ニキータ(90)

 ヤク中の男女が薬屋を襲撃。警察が一味を射殺。だが、ニキータは警官を射殺。
彼女は死んだ事にされ、ボブという男は国のために訓練するよう指示。
3年後、ボブは彼女にレストランで拳銃を渡し、彼女は標的を射殺して逃走。
訓練を終えたニキータは、看護婦マリーに扮するよう指示される。
やがて、スーパー店員マルコと同棲。
ボブは叔父として訪問。彼らをベニスに招待。
洗面所に指示が入り、ニキータは女性を窓から射殺。マルコは不審に感じる。
続いて、パリ駐在ソ連大使に機密情報をもらす企業を探る指示が入る。
ニキータは大使を部屋へ連れ込み、ニセ者が変装。だが、計画が変更に。
現れた殺し屋ビクトルは大使を殺害。反対したニセ大使も射殺される。
ニキータが大使に扮して大使館に侵入。金庫を開けて書類を調べるが、
感づかれて外へ。ビクトルはかけつけた警備員に撃たれ、逃走。息絶える。
ボロボロになってマルコの所へ戻るニキータ。
真相を知っていたマルコは、ニキータを逃走させ、
現れたボブにフィルムをマイクロフィルムを渡し、彼女を守るよう頼む。

 というわけで、死んだはずの人物を殺し屋に訓練すると言うのは、
どこかで聞いたような話だが、それが女性と言うのが異色。
恋人ができてもまったく放置状態で、ときどき指示が入ると言うのも、
使いっぱしりと言う感じ。
隣の部屋にマルコがいるのに、射殺の指示が入るあたりも面白い。
だが、大使の件で、みんなでヘマやって次々死んでいくあたりは、
おまえらプロだろと注意したくなる。
一部、そんな事はないはずと思う部分がある。

TV放送 92/04/10 04CH 21:00-22:54
 

ニクソン(95)

監督 オリバー・ストーン

 ニクソン(アンソニー・ホプキンス)は兄ハロルドを失い、家族の期待を受ける。
赤狩りで活躍するが、60年ケネディとのテレビ討論会で敗れ、
62年知事選でも敗退。63年ケネディ暗殺。68年ジョンソン退陣で復帰を決意。
ロバート・ケネディ暗殺により、対立候補を失い、大統領に就任。
だが悪役であり続けた彼は、ベトナム戦争他で非難を受け、
身の保全のため、独自の調査機関を作る。これはケネディもやってきた事だ。
72年中国との国交回復。だがウォーターゲートの民主党本部盗聴事件が発覚。
ベトナムよりの撤退も評価されず、事件に話題が集中。もみ消しも失敗する。
73年ソ連との核軍縮交渉。証拠テープを隠滅するが、公金流用他の疑いを受ける。
74年。辞任する事でテープの公開は免れ、フォードは特赦とする。
94年。ニクソンは妻パットの死後1年で死去。彼の退陣で米ソは再び軍拡に戻った。

 と言うわけで、理想のケネディに対し、現実的な悪役ニクソンは
その成果にも関わらず、悪の面ばかり注目され評価されなかったと言う話。
その対比はともかく、ウォーターゲート発覚以後のゴタゴタはわかりづらい。
母役にメアリー・スティンバーゲン。FBI長官フーバーにボブ・ホスキンス。
元CIAで盗聴に関係したハントにエド・ハリス。音楽はジョン・ウイリアムズ。

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肉の蝋人形(1933年米)

フローレンス 女性記者
イゴール 蝋人形館の主人
ワース 投資家
シャーロット フローレンスの友人(フェイ・レイ)

 1921年。イゴールは蝋人形館に心血を注ぐが、
投資家ワースは、保険金目当てに、人形館に火をつけてしまう。
 1933年。イゴールの蝋人形館が評判になるが、
記者のフローレンスは、何者かが遺体を盗み出して蝋人形を作ったのだと考える。
イゴールの手下が犯行を白状した事から、警察も踏み込む事に。
イゴールは、フローレンスの友人シャーロットを捕らえ、蝋人形にしようとする。
間一髪警察がかけつけ、格闘の末、イゴールは蝋の中に落とされるのだった。

