バットマン・リターンズ」(92)を見た。

 バットマンと言えば、あれは89年。全米大ヒットの噂とともに日本公開。
ところが、公開した事を後悔してしまうほどの大不評。
もともとアメリカではスーパーマンとならぶヒーローで、
闇の部分がまた魅力という感じだったのだが、日本では知名度が違う。
TVシリーズのふざけた雰囲気はなくなり、全編リアル調。
ジョーカーが現れた訳までもリアルにやられ、何か全編暗い感じで、
スカッとする部分が少なく、LDでは余計なシーンを飛ばす見方となった。
ジャック・ニコルソンの悪のりが、作品自体の雰囲気を誤った方向へ運び、
半年も前から発売されていたプリンスの曲は、我が道を行く感じ。
ダニー・エルフマンの音楽だけは、妙に元気が出てよかったが、
「ディック・トレーシー」でも似たような曲になったので減点。
と言う感じだったのだが、やっぱりと言うか続編ができてしまった。
題名は「バットマン・リターンズ」だ。原題通りのセンスのない題。
3作目が「バットマン・ストライクス・アゲイン」とかだったら、どうするつもりか。
ま、それはいいとして、バットマンのオリジナルムービーを見てもわかる通り、
主な悪役は4人いた。ジョーカー、キャットウーマン、ペンギン、ナゾラーだ。
今回、そのうちのキャットウーマン、ペンギンが登場。
一気に2人も出してしまうサービスぶり。おまけに、プリンスの曲はナシだ。
日本配給会社も、「前作はごめんなさい」と言った上でほめているので、
今回ばかりは面白いかも知れないと言う、期待が出てくる。(警戒はしているが)
と言う事なので、えぇい、ままよっとばかりに見た。
監督は前作と同じ、ティム・バートン。
当人はバットマンのような大作よりも、「シザーハンズ」のような作品が好きらしい。
そして、バットマンにはマイケル・キートン。
ゴードン署長にパット・ヒングルと言う、前作と同じ配役。
前作の恋人ビッキーこと、キム・ベイシンガーは登場せず。
新たな敵役ペンギンに、ダニー・デビート。
「ロマンシング・ストーン」や「ツインズ」等の背の低いくせ者役者だ。
そして、キャットウーマンにミシェル・ファイファー。
何か普通よりもいろんな事を知っていると言う感じの、くたびれた女性役が多い。
さらには、第3の悪役実業家のマックスに、クリストファー・ウォーケン。
「ディア・ハンター」「ブレインストーム」「007/美しき獲物たち」等。
ちょっと切れてる的な役柄で、必然的に悪役が多い。
と言ったような、配役で、ある意味では前作よりも豪華。さあ、どうなる事か。

 舞台はゴッサム・シティ。病的で、健康的な感じがまったくない都市だ。
物語は雪の中で始まる。「シザーハンズ」で調子に乗ったとしか思えない始まり。
大金持ちコブルポッド家の長男オズワルドが生まれた。
だが、彼は奇形で、指がひっついて水かきのようになっていた。
両親は、彼をゆりかごごと、どぶ川に捨ててしまったのだ。
ゆりかごは下水道を流れ、なぜか地下に住み着いたペンギンの群れに迎えられた。
と言うわけで、彼はペンギンに育てられるわけだが、
狼に育てられたと言うよりも、猿に育てられたと言うよりもありえない話だ。
ジョークかも知れないが、とても笑えるような雰囲気ではない。
とは言うものの、この始まりはなかなかいい。
好きでこうなったんじゃないんだぜという感じだ。

 それから33年後。
町では、ペンギン怪人が現れるとの噂が流れる。
町は実業家のマックス(クリストファー・ウォーケン)が取り仕切っていた。
彼は原発建設を急がせようとしていたが、
秘書のセリーナ(ミシェル・ファイファー)は、この計画に疑問を感じていた。
彼女はキャリアウーマンと言うほど切れる女性ではなく、
経験年数だけは長いが、どこか抜けてる感じ。でも、妙に感がよかったりする。
マックスはクリスマスツリーの点灯式に参加し、スピーチをする予定だが、
ここでもセリーナは原稿を渡し忘れるという失敗をする。
仕方がないので、マックスは即興でスピーチ。
その直後、ピエロみたいな奇怪な衣裳の連中が多数現れ、式を無茶苦茶にし始めた。
原稿を届けようとしたセリーナも巻き込まれ、大変な目に。
警察は収集がつかなくなったため、例の手を使う。
例の手とは、ゴードン署長からバットマンへの直通電話ではなく、
前作の最後にできたバットマンマークのサーチライトだ。
大富豪ブルース・ウェイン(マイケル・キートン)の屋敷では、
センサーが自動的にサーチライトを捕らえる仕組みになっていて、
ボンヤリしていても、市の危機を察知できるのだ。
そこで、さっそくバットマンとなり、バットモービルで出動。
変な連中が大量にいるので、バットマンも忙しくてたまらない。
ブーメランみたいなのに、敵の位置を指定すると、その通りに敵を攻撃。
だが、犬が食いついてブーメランが取られてしまう。
襲われているセリーナも救出。
「あなたがバットマンね」と言われるが、答はない。
彼女はその時、連中が使う痴漢よけみたいな、電流の流れる機械を拾う。
バットマンは、いつの間にか警察の連中と会話するようになっていた。
これでは、声から正体がばれる気がするのだが。
ともかく、マックスが行方不明になった事がわかる。

 マックスは騒動から逃げ出していたのだが、落とし穴にはまって地下水道へ。
そこには、多くのペンギンと共に地下水道で生活し、
浮浪者たちを部下にした怪人ペンギン(ダニー・デビート)がいた。
彼はペンギンに育てられたため、低温を好み、
極地動物園などというものを地下に作っていた。
彼は、マックスに素性を説明。両親を探すため協力しろと言う。
マックスはいったんは拒否するが、ペンギンは拒否できない弱みをつかんでいた。
マックスの工場から出される有毒廃液で池ができているのだ。
しかも、それが彼の工場からである事を証明する書類を、
シュレッダーされたものが、根気よくテープでつながれて復元されていた。
さらには、マックスの腹心の死体の一部と思われる手。
まさに、ゴミを逆に利用してしまうと言う手口はなかなかおかしい。
しかたなく、マックスは協力を約束する。

 当然のように独身のセリーナは、恋人もなく寂しく過ごしていた。
留守番電話に、ブルース・ウェインの書類をまとめろと、自分で録音したのを聞き
すっかり忘れてたと、会社へ戻って書類を調べる。
そこへマックスが現れ、何をしていると聞いたため、説明し、
ついでに極秘ファイルも見たと話してしまう。
極秘ファイルを見るにはパスワードが必要なのだが、
彼女はそれが、社長のチワワの名前である事に気づいてしまったのだ。
そして、原発計画に関する秘密も見てしまう。
原発は見た目で、実はゴッサムシティ全体の電力を吸い上げるための蓄電池なのだ。
(そんなものを作ってどうするつもりなのか、いまいちわからないが)
セリーナは画期的なアイデアと言うが、マックスは秘密がばれたとあわてる。
そして、ついにビルの窓から彼女をつき落とす。
落下した彼女は、アドバルーン等がクッションになって、墜落死をまぬがれる。
そして、なぜか周囲からノラ猫が大量に集まり、彼女をなめ始めた。
起き上がったセリーナは、ボロボロになって帰宅。
何事もなかったかのようにしているが、やがてプッツンと切れて狂乱する。
部屋の中を無茶苦茶にし、そして黒い服をつなぎ合わせ、コスチュームを作り始めた。
これまた好きでこうなったんじゃないのよと言う感じ。

 市長によるスピーチの会場が、またも例の変な連中に襲われ、
市長の息子がさらわれ、下水道の中へ消えてしまった。
ところが、下水道の中から、ペンギンが子どもを抱いて現れたのだ。
と言う、派手な演出でペンギンは市民の前に現れた。
マックスは彼を友人だと言い、両親を探すために資料館での調査を許可する。
だが、ブルース・ウェインは、ペンギンが実は両親の事は知っており、
他の目的で資料館へ行っているのだと考える。
キャットウーマンは強盗から女性を助けるが、
スキがあるから襲われる、バットマンばかりに頼るからだと自分をアピール。
ペンギンの境遇に同情してか、彼の人気は高まり、
マックスは彼を市長候補へ挙げる事を考える。
もちろん、市長選挙は1ヶ月前にあったばかりだが、リコール運動を起こせばいい。
ペンギンは市長に興味はなかったのだが、マスコミを自在に操れ、
また女性も思うままだと聞かされてその気になる。

 一方、ブルースはマックスの原発計画に疑問を感じ、直にマックスに会う。
市の電力は過剰気味で、あらたに発電所を作る必要などないのだ。
だが、マックスはそれを否定。秘書がいれば送るのだがと言うと、セリーナが現れる。
ギョッ!とするマックスだが、セリーナはなぜか昨日の記憶はまったくないと言い張る。
マックスは信用しないが、とりあえず、そういう事にしておく。
ブルースは、セリーナに前に会いましたね、とうっかり言うが、
あの時はバットマンだったので、「あの時は別人だった」と言う。
すると、「女性が?」と聞かれるので、「そのつもりで言ったのだが」と答える。
等とやるわけだが、なぜかブルースはこの時、彼女に二目ボレしてしまう。
変な連中による破壊は続き、そのたびにバットマンは大忙しだ。
実は裏で糸を引くペンギンは、バットマンと対峙するが、現状視察だと言い張る。
そこへさらに、店舗を爆破したキャットウーマンまでもが現れる。
ペンギンは傘を武器にする奴で、ヘリコプターになる傘で逃走。
「仮面の忍者赤影」で見たような気がする。
バットマンとキャットウーマンは、屋根の上で対決。
だが、女性をぶつの?等と言う彼女に、どうも調子が出ない。結局逃げられる。

 バットマンに頭に来たペンギンは、バットモービルを改造して吹っ飛ばす事を計画。
だが、彼の前に現れたキャットウーマンは、殉死させるのではなく、
悪者に陥れようと提案。2人は手を結ぶ事となる。
市長候補を自称するペンギンは、増発する犯罪に手を出せない市長を攻撃。
とりあえず、破壊されたクリスマスツリーの点灯を要求。
というわけで、クリスマスツリーが点灯される事に。
ペンギンは、「氷の女王」と言うコンテストの優勝者か何かの控え室へ行き、
彼女をバットマンのブーメランで傷つけて誘拐。
ブルースはセリーナに接近。彼女を屋敷へ誘う。
そこで食事をし、2人は接近。2人は互いの二面性等について語る。
警察は氷の女王誘拐に関して、バットマンに容疑をかける。
これを知ったブルースは急行。セリーナもやっぱり急行する。
ブルースは、大量にあるバットスーツの中から1つを選び、バットモービルで出動。
(バットスーツに違いがあるようには見えない。
「オバQ」でオバQの着替えが全部同じ服だったと言うのがギャグになっていたが、
ここでは笑っていい雰囲気ではない)
バットマンは、氷の女王が監禁されている場所を発見。
だが、ペンギンとキャットウーマンが現れ、救出を妨害。
氷の女王は、屋上のスレスレの所に立たされており、
ペンギンが大量のコウモリを放ち、たまらず氷の女王は落下。
ツリーの点火装置の上へ転落し、転落死。途端に大量のコウモリが観客を襲う。
人々には、バットマンが突き落としたように見える仕掛け。
バットマンは屋根の上で、キャットウーマンと格闘。
彼女は「ヤドリ木は危険だ」と言い、さらに「キスは命取りになる」と話す。
そしてバットマンにキス。再び格闘になり、バットマンは翼を広げて地上へ降下。
バットモービルで立ち去ろうとするが、ペンギン一味が改造していた。
そのため、バットモービルはペンギンのコントロールで大暴走。
人をはねとばし、パトカーをけちらす。
ペンギンは「こんな市は羽先で動かせる」「クズどもはまかせろ」等と豪語。
あわてたバットマンは、コントロール装置を発見。老人をはねる直前に取り外す。
だが、パトカーが迫っているため、再び逃走。せまい通路を変形して通過。
追ってきたパトカーを次々激突させる事になる。

 ペンギンは犯罪がはびこるのは、市長がバットマンに頼っていたからとアピール。
ブルースは電波に侵入し、「こんな市は羽先で動かせる」等のセリフを放送。
途端に市民の態度が急変。ペンギンに向かって野菜を投げ始める。
市民は去り、マックスまでもが見捨てようとする。
怒ったペンギンは、マシンガン内蔵の傘を乱射。下水道へ戻り、人間への復讐を誓う。
彼は資料館で調べた書類から、市内の長男のリストを作っていた。
自分と同じように、長男をつれ去り、下水道に沈めようと言うのだ。

 マックス主催による仮面舞踏会が行われる。
ブルースはセリーナに再会するため出席。彼女と会い、ダンスをする。
彼女はキスをしながら、「ヤドリ木は危険だ」とか「キスは命取りになる」と話す。
というわけで、ブルースはセリーナがキャットウーマンである事に気づく。
だが、次の瞬間、会場の床がぶち破られ、
下から大きなアヒルの乗り物に乗ったペンギンが出現。
彼は「招待されないから自分で来た」と言い、マックスの長男をつれ去ろうとする。
だが、マックスが抵抗し、結局マックス自身を連れていく事に。
ペンギンの部下は、舞踏会の間に、機関車みたいな乗り物に次々と子供を乗せる。
しかし、バットマンがそれを妨害。
下水道でマックスをオリにいれて待機していたペンギンは、
バットマンが子供を返したと知り激怒。
もはや、長男にこだわらず、次男も三男も、男女も問わず、全部殺すと叫ぶ。

 大量のペンギンを集め、彼らの前でスピーチ。
でも、実は脳波コントロール装置がついていたのであった。
ミサイルを背負った大量のペンギンが町へ繰り出す。
だが、ミサイル発射直前、何者かが電波に侵入し、ペンギンを返してしまった。
もちろんそれはバットマンの仕業だ。
続いて、バットマンはボートで下水道内を突き進み、どんどんペンギンの所へ接近。
これを知った一味は、恐くなって逃走。ペンギンもアヒルの乗り物で地上へ。
だが、バットマンは地面を突き破って急行。彼は発信器を持ち出す。
2人は格闘になり、発信器を手に入れたペンギンは作動させる。
大量のミサイルが発射されるが、命中したのはペンギンの極地動物園などの施設。
爆発でペンギンはまっ逆さまに転落する。

