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矛銘
          

                         
         古逸

造矛造矛,
少間弗忍,
終生之羞。
余一人所聞,
以誡後世子孫。


    **********************
       矛の銘
   
矛を 造り  矛を 造る,
少間  忍びずんば,
終生の羞あり。
余 一人  聞きし所,
以て 後世の子孫を  誡
(いまし)む。

             ******************

◎ 私感訳註:

※矛銘:古詩源卷一「古逸」の中にある。上古の作品。ホコの銘。武器を持つ者の心すべきこと。用兵の戒め。
※造矛造矛:ホコをつくって、ホコをつくる。 *兵器をつくって、使うこと。 ・造矛:ホコをつくる。
※少間弗忍:(武器の使用を)しばらくの間がまん(でき)なければ。 ・少間:しばし。少しのひま。しばらくして。 ・弗:打ち消し。…ない。…ず。…あらず。 ・忍:しのぶ。こらえる。
※終生之羞:(武器の使用をしばらくの間がまんできずに、使うようなことになれば)一生、はじることになる。 ・終生:一生。死ぬまで。 ・之:…の… ・羞:はじ。はじる。はじらう。
※余一人所聞:わたし一人だけが聞いた事柄なので。 ・余:わたし。 ・一人:ひとり(だけ)。 ・所聞:耳にしたことがら。聞いた事柄。
※以誡後世子孫:(耳にしたことがらを)後世の子孫に(伝え)戒めよう。 ・以:・誡:いましめる。反省して悪いところを慎む。 ・後世:後の世。 ・子孫:子孫。



◎ 構成について

交韻になっているようだ。韻式は「AbABB」。韻脚は 「矛羞」〔矛:mog〕〔羞:siog〕、「忍聞孫」。次の平仄はこの作品のもの。

●○●○,
●○●●,
○○○○,

○●○●○。
●●●●○○。

押韻を重視して句読点を付けると、

造矛造

少間弗

終生之

余一人所

以誡後世子


となる。
2004.3.12

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