Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


御製賜和
明・朱元璋(大明太祖高皇帝)

熊野峰高血食祠,
松根琥珀也應肥。
當年徐福求僊藥,
直到如今更不歸。






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御製 和を賜ふ
熊野 峰は高し  血食けっしょく
松根しょうこん琥珀 こ はくも  また まさに肥ゆべし。
當年たうねん徐福じょふく  僊藥せんやくを求め,
ただちに 如今じょこんに到るも  更に 歸らず。

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◎ 私感註釈

※朱元璋(大明太祖高皇帝):1328年(天暦元年)〜1398年(洪武三十一年 )。明の初代皇帝。洪武帝のこと。(在位1368年〜1398年)。安徽省の農民の出身。元末の白蓮教の紅巾の乱に参加し、やがて、金陵(現・南京)に拠って皇帝に即位。字は國瑞。廟号は太祖。諡は高皇帝。

※御製 賜和:(大明太祖高)皇帝(朱元璋)が(絶海中津の『應制賦三山』に対して)和して次韻で作り賜った詩。 ・御製:〔ぎょせい;yu4zhi4●●〕天子が作る詩歌。 ・賜和:詩歌の応酬や共感のため、(絶海中津の『應制賦三山』に)和して次韻で作り、賜った。和された絶海中津の『應制賦三山』とは、「熊野峰前徐福
,滿山藥草雨餘。只今海上波濤穩,萬里好風須早。」というもの。韻を和すとは、作詩の際、同一の韻部の中の韻字を使った詩作をいう。全く同一の文字を同一配列で使うことを特に次韻といい(この作品)、同一の韻字を自由な配列で使うことを用韻といい、同一の韻部の中の文字を使うことを広く和韻という

※熊野峰高血食祠:熊野の山々が高く聳えて(見える山裾に)、血の滴(したた)る生贄(いけにえ)を供えて祖先の霊を祀(まつ)る祠(ほこら)があり。 ・熊野:(日本の)紀伊半島の南部(和歌山県南部と三重県南部)の地域名。熊野の新宮(現・和歌山県新宮市)には、徐福上陸の伝説に基づき徐福公園がある。 ・血食:祖先が子孫の祀(まつ)りを受けること。生贄(いけにえ)の動物を供えて祖先の霊を祀(まつ)ること。先祖の霊が血の滴(したた)る生贄(いけにえ)を食べる意。 ・祠:〔し;ci2○〕ほこら。やしろ。みたまや。

※松根琥珀也應肥:松の根本に(できた漢方薬の)琥珀もまたきっと豊かになっていることだろう。 ・琥珀:〔こはく;hu3po4●●〕コハク。松ヤニの樹脂の化石。透き通った深い黄色の玉(ぎょく)。 ・也:…も(また)。…もまた。≒亦。 ・應:きっと…だろう。まさに…べし。 ・肥:こえる。ふとる。ゆたか。また、緑の葉の部分がしっかりと茂ったさま。ここは、前者の意。両宋・李清照の『如夢令』に「昨夜雨疏風驟,濃睡不消殘酒。試問卷簾人,却道海棠依舊。   知否?知否?應是紅痩。」とある。和韻元の絶海中津の『應制賦三山』では「滿山藥草雨餘。」

※當年徐福求僊藥:あの頃、徐福は不老不死の仙薬を求めて。 ・當年:〔たうねん;
dang1nian2○○〕当時。あの頃。あの年。往時。 ・徐福:〔じょふく;Xu2Fu2○●〕秦・始皇帝の時代の人物。秦・始皇帝のために東海の仙島(ここでは日本)から不老不死の霊薬を持ち帰ろうとした人物。徐巿(じょふつ=徐福)は始皇帝に上書して皇帝のために東海の仙島に渡り、不死の薬を求めてきて献上するとして、援助を得、少年少女(や技術者、五穀の種子)を積んで出かけた。前出・『史記・秦始皇本義』「二十八年」(秦・始皇帝二十八年:紀元前219年:孝霊天皇七十二年)に「齊人徐巿(じょふつ)=徐福(じょふく)。なお「巿()」〔ふつ;fu4●:4劃〕と「市()」〔し;shi4●:5劃〕とは別字)等上書,言海中有三神山,名曰蓬莱、方丈、瀛洲,仙人居之。請得齋戒,與童男女求之。於是遣徐巿發童男女數千人,入海求仙人。」とあり、その古註に「正義括地誌云:『亶洲在東海中,秦始皇使徐福將童男女入海求仙人,止在此州,共數萬家。』」とある。また、『史記・淮南衝山列伝』によると、秦の始皇帝に、「東方の三神山に不老不死の霊薬がある」と上書し、始皇帝の命を受け、三千人の童男童女と、それをたすけるために、五穀の種子と諸々(もろもろ)の技術者を携えてでかけた。徐福は、平野と湿地帯を得て、その地にとどまって王となり、戻らなかった。『史記・淮南衡山列伝』に「秦皇帝大説,遣振(振:幼童)男女三千人,資之五穀種種百工而行。徐福得平原廣澤,止王不來。」とある。北宋・歐陽脩の『日本刀歌』に「昆夷道遠不復通,世傳切玉誰能窮。寶刀近出日本國,越賈得之滄海東。魚皮裝貼香木鞘,黄白韋カ鍮與銅。百金傳入好事手,佩服可以禳妖凶。傳聞其國居大島,土壤沃饒風俗好。其先徐福詐秦民,採藥淹留丱童老。百工五種與之居,至今器玩皆精巧。前朝貢獻屢往來,士人往往工詞藻。徐福行時書未焚,逸書百篇今尚存。令嚴不許傳中國,舉世無人識古文。先王大典藏夷貊,蒼波浩蕩無通津。令人感激坐流涕,鏽澀短刀何足云。」とある。 ・僊藥:=仙藥。服用することによって不老・不死となり、ついには仙人になれる霊薬。仙丹。徐福が東方の三神山に求めた不老不死の霊薬のことである。 ・僊:〔せん;xian1○〕=仙。仙:〔せん;xian1○〕。

※直到如今更不歸:ずっと(熊野へ行ったまま) 今になっても全然帰ってこようとしない。 ・直到:ずっと…になって。ずっと…の頃になると。 ・如今:現今。いま。比較的長い時間を指す。 ・更:一層。その上。さらに。 ・不歸:帰国しない。(自宅・故郷・祖国・墓所)といった本来の場所にもどってこない。

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◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「祠肥歸」で、平水韻上平四支(祠)、上平五微(肥歸)。この作品の平仄は、次の通り。


●●○○●●○,(韻)
○○●●●○○。(韻)
○○○●○○●,
●●○○●●○。(韻)
2010.7.1
     7.2
     7.3



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