 一方、うまい事カギを手に入れたマックスは、オリからの脱出に成功。
だが、キャットウーマンがムチを足に引っかけたため、下水道の中へ。
彼はそこで落ちていた拳銃を拾う。
キャットウーマンはマックスを襲うが、そこへバットマンが登場。
彼はキャットウーマンに殺すのをやめさせ、警察に渡すよう指示。
言う事を聞かないキャットウーマンに、君はセリーナだろう、
マスクをはずし、ぼくはブルースだ等と、マックスの事をすっかり忘れて会話。
一緒に屋敷で暮らそうと言う。だが、セリーナは簡単には聞かない。
そばにいて、何だか2人の正体を知ってしまったマックスは、
ブルースに、「その衣裳は何だ?」と言う。
セリーナが「彼がバットマンよ」と言うと、マックスは「だっただ」と言って
銃を撃つ。倒れるバットマン。続いて、キャットウーマンも撃たれる。
だが、彼女は「猫は9回死ぬのよ」と言う。(そういう諺があるらしい)
キスは命取りと言うのもあって、2回彼女はキスしたので、
6発撃ってもまだ残る。と言う感じで、なぜか撃たれても死なない。
そして、彼女はマックスにキスをし、例の電流の流れる機械で、
近くにある電線とスパークさせる。周囲に閃光が走り、あちこちが崩れる。
バットマンはがれきの下から、マックスの黒こげ死体を発見するが、セリーナはない。
続いて、フラフラになったペンギンが登場。
こっそり傘を手に取るが、何の役にも立たないおもちゃ用の傘だった。
力尽きて倒れるペンギン。どこからかペンギンの群れが現れ、
水葬にするように、ペンギンの死体を下水道に沈めた。

 そして、クリスマスの日。
車に乗ったブルースは、キャットウーマンらしき影を見かけるが、
彼女を見つける事はできない。
再び空にはバットマンを呼ぶサーチライトが。
そして、それを見ているキャットウーマンの姿が。

 というわけで、この第2弾は、不幸な境遇の2人が悪役なだけあって、
設定は結構面白いのだが、その分バットマンの扱いが軽い。
と言うよりも、戦っているとき以外はほとんど出てこない。
主役が3人になってしまったわけで、
その分描写は分散し、まとまりがなくなってしまった。
テンポをよくすれば、それでも楽しめるのだが、それほどテンポはよくない。
悪役2人に、強さがあまり感じられないのもよくない材料だ。
ペンギンの部下の、変な連中が出てきた日には、収集がつかない。
ブルースは、あんな事ばかりやっていて、いつまでも大富豪でいられるのか?
また、バットマンは名誉回復できたのか?それともみんなの前で弁解したのか?
等と、いろいろと文句はあるのだが、
前作に比べれば、よくできた方と言う感じもある。
 



シリーズ3作目「バットマン フォーエヴァー」(95)を見た。

 バットマンと言えば、マンガが基となったTVシリーズの映画化で
TVがコメディタッチだったのに対し、映画版は妙に暗い雰囲気で、
ダークヒーローと言う言葉がぴったりな感じに。
前作までの監督ティム・バートンの趣味もあったのだろうが、
どうも日本では受けなかったようで、米国の大ヒットに対し期待はずれと言われた。
ところがこの3作目に来て、ティム・バートンは製作に退き、
監督は「依頼人」が面白かったジュエル・シューマッカー。
主演のバットマンことブルース・ウェイン役には、
前作までのマイケル・キートンが降板し、「トップガン」他のバル・キルマー。
悪役には、TVには出なかった気がするが、マンガでは出てきたと言う
2つの顔を持つ男トゥー・フェイス役に、「逃亡者」のトミー・リー・ジョーンズ。
昨年も「依頼人」「ブローン・アウェイ」等いろんな映画に出ていて
今一番忙しい俳優と言われる。
おまけに、オウム真理教青山弁護士の弁護士に一時選ばれた、遠藤弁護士に似ている。
そして、TVシリーズで、ジョーカー、ペンギン、キャット・ウーマンと並んで有名な
リドラー(日本ではナゾラーと呼ばれた)役に、「エース・バンチェラ」「マスク」で
特異なキャラクターを売りにしたジム・キャリー。
ナゾナゾが得意な悪人と言う、あまり犯罪者向きに思えない役柄だが、
ジム・キャリーがその圧倒的なキャラクターで、画面をさらうに違いない。
この今が旬な2名の俳優を悪役に回しては、バル・キルマーでは役不足と言う感じ。
そこで最強の敵には最強の仲間と、ついに相棒ロビンが登場。
当初は、マイケル・ジャクソンがやると言う噂もあったロビン役だが、
「三銃士」等のクリス・オドネルが扮する。
毎回恋人を変えるバットマンに、今度の恋人は犯罪心理学者のチェイス博士。
扮するのは、トム・クルーズ夫人ことニコール・キッドマン。
夫婦共演から離れ、「冷たい月を抱く女」等にも出たが、
これがとんだ食わせ物の悪女役で、どうもうさんくさい女と言う印象が否めない。
この映画でも、実は悪役なのではと思わせてしまう。
おまけとして、いまだに「ちゃん」づけのドリー・バルモアちゃん。
たいした役柄ではなく、トゥーフェイスの愛人役だ。
バルモアちゃんはともかく、他はそうそうたるメンバー。
バットマンスーツやバットモービルも、どこが変わったのかよくわからないが
一新されたらしいし、監督が代わって作品の雰囲気も一新。
音楽までダニー・エルフマンから、エリオット・ゴールデンタールに代わったのは
ゴールデンタールがうまいかどうかよくわからないので、何とも言えないが
とにかく変わった、暗さが薄れたと、
全米で「ジュラシック・パーク」を抜く史上1位の大ヒットに。
1作目の恨みもあるので、話半分としても、このキャストではちと見逃せないのでは。

 今回はニューヨークをモデルにしたらしく、自由の女神があるゴッサム・シティ。
汚らしい高層ビルが建ち並び、薄汚れて、ずいぶん不健康な印象は相変わらず。
その高層ビルの1つに、犯罪者トゥー・フェイス(トミー・リー・ジョーンズ)が
警備員を人質に立てこもっていた。彼は顔の半分がただれて、二重人格的な存在。
もともとは、1作目でビリー・ディー・ウイリアムズ(黒人)が演じた
ハーベイ・デント地方検事だったのだが、裁判中に被告に硫酸をかけられ、
顔半分がただれ、右脳までやられて、短気な犯罪者に豹変したのだ。
このトゥー・フェイスは、二重人格を強調してか、
酒を飲む時まで、2つのグラスで同時に飲む。
なぜか彼はバットマンを逆恨みし、犯罪を犯せばバットマンがおびき出せ
復讐が果たせると考え、犯罪を続けていたのだ。
さらに二面性を強調し、すべての事をコインの裏表で判断。
警備員の命は、たまたまコインのおかげで助ける事に。
彼をタンクの中に入れ、囮としてバットマンの到着を待つ。
警察のゴードン署長(パット・ヒンクル)は、またもバットマンに出動を要請。
犯罪心理学者のチェイス博士(ニコール・キッドマン)にも、分析を依頼する。
派手に登場したバットマン(バル・キルマー)に、チェイス博士は、
犯人はいわゆるアブない奴だと指摘。
バットマン自体も、いい大人なのに、ネズミの衣装とは興味深いと言う。
それを言ったらおしまいだが、ちょっとムッとしたバットマンは
コウモリだと反論して、ビルの中へ。
トゥー・フェイスは待ち伏せして、部下にエレベーターに撃ちまくらせるが、
展開が早くて、なぜ当たらなかったのかわからんが、バットマンは無事。
トゥー・フェイスらは逃走し、追うバットマンは、
タンクの中で縛られた警備員を発見。
救助しようとするが、ドアが閉まり、2人は中に閉じこめられる。
トゥー・フェイスはヘリで持ち上げ、ビルの下で見守る連中の前に、タンクを見せる。
タンクの中では、硫酸が吹き出し、次第に追い込まれる。
バットマンはドアをこじ開け、タンクの上へ。
ワイヤーのついたフックをビルに打ち込み、タンクを吊すワイヤーを切ったので、
警備員を乗せたタンクはビルにつっこみ、警備員は救出される。
一方、バットマンはワイヤーにぶら下がって、そのままヘリで運ばれる。
トゥー・フェイスはわざとネオンにつっこみをそこを突破。
ネオンが爆発し、さすがにバットマンも死んだはずと喜ぶが、
バットマンはヘリにしがみついてて、まだ無事。
なぜ素直に死ねんと怒るトゥー・フェイス。
バットマンは窓をパンチで破り、中のトゥー・フェイスと格闘。自由の女神に激突。
安定を失ったヘリは、海へ一直線。トゥー・フェイスはパラシュートで脱出。
バットマンは海へつっこむが、そんな事で死ぬはずもなかった。

 バットマンことブルース・ウェインは、彼の会社の工場を見学。
研究所では、エドワード・ニグマ(ジム・キャリー)と言う社員が、
新しいテレビと称して、脳に直接イメージを投射する装置を自慢する。
だが、工場長は危険な発明だと彼にそれを禁止しており、
ウェイン自身も、マインドコントロールになると、これを評価しなかった。
ウェインを尊敬していたニグマは、彼だけは評価してくれると思っていただけに、
この事がかなり頭に来る。
その夜。工場長が研究所を見に来ると、まだニグマが例の研究を続けているらしい。
そこで怒るが、工場長は殴られ、頭に妙な装置をつけられてしまう。
マインドコントロールに使うなと言われて頭に来て、
マインドコントロールに使う事にしたのだ。
ニグマ自身も同様の装置をつけてスイッチを入れると、
工場長の目の前に、釣りをしている彼のイメージが浮かび、
工場長も喜ぶが、その間に彼の知識がニグマの方に転送されていた。
とは言っても、工場長がバカになるわけではなく、ニグマだけがどんどん賢くなる。
工場長は、ニグマがそれを悪用しようとしていると気づき止めるが、
ニグマは聴く耳を持たず、工場長をイスに乗せて窓から川へ投げ落とす。
翌日、工場長が死んだと警察が捜査するが、ニグマが警備カメラを操作して、
遺書まで遺したので、どう見ても自殺にしか思えなかった。

 チェイス博士はバットマンが気になり、
バットマンを呼ぶためのサーチライト、通称バットサインを出して、
わざわざ呼び出して、言い寄ったりするものだから、バットマンもたじたじ。
でも、彼女の事を嫌いではなく、ブルース・ウェインとして精神鑑定を受ける。
ウェインは幼い頃、両親を悪人(ジョーカー)に殺され、
以来悪夢にうなされ、悪に対する復讐心からバットマンになったのだ。
そんな悪夢は消える事はなく、その件で相談した事になるのだが
実はチェイス博士が気になっていたと言うのが本当の所らしい。
ウェインは言い寄るが、チェイス博士は、他に気になる男性がいると拒否。
どうもその男性と言うのが、バットマンの事らしいから、二重のショックだ。
そうは言っても、一応デートには誘うわけで、2人でサーカスへ行く事に。
サーカスで空中ブランコをするのは、グレイソン一家。
だがそこへトゥー・フェイス一味が現れ、風船に乗せた爆弾をセット。
観客を人質にとり、ここにバットマンがいるはず。
(どうやって突き止めたのか知らないが)
正体を明かさねば、爆弾を爆破し、観客は皆死ぬと言う。
この事態に、ウェインは仕方なく自分がバットマンと白状するが、
観客席は騒然としており、誰にも聞こえない。
そこで彼はロープで舞台(舞台ではないか。とにかく芸人が演ずる所だ)へ突入し、
トゥー・フェイス一味と格闘に。なぜか来ていたニグマも、この大騒ぎに大喜びだ。
グレイソン一家は、爆弾を止めようとテントの足場を登るが、
息子のディック(クリス・オドネル)が爆弾を処理している間に、
家族は皆転落して死亡。トゥー・フェイスらはどこかへ去ってしまった。
ウェインはディックが家族を失った事に責任を感じ、彼の後見人になる。
だが、ディックはトゥー・フェイスへの復讐心ばかりを燃やし、
他人の世話になる気などさらさらない。
そこで、ウェインは珍しいバイクを見せたりして、何とかひきとめる事に成功する。

 ニグマはバットマンやトゥー・フェイスに対抗して、自分も別の顔を作ろうとする。
名前をいろいろ考えた末、得意のなぞなぞ(リドル)からリドラーと名づける。
彼はウェインに再三、カード等を贈り、何やら謎かけをする。
ウェインは何やら挑戦を受けていると感じるが、謎の意味はわからない。
トゥー・フェイスは隠れ家で、2人の愛人シュガー(ドリュー・バルモア)と
スパイスを従えて、次の作戦を考えていた。
そこへリドラーが現れ、協力したいと言い出す。
隠れ家が簡単に見つけられたので、トゥー・フェイスはびっくりだ。
リドラーはある装置を見せ、手を組もうと言う。
それは、工場長に使った物と同じで、それを大量に売って世界を支配しようと言う。
そのための出資を求めたのだ。トゥー・フェイスは手を組んだりしたがらなかったが、
リドラーの狙いがウェインと知り、手を組む事に。
トゥー・フェイスの宿敵は、バットマンではなかったのか。誰でもいいらしい。
トゥー・フェイスの出資で大量に売り出された装置は、
テレビ放送をバーチャル・リアリティ的に体験できるとして、爆発的ヒット。
だが実際には、それを見た人々の記憶が、すべてリドラーの頭脳に入り
彼は驚異的な天才に進化していく。
リドラーはニグマとして、大儲けし、
ゴッサムシティの新しい顔としてパーティを開く事に。
当然、ウェインもこれには招待される。一緒に行くのはチェイス博士だ。
実はチェイス博士は、バットマンに惚れていたのだが、
いつしかウェインの方へ心が移っていた。
どうしてそうなったかは、映画ではわからない。
ニグマは、かつて自分の発明を認めなかったウェインを挑発。
ウェインもここまで成功されては、反論できない。
バーチャル体験ができるボックスに入れと言われ、仕方なく挑戦する事に。
だが、これに入ると、身動きできなくなり、脳の中をのぞき込まれる仕組みなのだ。
ニグマは大喜びで、これを記録する。
しかし、トゥー・フェイス一味が乱入し、機械の故障でウェインは脱出。
ニグマは邪魔するなと怒るが、トゥー・フェイスは頭が悪い奴で
騒ぎを起こせばバットマンが来ると思ったと言って、深い考えはないようだ。