 と言う訳で、人間を蝋人形にしてしまう話。
ビンセント・プライス版のオリジナル。
キングコングのフェイ・レイが同年に出ているが、主役と言う訳ではない。
女性記者が、蝋人形館の人形たちが実は盗まれた遺体なのではと疑う展開。
この記者が主人公である描き方で、最後に蝋人形にされかかる友人がフェイ・レイ。
プライス版は古いホラーと言う趣だったが、本作は蝋人形館の謎解きがメインに。
とは言え、意外な真相と言う描きかたになってる訳でもなく、
だいたい察しはつく感じ。(まして、こちとらリメイク作と続けて見てるし)

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肉の蝋人形(1953年米)

ヘンリー・ジォロッド教授 (ビンセント・プライス)
スー 教授に狙われる
バーク 人形館の経営者
イゴール 教授の助手(チャールズ・ブロンソン)
レオン 教授の助手
スコット スーの恋人。彫刻家

 ヘンリー教授は蝋人形に情熱を注ぐが、
経営者バークは利益が出ないと、保険金目的で人形館に火をつけてしまう。
バークは保険金を手に入れるが、怪人に殺害される。
スーの友人キャシーが殺された挙げ句に遺体を盗まれる事件が発生。
付近では同様の事件が多発していた。
死んだと思われた教授は生きていて、新たな人形館を開いて評判となる。
人形館を訪ねたスーは、ジャンヌダルク像がキャシーに似ていると感じる。
警察もまた、教授の部下レオンが犠牲者の時計を持っていた点を追及。
レオンは、盗んだ遺体を人形にしたと白状する。
スーは人形館をかぎ回り、教授に捕まってしまう。
教授はスーをマリーアントワネット像にしようとするが、警察が急行。
格闘になり、教授自身が蝋の中に落ちてしまうのだった。

 と言う訳で、ビンセント・プライス主演の古めかしいホラー。
プライス教授は、蝋人形に心血を注ぎ、歴史上の人物を再現していた。
だが、儲からないと言う経営者は、保険金目当てに人形館に火をつけてしまう。
怒った教授は、経営者を殺害。
人形館を再開するが、以前と変わって、無惨な死を遂げた人々を題材にする悪趣味に。
実は、付近では殺人事件の犠牲者の遺体が盗まれる事件が多発。
展示されてる人形が彼らにそっくりと来たら、怪しまれない方がおかしいと言うお話。
ところで、こんな映画にブロンソンが、チャールズ・ブチンスキー名で出てました。
(だから見た)
役どころは、教授の助手イゴールで、
フランケンシュタインものにおけるイゴールと同じ感じ。
それっぽい雰囲気のメイクで、出てると知らなかったら気がつかなかったかも。

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逃げる天使(94)

監督 デニス・ホッパー

 明日除隊するエディは、ロック(トム・ベレンジャー)と共に囚人護送の任務に。
手違いで囚人は女性のトニー(エリカ・エレニアク)だった。
彼女は逃走を何度もはかり、井戸に落ちた2人を助け出すがまだ信用できない。
トニーは麻薬中毒で死んだ弟の葬儀に行くため、SPを殴り逮捕されたのだ。
意気投合したエディはトニーと寝るが、翌朝彼女は逃げてしまう。
2人はあわてて追跡。再び捕らえるが、弟の埋葬が目的と知り、同情する2人。
基地に渡されたトニーは、再度移送されるが、
エディが車に細工し、レッカー業者に扮して彼女ごと車を持ち逃げする。

 と言うわけで、エリカ・エレニアクが出る映画なので見る。期待の巨乳もあり。
逃げたりだましだまされたりと言う展開が楽しめるが、後半はややまだるこしい。
エディが軍の在庫品を横流ししているとの話もあるが、途中でどこかへ行ってしまう。
海兵隊でトニーを引き渡すバンガーに、ゲーリー・ビシー。
逃げたトニーをヒッチハイクに拾うドギーに、デニス・ホッパー。車を盗まれる。

TV放送 96/06/30 BS05 22:00-24:00
 

25年目のキス(1999年米)

