夜雪明寒江, 沙村已無路。 微茫百尺橋, 不有一人渡。 |
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江村 の夜雪
夜雪 寒江 を明 にし,
沙村 已 に路 無し。
微茫 たる百尺 の橋,
一人 の渡るもの 有らず。
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◎ 私感註釈
※僧・知影:江戸時代の僧。本願寺派の京都、光隆寺の僧。〜文政八年。
※江村夜雪:川辺の村落の夜に雪がふる。 ・江村:川辺の村落。 ・雪:ゆき(名詞)。また、ゆきふる(動詞)。
※夜雪明寒江:夜雪明寒江:夜に降る(白い)雪は、さむざむとした冬の川を(黒々と)はっきりとさせて。 ・明:あきらかにする。はっきりさせる。 ・寒江:さむざむとした冬の川。
※沙村已無路:みぎわの村落は、すでに(降り積もった白い雪で、)路が無くなって。 ・沙村:みぎわの村落。 ・已:すでに。とっくに。
※微茫百尺橋:(降りしきる雪で)ぼんやりとした非常に長い橋は。 ・微茫:〔びばう;wei1mang2○◎〕かすかではっきりしないさま。ぼんやり。糢糊。 ・百尺:〔ひゃくせき;bai3chi3●●〕非常に高いことや長いものの喩え。
※不有一人渡:誰一人として、渡ってはいない。
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◎ 構成について
韻式は「aa」。韻脚は「路渡」で、平水韻去声七遇。次の平仄はこの作品のもの。
○●○○○●○,(韻)
○○●●●○○。(韻)
●○○●○○●,
●●○○○●○。(韻)
令和3.11.23 |
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