Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


舟中夜與家人飮
北宋・梅堯臣



月出斷岸口,
影照別舸背。
且獨與婦飲,
頗勝俗客對。
月漸上我席,
暝色亦稍退。
豈必在秉燭,
此景已可愛。



           
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舟中(しうちゅう) (よる) 家人( か じん)と飮む
月は  斷岸(だんがん)(ほとり)より()で,
(かげ)は  別舸(べっか)()を照らす。
(しば)らく(ひと)り  ()と飲めば,
(すこぶ)る  俗客(ぞくかく)と對するに(まさ)る。
月は(やうや)く  我が席に(のぼ)り,
暝色(めいしょく)  ()(やうや)退(しりぞ)く。
()に必ずしも  (しょく)()るに在らんや,
()の景  (はなは)だ愛す()し。

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◎ 私感註釈

※梅堯臣:北宋の詩人。咸平五年(1002年)〜嘉祐五年(1060年)。字は聖兪。宣州宣城(現・安徽省宣城)の人。宣城は、古くは宛陵と呼ばれていたので、宛陵先生と呼ばれた。終生官途には恵まれなかったが、その詩名は「宋詩開山の祖」として知られる。『詩經』『楚辭』の「写実」「寄興」の継承を主張し、西崑派の無意味な言葉を連ねる浮薄な傾向に反対して、「平淡」「閑遠」「発想は新しく、語句を練る」ことを主張した。その詩の多くは現実の生活を反映したもので、叙景・抒情の詩は清新で、深遠な意境を秘めている。

※舟中夜与家人飲:舟中で、夜に家人と(酒を)飲む。 *この詩を構成する四十字全てが、仄声(声調が上声・去声・入声(にっしょう)のもの)である。『西清詩話』卷上に「晏元獻(=晏殊)守汝陰(=潁州),梅聖俞(=梅尭臣聖俞梅梅尭臣の字。)自キ下特往見之,劇談古今作詩體製。聖俞將行,公置酒潁河上,因言
古今章句中全用平聲,製字穩帖,若~施鬼設者,如〔枯桑知天風 〕是也,恨未見側字(=仄字)詩聖俞既引舟,遂作五側體寄公:『月出斷岸口,影照別舸背。且獨與婦飮,頗勝俗客對。月漸上我席,暝色亦稍退。豈必在秉燭,此景已可愛。』此詩家一種事也。」(の1/3)とある。 ・与…飲-:…と(…を)飲む。 ・家人:妻。また、家の者。家族。詩中に「且独与婦飲」とあるので、ここは前者の意。

※月出断岸口:月が切り立った崖のような岸のほとりに出て。 ・断岸:〔だんがん;duan4an4●●〕切り立った崖のような岸。 ・-口:ほとり。出入り口。盛唐・王維の『雜詩』に「家住孟津河,門對
孟津。常有江南船,寄書家中否。」とある。

※影照別舸背:月影が分かれて行く大きな船の背を照らした。 ・影:月やともしびのひかり。月影。 ・別舸:分かれて行く大きな船。別の大きな船。 ・舸:〔か;ge3●〕大きな船。

※且独与婦飲:しばらく、ただわずかに妻と(酒を)飲もう。 ・且:しばし。しばらく。また、かつ。ここは、前者の意。 ・独:ただひとり。ただわずかに。 ・婦:妻。

※頗勝俗客対:風雅を解しない客と向かい合っている(よりも)なかなか勝(まさ)っている。 ・頗:〔は;po3●〕すこぶる。すこし。かなり。なかなか。やや。ほぼ。 〔は;po1○〕かたよる。ここは、前者の意。 ・勝:〔しょう;sheng4●〕かつ。まさる。 〔しょう;sheng1○〕あげる。たえる。ここは、前者の意。 ・俗客:風雅を解しない客。

※月漸上我席:月は、だんだんとわたしの席に上(のぼ)り(月光が射してきて)。 ・漸:だんだんと。

※暝色亦稍退:薄暗い色合いも、少しずつ退(しりぞ)い(ていっ)た。 ・暝:〔めい;ming4●〕くれる。日が暮れる。 〔めい;ming2○〕暗い。 ・亦:…もまた。 ・稍:〔せう;shao1●〕ようやく。やや。少し。少しずつ。

※豈必在秉燭:灯火を持つ必要はないではないか。 ・豈必:反語の表現をつくり、…する必要はないではないか。…しなくてもいいじゃないか。“不必”の意味を表す。 ・在:(問題点は)…にある。…かどうかにある。 ・秉燭:灯火を持つ。ともしびを点す。(暗い夜を)過ごす。『古詩十九首』之十五に「生年不滿百,常懷千歳憂。晝短苦夜長,
何不秉燭。爲樂當及時,何能待來茲。愚者愛惜費,但爲後世嗤。仙人王子喬,難可與等期。」とあり、盛唐・李白の『春夜宴桃李園序』に「夫天地者,萬物之逆旅)で、「而浮生若夢,爲歡幾何?古人秉燭夜遊,良有以也。況陽春召我以煙景,大塊假我以文章。會桃李之芳園,序天倫之樂事。群季俊秀皆爲惠連。吾人詠歌,獨慚康樂。幽賞未已,高談轉清。開瓊筵以坐華,飛羽觴而醉月。不有佳作,何伸雅懷?如詩不成,罰依金谷酒數。」とある。

※此景已可愛:この光こそ大切にすべきである。 ・景:〔けい;jing3●〕ひかり。日ざし。日光。けしき。 〔えい;ying3●〕かげ。=影。ここは、前者の意。 ・已:はなはだ。ああ。また、のみ。=矣。とっくに。すでに。ここは、前者の意。 ・可愛:愛すべきである。大切にすべきである。また、いとしい。かわいい。ここは、前者の意。

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◎ 構成について

韻式は、「aaaa」。韻脚は「背対退愛」で、平水韻去声十一隊。この作品の平仄は、次の通り。この詩は、仄字のみで作られた特異なもの。


●●●●●,
●●●●●。(韻)
●●●●●,
●●●●●。(韻)
●●●●●,
●●●●●。(韻)
●●●●●,
●●●●●。(韻)
2019.3.3
     3.4完
     3.9補




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