 新聞社に勤務するジョジー(ドルー・バルモア)は記者志望。
高校生の実態を調査すると言う企画で、上司命令で高校生として潜入する事に。
だが、彼女にとって、高校時代はいじめられたイヤな思い出だった。
高校へ行く早々、仲間はずれにされるが、優等生のアルディスとは親しくなる。
不良のガイらが麻薬パーティをやっていると知り、上司の命令で接近。
弟ロブも高校生に扮し、ジョジーをほめる噂を流したために人気者に。
しかしアルディスとは仲が悪くなる。
教師のコールソンはジョジーに惹かれ、上司はその事を記事にしろと言う。
パーティでジョジーはクイーンに選ばれるが、ガイらがアルディスにイタズラしようと
するのに気づいて阻止。その場で、皆に自分の正体を明かす。
コールソンはだまされたと思い立ち去り、一件は他紙のスクープ記事にされる。
ジョジーは自分の事を記事にし、野球の試合にコールソンにかけつけてと書く。
皆の見守る中、コールソンは現れ、マウンドの上でキスする。

 と言うわけで、一時パッとしなかったバルモアちゃんだが
製作もするようになって、自分の好きな話に出るようになったその中の一作。
「ペギー・スーの結婚」他で、自分の過去へタイムスリップするSFものがあったが
それをSF設定抜きでやったらどうなるかと言う話。この設定はかなり面白い。
ただし、ラストはちょっと詰めが甘い。

TV放送 2001/04/07 BS05 0600-0800
 

二重スパイ 国際謀略作戦(70)

 クレイマー博士は、RNA移植による記憶再生の実験をしていた。
政府のスローター(レスリー・ニールセン)の依頼で人体実験を実施する事に。
部下のモンドール(デビッド・マッカラム)は自ら危険を冒す。
ハウザー博士の記憶で、ドイツ人で戦後はソ連で核ミサイルの研究をしていたのだ。
亡命に失敗して死んだ彼の研究を得るため、米ソがモンドールの奪い合いになる。
だが、クレイマーは記憶をコントロールできず、家族との再会に必死。
そして、拷問を受けたゲスラー司令官へ復讐しようとするが、逆に殺される。

 と言うわけで、デビッド・マッカラム主演の珍妙なSFもの。
RNAの移植で他人の記憶を再生すると言うのは、できそうな気も。
米ソが二重スパイで奪い合いになったり、再生した記憶で混乱するのも面白いが
肝心の研究内容はわからずじまい。

TV放送 96/12/03 12CH 13:00-15:00
 

二重誘拐(2004年米)

 実業家ウエイン(ロバート・レッドフォード)は、
失業したと言うアーノルド(ウイレム・デフォー)に誘拐される。
仲間が大勢いると称するが、どうやら単独犯の様子だ。
FBIが捜査するが、犯人からの要求はなく、
妻アイリーンは、かつての愛人に会うなど走り回るが手掛かりはない。
ようやく犯人から連絡があり、1000万ドルを要求される。
アイリーンはFBIの尾行をまき、現金を渡す。
やがてマークをつけられた紙幣が見つかり、アーノルドが逮捕されるが、
ウエインは射殺されていた。

 と言うわけで、ロバート・レッドフォード対ウイレム・デフォーと言うと
何かかっこよさそうなサスペンスを想像するが、
実際はどちらもくたびれた感じで、特にレッドフォードはかなりの老人顔。
どちらかと言うと、サスペンスと言うよりは
妻を含めた人間模様を描いたという感じで、題名から期待した物とは別。
クライマックスで、妻が犯人に振り回されるのは
「ダーティハリー」風で面白いのだが、それも尻すぼみ。
犯人が1人しかいないのはバレバレだし。

TV放送 2006/03/10 BS05 1305-1445
 

虹を掴む男(1947年米)

ウォルター・ミティ 校正係(ダニー・ケイ)
ロザリンド・ヴァン・ホーン 列車で知り合った女性
ロザリンドの伯父
ホリングスヘッド 医師(ボリス・カーロフ)
ガートルード ウォルターの婚約者

