持たせるのですが、本編との関係が薄く、よくこんな作品に投資者が見つかったなあと変に感心。
父親の謎の失踪後半年。弟と2人で父親のやっていた古めかしいビデオ屋の管理をするために故郷に戻って来る。父親の事務所で謎のゲームを発見。それと関係のありそうなVHSビデオをプレーヤーにかけたところそこに謎の女性が現われ、兄弟は父親を助けることができると言う。父親は別な世界にいるとか。それは地獄への道かもしれない・・・。
なんだかジュマンジや日本のホラーを混ぜたような筋。
トレイラー: 無い!
2011年のファンタに参加した The Assault (実話の映画化)の監督。
チンピラが友達や家族と盗みをやっている。犯行後証拠を隠滅すべきところ、1人が麻薬の金欲しさに使った武器を他のやくざに売り渡したため、足がつく。その後仲間が捕まり、家族が危険になり・・・など、犯罪が家族や友人の人生を狂わせる方に重きが置かれているような印象の解説がなされている。
トレイラー: 一瞬楽しそうな家族のシーン。残りはマジのギャグ戦。フランスには時々この種のリアリズム映画があります。長い長い間伝統だったおしゃべりばかりのスタイルを止め、アクションを交えてマジで底辺の社会を描く作品が増えました。
後記: The Assault を見て期待をした人は大当たり。フランスはリュック・ベソンが出る前、観客の迷惑も顧みず自分の哲学をだらだら、とうとうと述べる作品だらけでした。国を挙げて外国映画の本数を制限している国だったので、国産映画はどんどん作られていました。なので俳優で食べている人もかなり多かったと推測されます。
ベソンがそうやって迷惑している観客に同情してか、外国に売れないことに苛立ってか、エンターテイメント性を高めた作品を出したら大当たり。しかし中には粗悪品もあり、最近は衰退気味。その後に硬派のアクション映画が出るようになりました。フィルム・ノワール的でフランスの裏社会を扱うのですが、作る側がムードに酔っ払っておらず、冷徹な目で社会を見つめながら人間味もたっぷり織り込んだ作品が時々出ます。
その上かなりの人材があるようで、外国にほとんど名前が知られていない俳優でも演技は手堅いです。今回はアラブ系の人が多用されています。
家族愛、信頼、できの悪い子供がしでかす間違い、ライバル組織との対立などが上手に盛り込まれています。その上襲撃シーンはスリルたっぷり。影を落とすのはここ2年ほど現実の社会でもそっくりな銃撃戦が別な理由で起き、合計すると3桁の数ぐらいの死者が出ていること。
時は1978年。場所はカリフォルニア。悪党気取りの集団が小さな町での銀行強盗でヘマをやらかし、人質を連れてカリフォルニアの砂漠の奥地に逃走するが、仲間の1人は腹を撃たれている。警察も追って来る。逃げ込んだのはカーナージ・パークというアミューズメント・パーク。彼らは猟奇的な元軍人スナイパーと遭遇し、その後はサバイバル映画と化す。
トレイラー: アメリカは人口分布が偏っているとつくづく思います。恐そう。ニューヨークやロサンジェルスのような場所だけではない、何日も人に会わないような田舎もあるんだと改めて思い出させてくれます。そこで命を狙われたら、怖い。
後記: 上にも書いたようにこの日は鬱になりそうな作品が3つぞろりと並びました。その3本目で、予想よりは悪くありませんでした。
アメリカ版 Wolf Creek。こちらは実話を元に作られています。
アメリカの南部と思いたくなりそうな乾燥した地域。実はカリフォルニアの内陸地。チンピラギャングが銀行強盗。たまたま土地の所有権をめぐって銀行員と揉めていた女性が人質に取られてしまいますが、ギャングの1人も腹に銃弾を食らい、車の中で死亡。
女性は逃げようとして失敗。ところがどこかから銃弾が飛んで来て、残ったギャングが撃たれてしまいます。女性はガスマスクをつけた謎の男に麻酔を嗅がされ気絶。気がつくと殺されたギャングと手錠で繋がれています。
ギャングの手をつぶしてどうにか自由の身になった彼女ですが、周囲を見ても人の姿はなし。ここから彼女は姿の見えない誰かに追いかけられ、時々銃弾が飛んで来ます。逃避行の途中何度も誰かに殺害された死体に出くわします。かろうじて生きている女性を助けようとしたら、そこにも銃弾が飛んで来て死んでしまいます。
ようやく建物にたどり着いたものの、そこにも死体。やがてパトカーが来て保安官が出て来るのですが、彼女は犯人だと思い込んで刺し殺してしまいます。
この男は実は保安官の兄弟。ベトナム戦争に参加したことが祟ったのか、帰国してからこの土地に住み着いて、私有地に入って来る人間を皆殺しにしていました。まあ、アメリカには自衛権があり、銃は比較的簡単に買えます。そしてベトナムで狙撃兵でもやっていたのかやたらに銃の扱いがうまい。
人質の女性がどうにか助かり、警察が後で調査したところ最低でも2ダース程度の死体が確認された様子。犯人は発見されないまま。非常に広い土地なので、3桁の数の死体が見つかっても驚きません。
スティーヴン・キングの小説が原作。映画制作にも関わっている様子。多くの出演者はゾンビ役。携帯電話を使うとゾンビ化するというのが大まかな筋。話の中心はキューサック演じる漫画家、別居中か離婚した妻、息子。
エスターに出演したイザベル・ファーマンも出演。監督はピンチヒッターで、元々はロスの予定だった。
トレイラー: ゾンビというのは制作側、作者側が障害と見なしている者を象徴しています。ゾンビと戦っている者は自分たちが少数で、無力でありながら生き残らなければ行けないというスタンスを代表しています。相手は理性の通じる相手ではないという点も象徴しています。一体ここでは具体的に何を指しているんだろう。主演は白人と黒人なので、人種問題ではなさそう。貧富の差でもなさそう。画面はきれいに撮れています。
銀行強盗物。バレンシアの大きな銀行を襲う一味。人質を取っており、素人ではない手法。ところが計画が一部狂い、練り直しを迫られる犯人たち。
上の方にホセ・コロナードがクレジットされています。彼の出た作品はおもしろいのが多かったです。
スペインと聞くと欧州の人でも乾燥した気候の国と思うのですが、コロナードが出演する映画ではなぜか豪雨。
トレイラー: 現代的、緊迫感が出ています。
後記: まだあまりパッとした作品が無い中では良い方に入る作品。最近のスペインはこの種の作品が時々出ます。
上に書いたようにやたら豪雨。スペインでは一般的な現象ではありません。なのに、ホセ。コロナードが出るとこうなっちゃう。しかも雨が降ると降らないでプロットに大きな差が出るようになっています。
この作品はいくつかの番狂わせを楽しむようになっています。扱われているテーマの中には本当にスペインで起きた事件を揶揄しているかなと思わせる部分もあります。本人たちが意図しないのにおかしなことになって笑いを誘うシーンがいくつもあります。硬派の黄金の7人という売り出し方をするともっと受けるかも知れません。
もう1つ楽しめるのは銀行の建物。古臭い建物でがっしりした構えです。
両親が離婚。幼い息子は精神分析医のお世話に。皆は子供の反応は離婚のせいだと思っている。母親はパリにおり、父親は2人の息子を連れ旅行を計画。3人はリュックサックを背負ってスウェーデンの山へ。行った先は携帯の繋がらない場所。電気も水道も来ていない。子供の視点から描いたホラー。
トレイラー: 無い!
