Bobby Vinton International Fan Club of Japan
Newsletter, number 28 : May 1, 2003


                                                  

 


Rare albums from around the world 〜世界の珍しいアルバムから〜

Unchained melody, Bouquet of roses,
Take good care of my baby, I'll make
you my baby, Every day of my life,
My heart belongs to only you, No arms
can ever hold you, My elusive dreams,
Love me with all your heart, Over the
mountain, Long lonely nights, Rain rain
go away, And I love you so, Days of
sand and shovels, Young love, Please
love me forever
Holland Epic EPC80713 Best of Bobby Vinton, 2(1975)

オランダ、ベルギーでボビーが特に60〜70年代に高い人気を保っていた
事は、何度も触れてきたが、その証明になるのがこのベスト盤第2集の存在
である。ジャケット写真はアメリカ盤”Every day of my life"のそれが使用されて
いる。ヒット曲の他に、“アンドアイラブユーソー””ヤングラブ”などの甘い愛の歌
を交えて心地よいサウンドを提供してくれる。ファンならコレクションに是非加えて
おきたい好盤である。



Bobby Vinton show at the Orleans, Las Vegas on Feb. 28, 2003.

 

 

ボビーがオーリンズホテルに出演すると聞いた私は、2・27から3・2にかけてラスベガスに滞在した。オーリンズホテルは最近ボビーがラスベガスで契約しているホテルで,このあと7月にも出演の予定がある。中心街からは少し離れた場所に位置しホテル名はニューオーリンズをイメージしたホテルに由来している。Sunset station, Sun coastというホテルも系列のホテルグループで、そちらにもゲイリー・パケット,セルジオ・メンデスといった懐かしいアーティストによるヘッドライナーショウを企画している。

さて、今回のボビーのショウは前回とほぼ同じ。他のオールディーズスターのヒット曲メドレーの代わりにアル・ジョルスンメドレーが組まれた点が異なるだけであった。ボビーは体調もよいようでけっして、観客の入りはよくなかったが,にもかかわらず誠実な人柄そのままに精一杯のエンターテイメントを見せてくれた。劇場を売却したことにも触れ、その理由として、ツアーをやりたいからとステージで語った。ショウは構成がよくいろんな階層に受け入れられるようバラエティに富んでいる。個人的には以前にも述べたようにインターナショナルメドレーの内容を少し検討したほうがよいと思う。ドイツ語、フランス語、イタリア語などでの持ち歌をもう少しボビーの歌唱力を生かせる選曲にしたらと考えているのだが、どうだろう?ソロナンバーでは“ミスターロンリー“”クライング””愛のメロディー”あたりはさすがと感じさせる表現で観客を魅了した。

ショウの後、楽屋にボビーを訪ねたが、20人近くのファン、スタッフがいたにもかかわらずボビーは私の方に歩みより握手で迎えてくれた。”日本で私のCDは発売されているのか?””ラジオでは私の曲はオンエアーされているのか”など彼から質問されたが、”ミスターロンリーとブルー・ヴェルヴェットはいまでも超有名曲です。”と答えるのが精一杯だった。持っていったコレクタブルズのCDにサインをもらいホームページについても説明し
一応の成果はあった。時計を見るとすでに夜11時近く、次の再会を祈り楽屋を後にした。

Collectables COL7421



<Introducing Books>書籍紹介
Halfway to paradise, by Tony Orland with Patsi Bale Cox
New York, St. Martins Press, 2002
261p. 24cm.

トニー・オーランドはボビーの親友の1人。ボビーのA&E biographyにも登場していたし
゜60年代のボビーのレコーディングにも関わりをもっていたようだ。
バンドリーダーとしてボビーがオーランドなどのバックをつとめていた頃にボビーの“涙の
紅バラ”は当時の歌手仲間(レイ・スティーヴンス、ブライアン・ハイランドなど)の間では、曲
が古めかしくてヒットはしないだろうという意見が大勢であったというエピソードや、トニーが
当初、“幸せの黄色いリボン”の録音をボビーに薦めながらボビーから逆に“古めかしい”という
理由で拒否されたなど興味深い出来事にも触れられている。

その他トニーの友人であったウエイン・ニュートンについても、ブランソンの自身の劇場から
追い出されたウエインをトニーのイエローリボン劇場にだしてやりながら、その代わりに他の
場所で共演するという約束がニュートン側から紙切れ1枚で説明すらせず、破られてしまった事
などさまざまなエピソードが31のチャプターに散りばめられている。トニーの自伝ではあるが、
日本には伝わってきていないショウビジネスの世界のさまざまなできごとが1人のエンタテイナー
の目を通して描かれている。