 一方、ウェインの屋敷に住むディックは、
屋敷の中に入れない部屋がある事に気づいていた。
そこで、サーカス出身の身の軽さを利用して、
召使いのアルフレッドが部屋に入ったスキに、ヒラリと飛び込むとびっくり。
そこにあったのは、バットマンの衣装やバットモビルだった。
バットマンの正体を知ったディックは、バットモビルを乗り回し、
正義の味方ぶって大立ち回りをするが、
多勢に無勢で、バットマンのような小道具もなく危険な目に。
かけつけた本物のバットマンに助けられる。
ディックは、ウェインがサーカス事件の時に、黙っていたから家族が死んだと非難。
その恨みはすぐにさめ、トゥー・フェイスに対する復讐心から、
バットマンの相棒として協力したいと言う。
だがウェインは、自分も復讐心からこういう存在になったが、
悪人を倒せば倒すほど、心はすさんでいくと言う。
若いディックにはそうなってほしくない。でも自分がやめる気はないらしい。
ウェインはバットマンに扮してトゥー・フェイスと何度も対戦。
工事現場に追い込まれ、土砂で生き埋めにされるが、
サーカスの時の衣装を着たディックに助けられる。どういうつもりだと怒るウェイン。
友人かも知れないが、相棒ではないと非難する。
強固に拒否され、ディックは仕方なく屋敷を出る事にする。
リドラーとトゥー・フェイスは、ウェインの記憶を分析。
そこにはコウモリが飛んだ映像が。こんな記憶を持つ人物は、1人しか考えられない。
すなわち、ウェインこそバットマンなのだ。
ウェインはチェイス博士とデートし、屋敷へつれてくる。
実は自分がバットマンだと明かすのが目的だ。
そこへリドラーとトゥー・フェイス一味が乱入。チェイス博士を人質に取られる。
ウェインも抵抗するが、多勢に無勢だ。リドラーは小型の爆弾で地下室を次々爆破。
バットマンの衣装もバットモビルも焼けてしまう。
気絶したウェインを、トゥー・フェイスは撃ち殺そうとするが、
リドラーはそれでは楽しみが続かないと止める。
このバカげた思いつきが、いつもシリーズを続かせる要因となるのである。

 気がついたウェインは、またもリドラーのなぞなぞカードを受ける。
1つ1つのなぞなぞは忘れたが、3つくらいの謎を合わせると
答えは、「エニグマ(なぞ)」に。
エニグマとは、E・ニグマ。すなわちリドラーの正体はニグマだったのだ。
(そんな事わかっても、たいした助けにはならない気がするが。
知っているものと思ったし)
チェイス博士が人質にとられ、ウェインの中に復讐心が燃える。
バットスーツは焼けてしまったため、アルフレッドが作った新バットスーツを着用。
そこへディックが現れ、彼もスーツを着用している。
アルフレッドは、迷える若者を救うにはこれしかないと言う。
ディックの胸には「R」の文字が。それは彼の愛称、ロビン(こまどり)を意味した。
自分の復讐がかかると、先日までかたくなに否定した事も忘れ、
我々は相棒だと堅い握手をして出動。
地下室が爆破されても、なぜか無事なボートと飛行機で向かう事に。
バットマンが飛行機、ロビンがボートだ。
トゥー・フェイスとリドラーは、海上に作ったみたいな人工的な島にいた。
当然、バットマンらが来たのには気づいていて迎撃。
2人とも簡単にやられるが、海を泳いで上陸に成功する。
だがロビンは簡単に捕まり、役立たずとの印象を与える。
バットマンがよじ登って最上階へ行くと、2つの試験管みたいな中に
チェイス博士とロビンが閉じこめられていた。
スイッチを押すと、下が開いて海に真っ逆様という仕掛けだ。
リドラーは、ウェインが愛するチェイス博士と、
バットマンの相棒のロビンの、どちらかを助けさせてやると言う。
だがバットマンはどちらも助けると言い、トゥー・フェイスらはふざけるなと激怒。
どうしたんだかちょっと忘れたが、バットマンは装置を壊して
おかげでリドラー製の例の装置がフル稼働し、
リドラーの頭脳には、オーバーフローするほどの大量の記憶が入り込む。
床は外され、チェイス博士とロビンは共に海上に向けて真っ逆様。
バットマンは後を追い、壁にフックをひっかけたワイヤーで、
2人を次々助ける事に成功する。
3人は必死でよじ登るが、待っていたトゥー・フェイスがワイヤーを外そうとする。
バットマンがコインで決めろと言うので、トゥー・フェイスはそうだったと
コインを投げるが、バットマンが大量のコインを投げ、
あわてて取ろうとしたトゥー・フェイスは、バランスを失い真っ逆様となる。
一方、リドラーの方は、超大量の記憶を受け、頭の形が変形するほどに。
苦しみながら、「なぜ素直に死ねん」とつぶやく。
彼は精神病院に入れられるが、バットマンの正体を知っていると叫んでいると言う。
結局、バットマンの正体を知ってしまったチェイス博士は、心配して面会。
だが、リドラーは自分がバットマンと思いこむほどいかれていただけだった。
こうしてすべて丸く収まった事になり、
最後はTVでも見た事がある、バットマンとロビンが並んで走るシーンで終わり。

 と言うわけで、バットマン1作目は、バットマンとジョーカー、
2作目はバットマンとペンギン、キャット・ウーマンと次第にメインキャラが増えて、
それぞれを描写する必要から、1人1人の存在が軽くなった傾向があった。
この3作目は、バットマン、トゥー・フェイス、リドラーに加え、
ロビンまで出てしまったわけで、さらにこの傾向は進んだわけだ。
前作までの暗い雰囲気は消えたわけだが、
それどころかバットマン及びウェインの描写は、ほとんどない。
チェイス博士との恋愛感情もおまけ程度で、心境の変化もわからず。
これでは役者が変わった事に、気がつかないかも知れないほどだ。
チェイス博士がウェインとバットマンの両方に惚れるあたりは
スーパーマンでは50年も昔からやっている話で、
その三角関係は特に目新しいものではない。
その意味では、その三角関係を中心に描いた
TV「新スーパーマン」の方が面白いかも知れない。
チェイス博士もニコール・キッドマンなので、きっと何かしでかしてくれると思ったが
結局ただの飾りに過ぎなかったので拍子抜け。
ロビンに至っては、ただ顔を出しただけで、何の役にも立たず足手まといになるほど。
悪役に回ると、トゥー・フェイスの遠藤弁護士の方は、
数々の他の作品からも、魅力的な悪役が期待できたのだが、
バットマンに対する復讐心からか、あまりにも軽率な短気さで失望させられる。
そんな中で注目すべきなのは、リドラー役のジム・キャリーで
今回はさすがに、あの芸風は見せられまいと思ったが、
何の事はない、またもあの圧倒的なパワーを見せてくれたわけだ。
コミカルな悪役が多い中、(リドラー自体もそうだが)
主役以上に頭がいいと言う設定も、なかなかいい。
そんなわけで、全米でヒットしているのも、彼のおかげに違いない。
前2作までの陰鬱になるようなムードはなくなり、
派手な見せ場の連続になったのは評価できるが、
もう少し知性の感じられる物語にしてほしいものだ。
 




 これでもシリーズか?「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(97)を見た。

 バットマンと言えば、当初はティム・バートン監督による異色な世界で
アメリカでの大ヒットをよそに、日本では大はずれ。
教室が無人になると言うCMがむなしいかぎりだったものだ。
その後、3作目から監督は「依頼人」のジョエル・シューマッカーに代わり、
バットマン役者も、初代マイケル・キートンから、2代目バル・キルマーに。
今回の4作目では、さらに3代目ジョージ・クルーニに。
知名度から行くと、3人の中で最も低く、
タランティーノと共演した「フロム・ダスク・ティル・ドーン」が知られる程度。
シリーズ4作目にして、3人のバットマン役者が登場と言うのはかなり痛い。
音楽も3作目でダニー・エルフマンから、エリオット・ゴールデンタールに交代。
007のような、不動のテーマ曲があるわけでもない。
バットマンと言えば、相棒はロビンだがこれが3作目でようやく登場。
だがその扱いは、かなり軽く、はるかに悪役の方が描写は細かい。
今回は、さらにバットガールと言う新キャラが登場。
演ずるのは、アリシア・シルバーストーンと言う女優で、
ロビン役のクリス・オドネルと共に、知名度はこれまたあまり高くない。
それに対し、悪役に大物が出るのが、このシリーズの特徴で、
今回はアーノルド・シュワルツェネッガーとユマ・サーマンが登場。
演ずるのはミスター・フリーズと、ポイズン・アイビーと言う
ペンギン等と違って、元ネタを知らない奴だが、
何せ、シュワちゃんが出ると言うので大騒ぎ。
「ターミネーター」以来の悪役と言う事だが、映画が映画だけに、
それはたいして重要ではない。
来日して橋本首相に会ったとか、そんな事で大騒ぎになり、
ポスターは、バットマンは影も形もないシュワちゃんの大アップ。
題名まで「Mr.フリーズの逆襲」とよけいな副題までついている始末。
(まあ、この扱いは日本だけと言う気もするが)
そんな状態だから、シリーズと言うのは首を傾げたくなるものもあるが
まあ、今のところ全作劇場で見ている事だし、
それなりに見せ場はあるはずだから見るしかあるまい。

 いつ見ても不健康な都市ゴッサムシティに、
ミスター・フリーズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)と言う怪人が登場。
もったいぶったりせず、最初から悪役が登場するのは単刀直入だ。
彼はすべての物を凍らせようとする怪人で、特殊な装置で博物館を凍らせ回る。
そこへバットマン(ジョージ・クルーニー)とロビン(クリス・オドネル)が到着。
フリーズは命乞いをする者に対しても、「おれは心も冷たい」とか言って凍らせる。
前回のトゥーフェースも、2つの顔を持っていると言う事で、
わざわざ2つのグラスで酒を飲んだりしたが、
今回も何でも凍らせようとする徹底ぶりは、ちょっと苦笑させられるものがある。
どんな悪役にも、ショッカー隊員みたいな部下がいて
なぜか忠誠を誓って、危険を冒すが、簡単に切り捨てられたりする。
しかも、彼らは普通の人間なのに、寒いのが好きなあたりもつきあったりする。
2人の乱入に、配下の連中と格闘になるが、
バットマンらがワイヤーとかを飛ばして戦うあたりが
派手ではあるが、何をやっているのかはよくわからないのが実状だ。
結局、バットマンとフリーズがにらみ合いに。
この見せ場はここだったか、他の場所か忘れたが、
バットマンは変な部屋に閉じこめられ、いすに縛られる。
部屋はロケットみたいになっていて、フリーズと共に発射。
事態に気づいたロビンはワイヤーを引っかけてついてくる。
フリーズは窓から脱出。ロケットは上空で爆発する仕組みだ。
かけつけたロビンがバットマンを助け出すが、脱出するすべはない。
そこで、ハッチを開けて、それに乗ってサーフィンのように降りてくる。
(それでいいのかと言う気もするが)
フリーズも脱出したはいいが、このままでは落下して危険なので、
物を凍らせる装置で地面へ向けて吹きかけ、それで軟着陸。
ロビンはおれがやっつけるとか言うが、フリーズの装置で一瞬に凍らされる。
フリーズによれば、11分以内に蘇生せねば死ぬとの事で
やむなくバットマンはフリーズの逃走を見逃すハメに。
バットマンは凍ったロビンを水槽に入れ、特製の装置からビームを出して加熱。
ただ溶かしただけでは危険な気がするが、この後もこの安易な方法が続く。
ロビンことディックに対し、バットマンことブルース・ウェインは、
危険な事はよせと注意。ディックは僕をもっと信用してと不満気味だ。
今回はフリーズの正体は最初からわかっていて、
ノーベル賞も受賞したフリーズ博士と判明。
彼は天才的科学者だったが、最愛の妻が不治の病と言われる何とか病にかかる。
そこで博士は、妻を冷凍冬眠状態にさせ、治療法を研究するが、
事故で自身の体が凍ってしまい、零下でないと生きられないようになったのだ。

 一方、パメラ(ユマ・サーマン)と言う女性は、
ウッドルー博士(ジョン・グローバー)の助手だが、植物を愛し、
自然破壊から植物を救うため、植物と動物を混合させ動けるようにする実験をする。
あと一歩のところでうまく行かず、パメラは決め手は博士の持つ溶液が必要と判断。
ウッドルー博士も負けず劣らずのマッドサイエンティストで、
ベインと言う凶悪な犯罪者を連れてきて、この溶液を与える。
すると、ベインは苦しみ筋肉粒々の怪物になるわけで、
これで無敵の軍隊がもてるとか言って、某国の将軍に売り込むわけだが
ベインは縛られたベルトを引きちぎり、暴れ出したため、研究所は崩壊。
(制御の方は考えていなかったらしい)
将軍とかは死んでしまい、パメラは毒液にまみれて突然変異。
平気な感じの博士は、パメラと一緒に研究を続けようとか言い出す始末。
パメラはベインのように怪物にはならず、キスすると相手が毒液が死ぬように。
二流の悪役をやらせると光るジョン・グローバーも、今回は目立たず退陣。
なぜかベインもパメラの言う事は聞くようになり、
不良たちをたまり場から追い出し、そこを根拠にする。
彼女は植物を危機に追いやった人間の代表のような、
ブルース・ウェインらに復讐する事を誓う。

 ウェインの屋敷に1人の女性バーバラ(アリシア・シルバーストーン)が現れる。
彼女は、執事アルフレッドの姪で、彼を慕ってきたと言うのだ。
屋敷に泊まりたいと言うので、アルフレッドはギョッ!とするが
ウェインらはかまわないんじゃないのと言うので、泊まる事に。
彼女は清楚なお嬢様と言う感じだが、ウェイン秘蔵のバイクには関心がある様子。
夜中に抜け出して、こっそり乗り回す。ロビンことディックはそれに感づく。
彼女は暴走族みたいな連中と競争したりして、それなりに実力を発揮するが
暴走族もただ負けているわけではなく、待ち伏せして彼女を転倒させる。
そこは建設中の高架の道路で、勢い余って転落しそうに。
オーバーな作りのゴッサムシティだから、
高架自体が標高何百メートルもありそうな位置に。落ちたらひとたまりもない。
間一髪、ついてきたディックに助けられる。
なぜ無茶するんだと聞くと、そんな事はさておき、
私は叔父を引き取りに来たとか、関係ない事を言い出す。
彼女はアルフレッドが重い病気だと言うので、ディックもビックリ。
隠れて聞いていたらしいウェインも突然現れ、治療法はないとか言い出す。
アルフレッド自身もこの病気に気づいていて、初期ではあるが、
治療法がないと言う事で、この後弱るばかりとなる。
実は彼の病気は、フリーズ博士の妻と同じ病気だったのだ。