後記: 仲間内ではまあまあとか、大したこと無いという評価だったのですが、私はこの日までに見た作品の中で1番。現在は後半の始め。
あらすじは解説の通り。父親妻と別れ、妻は子供2人とパリに住んでいる。父親は1人でスウェーデンの都会の医学系らしきラボで仕事。長期に渡って不眠症と偏頭痛に悩まされている。久しぶりに会った3人は山へ。
長男は都会っ子なので間もなく電池が切れ、携帯が使えなくなったことに怒る。次男は父親の助けを借りて、自分の中にある不思議な能力に慣れて行く。父親は次男が透視術ができたり、デモンの姿が見えることを知っている。どうやら父親自身そういった能力を備えているらしい。
父親は徐々にノイローゼ気味な反応をするようになり、長男は町に戻ろうととしてツーリストの助けを借りようとするが失敗。間もなく自力で山小屋を去る。
父親は次男を連れてボートも使いどんどん山奥に進んで行く。やがてデモンが1人でいる次男を肩に乗せて夜中歩き、どこかに子供を置き去りにする。翌朝目を覚ますと伐採作業員に発見され、母親と長男が迎えに来る。父親は恐らく山で死んだものと推察される。
デモンはひどく醜い姿をしていますが実は悪魔などではなく森の精ではないかと思われます。最初に父親が長男に紙に文字を書かせ、次男に当てさせようとした時デモンが現われ、自分の醜く変形した口を指差しています。次男は驚き、怯えて悲鳴をあげますが、長男が紙に書いていた言葉は口でした。デモンが次男に正解を教えてくれたことになります。ラストで人家に近い所まで次男を運んだのもデモン。
超能力とかデモンの話は別として、この父子は長男と違い、森に体ごと適応できるタイプの人です。風や気温、湿気の変化に敏感に気づいたり、虫を怖がりません。
日本人の何割かにはこういった能力が普通の備わっており、誰かに指導されればもっと多い割合でこの父子のように自然に適応できると思います。ベルリンは長い間風も吹かず、季節の変化が単調な都市でしたが、最近の10年ほどの間に日本とよく似た風が吹くように変わりました。地球温暖化の影響なのか(私は温暖化のメカニズムがよく理解できず、まだ温暖仮説に賛同していませんが)、何かの形の気候変化が起きたことは確かで、また日本で感じていたように自然の変化に体が反応するようになりました。
ではなぜ日本で私が自然の変化に反応していたかというと、まずは山男だった父親の影響、その後は小高い山の家に住んでいた親戚の影響、その後は散歩好きだった祖父の影響、そして親元を離れてからはユースホステルの先輩ホステラーの影響。こういった人たちが風の変化、日差しの変化、気温の変化など様々な事を見せてくれ、こうなるとどうなるといった話も少し聞いていたためです。
これに超能力の与太話が加わるとシャーマニズムっぽくなり、信憑性がゆらぎますが、自然の変化を体で感じ、適応するという文化は農民が多かった日本では不思議なことではありません。時代が大きく変わり、都会っ子が大多数になってしまった現代には、人間の体にはこういう変化を感じる能力があるんだということを知らない人が増えました。それでもまだ多少なりとも季節にちなんだ習慣が残っているのが日本。かなりそういうものが失われてしまったのが欧米。インディアンはよく知っていたはずですが、人口が恐ろしく減ってしまっています。
私がこの作品を快く感じたのはストーリーのためではなく、自然と人間の向き合い方(一般には欧州は石の壁で仕切ってしまう家を建てるので、自分を自然から隔離する傾向、アジアでは自然に適応した家を建てる民族が多く、自分は自然の一部という考え方)のコントラストを示したためと思われます。
ドイツ人観客にはやや退屈だった様子。
監督はトゥモロー・ワールドの Alfonso Cuarón の息子で、これがデビューとのこと。別な資料では長編2作目
メキシコから国境を越えて米国に入国することがテーマのようです。監督はいきなり長編でデビュー。この作品が2作目。タイトルは荒野という意味。ユーモアのかけらもないドライな社会派スリラーとのこと。
トレイラー: ・・・なるほど。笑う余地はありません。エンターテイメント性ゼロ。親父さんよりドライ。
後記: 今年はこの種のテーマの作品が複数出ており、トレイラーを見た時にはうんざりして、できれば見たくないと思っていました。
この種の作品が嫌いだという点を別にすると、意外や意外、退屈して時計を見るなどという暇もなく、単調なテーマなのに間断なくはらはらさせられます。お父ちゃんより息子の方が才能があるかも知れません。お父ちゃんから映画作りのノーハウをきちんと学んだ上、改良したような印象を受けます。
前半で元々15人〜20人ほどいた不法移民希望者と、仲介者のうち大半が殺されてしまいます。とりあえず残った4人も1人減り、2人減り、最後は2人。この2人が武器も無く徒歩で、ピックアップと獰猛な猟犬、望遠鏡つきの高性能ライフルを持った男と対決しなければなりません。
