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      月夜
              
                  杜甫 

今夜鄜州月,
閨中只獨看。
遙憐小兒女,
未解憶長安。
香霧雲鬟濕,
淸輝玉臂寒。
何時倚虚幌,
雙照涙痕乾。



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月夜       
今夜  鄜州(ふしう)の月,
閨中
(けいちゅう)  只(た)だ獨(ひと)り看(み)るらん。
(はる)かに憐(あは)れむ  小兒女(せうじぢょ)の,
(いま)だ  長安を 憶(おも)ふを 解せざるを。
香霧
(かうむ)  雲鬟(うんくゎん) 濕(うるほ)ひ,
淸輝
(せいき)  玉臂(ぎょくひ) 寒からん。
(いづ)れの時か  虚幌(きょくゎう)に倚(よ)り,
(なら)び 照らされて  涙痕(るゐこん) 乾(かわ)かさん。

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◎ 私感註釈

※杜甫:盛唐の詩人。712年(先天元年)~770年(大暦五年)。字は子美。居処によって、少陵と号する。工部員外郎という官職から、工部と呼ぶ。晩唐の杜牧に対して、老杜と呼ぶ。さらに後世、詩聖と称える。鞏県(現・河南省)の人。官に志すが容れられず、安禄山の乱やその後の諸乱に遭って、流浪の生涯を送った。そのため、詩風は時期によって複雑な感情を込めた悲痛な社会描写のものになる。

※月夜:月の出た夜。この作品は、安禄山の乱に遭って、家族と別れ別れになり、一人長安にあって、鄜州にいる家族を、月を看て、思い偲んだもの。描かれた詩中の全場面が作者の想像である点が、他の作品に比べて特異である。それ故、読み下す場合も、推量の助動詞等を付け加えて読むのが通常。

※今夜鄜州月:(妻は)今夜は、鄜州の月を(眺めていることだろう)。 ・今夜:作者が長安にいる今、この時、州での夜は。 ・鄜州:〔ふしう;Fu1zhou1○○〕現・陝西省富県。長安の北北東150キロメートルの地。現・延安の南50キロメートルの地。『中国歴史地図集』第五冊 隋・唐・五代十国時期(中国地図出版社)40-41ページ「京畿道・関内道」にある。 ・月:月は、古来遠隔地にいる家族を偲ぶ縁(よすが)となるべきもの。李白の『子夜呉歌』に「長安一片月,萬戸擣衣聲。秋風吹不盡,總是玉關情。何日平胡虜,良人罷遠征。」とある。

※閨中只獨看:(妻は)女性の居室で、ただひとりだけで見ていることだろう。 ・閨中:女性の居室。 ・只:〔し;zhi3●〕ただ…だけ。「只〔し;zhi3〕」は、すぐ後の「獨(看)」にかかる。蛇足になるが、日本語の「ただ」は「独り」にも「看る」にもかかっていくと解せられる。 ・獨:(つれがいなくて)ひとりで。ここでは、「女性=妻だけで」ということになる。後出「雙」と、意味の上では逆の関わりがある。 ・看:(妻が月を)看ている。見つめる。

※遙憐小兒女:(作者・杜甫は)遥か(離れた長安から)小さな子供達が(なぜ、母親(である作者の妻)が、夫のいる長安を思いやることを、まだ理解できないでいようことを)かわいそうに思う。 ・遙:〔えう;yao2○〕(作者・杜甫は、長安から)遥かに(離れた州を思いやり)。盛唐・岑參の『梁行軍九日思長安故園』に「強欲登高去,無人送酒來。
遙憐故園菊,應傍戰場開。」とある。 ・憐:〔れん;lian2○〕(作者・杜甫は、子供達を)憐れむ。かわいそうに思う。気の毒に思う。いつくしむ。強く心を動かされる。 ・小:年が小さい。幼い。 ・兒女:(男女の)子供達。

※未解憶長安:(子供達は、母親である作者の妻が、夫のいる)長安を思いやることをまだ理解できないでいよう。 ・未解:(幼少のため)まだ理解できない。 ・憶:〔おく;yi4●〕思う。思いやる。考える。 ・長安:ここでは作者である夫の杜甫の居る唐の帝都。国都。長安

※香霧雲鬟濕:夜霧は(妻の)豊かな髪も湿らせ。 ・香霧:〔かうむ;xiang1wu4○●〕秋の夜霧。 ・雲鬟:〔うんくゎんyun2huan2○○〕(美しい女性の)豊かな髪。豊かなわげ(束ねて輪にした髪)。 ・濕:(夜露、夜霧のために髪を)湿らせてしまう。

※清輝玉臂寒:月光は(妻の)玉のような腕を冷たく照らして(いよう)。 ・淸輝:月光。月の光。 ・玉臂:〔ぎょくひ;yu4bi4●●〕麗しい腕。美しい女性の肌を謂う。 ・寒:寒々としている。月光は冷たいものでもある。月にある広寒宮は、寒いという。蘇軾詞『水調歌頭』「明月幾時有?把酒問靑天。不知天上宮闕,今夕是何年。我欲乘風歸去,又恐瓊樓玉宇,
高處不勝寒。起舞弄淸影,何似在人間!」や、杜牧の『秋夕』では「銀燭秋光冷畫屏,輕羅小扇捕流螢。天階夜色涼如水,臥看牽牛織女星。」 と詠われる。

※何時倚虚幌:(いったい)いつになったら、うすぎぬのカーテン(の窓辺)に寄り添って。 ・何時:いつ。 ・倚:〔い;yi3●〕よる。よりかかる。 ・虚幌:〔きょくゎう;xu1huang3○●〕うすぎぬのカーテン(の窓辺)。月光が透けて照らしてくる窓の覆い布。

※雙照涙痕乾:(妻と作者との夫婦)二人で並んで(月光に)照らされて、(生別の辛さのために)流した涙(をとどめて、その涙)の痕を乾かして(癒す時が来ることだろうか)。 ・雙:(妻と作者とが)二人並んで。 ・照:(月光に)照らされる。 ・涙痕:〔るゐこんlei4hen2●○〕(別離の辛さのために流した)涙の痕。涙の流れたあと。 ・乾:〔かん;gan1○〕ここは、乾かすの意として使っている。癒す。本来かわく、の意。白居易の『琵琶行』「淒淒不似向前聲,滿座重聞皆掩泣。座中泣下誰最多,江州司馬青衫。」の部分と構成は同じ。「雙照涙痕乾」は「雙照乾涙痕」の意。杜甫はこのような動詞用例がしばしばあり、漢語語法の則って考える場合に悩まされるところである。『春望』の「國破山河在,城春草木深。感時花濺涙,恨別鳥驚心。烽火連三月,家書抵萬金。白頭掻更短,渾欲不勝簪。」もその例。





◎ 構成について

 韻式は「AAAA」。韻脚は「看安寒乾」で、平水韻上平十四寒。次の平仄はこの作品のもの。

○●○○●,
●○●●○。(韻)
○○●○●,
●●●○○。(韻)
○●○○●,
○○●●○。(韻)
○○●○●,
○●●○○。(韻)

2006. 3.12完
2012.10.31補

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