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主人不相識,
偶坐爲林泉。
莫謾愁沽酒,
中自有錢。
袁氏の別業に題す
主人 相(あ)ひ識(し)らず,
偶坐 林泉の爲なり。
謾(まん)に 酒を 沽(か)ふを 愁ふること 莫(な)かれ,
中(なうちゅう) 自ら 錢 有り。
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◎ 私感註釈
※賀知章:盛唐の詩人。659年(顯慶四年)〜744年(天寶三年)。字は季真。浙江の四明山に取った四明狂客と号する。越州永興(現・浙江省蕭山県)の人。則天武后の代に進士に及第して、国子監、秘書監などになった。
※題袁氏別業:袁氏の別荘の詩を作る。 ・題:詩を作る。 ・袁氏:ここでは、別荘の持ち主の姓になる。 ・別業:別荘。
※主人不相識:別荘の主人とは顔見知りではないが。 ・主人:ここでは、別荘の主人のことになる。 ・相識:顔見知り。知り合い。
※偶坐爲林泉:(こうして)向かい合って坐っている(次第となったのは、)庭園の植え込みや池のせいである。 ・偶坐:〔ぐうざ;ou3zuo4●●〕(主人と)向かい合って坐る。 ・爲:…のために。 ・林泉:庭園の植え込みや池。
※莫謾愁沽酒:あなどりなさるな、酒を買って(もてなすことを)思い悩むのは。 ・莫謾:あなどりなさるな。 ・謾:〔まん(ばん);man2,man4◎〕あざむく。いつわる。あなどる。そしる。ばかにする。おこたる。ゆるむ。 ・愁:思い悩む。悲しく思う。うれうる。 ・沽酒:酒を買う。 ・沽:〔こ;gu1●買う。酒を買う。
※中自有錢:財布の中に、自分でお金を持っている。 ・ 中:〔なうちゅう;nang2zhong1○○〕財布の中。袋の中。 ・自:自分で。 ・有錢お金を持っている。
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◎ 構成について
韻式は、「AA」。韻脚は「泉錢」で、平水韻。この作品の平仄は次の通り。
●○●○●,
●●●○○。(韻)
●◎○●●,
○○●●○。(韻)
2005.5.14 |
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