衆皆競進以貪婪兮, 憑不厭乎求索。 羌内恕己以量人兮, 各興心而嫉妬。 忽馳以追逐兮, 非余心之所急。 老冉冉其將至兮, 恐脩名之不立。 朝飮木蘭之墜露兮, 夕餐秋菊之落英。 苟余情其信以練要兮, 長頷亦何傷。 |
離騷******************
衆 皆 競ひ進みて 以て 貪婪に,
憑(み)つれども 求索するに 厭(あ)かず。
羌(ああ) 内に 己を 恕(じょ)して 以て 人を 量(はか)り,
各ゝ(おのおの) 心を興して 嫉妬す。
忽ち 馳(ちぶ)して 以て 追逐す,
余が心の 急とする所に 非ず。
老(お)い 冉冉(ぜんぜん)として 其れ 將(まさ)に 至らんとし,
脩名(しうめい)の 立たざるを 恐る。
朝には 木蘭の墜露を 飮み,
夕には 秋菊の落英を 餐す。
苟(かりそめ)にも 余が情 其れ信(まこと)に (よ)くして 以て 練要ならば,
長く 頷するも 亦 何をか傷まん。
2004.3. 7 3. 8 3. 9 3.10完 2019.7.10補 |