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福間内科医院(内科)
−ハイサイドライトの光溢れる診療所−


島根県松江市にて古くから地域に根ざした診療を続けてきた福間内科医院。今回、内視鏡による大腸検査をメインに据え、より良い診療空間を提供するため、旧医院を取り壊し、新たに医院を新築することになりました。新しい医院に対する先生の主要望は、「道路に対して、医院の存在感を示すこと」「明るく気持ちが良い医院」「内視鏡室を広く取り、内視鏡検査前、検査後にリラックスして過ごすことができるスペースを造る」ことでした。

山陰地方という土地柄、冬は曇り空が続くことが多く、そのなかで明るさを確保しなければなりません。そこで待合室を建物の中心に据えて、その天井を高くして吹抜けを作り、ハイサイドライトを取ることで解消しようと考えました。ただし夏の強い日差しは遮れるように、庇を出しています。2階の吹抜けに面する廊下の壁は明かりをとる為、ガラスとしました。設計当初はプライバシーを考え、乳白のフィルムを貼る予定でしたが、より空間に広がりが感じれるため、透明ガラスのままにしました。冬でも明るく、暖かな待合室として、患者さんも快適に利用されているようです。 また待合室を中心にその周りに診察室、処置室を配置することで、患者さんの動線を短く、利用しやすくすることができました。 またリラックスルームは、3帖ほどのスペースですが、明るく落ち着きのあるスペースとしてデザインしました。開院後、大腸検査以外の患者さんにも利用して頂いているご様子で、大変好評だそうです。

外観は、道路から見た印象を第一に考え、CGを用いながら検討しました。道路に対して平行に伸びる一枚の土塗壁を
、医院を守る壁としてイメージしました。玄関は道路に適度なプライバシーを保ちつつ、明るさを確保するため、上下をガラスとした浮遊する漆喰壁を作りました。この土塗壁と漆喰壁、黄色の看板と屋根の水平ボーダーの構成をデザインすることで、緊張感のある強い存在感を作っています。


△内視鏡室/リラックスルーム
(写真撮影/松村芳治)


建築地 島根県松江市
地域・地区 第2種中高層住居専用地域
構造・規模 鉄骨造 2階建

敷地面積 576.25u(174.3坪)
建築面積 298.63u( 90.3坪)
延床面積 363.37u(111.1坪)

意匠設計: 古田建築設計事務所 古田充 大久保武志
構造設計: アイ設計工房
設備設計: 岸本電気設備設計、設備企画ウッズ

施   工: 松江土建

□外部仕上表
  屋根/SUS 立ハゼ葺
  外壁/土塗壁、漆喰壁、ガルスパン、
       化粧型枠コンクリート打放し
  建具/アルミサッシ ペアガラス

□内部仕上表
  壁/PB下地 全面寒冷紗パテシゴキ EP塗
  床/フローリング貼、長尺シート
  天井/PB下地 全面寒冷紗パテシゴキ EP塗

□主な設備
  冷暖房/空冷ヒートポンプ式エアコン、ガス床暖房
  給  湯/ガス給湯器


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(株)古田建築設計事務所