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終戰述懷
 

松井石根
死猶毛羽義山嶽,
玉碎瓦全任作鄰。
利鈍莫言興亞事,
殺身本是在成仁。





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 終戰述懷

死は()ほ 毛羽(まう う )のごとく  義は山嶽(さんがく)
玉碎(ぎょくさい) 瓦全(ぐゎぜん)  (となり)()すに(まか)せん。
利鈍( り どん) 言ふこと(なか)れ  興亞(こう あ )の事,
身を殺すは (もと)()れ  (じん)を成すに在り。

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◎ 私感註釈

※松井石根:明治~昭和時代前期の軍人。陸軍大将。明治11年(1878年)~昭和23年(1948年)。愛知県生まれ。陸軍大学校卒。第十一師団長、ジュネーブ軍縮会議全権委員、台湾軍司令官などを歴任。昭和8年陸軍大将。日華事変では上海派遣軍司令官、中支那方面軍司令官となる。終戦後、極東国際軍事裁判で「南京事件」の責任者としてA級戦犯となり、昭和23年12月23日処刑された。

※終戦述懐:(昭和20年8月15日以降の)戦争が終わってからのことについて、心に思ったことをのべる。 ・終戦:戦争が終わること。ここでは、昭和20年(1945年)8月15日の大東亜戦争(当時の日本側での呼称≒太平洋戦争(当時の聯合国側での呼称))の終結を指す。 ・述懐:心に思うことをのべる初唐・魏徴の『述懷』に「中原初逐鹿投筆事戎軒。縱橫計不就,慷慨志猶存。杖策謁天子,驅馬出關門。請纓繋南越,憑軾下東藩。鬱紆陟高岫,出沒望平原。古木鳴寒鳥,空山啼夜猿。既傷千里目,還驚九折魂。豈不憚艱險,深懷國士恩。季布無二諾,侯嬴重一言。人生感意氣,功名誰復論。」とあり、幕末~維新・雲井龍雄の『
述懷』に「慷慨如山見死輕,男兒生世貴成名。時平空瘞英雄骨,匣裡寶刀鳴有聲。」とある。

※死猶毛羽義山岳:(我が身が)死ぬことは、なおも(鴻)毛(よりも軽く)、正義は山(よりも重い)。 ・猶:なお。なおも。 ・毛羽:鴻毛(こうもう)を謂う。鴻毛(こうもう)は鴻(おおとり)の羽毛のことで、非常に軽い物事の喩え。「死有重于泰山,有輕于泰山」。漢・司馬遷の『報任少卿書』に「人固有一死,
重於泰山,或輕於鴻毛,用之所趨異也。」とある。ここの語を「毛羽」として、「羽毛」や「鴻毛」としないのは、平仄を整えるため。この句は「○○●●○○●」とすべきところで、「毛羽」は「○●」(●●)、「羽毛」は「●○」(○○)、「鴻毛」は「○○」となるため。 ・義:正義。正しい道理。

※玉碎瓦全任作隣:玉となって砕(くだ)けて名誉の死を遂げるのか、いたずらに生きながらえることになるのかは、隣り合わせのままにしておこう。 *判決前の心情であろう。 ・玉碎:玉となってくだける。名誉の死、価値ある犧牲をいう。また、日本軍部隊が全滅した際の発表で大本営が使った表現。初めて使われたのは大東亜戦争(太平洋戦争、第二次世界大戦)中の昭和18年(1943年)5月、アッツ島の戦いで日本軍守備隊が全滅したことを大本営が発表する時に使った表現。『北齊書・元景安傳』に「豈得棄本宗,逐他姓,大丈夫
寧可玉砕不能瓦全。」(中華書局版141ページ 五四四頁二行目)とある。 ・瓦全:かわらけのようなつまらないものとなって安全さを保つこと。何もなすことなく、いたずらに生きながらえること。=甎全。明治・西郷隆盛の『偶成』に「幾歴辛酸志始堅,丈夫玉碎甎全。一家遺事人知否,不爲兒孫買美田。」とある。 ・任:自由にさせる。するに任せる。そのままにしておく。まかせる。ゆだねる。 ・作隣:隣り合わせの意。

※利鈍莫言興亜事:都合よくいくいかないと(損得勘定で)、興亜の事がら(≒アジアの政治問題)を言いなさるな。 ・利鈍:よく切れることと、なまくらなこと。賢いことと愚かなこと。つごうよくいくといかないと。 ・莫言:言うな。「莫-」は禁止・否定の辞。 ・興亜:アジア(亜細亜)諸国・諸地域の勢威を興隆させ、西洋の植民地支配から脱却させること。昭和13年(1938年)頃から多く用いられた語。 ・事:事がら。出来事。 *蛇足になるが、日本語の体言化(名詞化)する働きの語「…こと」とは異なり、具体的なことがらを指す。

※殺身本是在成仁:身を殺すのは、本来、正義の具現のためなのだ。 ・殺身…成仁:諺の「
殺身成仁」(身を殺して仁を成す)のことで、正義のために死ぬこと。 ・本是:もとは。本来。事の起こりは。根源は。

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◎ 構成について

韻式は、「AA」。韻脚は、「隣仁」。平水韻上平十一真。この作品の平仄は、次の通り。

●○○●●○●,
●●●○●●○。(韻)
●●●○○●●,
●○●●●○○。(韻)
平成26.12.23
      12.24
      12.26
      12.27
      12.28



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