Bobby Vinton International Fan Club of Japan Newsletter, number, 30 January 10, 2004 |
<New releases>CD
All time greatest hits/Bobby VInton
Varese Sarabande/302 066 512 2(A70809)(2003-10-21)
25 Selections
Roses are red, Rain rain go away, Over the mountain, Blue on blue, Blue velvet, There! I've said it again, My heart belongs to only you, Tell me why, Mr.lonely, Long lonely nights, Lonely, Satin pillows, Coming home soldier, Please love me forever, Just as much as ever, Take good care of my baby, Halfway to paradise, I love how you love me, To know you is to love you, Days of sand & shovels, My elusive dreams, I'll make you my baby, Every day of my life, Sealed with a kiss |
編集作品の得意なレーベル、Varese
Sarabandeから初めて、ボビーの編集作品が
リリースされた。1972年にエピックからでた"All
time greatest hits"の20曲に5曲追加して
エピック在籍時の主要なヒットは網羅された。ただし、「そよかぜの恋」「想い出の涙」
など収録されていないヒット作品もかなりある。編集に携わったMarty
Wekser氏は当初、
エピックにおける全シングル盤を収録した2枚組のCDの制作をTaragon
Recordsにもちかけて
いたが、実現されず、このレーベルで代替作品をリリースしたのが真相のようだ。
データとして、各作品の発売日、録音日がリストされているのを始め、初期の主要作品の
制作者であるボブ・モーガンのからのコメントも記載されている。ジャケットの貴重な写真
もいいし、Marty氏の熱意が伝わってくるようなCDであり、ファンならずとも必携であろう。
"No arms can ever hold you"(君を想いつめて)はアルバム・トラックでなくシングルバージョン
で収録してほしかったが、素晴らしい編集作品である。
主な録音データ
Days of sand & shovels/Apr. 2, 1969 Nashville
No arms can ever hold you/Apr. 2, 1969, Nashville
I'll make you my baby/Apr. 9, 1970 Nashville
Every day of my life/June 18, 1971 Hollywood
<New releases>CD
Related Artists 関連のあるシンガー達
Castle Pie PIESD 295('03) | WizWorks WW1110('02) |
Roses are red/Ronnie Carroll ・Castle Pie PIESD 295
ロニー・キャロルは日本では無名だが、イギリスでは’50年代後半から’60年代
前半に活躍したヴォーカリストで、’62年には”涙の紅バラ”をイギリスで大ヒットさせ
オリジナル盤を凌駕する売れ行きを示した。’64年には"Clinging
vine"(君待つ心)も
録音している。どちらかといえば地味な存在で、本国でもあまり高い評価を受けていない
が、最近でたこのCDでも持ち味である温和な歌声が印象的である。
Roses are red, my love/Paul Evans・WizWorks WW1110
ポール・エヴァンスは、”涙の紅バラ”の作者として知られている。これまでにも
自身でこのバラードを録音していたが、ここでもJimmy
Wisnerの新しいアレンジで
精力的に歌っている。このCDには、他に"Amazing
grace""When"なども収録され
興味深い内容となっている。何故、今になって録音し直したのか?という疑問はでる
だろうが、おそらくヒットから40年の経過がそうさせたのではと考えられる。
上記の2枚、興味のある方は是非、聴いてみてください。
<New Releases>CD
Omnibus
日本盤 コロムビア・ミュージック・エンタテインメント
2,625円
Days: the ultimate jukebox hits
COCB-53137(2003-11-26)
You light up my life, American Pie, Alone again, Unchained melody, I'm a believer, Candy man, My girl, When will I see you again, I'd never find another you, Daddy don't you walk so fast, Paper roses, Horse with no name and other selections by the original artists |
|
Columbia Music Entertainment |
COCB-53137 |
Including, Mr.lonely/Bobby Vinton and other 18 selections
毎年、この時期にオムニバス物を出している、CMEが今年も、カーブ
の音源を中心としたCDを制作した。今回は、ソニー、ユニヴァーサル、
ワーナー、モータウンなどの作品も収録し変化を持たせたものの