しかも男がなぜこんな事をするようになったのかも的確に説明されています。元々はこの男は自分の国だ大好きだったのですが、政治状況が変わり、彼の目から見るとどんどん悪くなって行ったとのこと。今年の米大統領選で争点になっている視点ですが、この男の台詞で非常に簡潔に代弁しています。外国人の労働者を入れて白人の「これは俺たちの国だ」と思い込んでいる人たちが失業者になる状況がこの男にとっては耐え難いわけです。
その上この作品はこういう男たちの職を奪う立場の不法移民者が入国してもずっと貧困の中で暮らさなければ行けないだろうという点も十分示しています。ウィン・ウィンではなく、ルーズ・ルーズなのです。
60年代から現在までを見渡しただけでも、開発途上国の援助の仕方は方法の点で明らかにおかしかった、この方法では貧困の国から人が富める国に動くよう誘っているようなものだと見えました。また、一段階級が下、3K の仕事をやらせるんだと受け入れ側が最初から考えていたとしても、物事にはやり方というものがあります。ドイツは欧州の近隣国よりその点はまともで、受け入れ側とやって来た人たちの間にはまだ一定の信頼関係があります。欧州の近隣国では「こんなやり方ではいずれ揉めるぞ」という状況が長く続き、去年あたりからとうとう具体的な形で現われてしまいました。アメリカの南からの移住希望者の問題はもっとひどいことになっていたのだと改めて視覚的に知ることができる作品です。
監督は長編2作目。私は見ませんでしたが、2010年のファンタに The Loved Ones で参加。
日本には人にとりつく幽霊と、場所にとりつくお化けがいると分析した人がいますが、この作品では悪魔と提携する人間の話なのか、お化けが出る家がテーマなのか今一分かりません。
家族を皆殺しにした男が住んでいる家に引っ越して来た画家一家の恐怖の物語のようです。
トレイラー: スペイン語を話す一家が楽しそうに登場。明るい表情だった親父さん、トレイラーの後半は必死の表情に変化。ポスターを見るとノイローゼ気味の男の話に思えますが、トレイラーを見ると必死で悪魔と対決する親父さんのよう。印象が好転。
後記: トレイラーで受ける印象とも、解説から受ける印象とも違います。家族が仲良しでそこが大きな、快い意外性を作っています。登場人物は悪魔とその秘書を除いては連続殺人鬼も含めて善人ばかり。
画家がテキサスに家を買い引っ越して来ます。その家では過去に一家惨殺事件があったため、お買い得な値段。近所にはその家の息子が住んでいますが、今は家を売りに出しており、本人はホテル生活。この男が実は連続殺人犯。
ホテルでヘビーメタルの音楽をガンガン演奏するため、近所から苦情が出て、警官が注意しにやって来る始末。ここに謎の答が潜んでいます。この男実はやや知恵遅れな上に分裂症気味。実はお人よしのいい男なのですが、悪魔が彼に子供を殺すようけしかけ、その声が聞こえるため、ヘビーメタルをガンガンやって聞こえないようにしたいのです。それを禁止されてしまったので、また「子供殺せ、さあ殺せ」という声が。
そんな時期に子連れで殺人鬼が以前住んでいた家に引っ越して来たため、家族は標的にされてしまいます。その上画家の方には犠牲者があの世から話し掛けて来て、苦しみを訴えます。それを絵にしたら、有名な画廊が買うかも知れないと言うではありませんか。それで話が三つ巴。これだけ書いてもまだ驚きのシーンがあり、話はさらに展開します。
2004年に Atomik Circus - Le retour de James Bataille を作った監督。他にもう1本ヴァネッサ・パラディーの名前入りのタイトルの作品を作っています。少年、青年のまま年を取りたくないと言い出したのは50年代後半のフランス人。この考え方は世界中に伝わり実行されています。
トレイラー: 大人のいない町で子供たちが悪さをしているシーン。筋はつかめませんでした。フランスとスペインの作品ですが、出演者は英国式の英語を話しています。
後記: 今年は人類破滅、ゾンビ映画がやたら多く、テーマに強い偏りがあります。そして映画作り、プロット作りで大穴が開いている作品が多いです。始まるともういきなり破滅した世界登場。なぜかまだ助かっている少数の人がいます。そして世界がなぜ破滅したのかの説明は無し。
この作品もなぜか子供が成長し、大人になると狂ってしまったり、死んでしまう、あるいは子供に殺されてしまうのが常識の世界を描いています。なぜ一定の年齢を過ぎると行けないのかは私の見た範囲では説明されていません。
登場人物はすでにどこかから逃げて来た子供数人。一般人はいなくなってしまっているので、その辺の建物、家に入り込み、中の食料を食べたり、休憩をしたり。
数人の間で男女関係を作ろうと動く子供たちや怪我をして、まだ若いのに死にかける子供などいくつかのエピソードが語られます。社会が破綻しているのにまだ電力供給があったり、インフラが結構整っていたり、矛盾が見えるのは他の作品とも共通します。
デビュー。モノクロらしい。子供の時母親がよそ者に殺される。なぜか娘はその犯人と親しくなり、人を殺す時の感覚を語られ、徐々に惹かれていく・・・。何だか感じの悪そうな話。
トレイラー: 無い!