 雑誌社に勤めるウォルターは、過保護な母親に婚約者まで決められる日々。
空想の中では、英雄的な活躍をするのだが。
ある時、ロザリンドと言う女性にカバンを託されるが、
一緒にいた男性は何者かに殺される。
あわてて警察にかけこむが、空想だと取り合われない。
再び現れたロザリンドによると、
カバンにある手帳を一味が狙っており、伯父に届けてほしいと言う。
配達の荷物に隠した手帳を何とか回収し、伯父に届けるが、
彼も一味で薬を盛られてしまう。
気がついたウォルターの話を、
医師は幻覚として、ロザリンドなど存在しないと言われる。
ウォルターは婚約者と結婚式を挙げる事になるが、
ポケットにロザリンドのアクセサリがあった事から、彼女がいたと確信。
式場を退散する。屋敷に捕らわれていたロザリンドを救出。
一味に追われるが、空想の手口で撃退。かけつけた警察が一味を逮捕する。
僕を縛り付けるなと家族や上司に叫んだウォルターは、
編集長になりロザリンドと結婚するのだった。

 と言う訳で、ダニー・ケイ主演のコメディ。
ベン・スティラーのLIFEのオリジナルだが、
空想癖のある編集者と言う以外は共通点はあまりない。
ダニーは過保護な母親に婚約者まで決められるが、空想の中では大冒険したりする。
ある時、女性に秘密が書かれた手帳を託され、陰謀に巻き込まれるが、
周囲は本気にしてくれないと言う訳。
ヒッチコック風だが、それほどシリアスではなく、
事件を通じて人生の意味を知るような大風呂敷でもない。
気軽に見れるが、彼に空想癖がある事を紹介するシーンがちょっと長い。

TV放送 2015/06/05 WOWOW 0700-0850
 

2001年宇宙の旅(68)

監督 スタンリー・キューブリック

 猿人の前に奇妙な石盤が現れ、触れた部族は道具を使う事を覚える。
20世紀末。フロイド博士らは月で400年前の石盤を発見する。
18カ月後、ディカバリー号は木星探査飛行に。乗員は5名。3名は冬眠中だ。
コンピューターHALがユニットの故障を指摘。ボーマン(キア・デュリア)が交換。
だが、故障はなく、地上コンピューターはHALの異常を指摘。
ボーマンはプール(ゲーリー・ロックウッド)とHALの制御を切る事を検討。
プールは再び船外で作業をするが、ポッドにはじかれ飛ばされる。
ボーマンは救出に向かうが、HALは進入路を閉鎖。冬眠装置を停止する。
HALは回路切断を恐れたのだ。ボーマンはエアロックから入る事に成功。
HALを分解すると、テープが作動。計画はHALしか知らないと言う。
地球外に生命がいる事が判明。月の石盤が木星に電波を発したと言うのだ。
ボーマンは進み、かなたから光の波が迫る。
気づくと白い部屋に。ボーマンが次第にふけていき、ベットに。
石盤が現れ、手を伸ばすと、胎児になる。胎児は宇宙から地球を見つめる。

 と言うわけで、難解で知られる映画だが、物語は簡単明瞭。
HALが狂った理由まではだいたいわかるが、光の波が出てからは意味不明。
石盤(モノリス)を触れると進化するようだし、
ニーチェが超人を描いた「ツァラトゥストラはかく語りき」の音楽も流れるので
たぶん、超人の誕生を表現しているのだと思うが。石盤が何かはいまいち。

TV放送 93/01/02 06CH 00:40-03:19
 

2010年(84)

