五湖四海一美人, 十五十六正青春。 二十七八得了病, 三十歳上命歸陰。 |
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謎語
五湖四海一の美人にて,
十五、十六 正に 青春。
二十七、八 病を 得(え),
三十歳に 上(な)りて 命 陰に歸す。
◎ 私感註釈 *****************
※謎語:なぞなぞ。これは、数え歌のようになっている。答は「月亮(お月様)」。
※五湖四海一美人:天下一の美女(で)。 ・五湖四海:世界。国中。 ・一:第一の。世界一。 ・美人:美女。月には嫦娥がいる。
※十五十六正青春:十五、六歳は、ちょうど青春の最中だ。 ・十五十六:十五、六歳。月齢でいえば、十五夜、六夜。 ・正:ちょうど。 ・青春:人生で最良の時期であり、月でいえば満月。
※二十七八得了病:二十七、八で病気になって。 ・得了病:病気になって…。「得病」で、病気になる。 ・了:…した。動詞や文末に附いて、動作や状態の完成を表す。
※三十歳上命歸陰:三十歳になったら死んでしまう。 ・三十歳:晦日のことになる。 ・上:…に達する。 ・命:運命。いのち。 ・歸陰:隠れてしまう。死ぬ。新月にもどる。
◎ 構成について
韻式は「AAA」。韻脚は「人春陰」。現代語韻の〔-(i)n韻〕といえるが、古韻では〔-(i)n韻〕と〔-(i)m韻〕とにまたがり、上平十一真(人春)、下平十二侵(陰)。平水韻では通用されない。次の平仄はこの作品のもの。
●○●●●●○,(韻)
●●●●●○○。(韻)
●●●●●●●,
○●●●●○○。(韻)
2005.5.1 5.2 |
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