ボディーだけ分解してみました。少々予想外なところがありました。
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基本的には前回の8620東北仕様と同じ構造なので、分解も同じ手順でできます。
キャブを外すところが一番怖いです。東北仕様のときは不注意でキャブ後部の手すりをへし折ったりしましたが、学びがなく今回もやりました。すぐ気づいたので曲げ戻して外見上は復旧しています。
分解したところです。細かいディテールパーツは付けたままなので、さらにバラバラに分解したければできます。
今回、ボディーのAssyパーツはライトユニット付きとされているので、もしかしたら導光方法が変わったのかなと思いましたが、以前と同じに見えます。 ただしヘッドライトは東北仕様のように抜き取って交換することはできず、一体成型されています。
もうひとつ気になっていたのはデッキ付近です。デッキとランボード前端の組み合わせ形状が変わっていることは外見から気付きましたが、デフが別パーツになっていたのは予想外でした。
デッキ部とデフレクターを組み合わせたところです。従来はこの状態で一体成型されているのが普通でしたから、今回もてっきりそうであると思っていました。
外したデフレクターです。底部の取り付け板の裏に短いピンがあって、それをデッキ後部(ランボード前端に相当)の小穴に差し込んで留めます。
デッキ後部(ランボード前端)はこの取り付け板の形に彫り込まれていて、組み合わせた時に余計な厚みが出ないようになっています。このへんの形状はとても精密で、何だか感動しました。
あまりうまく伝わらないかもしれませんが、デッキ部にデフを上からはめ込み、それをボイラー前端に合わせ、前から煙室扉をはめ込んで留める仕組みです。
デフを付けずに組み立てると、デフなし8620の感じが出て格好いいですね。
ただ、このままではシリンダー上部の蒸気管カバーがランボードから浮いていますし(本来は間にデフの取り付け板が挟まれる)、煙突の脇にもデフのステーがはまるくぼみが開いたままですから、ちゃんと作るなら改造工作は要ります。
テンダー部の構造も8620東北仕様と同様です。
石炭部の4本足の先端のツメを外して上下を分離する感じです。
特に変わったところはないように見えました。東北仕様と同様、中身のダイキャスト部にはライトユニットを取り付けるツメが付いています。
ただし後部ライトは東北仕様と違って交換はできず、一体成型されています。SL人吉の58654と特定された模型なので、交換が想定される場面は少ないですね。
レンズの導光部はテンダー内部まで貫通しており、点灯準備は行われています。
今回の58654はKATOの新系列蒸機では初の門鉄デフですが、今までになかった構造で意外でした。
もしかしたら破損したときの修理を経済的に行うためかもしれませんね…何となく門鉄デフは破損や修理依頼が多そうな気もしますし。これはちょっとわかりません。
以下オマケです。全然一般的な話ではなくて、私が限定的に試してみたことです。
…と8620の説明書にあります。勾配を走らせるときには最大でも4%程度にしておけ、という程度の意味だと思います。
4%勾配を作って、その途中からセットの3両編成が出発できるかを見てみました。私の今のレイアウトにはトラブル排除のため勾配を作っていないので、戸板を4%に傾けた即席の坂です。
4%の直線で、58654+オハフ+オハ+オハフの編成です。
停車状態から出発しても普通に走り出しました。
撮影環境が悪くノイズだらけの写真ですみません。車両がボケて見えるのはスケールスピードで走っている車両を遅いシャッター速度で撮ったためです。
ちょっと傾きを増やして5%にしてみました。
こちらも停車状態から発車できました。
今度は直線ではなく、同じ5%の土台にR249の曲線を蛇行させて配置してみました。
問題なく停車状態から発車できました。5%がOKなら4%もOKだろうということで、SL人吉3両編成の軽いテストはこれで終えました。
ついでに: 前回の8620東北仕様にオハ35系客車をつないで、何両行けるか見てみました。坂の途中から出発できるかどうかです。東北仕様も標準通過勾配は同じ4%です。
まず5%では、直線でも3両の引き出しがぎりぎり、4両はほとんどだめでした。
4%なら4両は安定しており、5両もほぼOKな感じでした。6両だとギリギリかダメでした。
4%のR249蛇行でも4両ならOKでしたが、5両ですと空転が頻発して快適に牽けませんでした。この戸板コースなら4%勾配で4両ぐらいに抑えたほうがよいようです。
実際のレイアウトはこんな単純な線形とは限らず、引く車両によっても機関車の姿勢や粘着が様々に変化するので、実際に牽ける数には大幅なばらつきがあるかもしれません。
自作レイアウトの4%勾配で、8620東北仕様と客車2両でも空転してしまい、相当に補重しないと走らなかったという方もいらっしゃいました。最近の機関車は形態重視の裏返しで重量がとても軽くなっているので、昔ほど勾配に強くはないというのはあるかと思います。ただ私は今のところ、最近の蒸機の登坂力について正しいデータを持ち合わせていません。
もし登坂力が不足した際には、レイアウトの世界観的に許せばですが、迷わず補機を連結する方法もあるかもしれません。今の車両はモーターや照明の消費電力も少なく、逆にパワーパックの出力は大きいので、重連・3重連も楽々ですからね。その前になるべく勾配のゆるやかなレイアウトを作りたいものですが、必要な場所が大幅に広くなるのでなかなか…。
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