相変わらず、デビー・ブーン、ドン・マクリーンあたりが出てきてしまう。
ボビーの”ミスター・ロンリー”もカーブの再録音盤。こういったオムニバス盤より
シーカーズ、ウエイン・ニュートンそれにボビーに関しては是非オリジナル
盤をリリースしてもらいたい。監修者に湯川れい子氏を起用してまで
選曲の正当制を主張しているものの、やや無理の感じられるCD盤である。
<Memorable hits〜あの曲〜>想い出のビッグヒット
L-O-N-E-L-Y/Epic
5-9791 邦題: ロンリー LL-782-E('65-7)
Lyrics and music by Bobby Vinton 最高位: 22位
Produced by Bob Morgan
Arr. & cond. by Charles Callero
Release date: April 19, 1965
Recorded in New York on March 12, 1965
Flip side: Graduation tears(Bobby Vinton-Gene Allan)
"Lという文字は笑い声。Oは僕のただひとりの君。Nは夜。
Eはこの世の終わり。Lは恋。Yは何故、君は僕を残して去って
しまったのか?”という内容の失恋のバラードでボビーの自作。
しっとりしたボビーの歌声は現在でも心に響くものを感じる。
当時、日本ではそれほど話題にならずに終わった。ベルト・ケンプフェルト
の”L-O-V-E"にヒントを得たような曲内容だが、今日、忘れられがちな
誠実さの漂う好唱といえる。B面の自作曲も佳作で、後に改作され"College
town"のタイトルでも知られている。
From the Billboard
Magazine, Hot 100 on June 5, 1965 1 Help me Rhonda/Beach Boys 2 Wolly Bully/Sam the Sham and the Pharaos 3 Bak in my arms again/Supremes 4 Crying in the chapel/Elvis Presley 5 Ticket to ride/ Beatles 10 It's not unusual/Tom Jones 22 L-O-N-E-L-Y/Bobby Vinton |
<Rare albums from around the world〜世界の珍しいアルバムから〜>
レコード制作者: ボビー・ヴィントン
Bobby Vinton as the Producer
LP Greatest hits/Village Stompers Epic BN26318
LP One more time/Village Stompers Epic BN26235
Epic BN26318('67) | BN26235('66) |
ヴィレッジ・ストンパーズは”ワシントン広場の夜は更けて”(’63)のヒットで有名なディキシーランド
ジャズを得意としたインストルメンタルグループ、Frank
Hubbellを中心とした8人組。’60年代に8枚程LPをエピックレーベルからリリースしたがその最後の2枚にボビーが制作者としてクレジットされている。そういえばボビーのLP”Live
at the Copa"にもストンパーズは登場していた。
ボビーは1時期彼らの権利を獲得しステージにレコーディングにと面倒をみていたのである。
ただし、ボビーが本当に興味があったのは、当時やはりエピックに在籍していたグレン・ミラー
オーケストラの方で、彼らが、別会社に移籍したため、ストンパーズを採用したようだ。
"Willkommen ,Mame"はGreatest hitsのLPに収録されたボビーの制作になるレコーディング。もう1枚の
"One more time"はアルバムがそっくりボビーの制作にかかり、編曲・指揮にアル・カイオラを起用した。
当時、彼らは日本でもかなりの人気を獲得していたが、両LPとも発売されずに終わった。”One
more time"の収録曲は以下のとうり。
Side 1: Willkommen, Mame, Winchester cathedral, Calcutta, Twelfth
street rag
Side 2: Children's marching song, Alley cat, Milord, Petite
waltz, Happy wanderer
蛇足ながら、次ぎのシングル盤もボビーが制作している。
Epic 5-10106('66) Willkommen/Chopsticks
B面のアレンジは旧友Jim Drakeが担当している。
CDs by Village Stompers
Washington square/Colletables COL 9333(2003)
Washington square, More sounds of Washington
square/Collectables COL5840('97)
<New releases>CD
日本盤 ソニー・ミュージック・ダイレクト MHCP 133(2003−12−3)
2,520円 全20曲 選曲・監修・解説: 青木啓
スター・ボックス ボビー・ヴィントン
Mr.lonely, Roses are red, Rain rain go away, Trouble is my middle name, Over the mountain, Blue on blue, Blue velvet, There!I've said it again, My heart belongs to only you, Tell me why, Clinging vine, Long lonely nights, Lonely, Satin pillows, Coming home soldier, Please love me forever, I love how you love me, Ev'ry day of my life, Sealed with a kiss, Mr.blue |