<New item>Bobby Vinton souvenir picture book
(c)2002 Velvet productions
ボビー・ヴィントン・パンフレット
20p. 31x23cm Color

劇場が売却されてしまった今となってはやや色あせた感もぬぐえないが
この貴重な写真集はボビーファンには必携で歌手生活40年を記して
出版され当初は劇場で現在は通販で入手可能である。

LPのジャケット写真を並べた見開きページにはこれまで発売された30種の
それが掲載されている。(参考ながらその内の1枚は筆者が寄贈した日本盤
のグレイテストヒットのジャケットである。)これまで発売されてきたLPの3割
位しか紹介されていないのが残念である。

ボブ・ホープ、トニー・ベネット、カーク・ダグラス、ジョン・ウエイン、ニクソン大統領
スティーブン・スピルバーグなどとの交遊関係を伝える”Bobby & friends"
"Family times"には家族との愛妻ドリーを始め2人の息子4人の娘に囲まれた
写真など家族との絆を大切にするボビーの信条がでている。
その他ステージでのボビーの晴れ姿など改めて息の長いエンタテイナーとして
ボビーをとらえることができる。’70年代にも同種のパンフレットは発売されていたが
今回は全面的に改訂されている。


Record shops in Las Vegas〜続ラスベガス・レコード店事情〜

1 Music for less(Fashion outlet mall)
2 Odyssey Records
3 Record City
4 Record warehouse(Boulevard mall)

今回、訪れたレコード(CD)店は上記4店。1はチェーン店でCD/Video/DVDの廉価盤を
販売している。すべて新品で、ボビーのCDとしては、Sony Music Coustom Marketing Group
のGreatest hits, Love songsなどが並べられていた。DVDは他店に比べ2割位やすく販売
している。

2と3はストラスフィアタワーホテル近くにあり3は中古盤が中心で市内に5軒、出店している。
特徴としては中古のシングル盤にもかなり力を入れている点があげられる。中古LPは10ドル
未満のものから80ドル前後のものまであるが、在庫に、これといった盤を見つけられなかった。
CD,DVD,Videoも中古が中心だった。
2は中古3割新品7割といった感じの品揃えだが、ワールドミュージック、ヒップポップあたりに
重点を置いた展示内容でもうひとつ興味がわかなかった。

4はモール内にあり、中古CDにかなり力をいれているような印象を抱いた。
ボビーのCDとしてはEpic/Legacyの16 most requested songs/Greatest hitsの2枚が
コンスタントに売れているそうだ

実はもう1軒、J Mars Record Shopをさがしにでかけたのだが、その住所の番地には、店
はなく、電話しても、使われておりませんというメッセージが繰り返されるだけであった。

All time great albums<この1枚>

Party Music: 20 hits/Ahed Music TVLP177604(1976)Released in Canada and U.S.A.
Producer: Bob Morgan

Ob-la-di,Ob-la-da,Just because,You are my sunshine
Tick-tock polka, Paloma blanca, Don't let my Mary
go round, That's amore, Whose garden was this, Strike
up the band, My melody of love
//Pennsylvania polka, Too fat polka, Polish
and proud, Strip polka, Don't cry Mary Jo, Hoop-dee-do.
You can't be true dear, Polish wedding song, Polka
memories medley, Love is the reason
Precison Records Party Music/Rexford productions(1976)

1976年、ボビーのTVショウはカナダで好視聴率をマークしていた。、カナダをベースに通販を主にMOR系のアーティストのアルバムを発売していたAhed Musicからの要請でボビーは永年温めていたポルカを中心にした企画盤を制作した。”パロマ・ブランカ””愛のメロディー”などはすでにABCレコードで紹介されているが、大半は初登場曲。自作曲も6曲あり、"Don't let my Mary go round"はシングル”カミングホームソルジャー”のB面にもはいっていたがここでは別アレンジで歌っている。その他”Polish wedding song"も佳作曲だしソングライターとしての才能もなかなかなもの。1991年にカーブからでたCD”Greatest polka hits of all time"や劇場で販売されたCD”Collector series, 5”には
このLPから選りすぐられたナンバーが収録されている。

筆者がこの盤を入手できたのは、発売後5年位経過してからで、すでに廃盤となってからある業者のカタログでたまたま見つけての事で、購入してからは何度も何度も繰り返し聴いて今でも愛聴盤の一つである。ボビーはバラード歌手だと決め付けている人には是非聴いていただきたい。ポーランド人の血を引くボビーのルーツでもあるポルカにボビーがどれだけ適正があるか見極めることのできる作品でもある。
気分が沈んで浮かない時,この盤でも聴けば、明るい気持ちをよみがえらしてくれる素敵なアルバムである。”100メモリーズ”という1979年のアルバムもこのレーベルから発売されて
いることを付け加えておこう。