 ミスター・フリーズは、自分の体を零下に保つ必要があるため、
大きなダイヤを盗み出し、それで低温を作り出す装置を作っていた。
必要なダイヤはあと1つだ。
それを察知したウェインは、自身秘蔵のダイヤを持ち出し、
財団の出資による、新しい天文台のPRに使ったりする。
この天文台は、ムダにでかい建物で、ゴッサム市内に「考える人」みたいな
巨大な建造物ができている。
巨大な望遠鏡は、宇宙の星々が見えるのはもちろん、衛星を利用して
世界各地の様子が見られると言う、これは天文台の主旨と違うのではと言う装置が。
ウェインは、過去の3作で2回正体に気づいた恋人を作ったが
今回はまた新しい恋人で、マスコミも2人の関係を取り上げるが、
彼女はウェインの正体に気づいてはいなかった。
パメラはウェインの前に現れ、自然破壊をどう思うか等と追及。
ウェインは苦笑しながら、慈善パーティへ彼を招待する。
パーティでは、飛び入りのパメラが、ツタみたいな妖しい衣装で現れ踊り出す。
そして、特製のフェロモンを息で吹きかけるため、客たちは彼女に夢中に。
これにはウェインやディックもまいってしまい、彼女をめぐりケンカに。
まんまとパメラはダイヤを手に入れるが、そこへフリーズが乱入。
逃げまどう者を凍らせて回る。フリーズはパメラに接近。
パメラはフェロモンを吹きかけてみるが、フリーズには効果がない。
フリーズは味方にしてもいいと思ったのか、簡単に観念してダイヤを渡す。
この後、フリーズはバットマンに捕まるわけだが、
パーティ襲撃の直後に捕まるのか、もう1つ事件があったのかは忘れた。
仕方がないので、パーティ襲撃の後だった事にして、フリーズ一味は専用の車で逃走。
バットマンとロビンは、パメラの事でケンカしながら追跡。
バットマンはビットモビル。ロビンはバイクで追跡だ。
天文台の「考える人」の体の上を走るわけで、道路ではないから大変な始末。
と言うか、説明がないから何が起こっているのかよくわからない。
フリーズは手の所から隣のビルへジャンプ。一味は次々転落。
バットマンは危険だから、ロビンには待機しろと言うが、ロビンは大丈夫だと言う。
しかしバットマンは、リモコンでロビンのバイクを止めてしまう。
バットマンだけがジャンプして隣のビルへ。
建物に突っ込んでいたフリーズを捕らえる事に成功。
フリーズは刑務所へ。そこでも怪力で看守を倒すが、
特殊な冷蔵室から出ると動けず、結局脱走はできないのだ。

 パメラは計画遂行のためには、フリーズの協力が必要と考え、
ベインと共に刑務所を襲撃。パメラがフェロモンで看守を惑わせ、毒のキスで倒す。
ベインが怪力で壁を壊して、冷凍装置も一緒に持って脱走する事に。
ところが、パメラの(と言うか、ポイズン・アイビーと言う怪人なのだが)
思惑とは別に、フリーズは冷凍のままの妻の事ばかり考えている。
これではいかんと考えたパメラは、冷凍装置のコードをはずし、
バットマンの襲撃でやられたと言う。怒るフリーズは復讐を誓う。
一方、ウェインとディックはパメラの事もあり、
またフリーズ追跡で信用してくれなかった事もあり、反目しあう。
病床のアルフレッドは、姪バーバラに頼み、親戚に仕事を受け継がせるよう指示。
渡されたCD−ROMを、見るなと言われたが見てみてびっくり。
そこには、バットモビル等の設計図がおさめられていたからだ。
その頃、フリーズとポイズン・アイビーは、ゴッサムシティを凍らす事を計画。
そこで、ポイズン・アイビーは警察署長(パット・ヒンクル)を誘惑し、
バットマンを呼び出すための、バットサインのカギを奪う。
そして、バットマンらを呼び出すが、バットマンは罠だと気づき無視。
しかしロビンは行きたがり、止めるバットマンに嫉妬してるのだと言う。
だがバットマンは、信頼していて大切な人だからとか何とか言って、
思いとどまらせる。ロビンはだまされたフリをして、パメラの所へ。
彼女はバットマンらを殺さねば、計画は成功しないと考え、
誘惑するような事を言って、ロビンにキスする。
おまえもフリーズの妻のように死ぬのよ等と叫ぶが、ロビンにはなぜか影響がない。
こんな事もあろうかと、唇の所にフィルターみたいなのをつけてガードしていたのだ。
(そんな簡単にガードできるのも納得いかないが)
バットマンとかも乱入し、ポイズン・アイビーは捕まってしまう。

 一方、フリーズは天文台を制圧し、その望遠鏡を改造。
これでゴッサムシティを凍りづけにすると言うのだ。
バットマンとロビンは出動の準備。
そこへ似たような扮装のバーバラが現れる。新登場バットガールだ。
共に天文台へかけつけるが、フリーズの冷凍砲は発射され、
街中の建物や人々が凍りづけに。
バットマンらがかけつけ、フリーズを倒すが、
11分以内に解凍しなければ人々は死んでしまう。
しかし、これだけの広範囲を解凍することは不可能に近い。
夜明けになれば、太陽光で溶けるのだが、夜明けは何時間も先だ。
(普通の氷でも、10分程度で溶けるとは思えないのだが)
そこで、衛星を利用して、今でも昼間の国があるわけだから、そこの太陽光を反射させ
望遠鏡から発射させれば、たちまち解凍させられると言う事に。
(望遠鏡で太陽光を反射させるよりは、何かの装置で加熱した方がマシと思うが)
コンピュータを操作するが、フリーズはまだ倒されていなくてこれを妨害。
ロビンやバーバラは天文台から転落。ワイヤーで何とか宙づりに。
バットマンはロビンに任せたとか調子いい事言って、自分だけ上へ上がり
フリーズと格闘。再び、コンピューターを操作し、何とか危機一髪太陽光を反射。
ビックリした事に、たちまち街中が解凍され、
凍っていた人々は、何事もなかったかのように活動を再開。
倒されたフリーズは観念して、妻と同じように殺せと言う。
だがバットマンは、ポイズン・アイビーがロビンに対し、
「フリーズの妻のように殺してやる」と言ったセリフをわざわざ録音していて
これをフリーズに聞かせると、フリーズは悔しがる。
バットマンは、彼の妻と同じ病気で、初期ではあるが苦しんでいる者がいるから、
研究を続けてほしいと頼むと、
常時持っているらしい薬を取り出し、これを与えればいいと言う。
実はフリーズの妻は、危ない所をバットマンらに救出され、まだ無事だった。
感激するフリーズは、刑務所にいるパメラの所へ現れ、仕返ししてやると宣言する。
一方、フリーズの薬のおかげで、何事もなかったかのように回復したアルフレッド。
(まあ、レギュラーだし)
まだまだ私が面倒見なくてはいけませんな等と言う。
そして最後は、バットマンファミリーが3人並んで走るシーン。
前作は2人だったから、だんだん増えているわけ。

 と言うわけで、シュワちゃんことミスター・フリーズが主役の座を奪うのかと思えば
意外にも、中盤で捕まってしまい、しばらく出てこないので驚かされるが
敵味方合わせて5人の主要メンバーが登場すると、
それぞれの描写で時間をとられ、1人ずつの扱いがかなり軽くなっている事がわかる。
シュワちゃんよりも、ユマ・サーマンのポイズン・アイビーの方が魅力的な感じ。
女性キャラの敵は死なないと言う鉄則が守られ、
しかもゲストのシュワちゃんも殺すわけにはいかず、
結局、1人の敵も死なない、シリーズ初の珍事態に。
それも煮え切らないものを感じさせる要因に。
バカバカしい設定やら建築物やら発明やらが出てくるのに、
どこかマジメに描こうとしている所もあって中途半端な感じも。
まあ、派手と言う事は派手なので、細かい事考えずに見ている分には面白いのだが。
 



久々の復活。初心に返った「バットマン・ビギンズ」(2005年)

 バットマンと言うと、TVシリーズの映画版はともかく
ティム・バートン版以降、すべて劇場で見続けてきた。
まあ過去4作でバットマン俳優が3人もいて、
敵味方ともキャラがどんどん増えて、バットマンの影がどんどん薄くなる問題が。
しばらく間があいてる間に、スパイダーマンが人気になり
再びアメコミブームとなり、ここに復活したわけ。
しかも初心に返り、その誕生秘話を描くと言うわけで見逃せない。

 冒頭は少年時代。屋敷に住むブルース・ウェインは、
幼なじみのレイチェルと遊んでいたが、井戸に落ちてしまう。
そこはコウモリの巣で、大量のコウモリが現れ恐怖を感じる。
そして現在。成長したブルース(クリスチャン・ベール)は、
少年時代を思い出す悪夢を見るが、今は某国の刑務所にいて、
ここより悪夢があるのかという囚人仲間。
そんな中、彼の前にヘンリー・デュカード(リーアム・ニースン)が現れる。
彼は、山頂へ来いと言い残して、ブルースを釈放させて去る。
教えに従い、険しい山を登り、山頂の建物へ到着。
そこは、ラーズ・アルグール(渡辺謙)と言う男を師にした忍者軍団の根城。
彼らは「影の軍団」と言う組織を率い、
警察などが正す事のできない世の中の悪を正すと言う。
ブルースもその仲間になるべく訓練を受ける事に。
まずは恐怖を克服せよと言われ、少年時代からコウモリが苦手だと考える。
ゴッサムシテイの中心にウェインタワーを建て、
そこへつながるモノレールを引いた、街の重要人物であった父。
井戸からブルースを助けた父は、落ちたのははい上がるためだと諭す。
父母と共にオペラを見に行くが、オペラにコウモリを感じてしまい恐怖を感じる。
それに気づいた父は、終演を待たずに外へ出る事に。
だが、現れた強盗に撃たれて、両親が殺されてしまう。
自分がオペラの途中で外へ出させたのが、両親を殺した原因だと感じるブルース。
慰めるゴードン刑事(ゲーリー・オールドマン)は犯人が逮捕されたと言う。
ウェイン夫妻の死で、会社はリチャード(ルトガー・ハウアー)が
ブルースが成長するまで経営する事に。
それから、10年が経過。
両親を殺した犯人が、囚人仲間である組織のボス、ドン・ファルコーネについて
証言する事を条件に、釈放される事に。
釈放を審議する審議会で、ブルースは証言せず、殺害を計画。銃を用意する。
出てきた犯人を撃とうとするが、その前に別の者に犯人は射殺される。
それはファルコーネの手下の仕業だった。
検事の卵となっていたレイチェル(ケイティ・ホームズ)は
ブルースが犯人を撃とうとした事を知り失望する。
復讐は自己満足だと言われ、ファルコーネの所へ乗り込む。
食堂には警官らもいるが、町の顔である彼は、警官らの前でもおまえを殺せると豪語。
力の差を見せつけられ、失意のブルースは街を去ったのだ。
訓練の結果、力を付けたブルースは、最後の鍛錬を経て仲間になれと言われる。
その鍛錬とは、盗人を殺す事だったが、処刑はイヤだと言うブルース。
ならば仲間にはなれず、死ねと言われるブルース。
暴れて、ラーズ・アルグールと対決。
崩れ去る建物の下敷きになってアルグールは死に、
爆発の衝撃で、雪山を滑り、崖下に落ちそうになるデュカードを助けるブルース。
彼を住人に任せて立ち去るブルース。

 ブルースを待っていたのは、執事のアルフレッド(マイケル・ケイン)だった。
彼によると、会社はリチャードが株公開で力を失わせたが
アルフレッドが株を持っていたので何とか持ちこたえたと言う。
会社に現れリチャードを驚かせるブルース。
職場復帰したいと言う彼は、開発課とか言う所への所属を求める。
そこはルシウス(モーガン・フリーマン)しかいない部署で
彼はリチャードに厄介払いされ、左遷されたのだった。
そこでは、ハイテクで開発された兵器を多数持っているが
いずれも実用化されなかったと言う物だらけだ。
気に入って調達するブルース。防具とか、戦車のような車とか。
これがバットマンの小道具になっていくと言うわけだ。
井戸の下にコウモリの巣を見つけたブルースは、そこを基地にする事に。
イメージが恐怖を受け付け、悪を封じられると考え、コウモリを衣装などにデザイン。
まだ刑事をしているゴードンだが、
周囲の刑事たちは皆賄賂を受けており、受けないのはゴードンのみ。
密告しようにも、する相手がいないと言う状況だ。
まだバットマンの衣装もないブルースは、覆面をしてゴードンの前に現れる。
レイチェルと共に、ファルコーネを追えと助言。
レイチェルもまた、ファルコーネらを追っていたが、上司はなかなか動こうとしない。
ファルコーネはクレイン博士と組んでおり、
博士は邪魔な人物をすぐに精神病棟へ送ってしまうと評判だ。

 ついにバットマンの衣装が完成し、麻薬密輸現場に乗り込む。
取引を妨害し、サーチライトにファルコーネを縛り付けて退散。
だが、警察はバットマンの方を追いたがり、ファルコーネは形式上逮捕する事に。
クレイン博士が面会に行き、出してもらえる物と思ったら、博士はガスを吸わせる。
そのガスは相手に幻覚を見せる効果があり、
麻袋をかぶった博士を、スケアクロウ(カカシ)だと言っておびえ
本当におかしくなってしまう。
バットマンは、博士を追って取引現場を襲うが、博士にガスを盛られ、負傷する。
何とか逃げ帰ったブルースだが、ルシウスがガスの解毒に成功。
治療薬を作り、一度治療薬を打つと免疫ができる事がわかる。
その頃、ウェイン社の船から、何とか砲と言う装置が盗まれる。
ルシウスが事態に気づくが、失態を隠そうとするリチャードは彼をクビにする。
一方、アルフレッドの助言で、ブルースは普段はだらしない人物と思わせるため
社交界で派手に遊び回る。レイチェルと再会し、僕の真の姿ではないと説明するが
人間は中身より行動が大切だと言うレイチェル。
レイチェルはクレイン博士を追求。
隠しきれないと感じた博士は、刑務所を隠れ蓑にしたガス工場を見せる。
そして彼女にガスを吸わせるが、バットマンが急行。
博士にガスを吸わせて倒し、レイチェルを連れて戦車で退散。
警察のパトカーが追跡するが、派手にビルの屋上をジャンプしたりして帰還。
マスコミにも報道される騒ぎに、アルフレッドは自己満足だと避難する。