ファミリー・クラブの商品に続いて、やっとボビーの日本盤CDが10数年ぶりに発売された。
監修・選曲・解説は音楽評論家の青木啓氏。青木氏がボビー盤のライナーを書くのは今回が最初。
それだけに、興味深く、拝読したが、前半はデビュー当時のポップス界の状況に触れられており、
もっとボビーについて書いて欲しかった。曲目解説では、”悲しき兵士”<Coming
home soldier>
”こんなに愛しているのに”あたりに他の評論家にない鋭い批評が光るが、全体的には、もっと
ボビーのヴォーカルについての描写があったらと思う。”飾り気なく、特に構えることもなくシンプル
に、だが情感を込めてストレートに歌うボビー・ヴィントン”というのが氏の評価だが、曲目解説でも
もっと踏み込んだ解説が望まれる。ビング・クロスビー、ペリー・コモあたりのライナーではそういった
面もでていたのだから。熱の入れ方が違うといわれてしまえば、それまでだが、、
以前にファミリークラブからでたCDには26曲収録されていたが、今回はそこから後期の作品が大きく
削減されたのは残念だ。歌詞対訳付だが、削減した6曲の変わりにスタンダード曲を入れるなどの工夫
があってもよいとファンとしては望んでしまうのだが、今回は発売されたことに意義を見出し、小言は
このあたりとしておこう。
<書籍紹介>Introducing books
「ビルボード年間トップ100ヒッツ 1956〜2001」
フレッド・ブロンソン著 加藤秀樹訳
音楽之友社 2003.11
原書名: Billboard's hottest hot 100 hits, by Fred Bronson
題名どうり、ビルボード誌の年間チャートを追いながら、
巻末には、1955〜2002トップ5000ヒッツのアーティスト索引
がついている。ボビー・ヴィントンの作品は9曲ランクされている。
261 Roses are red 1962 No. 4
396 Blue velvet 1963 No. 5
415 There!I've said it again 1964 No.4
678 Mr.lonely 1964 No.18
2147 My melody of love 1974 No.50
2315 Blue on blue 1963 No. 46
2805 I love how you love me 1968 No. 51
3097 Please love me forever 1967 No. 52
4869 My heart belongs to only you No Rank
左側の数字は5000ヒッツでの順位。右側は年間チャートでの
順位。1962から1964についての解説の箇所にボビーは3年連続で
年間トップ10ヒットをだしたアーティストとして紹介されている。この
頃のボビーの活躍がいかに凄かった十二分に伝わってくる数字でもある。
1960〜1969のトップ100ヒッツでは, 27位 Roses are
red, 58位 Blue velvet
という結果である。
Bobby and his rivals〜ボビーと好敵手たち〜
Ray Stevens レイ・スティーヴンス (1941.01・24〜)
レイ・スティーヴンスは、ジョージア州クラークデイルの出身。本名はRay
Ragsdaleで
15歳の時に放送局のDJを経験。すぐプレップ・レーベルから”Five
more
steps"をリリース。1958年には"Chikie chikie wah
wah"(Capitol)を発表。
1960年には、"Sergeant Preston of the
Yukon"(NRC 057)がマイナーヒット。
一般に認められたのは、マーキュリー・レコードに移籍後で、1961年には
"Jeremiah Peabody's Poly unsaturated quick dissolving fast
acting
pleasant tasting green and purple pills"という長いタイトルのレコードを
チャートの35位に送り込んだ。その後、"Ahab
the Arab""Harry the Hairy ape"
"Speedball"などのヒットを同社からだした。'66年にはモニュメントレーベルから
ヒットレコードをだし、’68年’と69年には"Unwind""Mr.businessman""Gitarzan"
"Along came Jones"などをたて続けにヒットさせヒットパレード界の常連スターと
なっていった。1970年にはバーナビー・レコードに移籍、すぐ"Everything
is beautiful"
(みんなビューティフル)はチャートの第1位を記録。グラミー賞も受賞した。1974年には
”Streak"が大ヒット、再びチャートの1位についた。その後もワーナー、RCA,MCA
カーブとレーベルを目まぐるしく変わりながらも"I
need your help Barry Manilow"
"In the mood"(Warner)などのヒット作品を量産した。日本でも公開された映画”キャノン
ボール”(’85)の主題歌は彼の作品で、彼自身の歌がサウンドトラックに流れた。
楽器演奏、編曲者、制作者、ソングライターなどもこなすマルチタレントであり、
自身の音楽出版者、レコーディング・スタジオも有する実業家でもある。
日本での知名度からは想像も及ばない才人である。
ボビー・ヴィントンの"For
he's a jolly good fellow"('67)はレイの作品であり、デビュー当時
の歌手仲間の1人でもあった。
又、一時、ブランソンに劇場を所有し連日公演していた時期もあった。カントリー、ノベルティ
ソング、シリアス・ナンバーに大別されるレパートリーを持ち、さまざまな側面を見せるレイ・
スティーヴンスにボビーも大いに敬意をはらっている。
CDs by Ray
Stevens