監督 ピーター・ハイアムズ

 1999年。月でモノリスが発見。木星へ謎の信号が送られる。
2001年。ディスカバリー号が木星へ。コンピューターHALが乗員を殺害。
船長ボーマン(キア・デュリア)はHALを切断。巨大なモノリスを発見。
最後の連絡は「すごい。星が一杯だ」以来行方不明に。
2010年。米ソは中米紛争で一触即発。ソ連はレオノフ号計画で、
ディスカバリー計画責任者フロイド(ロイ・シャイダー)に協力を求める。
ディスカバリーは、衛星イオへの衝突コースをとっているが、原因は不明だ。
そこで、ディスカバリーの設計者カーナウと、HALの設計者チャンドラーと乗船。
レオノフ号。フロイドが冬眠から覚める。衛星エウロパから奇妙な電波が。
生命がいる事になる。探査機は葉緑素を発見。だが、突如発光体に破壊される。
フロイドは、未知の生命の存在の可能性を指摘。あれは警告だ。
やがてイオの軌道に。カーナウ(ジョン・リスゴー)がディスカバリーに乗船。
チャンドラーもHALの修理を開始する。
モノリスに関する記録はHALにはない。長さは1:4:9。完璧な比率だ。
ソ連のマキシムが調査艇で向かうが、発光体に襲われてやられる。
HALを分析。HALはモノリスの秘密を守るよう政府の指示を受けていた。
だが、ボーマンらはそれを知らず、命令矛盾で異常行動を取ったのだ。

 米ソは戦争状態に。レオノフ号はソ連領としてディスカバリーヘ撤退。
帰還命令が出て、互いの通信も禁じられる。
フロイドにボーマンからメッセージが。「ここにいては危険。2日以内に立ち去れ」
振り返るとボーマンが。彼は老いたり胎児になったり。素晴らしい事が起こると言う。
フロイドは帰還を提案。燃料不足だが、2機をドッキングさせれば可能だ。
地球の出来事は関係ない。HALに軌道計算を求めるが、自分の破壊にも通じる。
モノリスが消え、木星に直径2万km以上の黒い点が。無数のモノリスが増えている。
HALは観測すべきと言うが、チャンドラーは事情を正直に述べる。
点火切り離しに成功。ボーマンがHALに地球へのメッセージを指示。
「この宇宙はあなたがたのものだが、エウロパは違う。近づいてはならない。
宇宙を平和に使用しろ」
木星は爆発し、第2の太陽に。米ソは戦闘を中止。
フロイドは、モノリスは人間を越える存在からの使者と考える。

 と言うわけで、2001年の続編。とは言うものの、ずいぶん俗な感じ。
何と言っても俗なのが、米ソ戦争の下り。その後、ソ連はなくなってしまうし。
あまり現実の国名を出すべきではなかったのでは。
謎がとけていく分、作品の魅力は落ちる。ボーマンに何があったかは依然不明だ。

TV放送 92/11/22 06CH 01:40-03:32
 

レスリー・ニールセンの2001年宇宙の旅(2000年米)

 保安官ディックス(レスリー・ニールセン)は、オズムット長官の指令で
ベーガン鉱山にエイリアンが来ていると言う事件を調査に。
同僚のカサンドラの調査では、世界のリーダーをクローンとすり替え、
母星では貴重なシリコンを手に入れる気だ。
大統領と共に、カサンドラが捕らわれるが救出。ブラット博士が一味らしい。
ディックスらは、クローンの大統領を捕らえ、本物と交換したつもりが
逆に本物をさらってしまう。再びすり替えるため、オペラ座へ向かう。
舞台に出た大統領をすり替えようとし、本物の大統領と格闘に。
どちらが本物かわからなくなるが、サックスが下手な方が本物だ。
一味のクリストラ博士は大統領を殺そうと大砲を撃つが、
弾はテノールの尻に刺さり、その声でエイリアンが姿を見せてしまう。
そのまま破裂して、地球の危機は救われる。

 と言うわけで、レスリー・ニールセン主演のドタバタ物となると
裸の銃の頃はまだ良かったのだが、その後はいろんな作品で登場。
どれも作っている人は違うはずなんだが、主人公のキャラは同じような物で
ただし、笑いの方はどんどん泥臭いというか、下品な方へスケールアップ。
本作は2001年という雰囲気は冒頭だけで、後はただの刑事もの。
吹き替えで多少フォローしてはいるものの、全体としてかなり退屈。

TV放送 2002/11/10 25ch 1300-1500
 



2012」を見た。(2009年米)

 2012年に世界が滅亡すると言うマヤ文明の伝説があるらしく
世界が崩壊する様を、ローランド・エメリッヒが描く映画。
インデペンデンス・デイ、ゴジラ、デイ・アフター・トゥモローと
何度も破壊を描いた彼が、またも世界崩壊をどう描くのか、とにかく見る。