後記: トレイラーは無い上、インターネットでもなかなか解説が見つからなかった作品。しかし見てみると内容は分かりやすいです。
人里離れた田舎で暮らしている両親と娘3人。アメリカ人、農夫の父親の外出中に悪い男が入り込んでポルトガル人、医者(獣医?)の母親を殺してしまいます。後で家に戻って来た父親はその男をガラス瓶で殴り、納屋に監禁し、数年飼って起きます。娘は母親から生前動物の眼球の事を教わっていたため、男の目玉をくりぬいてしまいます。
何年か男の餌の世話をしながら父親、娘、男は暮らしていますが、父親がある日死亡(老衰か)。暫くして娘は男を殺してしまいます。かつて男が母親を殺した後、娘が動機を聞いたら「殺人はすばらしい気持ちにしてくれる」などと言っていたのがきっかけのようです。
しかし天涯孤独になってしまった少女はかつての母親がやったように(やった事は娘は知らなかったかも知れません)、近くを通る道路に出て、たまに通りかかる車を止めます。今回は若い母親と赤ん坊。少女は赤ん坊をそのまま連れ去ります。驚いた母親は少女の家まで追って来ますが、少女にナイフで刺されて倒れます。少女はこの母親の目もくりぬいて納屋に監禁。
当時赤ん坊だった息子アントニオは小学生ぐらいの年に育ち、ある日納屋で鎖につながれている実母を発見。息子が母親とは知らないその女性の鎖を解いたので、女性は近くの道路に出て、トラックの運転手に助けられます。その後警察がパトカーを何台も出動させ、少女とアントニオは警察の手に。
少女の狂気の他に、学校へも行かず、過去には両親、その後押し入って来た男、囚われている若い母親しか知らず、アントニオも自己流に育てていたので、世間の常識、モラル、社会性を一切身につけていない事も異常と思える行動に走らせたのでしょう。
エンターテイメント性はゼロで、見ていてあまり楽しい作品ではありません。
元ネタの短編を見ました。クリスマスの夜中、恋人を起こし、贈り物をする。本物のピストルを贈り、口を開けピストルを口に入れろと頼む彼女。男に自殺を強要。女は「自分のためにやってくれ」とセクシーに頼み、やらないのなら去ると言う。感じの悪い短編です。これを長編に引き伸ばしたのでしょうか。短編の出演者は出ていません。長編の解説とはやや話が違っています。
トレイラー: 見られない!
後記: 人を誘導する名人の女性を恋人にしたややお人好しの画家(今年はこれで主人公が画家の話3作目)。女性はなぜかクリスマスが近づく頃、ベッドの中、セックス中に男にピストルを加えさせ、自分で自分に向かって引き金を引かせようとセクシーに持ちかけます。
ところがよく朝目を覚ますと、彼女の死体が・・・。取りあえずは彼女の死体を隠さなければ行けない。普通の小さな町、普通の近所付き合いがあるのでなかなか難しい。四苦八苦しているところへ、水道の水圧の調整をしに工事の人が来る。この人は近所の知り合い。死んだ彼女の知り合いや、自分が働いている酒場の同僚などが次々に訪ねて来る。間が悪くて偶然死んでしまったり、知らずに家に入って来て、死体を発見して監禁されたり、どたばたが起きますが、はっきりしたブラック・コメディー形式ではなく、ややシリアス。結局希望したわけでもないのに、人間の死体4つ、犬の死体1つを作り出してしまった主人公。
全てとは言わずともいくつかの件は見聞きしたと思われる少年はやや知恵遅れ。自分の目の前で最後の犠牲者が殴られてもその意味を想像できていないままショーダウン。
統一の取れた作品ですが、ホラー映画を見慣れている私たちとしては2度見るとか人に推薦するほどのインパクトはありませんでした。しかし前半見た作品に比べると監督はこの規模の作品をまとめるのは手馴れている感じ。退屈して時計を見ることはありませんでした。
テレビ畑で長く仕事をした監督。
トレイラー: 牢屋のような建物。居住者は全員オレンジ色のジャージを着、身体障害者でもないのに車椅子に乗っている。独房を出る時は手足を車椅子に縛り付けられる。全員子供。管理をしているのは大人の教師と兵士。実はこれはゾンビ化したの子供たちから他の人間を守るための対策だった。子供が人類に取って危険で、周囲はいざとなったら殺すことも辞さないつもりでいないと行けないということで監督は何を表現したいのかは謎。
後記: 久しぶりに見た大駄作。有名俳優も呼び、大勢のエキストラも使いこんな作品を作って誰に見せるつもりだったんだろうと思います。
主たる原因はこの現代にまだお花畑で自分の理想主義に酔っている人たちがいることではないかと思います。大勢の人がゾンビになってしまう中、軍、科学者、教育係など少数の人たちがまだゾンビにならずに生存。しかししっかり身を守らないと噛まれてゾンビになってしまいます。
そんな中この人たちは妙な研究をしています。子供ゾンビを集め、毎日授業をしているのです。メラニーは特に賢く、インテリ。科学者のグレン・クローズはメラニーの体から抗ゾンビ・ワクチンを作るべく研究中。
その後の展開と結末が脳のお花畑状態に入ってしまうので呆気に取られます。フランスにもたまにこういう考え方の人が政治の世界にいたりしますが、英国はもっと現実的だろうと思っていたので、口をあんぐり。ちょっと前に辞めた上層部の政治家を見ているとこの映画のような話を本気で信じている人が政治の世界にいたということになります。私はてっきりこういった方向の教育を広め、治める国民を「夢見る理想主義者」にすることは冷徹な政治家たちの戦略だと思っていました。
ま、日本でもほんの数年前に危なっかしい経験したばかりなので、世界的な傾向なのかも知れません。
