zhuzhici


  
xinqiji XinQiji xin qiji Xin Qiji Shici Shijie shicishijie

   青玉案
    

東風夜放花千樹,
更吹落、星如雨。
寳馬雕車香滿路。
鳳簫聲動,
玉壺光轉,
一夜魚龍舞。



蛾兒雪柳黄金縷,
笑語盈盈暗香去。
衆裏尋他千百度,
驀然回首,
那人却在,
燈火闌珊處。



******

青玉案
             

東風(とうふう) ()()く  花 千樹,
更に 吹き落として、星 (あめ)の如し。
寳馬(はう ば ) 雕車(でうしゃ)  () (みち)に滿つ。
鳳簫(ほうせう) 聲 ()こりて,
玉壺(ぎょっこ) 光 (てん)ずれば,
一夜(いち や ) 魚龍(ぎょりょう) 舞ふ。



蛾兒(がじ) 雪柳  黄金の縷,
笑語 盈盈(えいえい)として  暗香(あんかう) 去る。
衆裏(しゅうり)に 他を(たづ)ぬること  千百度,
驀然(ばくぜん)として 回首(くゎいしゅ)すれば,
()の人 (かへ)って在り,
燈火 闌珊(らんさん)たる處に。

      **********

私感註釈

※青玉案:詞牌の一。詞の形式名。詳しくは下記の「構成について」を参照。

※元夕:元宵のこと。元宵節。春節(=旧正月)から数えて十五日目(=上元節)の最初の満月の夜(=陰暦・一月十五日の夜)に行われる祭。灯籠を飾って祝う。この詞と同様に元宵節を詠った詞に同時代人の李清照(辛棄疾よりも少しだけ先になるが)の『永遇樂』「落日熔金,暮雲合璧,人在何處?染柳烟濃,吹梅笛怨,春意知幾許。
元宵佳節,融和天氣,次第豈無風雨?來相召,香車寶馬,謝他酒朋詩侶。   中州盛日,閨門多暇,記得偏重三五。鋪翠冠兒,撚金雪柳,簇帶爭濟楚。如今憔悴,風鬟霜鬢,怕見夜間出去。不如向、簾兒底下,聽人笑語。」とある。

※東風夜放花千樹:春風が夜に多くの(灯火の)花を咲かせ。 ・東風:春風。 ・放:花が咲く。草木の芽がでる。 ・花千樹:燈火の多いさまの形容。

※更吹落、星如雨:(燈火は、東風に)吹き落とされた星の雨のようだ。 ・更:その上。さらに。 ・吹落:(東風が)吹き落とす。 ・如雨:雨のよう。

※寳馬雕車香満路:りっぱな馬車(に焚きしめられた)香が路に満ちて。 ・寳馬:(身分の高い女性の用いる)りっぱな馬。前出・李清照の『永遇樂』「元宵佳節,融和天氣,次第豈無風雨?來相召,
香車寶馬,謝他酒朋詩侶。…」とある。 ・雕車:(身分の高い女性の用いる)彫刻や色彩で飾られた車。

※鳳簫声動:妙なる調べが起こり。 ・鳳簫:笛をほめていう言葉。妙なる調べ。音楽。 ・動:起こる。また、静かである。穏やかである。ここは、前者の意。

※玉壺光転:(時間が経って)月の光も移動した(が)。 ・玉壺:ここでは、月を指す。本来は、玉でつくった美しいつぼ。 ・転:(方向や位置を)変える。移す。移る。転ずる。変わる。この意味では〔てん;zhuan3●〕。

※一夜魚竜舞:一晩中(元宵節の飾りの)魚や龍の形の灯籠(は)舞う(かのように光り輝いていた)。 ・魚竜:(元宵節の飾りの)魚や龍の形の灯籠。

※蛾児雪柳黄金縷:(女性の髪の飾りの)「蛾児」や「金糸で飾ったユキヤナギ」に。 *この句の「蛾児」「雪柳黄金縷」(金糸で飾ったユキヤナギ)は、平民の女性の元宵節での髪の飾りと云う。『宣和遺事』や『武林舊事・元夕』にあると云うが未確認。前出・李清照の『永遇樂』「中州盛日,閨門多暇,記得偏重三五。鋪翠冠兒,
撚金雪柳,簇帶爭濟楚。」とある。 ・-児:小さな物(名詞ほか)などに附く接尾辞。

※笑語盈盈暗香去:笑い声のにこやかさに、どこからともなく漂ってくる香り。 ・盈盈:〔えいえい;ying2ying2○○〕ほほえむさま。女子の姿態の軽やかなさま。情緒や雰囲気が溢(あふ)れているさま。 ・暗香:どこからともなく漂ってくる香り。梅の花。ここでは、美人を謂う。中唐・白居易の『春夜宿直』に「三月十四夜,西垣東北廊。碧梧葉重疊,紅藥樹低昂。月砌漏幽影,風簾飄闇香。禁中無宿客,誰伴紫微郎。」とあり、両宋・李清照の『醉花陰』に「薄霧濃雲愁永晝,瑞腦消金獣。佳節又重陽,玉枕紗廚,半夜涼初透。   東籬把酒黄昏後,暗香盈袖。莫道不消魂,簾捲西風,人似黄花痩。」とあり、北宋・王安石の『梅花』に「牆角數枝梅,凌寒獨自開。遙知不是雪,爲有
暗香。」とある。

※衆裏尋他千百度:人々の中に、(女性の許からいなくなった)あの人を何度も何度も探(さが)す。 ・衆裏:群衆の中に、人々の中で、の意。 ・尋:(行方不明になった人を)探(さが)す。たずねる。 ・他:彼。三人称単数の代(名)詞。

※驀然回首:不意に振り返(れば)。 ・驀然:〔ばくぜん;mo4ran2●○〕不意に。突然に。だしぬけに。また、まっしぐらに。いっさんに。たちまちに。=驀地。ここは、前者の意。 ・回首:ふりかえる。

※那人却在:あの人(=意中の人)は、何と(灯火が衰えているところに)いるではないか。 ・那人:あの人。彼(か)の人。意中の人。 ・却:何と。何と…ではないか。*意外を表す。 ・在:(…)にいる。

※灯火闌珊処:灯火が衰えているところ(に)。 ・闌珊:〔らんさん;lan2shan1○○〕盛(さか)りがすぎる。尽きようとする。衰えてゆく。南唐後主・李Uの『阮カ歸』呈鄭王十二弟に「東風吹水日銜山,春來長是閑。落花狼籍酒
闌珊,笙歌醉夢間。   珮聲悄,晩妝殘,憑誰整翠鬟。留戀光景惜朱顏, 黄昏獨倚欄」とあり、両宋・李C照の『好事近』に「風定落花深,簾外擁紅堆雪。長記海棠開後,正是傷春時節。   歌罷玉尊空,缸暗明滅。魂夢不堪幽怨,更一聲啼鴂。」とある。







◎ 構成について
  
 青玉案双調。六十七字。韻式は、「aaaa aaaaa」。仄韻。『西湖路』ともいう。韻脚は「樹雨路舞 縷去度首處」で、詞韻第四部仄声。
              
◒○◓●○○●。(a韻)
●◒●、○○●。(a韻)
◓●◒○◒●●。(a韻)
◓○◒●,◓○◒●。(無し/a韻)
◓●○○●。(a韻)


◒○◓●○○●。(a韻)
◓●○○●○●。(a韻)
◓●◒○◒●●。(a韻)
◓○◒●,◓○◒●。(a韻)
◓●○○●。(a韻)
    

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2017.4.9
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