Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


  昭君怨
                                                  

     唐・東方虬

胡地無花草,
春來不似春。
自然衣帶緩,
非是爲腰身。





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昭君怨(せうくんゑん)

胡地(こち)に  花草(くゎさう) 無く,
(はる)(きた)れども  春に()ず。
自然( し ぜん)  衣帶( い たい) (ゆる)きは,
()れ  腰身(えうしん)(ため)(あら)ず。

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◎ 私感註釈

※東方虬:〔とうはう・きう(とうほう・きゅう)Dong1fang1 Qiu2〕則天武后(=武則天)の時に左史となる。詩四首が残っている。なお、「東方」が姓。複姓。

※昭君怨:王昭君の怨詩。後に詞牌ともなる。王昭君とは:前漢の元帝の宮女。竟寧元年(紀元前33年)、匈奴との和親のため、呼韓邪単于に嫁し、「寧胡閼氏」としてその地で没した。名は檣。ともするが、『漢書・元帝紀』では前者「檣」。昭君は字。明君、明妃は、「昭」字をさけたための晋以降の称。蛇足になるが、「竟寧」(辺境がやっと平和になった)という年号は、とても分かりよい。元帝の慶びが伝わってくる。そのような状況下での通婚である。この時代背景から推察するに、元帝がその美貌を惜しんだという話は後世のものになるのではないか。『漢書・本紀・元帝紀』に「竟寧元年春正月,匈奴 呼韓邪單于來朝。詔曰:「匈奴呼韓邪單于不忘恩コ,ク慕禮義,復修朝賀之禮,願保塞傳之無窮,邊垂長無兵革之事。其改元爲竟寧,賜單于待詔掖庭王檣爲閼氏。」とある「王檣」が王昭君のこと。「閼氏」とは、單于の正妻の称≒皇后。『漢書・匈奴傳・下』「王昭君號寧胡閼氏,生一男伊屠智牙師,爲右日逐王。」この外、多くの子供をもうけ、夫の没後は、匈奴の習慣に従った再婚をし、父子二代の妻となり、更に子供を儲けている。子供達の名も記録されている。当の本人の願望はともかく、漢・匈奴友好使節の役を果たしたとも謂え、辺疆安寧のための犠牲になったとも謂える。なお、王昭君の七十余年前に、烏孫公主の故事がある。烏孫公主は漢の皇室の一族、江都王・劉建の娘で、武帝の従孫になる劉細君のこと。彼女は、西域の伊犂地方に住んでいたトルコ系民族の国家・烏孫国に嫁した。ともに漢王朝の対西域政策と軍略を物語るものである。なお、王昭君の『昭君怨』(=『怨詩』、=『怨曠思惟歌』)は「秋木萋萋,其葉萎黄。有鳥處山,集于苞桑。養育毛秩C形容生光。既得升雲,上遊曲房。離宮絶曠,身體摧藏。志念抑沈,不得頡頏。雖得委食,心有徊徨。我獨伊何,來往變常。翩翩之燕,遠集西羌。高山峨峨,河水泱泱。父兮母兮,道里悠長。嗚呼哀哉,憂心惻傷。」。この詩は、漢・無名氏の『古歌』「秋風蕭蕭愁殺人,出亦愁,入亦愁。座中何人,誰不懷憂。令我白頭。
胡地多飆風,樹木何修修離家日趨遠,衣帶日趨緩。心思不能言,腸中車輪轉。」や『古詩十九首・之一・行行重行行』に「行行重行行,與君生別離。相去萬餘里,各在天一涯。道路阻且長,會面安可知。胡馬依北風,越鳥巣南枝。相去日已遠,衣帶日已緩。浮雲蔽白日,遊子不顧返。思君令人老,歳月忽已晩。棄捐勿復道,努力加餐飯。」に基づこう。 *これは三首の中の第三。

※胡地無花草:えびすの地には、花の咲く草が無い(ので)。 ・胡地:北方の夷狄の地。中国西部や北部を指す。前出・漢・無名氏の『古歌』に「秋風蕭蕭愁殺人,出亦愁,入亦愁。座中何人,誰不懷憂。令我白頭。
胡地多飆風,樹木何修修。離家日趨遠,衣帶日趨緩。心思不能言,腸中車輪轉。」とある。 ・花草:花の咲く草。草花。花と草。

※春来不似春:(暦の上で)春になっても、春(の気候)のようではない。 ・春来:春になる。 ・不似春:「不似」:…のようでない。…に似ていない。

※自然衣帯緩:当然ながら衣服の帯が緩(ゆる)い(のは)。 ・自然:当然である。また、ひとりでに。勝手に。おのずから。副詞。 ・衣帯:衣服のオビ。前出・漢・無名氏の『古歌』「秋風蕭蕭愁殺人,出亦愁,入亦愁。座中何人,誰不懷憂。令我白頭。胡地多飆風,樹木何修修離家日趨遠,衣帶日趨。心思不能言,腸中車輪轉。」や前出・『古詩十九首・之一・行行重行行』に「行行重行行,與君生別離。相去萬餘里,各在天一涯。道路阻且長,會面安可知。胡馬依北風,越鳥巣南枝。相去日已遠,
衣帶日已浮雲蔽白日,遊子不顧返。思君令人老,歳月忽已晩。棄捐勿復道,努力加餐飯。」とある。 ・緩:〔くゎん;huan3●〕ゆったりしている。ゆるやか。

※非是為腰身:からだ(の変化⇒痩せた)ためではない。(厚着をしているからなのだ)。 ・非是:…ではない。これ…にあらず。また、是(ぜ)に非(あら)ず。非(≒不正)であること。非を是とする。是(≒正常)ではない。ここは、前者の意。 「是」:…は…である。これ。主語と述語の間にあって述語の前に附き、述語を明示する働きがある。〔A是B:AはBである〕。 ・為:〔ゐ;wei4●〕ため。 ・腰身:腰回り。ウエスト。また、からだ。ここは、後者の意。


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◎ 構成について

韻式は、「AA」。韻脚は「春身」で、平水韻上平十一真。この作品の平仄は、次の通り。

○●○○●,
○○●●○。(韻)
●○○●●,
○●●○○。(韻)
2016.3. 9
     3.10
     3.11




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