ニューヨーク。いわくつきのアパートに住み始めた若い女性。友人が前にそこに住んでいて失踪中。アパートには妙な感じの女性が住んでいる・・・。
2006年の Sam's Lake とその元ネタとなった同名の短編の監督。
トレイラー: いかにもという典型的なホラー映画。
後記: 初日に持って来たのは正しいです。クラシックなホラー映画のスタイルを守ろうとの努力は見えますが、重要な役を演じる2人の女性がいかにもチープな感じ、悪役も型にはまり過ぎて監督の意図したスタイルが十分に生きていません。目指したところは分かるのですが。主演女優は整形でもしたのか、表情が苦しそう。たとえ年を取って皺ができても、整形はやらない方が味のある顔になったのではと同情。
1人思わせぶりな表情をする男が出て来て、犯人との繋がりが想像できるのですが、長くなり過ぎるので割愛でもしたのか、不発に終わっています。
様々な理由でリハビリ・クリニックにいた人たちが、退院すると Havenhurst という名前の古臭いアパートに引っ越して来ます。エレノアという老家主に歓迎されて住み始めるのですが、誘惑に駆られてコカイン、お酒、売春、子供を犯すなどするとこっそり監視カメラで見られているのでばれてしまいます。すると老家主が息子2人に命令してその人たちは拷問死など苦しみ抜いてから死亡。
家の秘密に気づいたダニエラも失踪。親友のジャッキーがダニエラの後に同じ部屋に入居し、ダニエラが残した手がかかりを見て疑いを抱き、元彼の刑事に捜査を依頼。2人は、大昔大事件に発展した一家の1人が老家主だというところまでたどり着きます。200人以上死者の出た事件。
そこまで分かれば解決かと思うでしょうが、そうは問屋が卸しません。
長編劇映画デビュー
トレイラー: 具体的な内容は分からないけれど、とても楽しそうなおバカ映画。
監督は長編デビュー。クー・クラックス・クランなどが出て来るらしく、なにやら不穏当な物語のようです。
ナチとクー・クラックス・クランは映画では邪悪な物として一まとめにされることが多いです。この作品では FBI の捜査官が囮捜査官として潜入するのですが、1人、2人送り込んでも果たして根絶の助けになるものかは不明。クー・クラックス・クランは明治の頃に発生。ナチスの時代にナチスと似始め、戦後はネオナチに近くなって来ています。ただ、欧州のこの時代には奴隷という要素が無く、結成の頃から奴隷が攻撃対象になっていたクー・クラックス・クランとは格がやや違います。ユダヤ人に対する姿勢も当初は欧州と違っており、いつの間にか双方が似て来ています。外から見ていて怖いのはむしろ狂信性。狂信性が出始めると元々の思想の如何を問わず暴走し始め、止められなくなります。
トレイラー: この作品ではナチとクランは混ざっている様子。
後記: 見る前ちょっと心配をしていました。それがど真ん中から当たった感じです。作品のスタンスは
・ 困った政治団体がある
・ 危険な事をやりそうなので監視や捜査が必要だ
・ 囮捜査官を忍び込ませて計画を事前に失敗させたい
といったような方向。たまたま事務職の職員の中に性格的に情報収集に向く人がいたので、強引に外勤にリクルート。取り敢えず本人は納得の上で潜入。ところが「計画」というのが無かったのです。それで最初の大計画は頓挫。たまたま別な男たちに別な計画があり、そちらを未然に防ぐのに成功。
売りはラドクリフがこれまでと違う役に挑戦して演技の範囲を広げることのようなのですが、こちらの作品では失敗。孤島で死体を演じている方がはまっていました。
失敗には2つの原因が考えられます。1つは脚本がテーマを絞り切れていなかったこと。以前のファンタに出たサクラメントは低予算でセットもロケーションもお粗末でしたが、焦点がきっちり絞ってあり、俳優が役をよく理解した上で演じていたので、狂信的な新興宗教の危険さがよく伝わりました。こちらは「人種差別団体は行けない」と言う点が見る側と制作側のコンセンサスだという所から始まっており、詰めが弱いです。その上欲張ってあれこれ要素を盛り込んだため虻蜂取らずになった感があります。
ドイツでもヒットラーと当時の政権に参加した人たちが悪いということが国民の間でコンセンサスになっていて、話はその後から始まるため、(特に若い世代には)一体どこ、何が悪いのかの説明や納得が抜けていることがあります。なので例えば私ならアメリカ南部の人種差別主義と第二次世界大戦のヒットラー政権のどの点がいつ結びついたのだろうという疑問を持ち、そこを調べて納得という手順を踏むのですが、若い世代はそこはスパッと抜けています。
また、若い歩兵級のクラン・メンバーに教育が欠けていることもテーマとして取り上げられていますが、最後制作側の自己満足的なハッピーエンドで終わってしまいます。このテーマだけで1本映画が作れるような大きな問題なので、もう少し引き締まった扱い方をするか、それができないなら今回はスルーするとか、テーマの取捨選択にもう少し慎重になってもらいたかったです。それほど重要な問題なのですから。
インテリで模範的な市民の素顔、講演会を行って支持者を集めて回っている男の素顔など重要でおもしろいテーマも扱ってあり、料理の手際が悪いか、欲張り過ぎて消化不良を起こしているかのどちらかでした。例えばアーリントン・ロードの方が普段模範的な市民の仮面を被っている団体の怖さがよく出ていました。
