KATO製蒸機の分解(2) 旧C62

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旧C62(品番203、2003)

1971年から発売された旧C62です。

C62の上回りを固定する2箇所 動力ユニットの先端は、給水温め器のような形に成型されており、上廻りの給水温め器カバーにぴったりはめ込まれています。
動力ユニットの後方には、左右に丸いピンが出ていて、これがボディの火室の穴にはめ込まれています。
後方のピンの位置 赤丸が、ボディの火室の穴から動力ユニットのピンを外したところです。ホゾとホゾ穴のように深くはめ合わされていますから、火室を左右に開くようにしないと外れません。
ここまでは簡単ですが…。
給水温め器の位置

問題は前方です。動力ユニットの先端に給水温め器を模した丸型の出っ張りがあるため、これがフロントの傾斜部に引っかかって、うまく動力ユニットを後方に引き抜けないことがあります。
ここで無理をすると、デフを破損する恐れがあります。C62のデフはそれ以降の製品と違い、デッキとは別のパーツになっていて、接着によって取り付けられているからです。

ただし、何とかして一度でも分解すると、簡単に外れるようになることもあります。
ここでは無理をしないよう、大昔に雑誌等で紹介されていた方法で進めます。

後方ビスを外す

この方法をとるには、テンダーが邪魔なので外してしまいます。
車両を逆さにし、後方のビスをドライバーで緩めます。

前方のビスは外しません。床板が取れて、動輪がバラバラに外れてしまいます。

従台車を外す

ビスを外したら、従台車のドローバーを後ろに引き抜いてテンダーを外します。

従輪も外しません。従輪から取り入れられた片側のレールの電流は、車軸から金属製の軸受けに流れ、そこからドローバーを伝って動力ユニットに流れるようになっています。うっかり車輪を外し、逆向きに取り付けてしまうとショートします。
なお、テンダー台車からは集電されていません。

火室を広げる

さて、改めてボディを外します。

ボディの火室下部を外側に少し広げます。火室と動力ユニットとの隙間にピンセットなどを差し込む方法がよく紹介されています。先の曲がったもののほうがよいようです。
私は普段は指だけで広げています。

このとき、コンプレッサーや給水ポンプに指をかけてしまうと、破損の恐れがあるので気をつけます。

動力後部を外す そのまま動力ユニットを下側にずらして、ボディから少し外します。
次は問題の前方です。
キャブを軽く叩く キャブを軽く叩く 写真のように車両を持ち、キャブの屋根で机をコンコンと数回軽く叩きます。
強く叩きすぎると破損の恐れがありますから、軽くで結構です。
動力ユニットを外す

これで動力ユニットの前方が少し下がるので、あとは手で動力ユニットを簡単に外せます。うまくいかないときはもう少し叩いてみます。

※たまに、がっちりくっついてしまって、この方法でも外れないものがあるようです。修理のための分解なら、そんなときは無理せずにメーカーに任せるとよいのですが、すでにこのC62は旧製品のためそれも無理かもしれません。

分解したC62
これで分解できました。ずっしりした動力ユニットで、キャブ内にも別のウエイトが入っています。当初はゴムタイヤがなかったので、この重量だけが頼りでした。
組み立ては、動力ユニット先端を前デッキ裏にはめ込み、後方のピンをパチンとはめればOKです。

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