<Bobby and his rivals>〜ボビーと好敵手たち〜
Neil Sedaka(19390313〜
ニール・セダカ

ニール・セダカはニューヨークのブルックリンの出身。ピアニストでもあるセダカがハワード・グリーンフィールドとコンビを組んで作曲家活動を始めたのはリンカーン・ハイ・スクール在学中のこと、この頃の友人にはキャロルキングもいた。ニールは一時的にグループ“トーケンス”に加わったりジュリアード音楽院でクラシックピアノの技術を磨いてたりしながら、着実に才能を開花させていく。

1958年にハワードとのコンビの“間抜けなキューピット”がコニー・フランシスの唄でヒット。その年の暮れ、
ニール自身がRCAと契約し"Diary"が最初のヒットを記録する。その後は“オーキャロル””カレンダーガール”“素敵な16才””悲しき慕情”など日本でもお馴染みのヒット作品を連発する。ビートルズなどイギリス勢の台頭はヒットパレードの状況を一変させ、1967年の"We can make it if we try"あたりを最後にニールの名がチャートから消えてしまう。

ソングライターとしてのニールはこれ以降Johnny Mathis, Fifth Dimention, Eydie Gormeなどに作品を提供し地道に活動を続行する。"Emegence"という自作自演のLPを1972年にリリースしたニールにとってはキャロル・キングに代表されるシンガーソングライターとしての再出発であった。その後LP”Solitaire"をリリースしたころからイギリスを中心に活動を再開し"That's when the music takes me"そして"Laughter in the rain"(雨に微笑を)をアメリカでも大ヒットさせ、今度はエルトン・ジョンの後押しもあり“バッドブラッド”を大ヒットさせる。アルバムも"Sedaka's back""Hungry years"がベストセラーを記録する。完全にカムバックに成功したニールはその後も、娘のDaraSedakaとの共演盤"Should've never let you go"が1980年に大ヒットを記録するなど息の長いシンガーソングライターとしてそしてエンタテイナーとして現在でもラスベガスのオーリンズホテルと契約するなど、高い人気を保っている。 

CDs by Neil Sedaka

Let the good times in/Brill Tone Prod. NSW 555(2002)2CD set
Sings the hit/BMG RCA 07863 67402-2(1999)2CD set
Athology/BMG 7432161092(1998)2CD set Australia
Sedaka's back/Varese Sarabande VSD 5902(1998)
Hungry years/Varese Sarabande VSD 5948(1998)
Tales of love/Artful C12(1998)
Classically Sedaka/Vision Music Entertainment VISCD 5(1995)U.K.
Italiano/Casa Nostra CNR 1025(1993)
Timeless; very best of/Polydor 511 442-2(1991)


<DVD>
Live in concert at the Jubliee Hall(2002)

<Biography>
Laughter in the rain(1983)Elm Tree Books


Memorable hits〜あの曲〜

君待つ心/マジック・ドリーム LL660-E(1964−10)
Clinging vine/Imagination is a magic dream Epic 5-9795
Producer: Bob Morgan
最高位: 17位
Words and music by Earl Shuman, Leon Carr and Grace Lane


イギリスのいわゆるリバプールサウンズと呼ばれるヴォーカルグループ
がヒットチャートの上位を独占していたこの1964年の夏から秋にかけて
チャートの上位に進出してボビーファンを安心させたのがこのカントリー調
のバラード。1962年に出版されているが、ボビー以外のアーティストでの
ヒットの記録は残っていない。Sonny James, David Houston, Dean Martin
そしてイギリスのRonnie Carrollなどが録音しており、カントリーのスタンダード
といってよいであろう。日本でも当時よくオンエアーされていた。この曲の次の
シングルが”ミスター・ロンリー”だという事はあまり知られていない。

僕達の仲が終わってしまったなんて信じられない。君が他の人のもとにいって
しまったなんて信じられない。彼は、僕が君を愛したようには君を愛してはくれない
ことを君は知っているのか?どうか僕のもとにもどって僕にからみついてほしい。

といった去っていった恋人とのよりを戻そうとする愛の歌でボビーの艶のある歌声
は、聞き手にからみついて離れないであろう。今日ボビーはこのナンバーをステージ
で取り上げることは皆無だが彼の個性にあった作品として末永くファンに愛されて
いくであろう。

From the Billboard Magazine, Hot 100 on Sept. 12, 1964

1 House of the rising sun/Animals
2 Where did our love go/Supremes
3 Because/Dave Clark Five
4 Everybody loves somebody/Dean Martin
5 Bread & butter/Newbeats