なまはげのような意味を持つお祭りをやっているイタリアの小さな村。ところが4歳の子供が失踪してしまう。5年後身元不明のトラウマを抱えた少年が現われる。遺伝子の検査をしたところ当時失踪した少年だと判明。父親は再会を喜ぶが、母親は物を言わず冷血になってしまった我が子になじめない。彼に悪魔がとりついたのかも知らない・・・ってな話になる。
トレイラー: 子供の失踪を伝えるメディアはアメリカ風。親がテレビに出て来て協力を呼びかける。子供が戻った後は、夫婦、祖父などの間で子供をめぐって対立が起きてしまう。変だと思う母親がノイローゼなのか、変だと気づいた母親が敏感で正しく観察していたのか。もしかして家族が揉めている間に子供がとんでもない事をするのではないかと観客ははらはら。サスペンスが盛り上がっています。
後記: 今年の前半あまりいい作品が無いのですが、これはなかなかいい出来でした。イタリアは過去には評判の高い作品もちょくちょく作っていたようなのですが、ファンタに来る作品は非常に少なく、来てもあまりよくありませんでした。どうやらテレビに数時間のドラマが出ていて、力のあるスタッフがそちらに流れているような気がします。
この作品は5時間程度のテレビ・ドラマにもできそうですが、90分に上手く収めています。
元々の話は子供の失踪事件。田舎の村で父親がお祭りの最中家に帰りたがる息子を無視して友人と飲んだくれていたその夜、行方が分からなくなります。必死で探しても見つからず、メディアは父親が殺して隠したのだろうとまで言います。証拠は見つからず、そのまま迷宮入り。
5年後大都会で発見された子供。記憶が無く、遺伝子鑑定の結果消えた息子だと確認されます。父親は大喜びですが、母親はなぜか子供となじめません。その上その少年をめぐり時々変な事が起きるので、迷信深い村人の間では悪魔の子ではないかという悪評が立ち始めます。
実はこの子は赤の他人。本当の子供をめぐって5年前に出来事が連続して起き、真犯人でない父親が疑われ、別な人たちが自分が殺したと思い込んでいたり、殺した人が自分でそれに気づいていなかったり、不倫が絡んで遺伝子検査の結果がごまかされていたり。
監督(脚本家)は実際の事件のプロットを最初にはっきり決め、それに合わせて登場人物の行動を書き、観客には出来事は描写して見せますが、動機を最後まで隠してあるので、謎が深まります。伏線の引き方が見事です。
監督はデビュー。アメリカに不法入国した夫婦。妻は妊娠中。裸にされ、人格を否定され、5600ドルを稼ぎ出さなければならない。心理的な拷問まで。
トレイラー: 実際にそういう事が行われているのか、「アメリカに来ないでね」という逆宣伝映画なのかは不明。
後記: 作ったのはカナダですが、舞台はアリゾナ州フェニックス。解説やトレイラーとは別な方向に動きました。
メキシコや南米から違法に来た人たちを誘拐してパンツ1枚にして監禁。親や家族に電話をして1人当たり2800ドルを送らせるように脅迫。断わると殴られたり、指を切断されたりします。警察に通報すると強制送還されるので、ひどい目に遭っても警察の助けは求められません。同じように監禁されている家の近所の人に助けを求めることもできません。
大切なテーマを扱っているのに、プロットが穴だらけで、何のために作ったのか分からないような作品です。マシンガンのような重火器は無く、人質は拳銃と拳で脅かされるだけ。犯人はたったの3人、人質は大人ばかりで十数人。その気になって戦えば勝てる人数。
これも実話をベースに作られています。プロットがお粗末なのでつまらなかったですが、それでも恐ろしいという印象は残りました。何しろ世田谷の住宅街のような家の地下室で行われた犯行だったのです。普通の家族が住んでいる家がずらっと並んでいる中、その1軒でこんなひどい犯罪が行われていたことが衝撃です。
会社を設立するといいつつ1日中コンピューターゲームに明け暮れていた男の恋人が誘拐される。彼女を救うためにはこれをせい、あれをせいと犯人から要求され、彼の人生は一転。ゲームの中の課題を現実の世界でやるはめに。
トレイラー: 設定があほらしいため、トレイラーも馬鹿みたいに思える。
テレビ局で行う大晦日のショーの舞台裏の話。打ち合わせどおりに行かず、ひどい事になる。
トレイラー: 悪趣味な風刺。
監督はソウ(4〜6)(リンクはシリーズの第1作)の脚本家だった人。 Darren Lynn Bousman と一緒にソウを作っている。 どんな人が隣人になるかえり好みできない現代。所は米国ミシシッピー。自宅の前の庭に動物の腐乱死骸。チンピラ・カップルが隣人父子と向き合わなければ行けなくなる。隣家の地下室は怖いぞ。
トレイラー: アメリカというのは本当に人里離れた土地が多い。やや思わせぶりに始まった後はソウ(リンクはシリーズの第1作)の乗り。
後記: あと1歩でジェーソン・ステイタム主演のメジャー作品に昇格できそうです。その手前で終わった感じがします。悪いというほど悪くは無いのですが、パンチが1つ欠けている感じです。作る前にジャンルのどこに照準を合わせるかが決まり切っていなかったのかも知れません。
慌て者の主人公。一夜のデートはうまく行かず、パートナーの男のベッドで目を覚ますものの記憶が欠落している。男は彼女をできるだけ早く追い出したい。そこへゾンビが・・・。2人はもしかしたらこの世で最後の人間かも知れない。となると子孫を残さなければならない・・・と思ったら、町の一角だけだった。男の怪しげな父親など家族も登場。こんな状況の中彼女はパートナーの男を射止めることができるのか。
トレイラー: どこで撮影したのか分からないけれど、この町並み他の映画で見たような気がする。おバカ・ゾンビ・コメディー。