ジャクソン 売れない作家。今は富豪の運転手の仕事をする(ジョン・キューザック)
ケイト ジョンの元妻(アマンダ・ピート)
ゴードン ケイトの現在の恋人
フロスト 予言者(ウディ・ハレルソン)
ユーリ 富豪。ジャクソンの雇い主
タマラ ユーリの愛人
テンジン兄弟 チベットの労働者

ウイルソン 米大統領(ダニー・グローバー)
アンハイザー 大統領補佐官(オリバー・ピット)
エイドリアン 異変に気づいた科学者
ローラ 大統領の娘
ハリー エイドリアンの父。船でバンドマンをする
トニー ハリーの相棒。日本に家族がいる
サトナム 異変に気づいたインド人科学者

 2009年。科学者エイドリアンは惑星直列などの影響で、
数年後に世界の終わりが来る事を予知。
事態は大統領補佐官アンハイザーを経て、米大統領の知るところとなる。
大統領は、各国首脳と連絡し、極秘のプロジェクトを開始する。

 2012年。売れない作家ジャクソンは、別れた妻ケイトの所にいる
息子と娘を連れて湖へ旅行へ行く事に。
だが湖はなぜか干上がっており、しかも立ち入り禁止になっていた。
軍らしき連中に捕まるが、そこでジャクソンの愛読者というエイドリアンに会う。
だが、彼らが何をやっているかは語ろうとしない。
施設を追い出されたジャクソンらの前に現れたフロストという男は、意外な事を言う。
世界は天変地異で2012年に滅亡し、
政府はひそかに箱船を作り一部の人間の生き残りを図っているのだ。
ジャクソンは相手にしなかったが、帰宅した後ロスで地震が発生。
次第に激化し、フロストの話が本当だと確信。
彼が運転手をする富豪ユーリのリムジンを拝借し、ケイトの所へ急行。
何が何だかわからないケイトと子供たち、
そしてケイトの恋人ゴードンを連れてリムジンで脱出する。
リムジンは爆走するが、彼らの周囲で見た事もない激しさでロスが崩壊。
道路がどんどん陥没し、リムジンはそのちょっと前を走り抜けたり
ジャンプしたりで何とか生き延びる。
その間もビルは崩れ、駐車場ビルから車が降り注ぐ。
ジェイクは箱船の場所を知るフロストに会わねばと言い、飛行場へ。
係員も死んでいて、止まっていた小型機に飛び乗る。
多少操縦経験のあるゴードンが操縦して離陸。
上空から見たのは、ロス自体が海に沈む光景だった。
一行は湖の近くの飛行場へ着陸。
ジャクソンはフロストの所へ向かうが、娘が同行すると言い出す。
結果的にケイトらは、ジャクソンらが戻るまで待たねばならなくなる。
ジャクソンはフロストに再会。彼はこの光景を見届けると言って留まる。
ジャクソンは、地図があるフロストのキャンピングカーで飛行場へ急行。
やがて火山が爆発し、フロストは巻き込まれる。
危機一髪ジャクソンらが戻り、機は離陸。
地図によると、箱船があるのは中国の高地だと言う。

 各地で同様の被害が発生。
政治家や科学者など、一部のメンバーは箱船へ移動するが大統領は留まる事を決意。
ホワイトハウスの前の人々を助けるが、大波で打ち寄せてきた空母の下敷きになる。
エイドリアンと共に異変に気づいた科学者サトナムは、インドに留まって犠牲に。
エイドリアンの父ハリーは、大型客船でバンドマンをしていた。
異変について一般市民に伝える事は禁じられていたが
息子からこっそり聞いたハリーは絶望する。
ハリーの相棒トニーは、日本にいる家族と連絡が取れなくなり
やがて大型客船はタイタニックのように沈む。
共に家族を失ったエイドリアンと、大統領の娘ローラは親密に。