Classic masters/Capitol 72435 43480 2(2003)
Osama-Yo'Mama/Curb D2-78733(2002)
All time greatest hits/Varese Sarbande 302 066 211 2(2000)
Country hits collection/Varese Sarbande VSD 5844('98)
Through a different window/MCA MCAD70004('97)
Great gospel songs/Curb D2-77813('96)
Live/Curb D2-77762('95)
20 comedy hits/Curb D2-77753('95)
Serious side of/Warner Bros. 9 45891-2('95)
Ahab the Arab/Special Music 838 169-2('92)
I never made a record I didn't like/MCA MCAD42172('88)
Greatest hits/Victor VICP60100('97)Japan
Videos by Ray Stevens
Comedy video classics(Curb
Home Video)('92)
Live at his Celebrity Theatre in Branson(Curb Home Video)('93)
All time great albums〜この1枚〜
There!I've said it again/Epic BN26081(1964)邦題: ブルー・ファイアーを歌う
エピック PS 6014(’64−4)
Producer: Bob Morgan
Arr. & cond. by Stan Applebaum
You're nobody till somebody loves you, Unchained melody, There!I've said it again, If, My foolish heart, Trying//Lavender blue, To each his own, I can dream can't I, Warm & tender, My heart belongs to only you, Too young |
録音日及び場所
Sept, 5, 1963, New York/ There!I've
said it again
Same /To
each his own
Oct. 1, 1963 New York /Too Young
Oct. 23, 1963 New York/My heart belongs to only you
数あるボビーのアルバムの中で、CD化が待ち望まれている1枚。アルバムチャート
に約7ヶ月(28週)ランクされ最高位8位を記録するなどボビーの代表的なオリジナル
アルバムで、正当な評価が望まれるところである。これまで、再発もされたことがないのが
不思議な位である。ライナーの中にボビーを評して”’60年代のペリー・コモ”と称えたのも
うなづける。’40年代、’50年代のヒットチューンを中心に自作の"Warm
& tender"も加え
独自の歌唱を展開している。日本盤では、曲目が大幅に入れ替えられ、今日まで日本で
未発表となっている作品(”To each his
own""You're nobody till somebody loves you")
もある。ジャケット写真もよく、エピック初期の代表作品としてファンの心の中にいつまでも
残っていくであろう。それにしてもこのアルバムが発売されてすでに40年経過したという
のは信じ難い事実である。
<News>Bobby on the Lions Club
ボビー・ヴィントン、ライオンズクラブの式典に参加
慈善家としても知られるボビーは2003年6月30日から7月4日まで米国
コロラド州デンバーで開催された第86回ライオンズクラブ国際大会に登場した。
7月3日アダムス・マーク・ホテルで開催されたライオニズムのアカデミー賞
晩餐会の式典で、お馴染みの”Blue velvet"などを披露した。ライオンズクラブ
のホームページには彼の歌う姿を撮った写真も掲載されている。
編集後記
イラク戦争、出口の見えない不況など暗い話題の多かった2003年だったが、
私的にも秋に体調をくずし、内臓の内視鏡検査を受ける羽目になってしまい現在も
治療を続けている有様だ。ストレス社会と言ってしまえばそれまでだが、年齢には勝てない
と言うことなのか?
日本では、久しぶりにボビーのCDが発売され人気の回復を期待したいものだが、
大規模店でないと店頭で購入できない状況では、かなりの忍耐と努力が必要であろう。
少しでも多くの音楽ファンに聴いていただきたい素晴らしい歌手で、素敵な作品を数多く
録音してきたのだから、それに見合うファン数を日本でも獲得してもらいたい。
最近、アメリカで出た"All time greatest
hits"のCDも輸入盤取り扱い店でも店頭では
なかなか見つけられない状況だが、最近のレコードコレクターズ誌で紹介されたことも
あり、通販サイトでは好調な売れ行きらしい。どちらのCDをとるかは、好みにもよるが、
個人的には後期の作品に重点を置いた、米盤の方に、軍配をあげたい。
BS FUJIでは、この1月から”エドサリヴァンショウ”を毎週日曜日夜7時30分から8時まで
放送予定でNHK放映時にカットされたボビーの映像の復活を期待したい。
今年もボビーの話題に終始するこのサイトをご愛顧ください。
Bobby Vinton International Fan Club of Japan Newsletter, number 30. 編集・発行: Bobby Vinton International Fan Club of Japan January 10, 2004 (c)2004 J. Tsukada |