アパートの上下に住む2組のカップル。両方とも妻が妊娠中。4人は近所付き合いを始めるが、やがて事故が起きる。上のカップルの妻は研究の仕事をしているが、現在は産休中。やたらきれい好きで、出産に不安を持っている。下のカップルの妻はセクシーで若く、銀行家の夫はやや年上。妻は専業主婦で出産を喜んでいる。両カップルには考え方に差があり、上のカップルはキャリアを確立した後妊娠、下のカップルは7年間子供を熱望しようやく妊娠。
センスはあるけれど意地の悪い心理スリラーとのこと。ポランスキーの手法を真似、ロンドンの住宅街を舞台に現代より古い設定にしてあるそうです。
注: 解説を読む限りの話ですが、枠の部分は黒澤清のクリーピー 偽りの隣人と似ています。
トレイラー: BBC映画。やたら英語が分かり易い。夫婦という2人1組の単位でも性格が全然違い、うまく行かない事があるのに、2組の夫婦で出産に対するアプローチも全然違う人たちが上下の階に住んでいると、息が詰まるような経験もあり得るなあと思います。
フィナーレに上映される釜山行きの前の話とのことで、アニメです。監督はアニメ作品をちょくちょく作っています。こちらもゾンビのサバイバル映画とのことです。
家出少女が役立たずの男と同居。金が尽き、男は彼女に売春を強要。彼女は改めてここから家出。父親は家を出た娘を探し続けているが、出会うことはない。たまたまソウル駅にいる時、地下ではゾンビの伝染病が広がり始める。
トレイラー: 日本と同じ系統のアニメ。字幕無しの韓国語ではあるけれど、父親が娘を探している時にゾンビに出くわしているらしい。のんびりした気のいい男に見える。そんな父親を嫌う娘はどんな子供なんだろう。もしかして全然違っていたりして(笑)。
後記: 韓国としては珍しいスタンスの作品。実際の政治の世界ではこのところずっとプロパガンダ、言いつけ外交で日本と対立を続けている韓国から今出たとは思えないぐらい率直な視点で作られています。
上に書いたように金が尽き、男が眠っている彼女の写真をインターネットに載せ、それがばれたため、2人は大揉め。ちょっと外に出た時、彼女は町でゾンビが増え始めている気配に気づきます。アパートに残った男の所へ彼女の父親が現われ大喧嘩になります。自分の娘をどうしてくれたんだと凄い剣幕。父親は男がアップロードした写真を手がかりにソウルにやって来ています。
その2人も町にゾンビがあふれているのに気づき、彼女を探し、逃げようと考えます。男は幸い車を持っています。彼女とは携帯が繋がったり、繋がらなかったり。紆余曲折の挙句にやっと再会。
ところが父親のはずの男は美人局と言うか女衒。携帯では彼女はいつも恋人と話しており、中年の父親風の男とは直接話していなかったので、ばれなかったのです。彼女は男に対して借金があるらしく、それで男は彼女を取り返しに来たのです。
時代は現代になっていますが、朝鮮半島ではかなり前から子供を女衒に売ってしまうということがあり、貧しい農家の親が子供を売り渡した日本と事情は同じ。その時代は併合されていたので半島の人は日本人でした。貧困から子供を売り渡す話は昭和時代の日本では大抵の人が知っていましたが、韓国人は知らなかったのか、今頃になって両国の外交関係にひびが入っています。
現代の韓国でこういう話をするとボコボコニ叩かれるようなのですが、この監督は現代の韓国で女衒に関わっている若い女性がいるというストーリーを映画化しています。この率直さに驚いたところです。
監督は長編デビュー。マタニティー・ホラー。
あの薄幸の美少年ビヨルン・アンドレーゼンも出演。小学校より前の年齢で父親から捨てられ、母親はその後自殺。育ての親は祖母。子役で俳優業開始。ルキノ・ヴィスコンティーがきっかけで世界的に有名に。本職は音楽との自覚があり、映画で騒がれ過ぎたこともあり、現在は音楽教師。子供に死なれたり、離婚したりと30歳代になっても不幸に見舞われたが、同じ女性とよりを戻し、その後は平凡な生活をしている。
ルーマニア人エレナは息子と一緒にアパートを買うためにデンマークの夫婦のメイドになる。夫婦は田舎で自家菜園をやり、電気も水道も使わない地味な生活をしている。2人は最初の出産がうまく行かず今後子供が持てない。エレナは金目当てに代理母の役目を受け入れる。しかしエレナは悪夢にうなされる毎日。妊娠中の子供に自分が支配されるような気持ちになる。
トレイラー: 英語(助かる。デンマーク語は聞き取りにくいのですよ。ルーマニア語はからっきしだめ)。どろっとした血が流れるだけ。
後記: こういう雰囲気のの作品が好きな人には大いに気に入られると思います。スタイルの統一が取れています。話の筋も矛盾無く進みます。私はたまたまこの種のスタイル、話が好きでないものであまり感激しませんでした。
監督は長編2作目。2012年ファンタ参加の SF Eva はすばらしかったです。
5年前の強盗は失敗。その後教師と結婚。娘もいる。そこへ問題をかかえた弟が現われる。弟と娘は地元のやくざのボスにひどい目に遭う。1度はまじめにタクシー運転手をしていた主人公は復讐心に駆られて行動開始。
トレイラー: フランスに時々ある硬派のやくざ映画。そのジャンルとしてはいい出来。Eva とまったく違うジャンルで、両方で完成品を出しています。
崩壊した家族の一員だった青年が、ガールフレンドとの関係を救うために、もう1度自分の家族と向き合う。とは言うものの、両親は火事で死亡している。妹は火事で心に傷を負っている。祖母は宗教に凝り固まっている。ショットガンの弾も飛んで来る。そんな家族とどうやって・・・?
