2019年版カタログのコラムのあたりから何となく触れられていた、8620形58654号機と「SL人吉」客車セットが発売されました。
先に8620東北仕様が発売されたので、それをもってあのカタログのコラムは消化されたのかなと思っていましたが、きっちりSL人吉も発売されました。
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メーカーの公式サイト等にも詳しく掲載されており、またKATOの8620の完成度の高さについては以前も感想を書いたとおりですので、ここではその8620東北仕様やマイクロエースの「SLあそBOY」と並べてみました。
KATO製品を買うのに先立って、マイクロエースの58654を10年以上ぶり?に動かしたところ、何もメンテせずとも一発で動き出しました。最初は起動電圧は高かったものの、動きはスムーズですぐに馴染みました。
最近始めた方が見ると得体が知れないスタイルかもしれませんが、アリイ製品を見慣れた目には今でも普通に楽しく遊べてちょっと嬉しくなりました。
ただKATO製品とは時空が違うものなので、同一レイアウトには共存しにくいかもしれません。そこは考え方しだい。
以下2点は今回の58654(KATO)です。
8620の基本のスタイルは前回の東北仕様で確立しており、Nゲージの量産模型としてバッチリな感じです。飾り塗装に関してはロッドの赤の吹き込みがわずかに見られたものの大したことはなく、金色の装飾がきれいで特にランボードの二重線には見とれました(大体自分できれいにできそうもないものには見とれます)。
東北仕様では公式側ランボード下の配管の歪みが物によって目立ちましたが、今回は複数本が連結して並んでいるためか解消気味です。やっぱり部分的には歪んでしまっていますけども。
2006年に発売された、マイクロエースの「SLあそBOY」と各部を比べてみましょう。
プロトタイプとした時期が違い、また各製品の設計条件や制約も大きく異なる中で、どんな工夫がされてきたのかが外観に表れています。
どちらも製品化はすごく大変だっただろうと思います。
58654には煙室下(アゴ)のやや深い位置にシンダー除けが付いており、この模型にもあります。東北仕様でも手前の浅い位置にツナギ板が付いていましたが、同じではなくやや奥にあります。 |
ちなみに先輪の直径はKATOと同じですが、フランジは実物通りデッキの低いKATOのほうがだいぶ低くなっています。 |
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マイクロエース |
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マイクロエース キャブ下ステップは省略されているものの、後ろのテンダーのステップには白が入っているあたりが細かいです。 |
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マイクロエース |
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マイクロエース |
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マイクロエース |
以上、何を生かして何に目をつぶるか、前提となっている条件をもとに選択を積み重ねて設計を進められてきたのでしょうね。
メーカーによって、ほぼ手法が定型化していた部分もあるかもしれませんけども。
同時発売の客車から、オハフ50-701をちょっと見てみます。マイクロエース発売の「SLあそBOY」の時点とは外観が大きく異なります。
あまり私は復活列車の客車に注目していないので、特に何か書くことはできませんので並べるだけです。
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KATOの編成には、車内の展示棚照明装置が標準装備されています。結構目立つ面白い仕掛けです。
客車を連結した様子です。気のせいか、それぞれにそれぞれがちゃんと似合っているような気がします。
機関車の車高の差は客観的に見てすごいですね。それを克服した製品が世に出るには今までかかったということなのですね。
58654+「SL人吉」(KATO)
58654+「SLあそBOY」(マイクロエース)
今回の58654には、単品(2028-2)と4両セット(10-1727)がありますが、含まれている機関車とその付属品は同じものです(単品のプラケースが丸ごと入っているわけではありません)。
地域や時期が限られる列車ですから、興味をもつ方もある程度限られるかもしれませんが、現代の技術で製作された58654を熱望されていた方には購入に迷う余地がない製品かと思います。
KATOの8620についてと、マイクロエースのSLあそBOYの記事です。それぞれの登場時の感想です。
8620 東北仕様(KATO)[1] 2