 アルフレッドに勧められ、自分の誕生パーティには出る事にするブルース。
客が集まるが、そこへラーズ・アルグールが現れたと聞かされ驚く。
死んだはずと思うが、そこへ現れたのはデュカードだった。
彼はアルグールの名を拝借し、影の軍団の活動を続けていたのだ。
ブルースは客を返し、デュカードと対決しようとするが、
襲われた末屋敷に火を付けられる。
アルフレッドに助けられ難を逃れるが、屋敷は全焼。
一味の狙いは、ガスをまく事らしい。既に水道管に混入されたとわかるが
あのガスは吸わなければ効果が出ないはず。
そこで役立つのが、盗まれた何とか砲だ。
下水道を攻撃すると、水に溶けたガスが気化し、町中の人が吸う事になる。
一味はモノレールで町の中心のタワーへ向かうはず。
そこで何とか砲を作動させれば、町は全滅だ。
すでに刑務所の囚人たちが脱走し、各地で暴れ出す。
ブルースはバットマンとなり襲われかけ危険だったレイチェルを救出。
行動が大切だと言い残して去るが、
おかげでレイチェルはバットマンがブルースだと気づく。
ゴードンに戦車を任せ、モノレールを攻撃するよう頼む。
一方で、モノレールに乗り込み、デュカードと対決。
デュカードの仲間は過去にも、ペストなどでいろいろな世界を滅ぼしてきたと言う。
そしてゴッサムシティもまた、恐慌で滅ぼそうとしたが
ブルースの父ウェイン氏の奮戦で阻止されてしまったと語る。
対決でデュカードに対し有利になるバットマン。
とどめを刺すかに思え、ついに殺すのかと言うデュカード。
だがバットマンは、殺さないが助けもしないと言って脱出。
ゴードンの攻撃でレールが破壊され、脱線するモノレール。
間一髪バットマンは脱出し、モノレールはタワーの地下駐車場につっこむ。
脱線事故を思わせるからと、CM等で伏せられていたシーンだ。
ウェイン邸は壊滅するが、あの洞窟を含めて地盤から建て直す事に。
ブルースの正体に気づいたレイチェルだったが、
本当はただのブルースの方が良かったと言う。
クビにしたはずのルシウスが現れ驚くリチャードだが、
彼を社長にし、リチャードはクビだと言うブルース。
そんな権限はないはずと言うが、リチャードが株公開したため、
それをかき集めて経営権を取り戻していたのだ。
バットマンは、昇進したゴードンと共に悪と戦う事を決意。
だがあの事件で刑務所から逃げた囚人たちはまだ捕まっていないと言う。
すべて捕まえると言うバットマンに、逆効果かもと言うゴードン。
バットマンと同じように演出好きの犯罪者が現れた。
現場にジョーカーのカードを残すと言う。
すると、バットマンは調べてみようと言うのであった。

 と言うわけで、見ていると、何しろ出演陣が豪華で
主役のクリスチャン・ベールと言うのはあまりなじみがないのだが
恋人ケイティ・ホームズ、執事がマイケル・ケイン、
恩師が渡辺謙とリーアム・ニースン、ゴードン役にゲーリー・オールドマン、
そして企業を乗っ取ろうとする男にルトガー・ハウアーと言う布陣。
渡辺謙とリーアム・ニースンあたりが、後半どう絡むのかが予想出来なかったし
ルトガー・ハウワーなんか悪そうだが、どの程度の悪かは面白い所。
さらにゲーリー・オールドマンがどんな役柄かは不明だったが
悪役になっても良さそうなのに、ゴードン役というのも面白い。
物語は、ブルース・ウェインの幼い頃から描き、
おかげで、前半くらいはバットマンは出てこない。
中盤、ウェインがバットマンの道具を用意していくあたりを延々と説明し
ここら辺も面白いのだが、スパイダーマンのマネという気も。
ところが、ここに至って、黒幕の正体がハッキリせず、
それに伴い、一味の狙いもハッキリしないのが問題に。
つまりバットマン誕生ばかりが描かれていて、
何か悪が展開している気がしないのだ。
ようやく後半が近づき、黒幕と悪事が判明。
それからは派手な見せ場が展開し、それなりに見せるが
どうもスパイダーマンのマネという印象はぬぐいきれない。
バットマンの特徴は彼が富豪という点で、そこの面白さはもう一歩と言う感じ。
身の回りの者に正体がばれるのは、ヒーロー物ではいわば禁じ手で
ここぞという時に使ってこそ効果があるのだが、
最近はどの作品も正体をバラしてる気がするので、今さらと言う感じ。
総じて、過去4作よりも面白い気もするが、
それはスパイダーマン的になったと言う事で、半端な気もする。
 



評判のバットマン新作「ダークナイト」を見た。(2008年)

 ダークナイトと言うのは実はバットマンの新作。
バットマンはもともとアメコミ出身だったが、なぜかTVではコメディ風に。
ティム・バートン版バットマンで復活し、ダークなイメージに。
豪華な布陣で4作(シューマッカー版含む)が作られるが、
4作でバットマン役が3人と、シリーズとしてやや?マークが。
しばらくの空白を経て、バットマン誕生に戻り「バットマン・ビギンズ」として再開。
監督は「メメント」のクリストファー・ノーラン。
4作との連続性は感じられず、
どうしてバットマンになったかとか、どうして衣装ができたかとか
どうしてバットモービルができたかとか、そんな秘密が描かれる事に。
ラストでティム・バートン版1作目に出た
最も有名な悪役ジョーカーを思わせるセリフで締めくくっていた。
前作を番外編的として、再び以前のようなシリーズ再開でも良かったが
今回は前作の続編で、やはりジョーカーが登場。
ティム・バートン版のジャック・ニコルソンはなかった事にしたような展開。
ジョーカー役のヒース・レジャーが好評で、その後急逝してしまい
それもプラスになったのか、アカデミー賞の呼び声も出る始末。
米国ではタイタニックペースのヒットをしていると言うし
ティム・バートン以降全作劇場で見ている事だし、ここははずせない。

バットマン 正義のヒーローだが犯罪者との声も多い
ブルース・ウェイン 実業家。実はバットマン。(クリスチャン・ベール)
ジョーカー 暗躍し始めた犯罪者。(ヒース・レジャー)
ハービー・デント やり手の地方検事。レイチェルの恋人。(アーロン・エッカート)
レイチェル・ドーズ 検事。ブルースの元恋人。(マギー・ギレンホール)
ジム・ゴードン 警部。バットマンを信頼する。(ゲーリー・オールドマン)
アルフレッド ブルースの執事。(マイケル・ケイン)
ルーシャス・フォックス ウェイン社の兵器開発担当。(モーガン・フリーマン)
マローニ マフィアの大物
ラウ 香港の大企業のトップ。実はマフィアとつながりが。

 冒頭は銀行強盗のシーン。
複数のメンバーが緻密な?作戦を遂行し、まんまと大金を奪う。
だが影で指揮するリーダーは、用済みとなったメンバーを次々始末させ
最後には残り一人も始末して立ち去る。
この男こそジョーカー。最近暗躍している人物だ。
マフィアで動くが、忠実な部下ではなく、汚い仕事を引き受け存在感を示す。
組織にとって邪魔な存在であるバットマンを始末すると約束する代わり
資産の半分を要求し、バカにされる。始末しようとしたボスたちを倒し、
その部下の生き残った方を仲間にすると称し殺し合いをさせたりする。
一方、バットマンの活躍にニセ者が大勢現れる。
ジョーカーはニセ者の1人を処刑し、その映像をTVに送ったりしたため
困惑するバットマンことブルース・ウェイン。
そんな中、やり手の地方検事ハービー・デントが現れ、ブルースは彼に注目する。
ゴードン警部と協力し、デントをヒーローにし、自らは身を引こうと考える。
そのデントの恋人が、ブルースの元恋人レイチェルで
ちょっと気にしつつ彼女の自由だと言う。

 ウェイン社のルーシャスの前に、香港企業のラウが現れ提携を求める。
だがルーシャスは彼を不審に思い、提携を拒否。
実はラウは組織と通じ、資金洗浄をしている人物なのだ。
一方、ウェイン家の金の動きを追っていた弁護士リースは、
会社がバットマンの兵器を作っている事を突き止め、関係者だと気づく。
そこで口止め料をもらおうとするが、ルーシャスはこれも断る。
次第に一人歩き始めたジョーカーは、バットマンに正体を明かせと要求。
さもなくば市民を殺すと言い、象徴的な存在である市警本部長を毒殺。
さらに市長を襲撃するが、これは失敗。助けようとしたゴードン警部が命を落とす。
デントは自らがバットマンだと称して逮捕され、護送される事に。
死んだはずのゴードンも、デントの逮捕も実は囮で、
おびき出されたジョーカーはバットマンと対決。ついに逮捕される。
だが、ジョーカーが取り調べを受けている間に
手下によってデントとレイチェルが連れ去られる。
ジョーカーはデントがバットマンだと思っていたため、そのように指示したのだ。
一味はデントとレイチェルを2ヵ所に拘束し、いずれも爆破すると言う。
検事は自分が死ぬべきとイスを倒したりするが
おかげで石油にまみれてやけどをするが、バットマンがかけつけこちらが助けられる。
レイチェルの方は警察がかけつけるが、間に合わず彼女が死ぬ。
一方、ジョーカーは見張りを倒して逃走。
組織との関係を疑われ捕らわれていたラウを始末する。

 弁護士リースはマスコミにバットマンの秘密を公表しようとし騒ぎになるが、
ジョーカーはバットマンを自らと表裏一体で必要だと考えるようになり
今度は弁護士を殺さねば、病院を爆破すると脅迫。
ゴードンはあたりをつけて入院患者を避難させるが、どうにも追いつかない。
リースは警備を受ける事になるが、家族の危機を感じた市民がリースを襲撃し始める。
ブルースは車をぶつけて襲撃を妨害するが、町中がジョーカーの恐怖に振り回される。
入院しているデントはなぜか避難せず、やけどで顔半分がむき出しに。
手術も拒否し凶悪な顔となっていた。
もともと内務調査官の彼は、2つの顔を持つトゥーフェースと言われていた。
何でもコインで決めていた彼だが、火事で片面が溶け、今やもう片面しか出ない。
看護婦に扮して接近したジョーカーは彼を挑発。
トゥーフェースの怒りは、ジョーカーに味方した悪徳警官に向けられるようになる。
ジョーカーは病院を爆破。デントは行方をくらます。
やがて悪徳警官が次々殺され、デントの仕業と判明するが
ゴードンもかつての敏腕検事による犯行は公表できないと考える。

 闇に隠れたジョーカーを探すため、ルーシャスが開発したシステムで
全市民の携帯電話の電波を傍受し、ジョーカーの居場所を特定する事に。
この監視行為にはルーシャスは反対。
辞職すると言うが、ブルースはジョーカーを倒せば破壊すると言う。
ジョーカーによる破壊を恐れた人々は、陸地を避けて船で避難し始める。
だが、2つの船に爆弾が仕掛けられていた。
通信は妨害され連絡を取る事もできない。
1つは一般市民の乗る船、もう1つは囚人を護送する船だ。
互いに相手の船を爆破するスイッチを与える。
一般市民の方は、囚人のために犠牲になる事はないと言い、投票の結果爆破する事に。
だが、誰もスイッチを押せず結局断念。
囚人の方は、ボスがスイッチを海に捨ててしまい、時間が過ぎても双方爆破されず。
思惑がはずれて悔しがるジョーカー。
ブルースはジョーカーの居場所を突き止め、警察と共に急行するがそれが罠と気づく。
ジョーカーのアジトは別の階で、警察がかけつけた階には
一般の人が縛られ、ジョーカー一味のような扮装をさせられていたのだ。
このままでは彼らが射殺されてしまう。
バットマンは誰も殺さぬよう、警察の襲撃を阻止して退散。
ついにジョーカーと対決し、おまえは俺と同じと言われて悩むが結局倒す。
(殺さなかったはず)
一方、トゥーフェースの次の標的は、デントの方針に反対した事のあるゴードン。
妻子を人質に取られる。
かけつけたゴードンは、自分が悪かったと言って懇願するが、聞く耳を持たず
バットマンがかけつけトゥーフェースはビルから転落して死ぬ。
だが、デントによる連続殺人を公表すれば
市民は絶望のどん底に突き落とされる。
バットマンは自らを犯人に仕立てろと言って立ち去る。
ゴードンは言われたとおり発表。バットマンを呼ぶためのサーチライトも破壊。
真相を知るゴードンの息子は、なぜと聞く。
ゴードンは、バットマンは闇の騎士ダークナイトなのだと答えるのであった。

 と言うわけで、物語はいきなりジョーカーによる犯行から始まる。
いかれたジョーカーの描写は最初の内、ニコルソンと大して変わらない感じ。
一方、バットマンの方は英雄視され、ニセ者の登場に悩んだりする一方
アーロン・エッカート扮する敏腕検事に真のヒーローとしての座を期待する。
この検事がバットマンことブルース・ウェインの元恋人レイチェルとつきあったりして
まあ続編としての展開はまずまずと言う感じ。
ジョーカーは悪の帝王という感じよりは、
ギャングが手をつけられない泥臭い仕事を代わりにやると言う設定が面白い。
その後ジョーカーが捕らわれ、ここらで終わりかと思ったら、そこからが長い。
元恋人レイチェルが殺され、検事は顔半分がやけどで骨がむき出しに。
この検事はトゥーフェースと言う悪役となる事がわかっていて
ティム・バートン版では1作目で正義、3作目で悪(役者が違う)だったので
悪役になるのは次回作かと思えば、物語はまだ続き、
事故のショックで悪に走り出す。
それでもこれは予告で、対決は次回作かとも思ったが。。。
ジョーカーは逃げ出し、人々に究極の選択とも言うべき選択をさせる。
自分たちを殺すかも知れない犯罪者の命を奪い、自分たちの安心を確保するか。
同じ質問を犯罪者にも投げる。
両者悩んだ末の結論は、共に相手の命を奪わないと言うものだった。
ジョーカーが思うほど、人の心は墜ちてはいなかったのだ。
一方で、バットマンはジョーカーとの共通点に悩み
期待を寄せていた検事が悪に走った事に衝撃を受ける。
2人の悪役を倒したバットマンが選んだ選択肢は、
検事こそ殉教者で、自らが犯罪者だとする事だった。
最近悩むヒーローが多いけど、スーパーマンは高校生程度の悩み
スパイダーマンもまだ生ぬるい。
ダーマナイトとは良く言ったもので、まさにダークなトーンが続き
そこが米国では受け、面白いのは認めるが
この映画がタイタニックよりヒットしてはいけない気がする。
 

ダークナイト ライジング(2012年米英)

ブルース・ウェイン 富豪。バットマン(クリスチャン・ベール)
ブレイク 警官。本名はロビン
ゴードン刑事 本部長(ゲーリー・オールドマン)
アルフレッド ウェインの執事(マイケル・ケイン)
フォックス・ルーシャス ウェインの部下。武器係(モーガン・フリーマン)
ベイン 凶悪犯
セリーナ 宝石強盗。キャットウーマン(アン・ハサウェイ)
フォーリー 警察副本部長(マシュー・モディン)
ミランダ・テイト ウェインの助手。恋人に
ダケット ライバル社社長。ベインと通じる
ラーズ ウェインの師匠(リーアム・ニースン)
クレイン バットマンに倒され刑務所にいた(キリアン・マーフィ)