トレイラー: 祖母の女優の目が真っ黒で怖い。
自分も含め何もかもが嫌になった男の話。ダーティー・ハリーのオマージュを含むコメディー。
トレイラー: この作品の意味は何かなどと考えなければ笑える作品。おバカ映画。
死後の世界があるかどうかについて悩んでいる青年の話。
トレイラー: イチローをノイローゼにしたような顔の俳優が主演。町を撮影したカメラマンは力がある。あほらしい話なのだろうけれど、撮影に救われている。
デップ一家、スミス一家総出。
監督の前作 Tusk の出演者とかなりダブります。一気に2本撮ったのでしょうか。
舞台のカナダ、ウィニペックは熊のプーさんの故郷。ここからロンドンの動物園に送られました。
映画の方は大昔の悪霊の話。
トレイラー: どう見ても Tusk とまとめ撮りしたとしか思えない作り。デップ一家総出。パラディーとデップは別れたものの、共演。デップは Tusk と同じ役のよう。カナダ色を出しているけれど、おちょくっているのか、アメリカよりましだと言っているのかは映画を見なければ分かりません。
後記: 3部作の2本目だそうです。私はデップ一家など知っている顔を見つけて楽しくアハハと笑っていましたが、これといった筋の無い、おちゃらか作品です。第1作のラストが衝撃的だったので、今回は観客をリラックスさせようとの配慮とは思いませんが、次にどんな作品が来るのかは楽しみです。
1990年代の話。エンターテイメント映画。
トレイラー: 荒唐無稽ではあるが、エンターテイメントとして楽しそう。ユーモアの要素もあり。
後記: 今年は中国は映画に力を入れている場合ではないのかも。これだけの予算が組めるのならもう少し色々な所に気を配ったらいいのにと思いました。中国からは今年はこれっきり。台湾、香港からはゼロ。
3D なのでメガネを用意していたのですが、その後1日中頭痛に悩まされました。
短篇
今年はコンペになるかも知れません。来ている作品はやや古め。
見た作品には感想を入れておきました。
短編は数本手がけている監督。
メイキング・オブ: 女性のメイクを紹介。出来上がると暗い作品だが、メイクはわりと明るい。血みどろで髪を振り乱した女の役の女優たち。たった11分の作品、1シーンでも手間は長編とさほど変わらない印象。筋は不明だけれど、地下に囚われた中世の魔女のような印象。
大抵は別な作品を作っている監督2人。共同作業は2作目。原題は「黒熊」。制作のきっかけはセロン監督の妹がケベックから熊を見学したい人たちのためのガイドブックというのを持ち帰ったこと。まだ1度も熊に出会ったことのない人が攻撃型熊と、防御型熊を見分けなければ行けないと書いてあるそうで。攻撃型に出会った場合は死んだふり、防御型に出会ったら一目散に逃げるのがいいとのこと。そのガイドからヒントを得て、風刺っぽい作品を撮ったとのこと。
トレイラー1: テッドに出て来るような熊がソファーに座らせてある。ミヤネ屋の宮根によく似た男と若い女が出て来て何かのスプレーの CM をやる。
トレイラー2: トレイラー1のラストは森のシーン。数人のハイカーが立っていて、そこへ等身大で話をする熊のぬいぐるみが登場。中の1人が熊と一緒に自撮り。
メイキング・オブ: 自然と親しもうとするハイカーの前に親しそうに登場する熊のぬいぐるみ。やさしい顔をしながら、1人の男の腕をもぎ取る。別なシーンでは顔を血だらけにしたハイカーが信じられないと言いながら茫然自失。女性ハイカーは腹を攻撃され、腸が外に出たまま熊に引っ張られる。アンチ・ベアー・スプレーの話が出る(なるほど、あの CM は熊撃退用のスプレーだったんだ)。
制作にあまりお金はかかっていない様子。
デビュー
トレイラー: 日本とは全く違うアニメの手法。
短編3作目。イーベン・ヤイレはミフネ、ポゼスト/狂血、ハイ・フィデリティで知られるデンマークの国際スター。
トレイラー: これも日本と違うアニメの手法。思春期の少年の話。
メイキング・オブ: かなり簡素化してコストを節約してあってもアニメは手間のかかる作業だと納得。監督独特の簡素な個性が見える。
オープニングの Swiss Army Man の監督。二人は多くの作品を共同で作っている。
赤いボールが丘の上から転がって行く。たまたまそこにいた人の様子が短く描写される。
感想: 完成度は高くない。舞台はカリフォルニアのようだが、こんな気候的に明るい土地で問題を抱えたり、絶望すると人はどういう風に反応するのだろうと思ってしまった。
テレビ畑の人。
インタビュー:
テレビがデビューで、その次に作った短編。
デビュー。
デビュー作品。タイトルは日本では不気味の谷と呼ばれている現象のこと。ロボット工学の分野の用語で、人間が人間にないものに対してどういう感情を持つかをグラフであらわした時にできる谷を指す。
廃墟の中で廃人のように暮らす男たち。実はバーチャルな世界にロボットとして出向いて、戦争ごっこをやっている。自分はロボットなのだが、そこで息子を殺された老女に出くわす。誤って撃ったものと思われる。ロボットなのに反省してしまい、自分の頭にピストルをぶっ放す。現実世界では廃屋でゲームに興じている。
感想: 不快な後味を残す作品。
フィナーレ
釜山行きの前のストーリーを撮った続編(「ソウル行き」というようなタイトル)も作られているようです。韓国の新幹線が見られるようです。
ゾンビから逃げる人たちの話。おもしろそうです。
ソウルに住む父娘。娘の誕生日に父親は嫌々ながら釜山に住む母親を訪ねることを約束。新幹線で行けば日帰りできるはずだった。ところがソウルの駅が前夜ゾンビに襲われ占領される。父娘の乗る新幹線にゾンビに噛み付かれた少女が乗り込んでしまう。新幹線の中に病原菌が伝染し、乗客の間に混乱が起こる。生死を賭けて戦っている時に人間のモラルの真実の姿が浮かび上がる・・・。
家族関係はグエムルを思い出させます。
トレイラー: 鉄道ファンにはうれしい作品。韓国の新幹線の中、駅、線路の様子が見られます。これをオープニング映画にしても良かったかと思います。
タイトルのリスト
く |
そ |
て |
ふ |
A
(A, An - 英、葡
)|
B |
C |
D
G |
H
I
K |
L
(
Lo
Los) |
M |
N |
O
P |
R |
S |
T |
The |
U
W |
Y |
外国語の漢字
その他の記号
その他の言語
the b the c the d the e the g the l the n the o the p the s
日本語以外の漢字 タイトルのリストへ戻る
この後どこへいきますか? 次の記事へ 前の記事へ 目次 映画のリスト 映画以外の話題 暴走機関車映画の表紙 暴走機関車のホームページ