崔顥長干曲詩詞世界　碇豊長の詩詞：漢詩 cui hao

                         長干曲

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　唐・崔顥

家臨九江水，
來去九江側。
同是長干人，
自小不相識。

　　　
　　　　　　　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊。

　　　　　　　　　　　　　　長干曲

家は臨む　　九江の水，
來去す　　九江の側（かたはら）を。
同（とも）に是（こ）れ　　長干の人なるに，
小きより　　相ひ識（し）らず。

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◎　私感訳註：

※長干曲：楽府題。長江下流一帯の民歌の称でもある。そのため、竹枝詞

と形式は異なるものの、表現内容はそっくりである。この作品は四首からなり、これはその第二首になる。第一首はこちら

。水辺に生活する男女の問答歌である。　・長干：地名。現在の（江蘇省）南京市の南部、秦淮河の朱雀橋一帯

になる。
※家臨九江水：家は長江の流れに面している。　・家臨：家は…に面している。　・九江水：長江の流れ。長江下流には九本支流があることからこういう。ここでは長江下流をいい、白居易もいた江西省の九江ではない。
※來去九江側：長江一帯を行き来している。・來去：行き来する。　・九江側：長江のかたわら。長江一帯。
※同是長干人：どちらも長干出身の人だが。　・同是：どちらも…だ。ともにこれ。　・長干人：長干出身の人。
※自小不相識：子どもの時より顔を見たことがなかった。子どもの時より顔見知りではない。　・自小：子どもの時より。　・相識：顔見知りである。

◎　構成について

　韻式は「ａａ」。韻脚は「側識」で、平水韻部入声十三職。次の平仄はこの作品のもの。

○○●○●，
○●●○●。（韻）
○●○◎○，
●●●○●。（韻）

２００４．１．２４