 8年前のデント検事の死をきっかけにデント法が施行され、組織犯罪は途絶える。
富豪ウェインは表舞台から姿を消していたが、
彼の屋敷に金持ち専門の泥棒キャットウーマンことセリーナが侵入。
ウェインの指紋を盗み出す。
 逮捕された凶悪犯ベインは移送されるが、仲間の襲撃で救出。
下水道をアジトとし、議員を誘拐。
同じラーズの弟子であるベインの出現を知り、ウェインは復帰を決意する。
 ベイン一味は証券取引場を襲撃。
バットマンが現れると、警察はむしろバットマンを追跡する。
セリーナはウェインのライバル、ダケットに協力。
報酬に犯罪歴を消すプログラムをもらえる約束だったが裏切られる。
ダケットはウェインの指紋を利用し、エネルギー計画を奪おうとするが、
ウェインの部下ミランダが根回ししたため失敗。
通じていたベインにも裏切られ、死体で見つかる。
 バットマンはセリーナの協力でベインの居場所を見つけるが、
一味に捕われてしまう。ベインはウェイン社に乗り込み、核爆弾を作り出す。
5ヶ月で爆破する仕掛けだ。
警察はベイン一味を追って下水道を調べるが、
それこそがベインの罠で、街中の警官が生き埋めにされる。
無事なのはゴードンや警官のブレイクら一部だけだ。

 フットボール競技場が爆破され、ベインが現れる。
彼は周囲10キロを壊滅させる中性子爆弾を披露。
市民の運命を握っているのは自分だと宣言する。
外部から干渉したり、誰かが逃げようとすれば起爆すると言うのだ。
さらに、デント法はゴードンらによるでっちあげとし、刑務所の囚人を解放する。
 捕われたウェインは、牢獄の住人から、ベインについて聞く。
ある傭兵が将軍の娘に恋し、牢獄へ入れられた。
娘は殺されたが子供を産んだと言い、
ウェインは傭兵がラーズで、ベインが子供と考える。
ウェインは牢獄の壁をはい上がり、脱出する事に成功。
 爆発の時が迫り、ゴードンらは襲撃を計画するが、捕われてしまう。
捕われた者は、クレインら犯罪者による裁判で有罪とされるのだ。
バットマンはセリーナと協力。ゴードンや捕われていた警官たちを救出。
ベインを捕えるが、彼は起爆装置を持っていなかった。
実はラーズの子供はミランダで、彼女こそ一味のリーダーだったのだ。
セリーナがベインを倒し、ミランダはラーズの仕事を完遂すると言って死ぬ。
バットマンは小型機バットで爆弾を吊り下げ海上へ。
沖で爆弾は爆発し、街は救われる。
 バットマンことウェインの活躍で街が救われたと知るゴードンらは、彼の死を悼む。
ブレイクは警官を辞め、バットマンの基地を見つけ出す。
そして遺産を継いだアルフレッドは、街でウェインの姿を見かけるのだった。

 と言うわけで、バットマンはマイケル・キートン時代から6作連続で劇場で見ていて
ノルマ感があったが、ここで途絶えてしまった作品。
クリストファー・ノーラン監督による3部作の3作目で、
何となく行きそびれたのは、前2作が暗くて(ダークで)、ちょっと長かったから。
本作はさらに暗くなり、長くなってたから、まあイヤな予感が当たったと言う事か。
前作のラストで実は悪人だったデント検事をヒーローだった事にし、
バットマンこそ悪とした事により、ゴッサムシティに偽りの平和が訪れる。
おかげで、バットマンは姿を隠さなければならなくなる。
てな訳で、バットマンが登場するのは中盤くらいから。
一方、命もいとわない忠実な手下を率いる怪人ベインが登場。
ベインの正体は、ウエインと同じラーズの弟子。
この事態に、ウエインは復帰を決意。
だが、警察はバットマンこそ悪として、銀行強盗よりもこちらを追う始末。
さしものバットマンも苦戦の末早々に捕らわれ、
ベインはゴッサムシティを封鎖する恐怖支配を敢行。
と言う訳で、全編ダークな雰囲気が続く。
バットマンが反撃するのは終盤になってようやくで、実はベインではない黒幕が登場。
おかげで、今まで目立ってたベインはあっさり倒され、
急に出てきた黒幕を倒しても、痛快感はもう一つ。
キャットウーマンや、後にロビンになるらしいブレイク刑事の登場、
ラーズやスケアクロウの再登場など、登場キャラはぼちぼち豪華にしているが、
この暗さ(盛り上がらなさ)はいかんともしがたい。
まあ、展開がつまらない訳ではないので、
もう少し短尺にして、話をスッキリさせれば良かった気がする。
ラストの、はっきりしない、ボカシぶりもスッキリしない。

DVDレンタル
 

バッドムーン 新狼男伝説(96)

 山で生活する弁護士ジャネット(マリエル・ヘミングウェイ)の所へ
弟テッド(マイケル・パレ)が訪れる。
だが、その頃付近には獣がいるらしく、5人の死者が出て外出禁止令が。
警察は飼い犬ソールを疑うが、ジャネットは不審な行動の目立つテッドを疑う。
ソールがテッドを襲い処分されかかるが、
ジャネットはテッドが狼男に変身するのを目撃。
彼は襲われて自らも狼男になったのだ。
ジャネットは彼を撃ち、ソールがとどめを刺す。

 と言うわけで、マイケル・パレが出ているので見たが、
何ともマヌケな狼男の役。マリエル・ヘミングウェイと言うのも出演作が少ないが
その彼女を主演として、脇役に回るとは。物語の方はかなり安っぽい。

TV放送 2000/08/25 BS05 1350-1515
 

バッド・ルーテナント(2009年米)

テレンス・マクドノー警部補 (ニコラス・ケイジ)
スティービー 相棒(パル・キルマー)
フランキー 恋人(エバ・メンデス)
ダリル 証人の少年
ネッド 賭け屋
ビッグフェイト 組織のボス

 ハリケーンカトリーナの際、テレンス警部補は溺れそうな囚人を助ける。
テレンスは麻薬の捜査をするが、自らも麻薬をやめられず、証拠品に手を出す。
5人が殺される事件が発生し、証人の少年ダリルを連れてあちこち回る。
恋人フランキーに暴力をふるった連中といさかいになり、それが原因で証拠保管係に。
そこで手に入れた証拠品の麻薬を流し、組織のボスビッグフェイトに接触。
賭け屋への借金を返済する一方、DNAを入手して逮捕に成功。
殺人事件解決の功績でテレンスは警部に昇進。
フランキーは妊娠するが、テレンスは麻薬をやめられないでいた。
ルームサービスの男から、洪水の際に助けられて立ち直ったと言われるのだった。

 と言うわけで、ニコラス・ケイジ刑事が悪徳警官を演ずる。
彼はやり手の刑事と言う事になっているが、実は麻薬中毒。
証拠品に手を出したあげく、麻薬の売人と手を組み、捜査状況を流したりする。
さらに警察内部に疑われたと知ると、売人を裏切って手柄にしてしまう始末。
要領よく渡り歩いてると言うよりは、何となく障害を乗り切ってる印象で感心しない。
ところで、バル・キルマーが相棒役だが、出番は少なく、物語にもあまり絡まない。

TV放送 2011/01/11 WOWOW 0020-0221
 

パットン大戦車軍団(70)

 1943年。好戦派のパットン将軍(ジョージ・C・スコット)は
北アフリカ上陸作戦に成功し、モロッコ基地の司令官に就任。
ロンメルの戦車部隊を待ち受けるが、ロンメルはベルリンにいた。
イギリスのモントゴメリ将軍は、シチリア侵攻でパットンに援護させる。
パットンは対抗意識を燃やし、パレルモを占領。続いてメッシナへ侵攻。
強引な攻撃を続け、兵たちの顰蹙を買う。
やがてモントゴメリがメッシナを占領。パットンは一足遅れだった。
病院で戦闘を恐れる兵を殴った事が問題となり、アイゼンハワー元帥は彼を解任。
ヨーロッパ侵攻作戦は、部下のブラッドリー中将(カール・マルデン)が取る。

 パットンはノルマンディ上陸作戦で、おとりを演ずる事になる。
彼は歓迎会で、世界は英米が制圧していると発言。ソ連への侮辱だと反発を受ける。
上陸作戦は成功し、パットンはカーンで立ち往生するモントゴメリらの救援に。
パットンは脱出作戦を指揮し、強引にベルリンへ侵攻。
フランスは解放され、パットンはドイツへ向かう。
雪の中、バストーニエで孤立した部隊の救出に成功。
ドイツが降伏し、戦争は終結する。
パットンはソ連を新たなる敵とし、元ナチ党員を採用したため解任される。
だが、戦争だけが生きがいのパットンには、戦争以外の死に方は考えられなかった。

 というわけで、パットンとかロンメルとか、名前は聞いた事があっても
どれが何をやった奴かわからなかったりするが、これでパットンは多少わかった。
彼は非常に有能な軍人だったが、ふだんの言動はずいぶん不注意で
戦争でしか生きられない人間がいる事は、間違いないが、
ラスト近くでパットンが、ミサイルでやる戦争にはロマンがないと言うあたり、
少なくとも、知力を尽くして戦う時代があった事は間違いない。
コッポラ脚本。

TV放送 91/11/30  BS11  22:00-00:52
 

800万の死にざま(86)

 監督 ハル・アシュビー

 麻薬捜査官スカダー(ジェフ・ブリッジス)は、丸腰の犯人を射殺、休職処分に。
妻には離婚され、アル中で前後不覚に。禁酒会に入会し、半年の禁酒に成功。
娼婦のサニーを、ヒモのチャンスと手を切らせるが、彼女は何者かに殺される。
再びアル中になったスカダーだが、立ち直り、サニーの手帳にあったスーパーを調査。
そこはチャンスの経営だった。彼の手引きで、サニーの親友サラから情報を聞き出す。
カジノで出会った麻薬の売人エンジェル(アンディ・ガルシア)を犯人とにらむ。
スカダーはエンジェルを挑発するが効果なく、サラを連れ去られる。
チャンスと協力し、麻薬の取引を持ちかけるが、エンジェルはスカダーを信用しない。
エンジェルが、チャンスのスーパーを麻薬取引の隠れ蓑に利用していた事に気づく。
麻薬を回収。交換にサラを返せと要求。
倉庫で麻薬に火をつけて脅し、サラの救出に成功。
だが、警官隊も交えて銃撃戦に。チャンスは死に、エンジェルは逃げる。
スカダーはカジノへ行き、待ち受けていたエンジェルを射殺する。

 というわけで、主人公がアル中になってしまうという変わったハードボイルド。
「都会には800万のドラマがある。この町には、800万の死にざまがある」
と言う冒頭のセリフはかっこよくて、なかなかいけるかと思ったが、
最初からエンジェルが怪しく、これと言ったあっと驚く展開もない。
のこのこカジノへ行った理由は不明。
アル中で落ち込むシーンが多く、いまいち盛り上がらない。

TV放送 92/01/22  06CH  21:00-22:54
 

ハドソン川の奇跡(2016年米)

サレンバーガー機長 通称サリー(トム・ハンクス)
ジェフ・スカイルズ副操縦士 (アーロン・エッカート)
ローリー サリーの妻

起:サリー機長はハドソン川の着水で乗客乗員全員を生還させる。
承:空港に帰還できたのではと追及を受ける事に。
転:シミュレーションは人的要因が考慮されていないと判明。
結:エンジンに損傷があったと認められ、サリーは再び英雄とされる。

 1549便はハドソン川に不時着。
155名の乗員乗客は数名の負傷のみで、ハドソン川の奇跡と呼ばれる。
だが運輸安全委員会は、なぜ空港に引き返さなかったかとサリー機長らを追及。
サリーはミスを探そうとする扱いに不満を示す。
家にはマスコミが殺到し、妻ローリーと会う事も出来ない。
 委員会の調査では左エンジンは無事で、推力を取り戻せたと言うのだ。
さらに、シミュレーションでは空港に引き返せたと言う結果が出る。
サリーには信じられないが、悪い結果になればすべての仕事を失うのだ。
 1549便は離陸直後に鳥の大群に接触。
両エンジンが停止し、サリー機長は空港への引き返しを試みるが無理と判断。
ハドソン川への着水を決断。だが、管制官は着水すれば生存は不可能と考える。
 機は無事着水。機内に浸水し、乗客はサリーらの誘導で出口に殺到。
翼の上に避難するが、動揺して泳ぎ出す者もあった。
やがて近くのフェリーや市警が到着し、救助を開始。
体感温度0度の川に泳ぎ出した者もダイバーに救出される。
最終的に155名全員が無事と知り、サリーは安堵する。
彼は乗員乗客全員を救った人物として、英雄視されたのだ。
 公聴会でサリーは、
テストパイロットがシミュレータで事故を再現する映像を見せられる。
2人のテストパイロットが空港への帰還に成功するが、
サリーは人的要因が考慮されていないと指摘。
テストパイロットは最初から空港への帰還を想定していたが、
サリーらに指示する者はいなかった。
しかも、テストパイロットは事前に17回も練習していたと判明。
判断の為の35秒間の行動を封じると、2名とも帰還に失敗する。
 さらに事故時の音声が再生され、サリーと副長ジェフが非常に冷静であったと判明。
川底から見つかったエンジンは損傷しており、無事だとした報告が誤りとわかる。
委員会はサリーの力によって全員が生還したと認めるが、サリーはこれを否定。
全員の生還には、救助に当たった1200名の行動が必要だったと語るのだった。

 と言う訳で、クリント・イーストウッド監督による実録もの。
離陸直後の旅客機がハドソン川に着水する事故が発生。
155名の乗員乗客は全員救助され、トム・ハンクス機長は英雄とされる。
ところが、実は帰還可能だったのではと、運輸安全委員会の追及を受けると言う展開。
まるで悪人のような扱いだが、実は世間は委員会ほど機長を悪い人と思っていない。
さほど窮地に追い込まれる事なく、
割にあっさりと、機長に落ち度がない事がわかるのだが
不時着シーンを挿入させて、それなりに物語に起伏を持たせた印象。
仮に落ち度があったとしても、全員生還させたのであれば
それはそれで英雄だと思うのだが、そこらへんは日本人との感覚の違いか?
ちなみに街にグラン・トリノの看板があるシーンは楽屋落ち的。
クリントにもそう言うしゃれっ気があったのかと驚かされた。
さらに、ハンクスの妻役はクリントの目撃の娘役。

TV放送 2017/07/01 WOWOW 2000-2145
 

ハドソン・ホーク(91)

 出所した怪盗ハドソン・ホークことエディ(ブルース・ウィルス)は、
足を洗おうとするが、ギャングらに脅され、相棒トミーと美術館の馬の像を盗む。
だが、像はオークションに出され、爆発事故でニセ物は闇に葬られる。
これには、元CIAのジョージ(ジェームズ・コバーン)と、
メイフラワー夫婦の世界制覇計画が関係していた。
彼らはトミーを人質に、今度はバチカンからダビンチのノートを盗めと指示。
バチカンのアンナ(アンディ・マクダウェル)はエディを監視。
馬の像やノートにはクリスタルが隠され、これを組み合わせれば
ダビンチが発明した鉛を金に変える装置が完成するのだ。
最後の狙いはルーブル美術館にあるダビンチのヘリ。
アンナが計画を立て、エディとトミーの救出に成功。
だが、メイフラワーらはテロリストを雇ってクリスタルを入手。
クリスタルの組み合わせを聞くため、アンナを誘拐する。
エディらはダビンチ城を襲撃。装置の爆発で夫婦は金づけに。城も爆発する。