 ジャクソン一行は途中の空港でユーリ一家と会う。
ユーリは金に物を言わせて大型機を用意していたが、
パイロットが必要になり、ジャクソンらと同行する事に。
途中、ハワイで給油しようとするが、島全体が火に包まれ着陸出来ず。
このままでは燃料不足だが、海底が隆起していたため難を逃れる。
やがて雪山に不時着。ここへ箱船から迎えのヘリが来る。
ユーリは子供と共にこれに乗るが、チケットは彼らの分しかなく
ジャクソンらはユーリの愛人タマラと共に見捨てられる。
金持ちだけが助かる状況に反発するエイドリアンだが、
スポンサーは必要だったと言うアンハイザー氏。
中国の高地にある基地に、4隻の巨大な船が建造され、
これで大波を乗り越えようと言うのだ。
ここへ世界各地から大量の人々や、絶滅を逃れるために選ばれた動物が集まってくる。
しかし1隻が整備不良でユーリらは乗り込む事ができない。

 一方、チベット労働者テンジン兄弟に助けられたジャクソンらは
ひそかに箱船に乗り込むと言う彼らに同行する事に。
ドックの裏口から歯車みたいな所を通過して船内へ。
アンハイザー氏は、乗客を乗せる余裕はないと言うが、これにエイドリアンらが反発。
結局ゲートが開かれ、人々が殺到。ユーリはデッキから落ちて死ぬ。
ジャクソンらは歯車みたいな所を抜けて広い場所へ出るが
途中でゴードンが下へ落ちて死ぬ。
しかし、ワイヤーだかが歯車に挟まり、ゲートが完全に閉じない。
そこへ大波が到来。他の船は無事出発するが、彼らの船は浸水してしまう。
浸水の区画は封鎖され、ジャクソンらは溺れそうに。たぶんタマラはここで溺死。
浸水したままでは船自体も危険だ。
ジャクソンは、息子と共に歯車の所へ戻り、ワイヤーの除去に成功。
ゲートは無事閉まり、一同は救出される。
やがて大海を行く船の甲板に出た一行は
穏やかな海に未来への希望を感じるのであった。

 と言うわけで、物語は地殻だかの変動が急速に速まり、一気に陸地が沈むと言うから
日本沈没ならぬ世界沈没のノリ。
マヤ文明の伝説も科学的根拠も、物語的にはどうでもいい感じで
ただひたすら逃げまどう展開。
主役のジョン・キューザックは、政府関係者でも科学者でもない一般市民で
とにかく家族だけ生き延びればいいと言う考えで
トム・クルーズ版「宇宙戦争」を連想させる。
都市崩壊の描写は、ただの大地震ではなく、大陸が沈むわけだからそれはもう派手。
「タイタニック」「大地震」などを連想させるシーンもあるが、それも軽く通過。
そんな中をキューザック一家はなぜかラストまで生き延びてしまうあたり
わらしべ長者とかを思い出す強運の持ち主。
終盤に来て、一握りの連中が生き延びるため「箱船計画」を進めている事が明らかに。
それはあまりに唐突と言うか、今までとトーンが違う展開で
ウディ・ハレルソンが語る都市伝説的な物かと思ったら、実際にそう言う展開に。
今度は「地球最後の日」のノリだ。
箱船は宇宙船ではなく、ただのでかい船で、
世界が水没するから、中国の高地に基地を構え、
いざ水が迫ると周囲は危険な岩場になるわけで、
準備に2年かけたなら、もう少し考えろと言いたくなる感じ。
しかも、でかい船なら何とか嵐を乗り越えられるだろうという発想で
おかげで船出はいろいろ波乱あり。「ポセイドン・アドベンチャー」のノリに。
キューザックの元妻アマンダ・ピートには、新しい恋人がいるが
登場するや否や、「こいつは死ぬな」と予想できてしまう例のパターンで
実際そうなる安易さもあるが、
派手な破壊シーンが見た事もない光景である事は確かで面白かった。
 

2300年未来への旅(76)

