華子岡 | |
盛唐・王維 |
飛鳥去不窮,
連山復秋色。
上下華子岡,
惆悵情何極。
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華子岡
飛鳥 去りて窮 まらず,
連山 復 た秋色 。
華子岡 を上下 すれば,
惆悵 して 情何 ぞ極 まらん。
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◎ 私感註釈
※王維:盛唐の詩人。701年(長安元年)?〜761年(上元二年)。字は摩詰。太原祁県(現・山西省祁県東南)の人。進士となり、右拾遺…尚書右丞等を歴任。晩年は仏教に傾倒した。
※華子岡:華子岡。 ・華子岡:岡の名。輞川二十景の一。
※飛鳥去不窮:(大空を)飛ぶ鳥の去っていく(姿が)小さくなってもどこまでも見えている。 ・去不窮:去っていく(姿が)どこまでもどこまでも小さくなっても見えている、意。
※連山復秋色:連なる山々は再び秋の気配になった。 ・復:再び。また。また、二度と。もはや。ここは、前者の意。 ・秋色:秋の景色。秋の気配。
※上下華子岡:華子岡を上(のぼ)り下(お)りすると。 ・上下:上下する。上()あがると下(さ)がると。
※惆悵情何極:うれえ悲しむ気持ちが極まることが無い。 ・惆悵:〔ちうちゃう;chou2chang4○●〕うれえ悲しむさま。うらみなげくさま。失意のさま。曹丕の『寡婦』に「霜露紛兮交下,木葉落兮淒淒。候鴈叫兮雲中,歸燕翩兮徘徊。妾心感兮惆悵,白日忽兮西頽。」とあり、中唐・白居易の『靈巖寺』に「館娃宮畔千年寺,水闊雲多客到稀。聞説春來更惆悵,百花深處一僧歸。」とある。用例は婉約詞に多い。 ・情:こころ。なさけ。感情。 ・何極:どうして極まろうか。反語表現。
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◎ 構成について
韻式は、「aa」。韻脚は「色極」で、平水韻入声十三職。この作品の平仄は、次の通り。
○●●●○,
○○●○●。(韻)
●●○●○,
○●○○●。(韻)
2019.10.24 10.25 |
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