 と言うわけで、ブルース・ウィルスが演じたあちら版ルパン三世のような話。
わけのわからない悪役がゴロゴロいたり、人物関係はわかりにくい。
コバーンは格闘中に城から落ちて死んだみたいだし……。実写にはちとつらいかも。
音楽はマイケル・ケイメン他。

TV放送 93/04/18  BS05  20:00-22:00
 

パトリオット(2000年アメリカ)

ローランド・エメリッヒ監督

 1776年。独立戦争でサウスカロライナも参戦すべきと議論に。
かつての勇士ベンジャミン(メル・ギブソン)は戦争に反対するが、
議会では参戦が決定。長男ガブリエル(ヒース・レンジャー)も出兵する事に。
だがベンジャミンは留まり、家族と農作業を続ける。
戦闘は劣勢で、ガブリエルが負傷して帰宅。彼をかくまうが、
英軍タビントン大佐らが現れ、彼を処刑しようとし、抵抗した次男トマスが殺される。
怒りが頂点に達したベンジャミンは、護送中の英軍を襲撃。
一網打尽にしガブリエルを救出する。
だがガブリエルは再び隊に戻ったため、ベンジャミンも軍に舞い戻る。
旧友パーウェル大佐(クリス・クーパー)が手を回し、
ベンジャミンは大佐となり民兵を率いる事に。隊にはガブリエルも配属される。
各地で英軍を奇襲し成果を上げる。だが大軍に待ち伏せされて敗走。
仏軍の助けもアテにならない。
ベンジャミン一家を追うタビントン大佐は、屋敷や村を襲撃。
ガブリエルの妻アンらも殺される。
怒ったガブリエルはタビントンを襲撃するが、返り討ちに合い死ぬ。
決戦で、ベンジャミンは民兵ばかりと敵を油断させ、
正規軍が待ち伏せする作戦に。英軍は不意をつかれて敗走。
ベンジャミンはタビントンを追い、ついに復讐を遂げる。
英軍は退却。仏軍艦隊も到着し、英軍は降伏。民兵は解散となる。
ベンジャミンは失った者の大きさを感じるが、民兵たちは彼を慕うようになる。

 と言うわけで、かつてはアクション中心で見逃せなかったメルも
最近はこの手の、ちょっと取っつき悪そうな作品が多く、これも未見だった。
それで見始めると、案の定最初はなかなか盛り上がらないが、
息子が殺された頃から一転して、復讐に燃える父という感じで盛り上がる。
ただ、それからがちょっと長い感じで、ダラダラとしていて
もう1人の息子も殺されたり、宿敵である英大佐をなかなか倒せなかったりで
何だか煮え切らない感じ。

TV放送 2003/07/03 25ch 2100-2324
 

バトル・オブ・ロサンゼルス(2011年米)

ソラノ 男勝りの女パイロット
カーラ 日本刀を操る女兵士
タイラー 何かの隊員
ロジャース大尉 68年間行方不明だった

 ロス上空に巨大な宇宙船が現れ、都市を攻撃する。
軍本部も攻撃され、ミサイルで反撃するも葉が立たない。
突如プロペラ機が着陸。乗っていたロジャース大尉は、
68年間行方不明とされていた人物だ。
彼は宇宙人に捕らわれ、実験台にされていたと言う。
小型機の攻撃を受けるが、突如現れた兵士カーラに助けられる。
カーラは一同を連れて、第七地区と言う秘密基地へ。
ロジャースは、ここに捕らわれているケオルと言う宇宙人を解放しなければ、
攻撃は終わらないと言う。
実はロジャースはロボットで、小さな宇宙人が操縦していたと判明。
タイラーが宇宙船を操縦し、母船に乗り込む。
ソラノが自爆してクイーンを倒し、タイラーらは無事生還する。

 と言うわけで、世界侵略:ロサンゼルス決戦と言う映画があったが、
その発想をいただいた作品で、作ったのがメガシャークとかの会社。
例によって、CGで巨大な宇宙船を描き、登場人物は極端に少ない。
地球存亡の危機というのに、
せいぜい10人だけで派手に見せようとする大学映研のノリ。
宇宙船がまず街を破壊するが、街に人の気配はない。
続いて軍の基地を攻撃するが、
5人くらいしかいない基地で、軍事的に重要な場所とも思えない。
そこへ数十年間行方不明だった兵士が未知との遭遇のように現れ、
SF的な展開を見せるかと思わせるが、どうもシャキッとしない。
その一方で、円盤を刀で倒す女兵士が登場。
あまりの意外な展開に驚かされるが、彼女はこの後さほど異才を見せない。
実は、軍の秘密基地にエイリアンが捕われていて(インデペンデンスデイ)、
最初は何もわからないと言っていた行方不明兵士は、
彼を解放しなくてはならないと急に言い出す。
それで一行は宇宙船に乗り込むが、
実は実は、行方不明兵士は乗り物で、中に小さなエイリアンが乗っていた。
(エディマーフィ主演の未公開映画にこんな話があった)
すなわち一行は罠にはめられたわけだが、
結局エイリアンの狙いが何だったのか、いまいちわからない。
宇宙船には巨大なミミズみたいなエイリアンがいて、
これがクイーンらしいが、そんな説明もなく、倒すと宇宙船も墜落し、万事OK。
登場人物はコロコロ変わり、最後に生き残ったのは、刀の女兵士と、
いつから出てきて何者かよくわからない兵士。
映画を通しての主役と言う人は存在しない。

TV放送 2011/10/16 ユニバーサル 0145-335
 

バトルシップ(2012年米)

アレックス・ホッパー大尉 はみ出し者の士官
ストーン・ホッパー中佐 アレックスの兄。戦艦サンプソン艦長
サム アレックスの恋人。提督の娘
シェーン提督 (リーアム・ニースン)
ナガタ一佐 自衛官(浅野忠信)
レイクス アレックスの部下
オーディ アレックスの部下
ミック 元軍人。両足義足で、リハビリをサムが担当

 地球によく似た惑星が発見され、通信を試みる事に。
同じ頃、ハワイで各国合同演習リムパックが行われる。
はみ出し者のアレックスは式典に遅刻。
恋人サムの父であるシェーン提督に、結婚の許可をもらおうとするが失敗する。
そんな中、宇宙から物体が飛来し、ハワイ付近に落下。
地球からの通信にエイリアンが反応したらしい。
敵はハワイを囲んでバリアを張り、中との連絡は不能に。
提督らはバリアの外で、侵入できない状況だ。
敵は圧倒的な破壊力で戦艦を沈め、艦長であるアレックスの兄らが犠牲に。
生き延びたアレックスが指揮官となるが、動揺を隠せない。
アレックスは、因縁のある日本自衛隊のナカタと組んで作戦を検討。
レーダーが使えないため、津波測定用ブイで敵の位置を割り出し攻撃。
サムとの通信が可能になる。
サムによれば、敵は人間の通信施設を利用し、母星への連絡をしようとしているのだ。
敵の攻撃で戦艦は沈没。アレックスは、展示艦であるミズーリで戦う事を提案。
操縦のため、退役軍人たちが集まる。
奇習でハワイを取り巻くバリアを解除。提督らも攻撃に加わる。
敵は通信を確立しようとするが、間一髪砲撃で施設を破壊。
戦闘機が敵戦艦も撃滅する。
勝利に貢献したとして、アレックスは勲章を受け、
提督もサムの恋人として認めるように。
だがその頃、スコットランドに落下した謎の物体を少年たちが発見する。

 と言うわけで、宇宙船が攻撃してきて、
たまたまハワイで合同演習していた日米他の軍が対抗する話。
リーアムが主役で、多国籍軍の中に日本もいて、
自衛官役で浅野忠信もちょっと出ている(北京の55日の伊丹十三みたいな位置付け)
映画と思って見たら大違い。
まずリーアムは主役じゃない。主人公を見守る提督役。
主人公はありがちなはみ出し兵士で、ライバルが日本の浅野忠信。
何の事はない、日米ライバルが手を組んでエイリアン軍を撃退してしまった訳。
太平洋戦争以降を舞台にした海外の映画で、
日本軍(自衛隊)が強力な軍隊として描かれたのは、初めてではないかしら。
と言うあたりでびっくりしたが、
映画全体はインデペンスデイあたりを連想させるどこかで見た話。
ハワイ島を取り囲んで、バリアを張られ、リーアムら主力部隊はその外に。
中にいるのが、はみ出し兵士の主人公。
兄である艦長らが早々に死んでしまい、いきなり米軍の指揮官に。
仲の悪い日本の兵士と組む事に。
途中で艦が沈み、展示されてるミズーリを持ち出す沈黙の戦艦な展開。
それを操縦するため、退役軍人がかけつけるスペースカウボーイな展開。
敵は一番肝心な通信機器を失っており、
人間側の設備を拝借しようとするが、危機一髪設備を破壊して人間側が勝利に。
どこかで聞いた話の組合せで、うまくこなれてるかと言うと、そこは微妙。

TV放送 2013/03/10 WOWOW 1945-2156
 

バトル・ハザード(2013年米シンガポール)

マックス・ガトリング少佐 傭兵(ドルフ・ラングレン)
ジュード 娘
リース ジュードの恋人
ヘルナンデス 傭兵仲間。感染した
デューク ジュードらのリーダー

 研究所から病原体が漏れ、感染者はゾンビ化する。
町が封鎖され、焼き払う予定だが、
企業のトップは、傭兵のマックスに娘ジュードの救出を依頼。
潜入した傭兵たちは、襲撃を受けて退散するが、マックスは留まる事に。
ジュードを見つけ、生存者のアジトに同行する。
一同のリーダーであるデュークは、脱出は不可能でここで生き続けるしかないと言う。
だが感染者がアジトに侵入したため、殺人ロボットを味方につけ、結局移動する事に。
感染者に襲われたり、企業による焼き討ちを受け、
デュークらがやられるが、マックスらは難を逃れる。
マックスには密告者の始末と言う任務もあったが、
密告者であるリースには手を出さず、共に町を出るのだった。

 と言うわけで、ドルフのゾンビもの。
セガールにも同様作品があったから、
アクション系俳優って、ネタに困るとゾンビに手を出すのかな。
今回もドルフはさほど強くないのだが、何となく最後まで生き延びる。
傭兵だけど、簡単に依頼主の秘密を明かしたりして、あまり信頼できないし。。。
ゾンビをものともしない殺人ロボットはちょっと面白いが、痛快なほどは活躍しない。

TV放送 2013/12/16 WOWOW 0215-0345
 

バトルヒート(2015年米タイ)

ニック・キャシディ刑事 (ドルフ・ラングレン)
トニー バンコクの刑事
ビクター・ドラコビッチ 組織のボス(ロン・パールマン)
ニックの上司 (ピーター・ウェラー)
ドラコビッチの仲間 (ケーリー・ヒロユキ・タガワ)

 ニック刑事は、人身売買組織のドラコビッチを逮捕。
だが、一味の襲撃を受けて妻子を殺された上、ドラコビッチは保釈されたと知る。
ドラコビッチがカンボジアにいると知り、病院を抜け出して現地へ。
現地のトニー刑事は、ニックの暴走を阻止する任務に就が、結局協力して一味を襲撃。
捕らわれた娘たちを解放し、ドラコビッチを倒す。
ニックは娘ソフィアが生きていると知り、何年かかっても探し出すと誓うのだった。

 と言う訳で、ドルフ・ラングレン主演のアクション。
共演のトニー・ジャーと言う人も有名らしくて、
たぶんワイスピ最新作でポール・ウォーカーと戦った人。
ドルフは人身売買組織を追う刑事だが、妻子を組織に殺されて復讐を誓う。
トニーはカンボジアの刑事で、暴走するドルフを止める任務。
最後には2人が協力して大きな敵と戦う事になるのだが、
そうなったのは90分の映画のラスト15分くらい。
それまでは、大立ち回り的な格闘シーンが延々と続く。
ドルフの上司がピーター・ウェラー、敵ボスがロン・パールマン、
その仲間がケーリー・ヒロユキ・タガワと言う布陣だが、
おかげでいずれもちょっと出るだけ。
人身売買に関する問題提起してる形で、
ドルフ主演作では地雷を扱った作品もあったが、何となくテーマの扱いが軽い。

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バトルフィールド・アース(2000年米)

 荒廃した世界に住むジョニーは、怪物がいるという禁断の地へ食料を求めて向かう。
かつての都市の廃墟の意味も知らず、何者かの襲撃を受け、捕らわれて巨大な施設へ。
銃を奪って監視員を射殺するが捕らわれるが、
サイクロ人の指令隊長タール(ジョン・トラボルタ)は、人間に銃は使えないと否定。
彼らは地球の鉱物を掘り尽くし、その後は消滅させる計画だ。
任期が延長し、タールは不満が爆発。ジョニーは牢屋のリーダーに。
タールは労働者でなく、地球人に機械を操作させる事を思いつくが長官は却下。
金を独り占めして帰還しようと企む。ジョニーに学習マシーンで言語を教えるが
同時に彼らの文化を理解できるようになる。地球人は9分で壊滅したと知る。
戦うしかないと決意するジョニーに、皆は従う。
金貯蔵庫の金塊を利用し、あたかも採掘したかのように思わせる。
ドームを爆破すれば地球の一味は倒せても、母星も壊滅させる必要がある。
かつての軍基地へ行き核爆弾を入手。飛行機の操縦も訓練する。
さらに、タールの補佐官カー(フォレスト・ウィテッカー)も味方につける。
反乱が始まり、空中戦も展開。核爆弾を母星へ転送しようとするが、タールが阻止。
ドームの爆破も失敗するが、カーロが戦闘機で突入し崩れる。
核爆弾も転送。1発でサイクロ星は爆発する。
味方が残っていた時のためにタールは捕らえて生かしておき
カーは長官としてジョニーの味方をする事になる。