10 Oh! pretty woman/Roy Orbison

17
Clinging Vine/Bobby Vinton


Recordings before "Roses are red"
  「涙の紅バラ」以前のレコーディング

1 Alpine AE 50 *First impression/*You'll never forget('59)
2 Alpine AE 59 *A freshman and a sophomore/*Sheik('60)
3 Melody DD5001/5002 Harlem nocturne/*Always in my heart('60)
4 Bobby BV501 Twilight time/*Hallelujah('60)
5 Epic 5-9417 Tornado/*Posin'('61)
6 Epic 5-9440 Corrine Corrina/*Little lonely one('61)
7 Epic 5-9469 *Hip-swinging,high stepping drum Majorette/*Well
I ask ya('61)
8 Diamond D-121*I love you the way you are/You're my girl(Chuck & Johnny)('62)
*Vocal recording

ボビーがニューヨークのスタジオで”涙の紅バラ””ミスターロンリー”など4曲を録音したのは
1962年2月16日の事。それ以前の公式録音シングル盤は上記8枚。ただし、8は゜62年7月
つまり“涙の紅バラ”の後でリリースされている。録音自体は゜60年代はじめと考えられる。

1は2曲共自作曲でCD”Ultimate collection"にB面が収録されている。
2はChuck Sagleのアレンジでオーケストラをバックに優雅なボーカルを聴かせる。
Chuck Sagleは当時エピックレコードでアルバムを制作しておりアルパインレコードが
エピックの姉妹レーベルであったことが立証されている。又、B面を自作とする
説とキャロル・キングの作とする説がある。A面の作者はGene Schachter-Jim R. Drakeと表示されて
いるがこの2人はボーカルグループ”Tempos"のオリジナルメンバーで1959年には"See you in
September"を大ヒットさせている。ボビー自身も兵役につくまでこのグループに在籍していた。
ジム・ドレイクはここにあげた録音でエピックでのものを除いてアレンジ等で大きな貢献をしている。

3はB面を後にLP"Roses are red"用に再録音している。
5はLP”Dancing at the hop"に収録。6はA面がLP”Plays for his li'l darlin's"に収録。B面は
トム・ジョーンズも録音したイタリア民謡”サンタルチア”の替え唄。7はB面が前述のCD Ultimate
collectionに収録。

ファンとして是非コレクションに加えて置きたいのは、1、2、3,4、6、8あたりか?
特に1,2は必携だろう。Near Mintのコンディションで50ドル前後で入手可能である。

この頃の録音を総括するとボビーがオーケストラのリーダーとしてバンドを指揮する一方
ボーカルにも色気を持っていた事が伺える。


<News>
Noel Regney died at 80, on Nov. 26, 2002.

ノエル・レグニーといってもあまりお馴染みがないかも知れないが
ボビーの"Rain rain go away"クリスマスソング”Do you hear what I hear"
(耳をすましてごらん)の作者あるいは、スール・スーリールの1963年の大ヒット”Dominique"の英詩を書いたソングライターとして有名だ。フランスのストラスブルグ
の出身で、Gloria Shayneと組んでソングライターとして’60年代前半に大きな成功
をつかんだ。他の作品には"Goodbye cruel world""What's the use of crying"
などがある。ちなみにパートナーのグロリア・シェインとは当時、夫婦の間柄であった。



                  
                       編集後記

イラク戦争と呼ばれる米英を中心としたイラクに対する軍事攻撃は今回の
渡米時でもすでに秒読みと言われていた。そのせいか、ラスベガスの観光客の
数もいつもと比べ少ない印象を抱いた。それでもいたるところで日本語を耳に
したし、日本人の多い観光地の一つであることに疑いはない。ホテルのショウルーム
でも日本人の老カップルや若い人の姿も見かけた。次回ボビーが登場する7月までに
戦争が終焉していれば間違いなく、ツアー客もコンサート会場へのファンも増加する
であろう。
 一方日本ではクリフ・リチャードやオリビア・ニュートン・ジョンがそんな社会情勢にも
かかわらず来日し往年のファンを熱狂させた。ポール・アンカも一部の都市で公演が
キャンセルされたが、上々の評判であった。ボビーにもまだ日本公演のチャンスは
あると思っている。このホームページに対するアクセスもすでに1万回を超えており、
日本でのアクセスもそのうち2割位はあると考えられる。少しでも多くの音楽ファンに
ボビーの音楽(勿論人柄も)の素晴らしさを浸透させたいので読者の方々も是非、協力
いただきたい。次回は是非、充実した新譜情報を連絡できればと願っている。

Bobby Vinton International Fan Club of Japan
Newsletter, number 28.
編集・発行:Bobby Vinton International Fan
Club of Japan
May 1, 2003
(c)2003 J. Tsukada

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