Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


説楔子敷陳大義借名流隱括全文
                          清・『儒林外史』 呉敬梓



人生南北多岐路。
將相神仙, 也要凡人做。
百代興亡朝復暮,
江風吹倒前朝樹。


功名富貴無憑據。
費盡心情, 總把流光誤。
濁酒三杯沈醉去,
水流花謝知何處!






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楔子(せっ し )を説くに大義を敷陳( ふ ちん)し 名流を借りて全文を隱括(いんくゎつ)

人生 南北に  岐路(きろ) 多し。
將相(しゃうしゃう) 神仙(しんせん)()た 凡人の()るを要す。
百代の興亡(かうばう)  (あさ) ()(くれ)
江風(かうふう)は 吹き(たふ)す  前朝(ぜんてう)()


功名(こうみゃう) 富貴(ふう き )  憑據(ひょうきょ) 無し。
心情を (つひ)え盡くして, (そう)じて 流光(りうくゎう)(あやま)つ。
濁酒(だくしゅ) 三杯  沈醉(ちんすゐ)し去れば,
水は 流れ 花は 謝せども  何處(いづこ)なるかを知らん!

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◎ 私感註釈

※呉敬梓:清代の文学者。白話小説『儒林外史』の著者。康煕四十年(1701年)〜乾隆十九年(1754年)。字は敏軒。号は粒民。自ら秦淮寓客と称し、晩年には文木老人と号す。全椒(現・安徽省に属するところ)の人。名門の出身で、康煕五十九年の秀才。官途につかず、父の死後、十年で遺産を蕩尽した。各地を放浪し、晩年は貧に苦しんだ。民主思想を受け容れ、当時の腐敗した社会や科挙制度について、深い認識を持っており、自らの体験に基づいて諷刺小説『儒林外史』を著した。

※『儒林外史』第一回 説楔子敷陳大義 借名流隱括全文:『儒林外史』第一章 序で語るに大義を具(つぶさ)に述べて、名士を借りて全文を締めくくる。 ・『儒林外史』:清の白話小説名。作者は呉敬梓。科挙による出世が当然視されていた時代に、科挙試験合格のみを目的とする士人(=知識階級)の生活に鋭い批判の眼を向け、当時の社会をリアルに描き出した作品。この詩は、章回小説である『儒林外史』第一章の巻頭に掲げられた韻文。 ・楔子:〔せっし;xie1zi0〕まくら。序。話のいとぐち。旧小説(=章回小説)の巻頭の説き起こしのの部分で、正文の前に置かれる韻律のある序文。 ・敷陳:〔ふちん;fu1chen2〕つぶさに述べる。意見などを述べる。はっきり詳しく述べる。 ・隱括:〔いんくゎつ;yin3kuo4〕まっすぐにする。矯(ため)なおす。

※人生南北多岐路:人として生きることは、南に北にと分かれ道が多く。 ・人生:人が生まれる。人として生きること。人生。 ・岐路:〔きろ;qi2lu4○●〕わかれみち。本通りから分かれたわき道。横道。「岐」=「歧」。

※将相神仙:将軍や宰相、天界の仙人(も)。 ・将相:〔しゃうしゃう;
jiang4xiang4●●〕武将と文臣。なお、通常は「将軍と宰相」とするが、「将相」(jiang4xiang4)の「将」と、「将軍」(jiang1jun1)の「将」とは声調が異なる。 ・神仙:不老不死で神通力をもつ仙人。天界に住む仙人。

※也要凡人做:(将軍や宰相、天界の仙人)も、普通の人がなるものだ。 ・也:…も。…もまた。文言文の「亦」に似た働きをする。 ・要:…を習慣としている。…せねばならない。 ・凡人:平凡な人。普通の人。 ・做:なる。=「作」。

※百代興亡朝復暮:きわめて長く年代に亘る王朝の興(おこ)ることと亡(ほろ)びることは、朝(あした)に起こっては、夕暮れには没落し、また次の朝に起こっては、夕暮れには没落しているというようで(終日、絶え間なく変化が起こっている)。 ・百代:きわめて長い年代。永遠。 ・興亡:〔かうばう;xing
1wang2○○〕おこることとほろびることと。おこったりほろびたりすること。「亡」の方に、ことばの重心があり、「おこっては、ほろびること」の意が強い。主として国家についていう。興廃。 ・朝復暮:朝に起こっては、夕暮れには没落し、また次の朝に起こっては、夕暮れには没落している。終日、絶え間なく変化が起こっているさま。朝 復(ま)た暮。

※江風吹倒前朝樹:川の上を吹く風は、前の王朝の木を吹き倒している。 ・江風:川の上を吹く風。かわかぜ。 ・吹倒:吹き倒す。 ・前朝:前の王朝。前代。

※功名富貴無憑拠:手柄を立てて名を揚げることや、金持ちになって身分が高くなることも、よりどころとできない。 ・功名:手柄を立てて名を揚げる。 ・富貴:〔ふうき;fu4gui4●●〕金持ちで、身分が高い。 ・憑拠:〔ひょうきょ;ping2ju4○●〕よりどころ。典拠。証明材料。証拠。また、よりどころとする。ここは、前者の意。

※費尽心情:心を使い果たしても。 ・費尽:使い尽くす。

※総把流光誤:結局は、歳月を無駄にするだけだ。 ・総:総じて。みな。けっきょく。いつも。 ・把-:…を:【〔把〕+〔対象となる名詞〕+〔動詞〕】の形式(「把」+流光(名詞)+誤(動詞))で、対象に何らかの処置を加えたり、影響を与えた時の表現形式。文言文の「以」や「將」(介詞としての場合(=「もって」と読む用法))に似た働きをする。 ・流光:移り行く光陰。年月がたつこと。また、流れ来る光。漏れ出る光。ここは、前者の意。

※濁酒三杯沈酔去:にごりざけを些か多く飲んで、酔いつぶれてしまって。 ・濁酒:にごりざけ。どぶろく。 ・三:3。また、多い意。 ・沈酔:酒にひどく酔うこと。酔いつぶれること。 ・-去:…てゆく。…てしまった。…につれて。方向補語で、動詞の後に用い、【〔動詞〕+〔去〕】として、事柄(や人)が情況や動作に随って、心理的に話者の立脚点から離れ遠ざかっていく感じを表す。

※水流花謝知何処:川の水が流れ、時間が過ぎ行き、花が散って、美貌(や才能)が歳月の経過と共に一体どこに去ったかも分からない。 ・水流:川の水が流れる。また、時間が過ぎ行くの意。 ・花謝:花が散る。また、美貌(や才能)が(歳月の経過と共に)色あせることの意。 ・何処:どこ。

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◎ 構成について

韻式は、「aaaa aaaa」。韻脚は「路做暮樹 拠誤去處」で、平水韻でいえば去声六御(據處去(「去」は上声六語にもあり)、去声七遇(路暮樹誤)。但し、「做」は入声(現代語では〔zuò〕)だが、北方語では(入声が無くなって、この「做」語(字)は去声となり)、他の韻脚と似たものとなる。この作品の平仄は、次の通り。


○○●●○○●。(韻)
○○●●,●●○○●。(韻)
●●○○○●●,(韻)
○○○●○○●。(韻)

○○●●○○●。(韻)
●●○○,●●○○●。(韻)
●●○○○●●,(韻)
●○○●○○●!(韻)
2012.6.4
     6.5
     6.6完
     6.7補




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