 と言うわけで、トラボルタが気に入って自分で製作・主演してしまったSFで
あまりの評判の悪さに、ラズベリー賞独占とまで言われた物。
出演者の中で、有名なトラボルタやフォレスト・ウィテッカーは
エイリアンメイクだし、地球人側は知らない人ばかり。
どうにもトラボルタがエイリアンというのに違和感がある。
では、地球人側だったら良かったかと言うと、それでも違和感がありそうで
出てはいけなかったのでは。
物語は、猿の惑星のシリーズ各作品をブレンドしたような感じで
SFテイストとして面白い面もある気はするのだが
エイリアンが、精神的にも技術的にもたいして進化しているように思えず
一度は完全に蹴散らされたはずの、ただの戦闘機にやられたりするし
核爆弾で星が爆発したりするし
フォート・ノックスの情報なんか、エイリアンのデータベースから得たはずなのに
エイリアンはそこにまったく手をつけていなかったと言うのも変な話だ。
最後は、ID4を思わせる派手な戦闘シーンだが、
これがなければもう少しマシだった気がする。

TV放送 2001/12/16 BS05 2000-2200
 

バトルフロント(2013年米)

ブローカー 捜査官(ジェイソン・ステイタム)
マディ ブローカーの娘
ダニーT 組織のボス
キャシー 同級生の母(ケイト・ボスワース)
ゲイター・ボーダイン キャシーの兄(ジェームズ・フランコ)
シェリル・モット ゲイターの女(ウィノナ・ライダー)
サイラス ダニーTの手下

 麻薬捜査官のブローカーは組織に潜入。
組織のボス、ダニーTの逮捕に成功するが、その息子ジョジョを死なせてしまう。
 2年後。ルイジアナに越したブローカーは、娘マディと暮らしていた。
マディが同級生とケンカになり、その母キャシーの恨みを買う。
キャシーは兄ゲイターに相談。
町で麻薬を扱うゲイターは、ブローカーの家に忍び込み、彼が元捜査官だったと知る。
キャシーとはブローカーと和解するが、
ゲイターはブローカーの事をダニーTに知らせ、儲けようと企む。
だが、復讐心を燃やすダニーTの手下サイラスが大勢連れて現れ、
主導権を握られてしまう。
ブローカーは一味を倒すが、ゲイターの女シェリルがマディを連れ去る。
ゲイターはマディを始末しようとするが、かけつけたブローカーが救出。
ブローカーはゲイターを撃とうとするが、マディが見ているので思い留まる。
刑務所へ乗り込んだブローカーは、待ってるぞとダニーTに警告するのだった。

 と言う訳で、ジェイソン・ステイサム主演のアクション。
スタローンが脚本を書き、ジェイソンに主役を譲ったと言う作品。
ジェイソンは元麻薬捜査官で、組織のボスは息子の敵と恨んでいた。
引退して娘と田舎町に越すが、閉鎖的な町でいざこざに巻き込まれる。
それがきっかけで、組織に居場所を知られてしまうと言う訳。
面白いのは、最後に戦う相手が巨悪たる組織ではなく、
組織を利用して稼ごうと企む小悪党だと言う点。
この小悪党に扮するのがジェームズ・フランコで、その愛人がウイノナ・ライダー。
騒動のきっかけである妹がケイト・ボスワース。
いずれも主役級である(だった?)連中が、小悪党を演じてる点も面白い。

TV放送 2015/04/07 WOWOW 2100-2240
 

バトルライダー(2007年米)

ライダー (ドルフ・ラングレン)
リノ 町のボス

 ライダーは、知人JJの葬式の為、とある町を訪れる。
町はリノ一味が牛耳っており、カジノ建設に反対したJJが始末されたらしい。
一味はさらにJJの家族にも魔手を伸ばす。
実は一味と因縁があり、死んだと思われていたライダーは、
一味を倒して立ち去るのだった。

 と言う訳で、ドルフ・ラングレンのアクション。
とある町は、悪党一味に牛耳られていた。
ドルフは、悪党に殺された男の友人で、
聖書を持ってテキーラを飲むライダーと言う、曰くありそうな人物。
悪党たちをばったばったと叩きのめす彼は、実は一味と因縁があったらしい。
その詳細は語られず、物語として何か抜けとるでーと言う気はするが、
ドルフ主演作としてはまともな方。

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バトルランナー(87)

監督 ポール・マイケル・グレーザー

 2017年。警察がすべてを統制し、地下にはレジスタンス活動があった。
警官ベン(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、暴徒抹殺指令に反抗し、逮捕。
懲役労働キャンプへ送られる。彼は騒ぎを起こし、そのスキに仲間と逃走。
テレビ局のミュージシャンアンバー(マリア・コンチータ・アロンゾ)を連れて、
空港から脱出をはかるが、見つかって逮捕される。
テレビプロデューサーのデーモンは、「ランニングマン」と言う番組の
悪役として出演するよう命ずる。
観客が熱狂する中、番組が開始。ゲームに勝ち抜けば無罪になると言う。
刑務所仲間のラブリー(ヤフェット・コットー)、ワイスらも一緒だ。
ストーカーがランナーを追跡し、生死を賭けた戦いをするのだ。出発する3人。
アンバーは、ニュースにウソがある事に気づき、資料室で調査。見つかってしまう。
殺人ピックを持つサムゼロが3人を襲うが、ベンが逆に鉄条網で絞め殺す。

 続いて、チェンソーのバズーソと、電飾のオペラ好きダイナモが追跡。
アンバーは、ベンの愛人としてランナーに加えられ、ベンたちと合流。
バズーソのチェンソーでラブリーがやられ、ベンがバズーソを切り裂く。
ワイスはテレビ電波の解除コードを解読。アンバーに教えるが、ダイナモにやられる。
ベンを車で追うダイナモは転倒。ベンは殺さずに立ち去る。
デーモンの契約の話をベンは拒否。次第にベンの人気が高まる。
火炎放射器のファイヤーボールが出動。アンバーはかつての優勝者の死体を発見。
ベンは火炎放射器のホースをはずし、爆死させる。
ベンは死んだ事にされるが、レジスタンスと合流して局を制圧。撃ち合いになる。
真実の映像を放送。アンバーはダイナモを感電死させる。
残されたデーモンをベンはロケットで発射。勢いあまって爆発する。

 というわけで、近未来の欲求不満をごまかすための番組と言う設定は、
いかにもありそうな感じだが、シュワが悪そうな追っ手と戦うという展開は、
何だか子供向け番組のようだ。
レジスタンスとか、シュワが警察にいて逮捕されて脱走したとか、
いろいろ詰め込みすぎと言う感じもする。

TV放送 92/04/26  10CH  21:02-22:54
 

バナナ★トリップ(2002年米独)

ジェリー (キューバ・グッディングJr)
ニック ジェリーの友人
ガブリエラ 女性船員
フェリシア ジェリーの元恋人
インガ コンテスト参加者
ロイド ツアー参加者(ロジャー・ムーア)
フェリシアの父 (リチャード・ラウンドトリー)
旅行社の男 (ウィル・ファレル)

起:恋人にふられたジェリーは傷心の船旅に出るが、ゲイのツアーに参加してしまう。
承:ジェリーは船員の女性ガブリエラに恋する。
転:恋人が寄りを戻そうとかけつけ、ガブリエラとはケンカ別れに。
結:結局、ガブリエラを追う。

 ジェリーは恋人フェリシアにプロポーズするが、断られる。
失意の彼は、友人ニックと共に、出逢いを求めてクルーズに参加。
だが、旅行会社とトラブルになった為、ゲイのツアーに参加させられてしまう。
ジェリーらは途中でツアーの秘密に気付くが、4日間は陸に上がれない。
 泥酔してプールに溺れたジェリーは女性船員ガブリエラに助けられ、
彼女に恋してしまう。
ジェリーはガブリエラが男嫌いと知り、ゲイのフリをして彼女に接近。
一方、ツアーに耐えかねたニックは照明弾を打ち上げ、
それが命中して飛行機が墜落してしまう。
日焼けコンテストに出場するビキニ美女たちが救助されて乗船。
ニックはインガに迫ろうとするが、誤って鬼コーチを襲ってしまい、
彼女に迫られる羽目に。
 船は島に上陸。思い直したフェリシアがジェリーを追って現れる。
ジェリーがゲイでないと知ったガブリエラは失望する。
 ジェリーはフェリシアと結婚式をする事になるが、
ガブリエラの居場所がわかったと知らされて退散。
30年間英国に仕えてきたと言うロイドの協力でスカイダイビングしたジェリーは
ガブリエラの乗った船へ到着。
ガブリエラは二度とウソをつかないでと言って、ジェリーにキスする。
ニックはインガを追ってスウェーデンの雪山へ。
インガはいなかったが、同じく美女の妹がいて大喜び。
だが、そこには鬼コーチもいたのだった。

 と言う訳で、キューバ・グッディングJr主演のコメディ。
恋人と別れたキューバは、女性との出会いを求めてクルーズ船に乗る事に。
だが、旅行会社の嫌がらせでゲイのツアーに参加してしまう。
船で働く女性に、ゲイなら安心と心を開かれ、やむなくゲイのフリをすると言う展開。
そんなにつまらなくはなかったが、ラズベリー賞候補になったりしたのは、
基本的にゲイに否定的なスタンスだからかな。
ちなみになぜ見たかと言うと、ロジャー・ムーアが出ているから。
彼もゲイの役で、30年間女王陛下に勤めたとか、
スカイダイビングは得意と言うキャラ。

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花嫁はエイリアン(88)

 ミルズ博士(ダン・エイクロイド)は、他の太陽系への電波送信の実験をしていた。
電波は予想を越え銀河系の外にまで到達。だが、所長は危険な実験に腹を立てクビに。
やもめのミルズは、パーティで美女セレスタ(キム・ベーシンガー)に一目ボレ。
彼女の頼みで研究所に忍び込むが、セレスタには旧式の機械にしか見えない。
セレスタはミルズに迫られるまま、キスやセックスを体験。そして結婚まで。
ヘビみたいなセレスタの相棒が所長に電話。ミルズを復職させる。
ミルズの娘ジェシーは、セレスタが電池を食べたりするのを見て愕然。
セレスタは事情を説明。彼女の惑星は、ミルズの電波が原因で重力が変化。
もう一度電波を当てないと破滅だ。ジェシーはこの話をミルズに話すが、信じない。
だが、セレスタが超能力でジェシーを交通事故から助けたため、事態を認識。
ミルズはエイリアンでもいいから残れと頼むが、セレスタは残れないと言う。
しかも、送信後に地球の破壊命令が出ていたのだ。
ミルズは装置に伝導体が接触して増幅した事に気づき、送信に成功。
地球を破壊しようとする相棒を装置に投げ込み、感電死させる。
長老が現れ、地球の破壊を命ずるが、セレスタがこの星はいい星だと必死に説得。
長老は理解し、地球を理解するためにロンを連れ帰り、セレスタは残る。

 というわけで、エイリアンと結婚するという話は、それほど奇想天外ではなく、
しかも文明批判みたいなものがないので、変な感じだ。
地球をいい星だとばかりほめるのは、どうも納得いかない。
セレスタがどうして地球を気に入ったのか、そういう描写がいまいち。
ヘビみたいな相棒が殺されてしまうが、あれはひどいんでは……。

TV放送 92/03/01  BS05  15:00-17:00
 

バニシング IN TURBO(1976年米)

ポーラ・パワーズ
サム・フリーマン ポーラの恋人(ロン・ハワード)
ビクビー・パワーズ ポーラの父。知事候補
コリンズ ポーラの婚約者
ヘッジワース夫人 コリンズの母
カーリーQ ラジオ局のDJ

 ポーラはサムと結婚すると言い出すが、知事候補である父ビクビーは反対。
有力者の息子であるコリンズと結婚させようとする。
家を抜け出したポーラは父のロールスでベガスへ向かい、その地で結婚しようとする。
ビクビーは手下と共に追跡。
コリンズもポーラを追い、彼らに賞金をかけたとラジオ局に伝える。
コリンズの母はコリンズを追跡。それを警官が追跡。
コリンズの母は息子に賞金をかけ、それを狙って神父が追跡。
ポーラはラジオ局に誘拐ではないと説明。逃走劇はヘリで中継される。
賞金を狙って、ダイナマイトで攻撃する連中も登場。
神父はコリンズを捕まえるが、コリンズに賞金を出すと言われ協力する事に。
サムは騒ぎを起こすポーラのやり方に反発するが、
結婚したい事に変わりないと仲直り。
ベガスに到着し、車をぶつけて競うレースに紛れて大混乱。
抜け出したポーラらは、人々に祝福されて式を挙げる事に成功。
ビクビーらは逮捕されるが、ラジオ局のDJはなおもポーラらを追跡するのだった。

 と言うわけで、俳優だったロン・ハワードが監督に転身した第1作で、自身も出演。
70年代にカーアクションの映画が流行ったが、
その流れとして、スピードやテクニックではなく、やたら多くの車が壊れるあたりを、
ややコミカルに描くジャンルがあった。
(バニシングIN60やフリービービーンあたり)
本作もそんな作品で、題名を拝借してるあたりにも、それが感じられる。
ターボじゃないと思うし。
物語は、駆け落ちしたカップルを、両親や賞金稼ぎの連中が追う話。
やたら出てくる追っ手がうざったいが、
反面、主役カップルにあくが全くないので、バランスはとれてる感じ。
追っ手は条件がまちまちだし、途中でクラッシュしたりもするが、
なぜか全員目的地まで着いてくるのはご愛嬌。
何ともお手軽で、エンドロールも短めな、いかにもな70年代の作品。

TV放送 2013/04/17 WOWOW 2300-0035
 

バニシングIN60”(1974年)

 ペイスとその仲間は、プロの車泥棒集団だ。
スクラップの車体番号を取りはずし、盗んだ車に取り付け、架空の車を作り上げる。
土曜までに40台を揃えろとの依頼が入り、一味は次々と狙った車を盗み出す。
だが、車にあった麻薬は燃やし、保険に入っていなかった車は返すと言うポリシーで
反発した仲間が、警察にペイスを売ってしまう。
ムスタングに乗ったペイスは、警察の追跡に気づき、派手な運転で
歩道や公園をすり抜け、ラジオで中継される騒ぎに。
何度もパトカーに包囲されるがその度に突破。パトカー同士が衝突を起こす始末。
町中が大混乱となる。やがて洗車場へ逃げ込んだペイスは、
別のムスタングを盗んで逃走。警察は洗車場の店長を誤解して逮捕してしまう。

 と言うわけで、ニコラス・ケイジの「60セカンズ」のオリジナルだが
昔の洋画劇場では、スーパーカーブームの元祖なんて言われたりもした。
前半は車泥棒のテクニックを描き、それは面白そうではあるものの
いかんせん、チームのメンバーの関係がいまいちわからず、
主人公がどの人かもピンと来ない。
後半は延々と40分以上続くカーチェースが展開し、
まあ、最初からそう言うのを狙っていたのだろうから、物語がどうとか言うのも何だが
どうにもチェースに芸がなく、警察がなぜなかなか道路封鎖をしないのかとか
ぶつけられた一般の人が気の毒とか、そんな事ばかり気になる。
ハリッキーの死後の再編集版を見たらしい。

TV放送 2002/05/30 BS05 1900-2045