 23世紀末。自動生産の巨大なシェルター都市は、人口統制で若者しかいない。
人々は、30歳になると、生まれ変わりの儀式と称して、処分されるのだ。
パトロール隊員の、フランシスとローガン(マイケル・ヨーク)は、
儀式に疑問を持った、逃走者を処分する事が任務だ。
ローガンは、コンピューターの指示で、逃亡者の本拠、サンクチュアリを探す任務に。
逃亡者のジェシカ(ジェニー・アガター)を信用させ、アジトへ。
パトロールが急行し、2人は逃走。地下の通路を抜け、氷の洞窟へ。
ボックスと言うロボットが、逃亡者を食料として凍りづけしていたが、これを破壊。
外へ出て、首都ワシントン跡地で老人(ピーター・ユスチノフ)を発見。
かけつけたフランシスを格闘の末倒す。
サンクチュアリなどないと知った2人は、真実を知らせるため、老人を連れて都市へ。
捕まるが、コンピューターが脳内分析をし、理解できずに爆発。
ドームは崩れ、外に逃げた人々は待っていた老人を目にする。

 というわけで、「ソイレントグリーン」と「猿の惑星」をあわせたような話。
2001年とは似ても似つかない。
フランシスは、山を越えてよく追ってこれた。だが、犬死にだ。
逃亡者の整形医の助手ホリーに、ファラ・フォーセット。簡単に死ぬ。

TV放送 92/06/07 10CH 03:35-05:23
 

日曜日には鼠を殺せ(64)

 監督 フレッド・ジンネマン

 1939年。スペインの左翼ゲリラは内戦に敗れ、フランスに亡命。
20年後、孤児パコはゲリラのリーダー、マニュエル(グレゴリー・ペック)の所へ。
父の仇、警察署長のビニョラス(アンソニー・クイン)を殺してもらうためだ。
ビニョラスは、病院の母親を利用し、長年の敵マニュエルをおびき出す事を計画。
母親はフランシスコ神父(オマー・シャリフ)を呼び、
息子に来ないよう伝えろと言って、息をひきとる。神父はパコにこの事を伝える。
パコは、復讐させるため秘密にするが、仲間のカルロスが警察のスパイだと気づく。
カルロスが母親と会ったと言うため、パコは母親が死んだ事を白状。
マニュエルは信用しないが、
連れ戻した神父を見て、カルロスが逃げたので、事実と知る。
マニュエルは、ビニョラスの鼻をあかすためだけの目的で、単身病院へ。
狙撃銃でビニョラスを負傷させ病院に侵入。
だが、警官に撃たれて死に、遺体は母親の隣に置された。

 というわけで、マニュエルが最後に無茶苦茶な活躍をするのかと思えば
そうでもないし、何かしてやったりという壮快感がないので、だまされた感じ。
オマー・シャリフの神父が、どうしてもインチキくさそうでいけない。

TV放送 91/11/14 BS11 22:00-00:05
 



ニック・オブ・タイム」(95)を見た。

 この映画は、「シザーハンズ」で注目され、
近作「エド・ウッド」でアカデミー賞候補にもなったジョニー・デップ主演の映画で
割と普通の父親である彼が、ひょんな事から知事暗殺事件に巻き込まれると言う話で
いわゆる巻き込まれ型サスペンスと言うわけで、それだけでも関心があるが
何と監督が、ひいきのジョン・バダム。
「ブルーサンダー」「ウォーゲーム」等の小気味よいアクションが得意なのだが
近作「ドロップ・ゾーン」「張り込み2」等が、それなりに面白いものの
ややパワーダウンしていて心配なところ。そうは言っても、見逃すわけにはいかない。
おまけに、音楽がジョン・バダムとのコンビでしか見た事がない
アーサー・B・ルービンスタイン。
前述の「ブルーサンダー」「ウォーゲーム」の超超しつこい音楽は、
映画を離れても聞く者を熱狂させるパワーがあった。
途中から監督も浮気するようになって、別の作曲家を起用するように。
CDとしては、「ハードウェイ」しかなかったのだが、
今回、この「ニック・オブ・タイム」もCD化されるとわかり、
何だかそれだけで、映画に対する興味も高まったと言うのが実状だ。

 ワトソン(ジョニー・デップ)は不仲だった妻を失い、
1人娘のリンと共にロスに到着する。
駅で仕事先へ電話連絡。大事な待ち合わせに遅れそうでハラハラしている。
娘を近くにおいて電話するが、チンピラみたいな男がちょっかいかけるので
離れずに近くにいるよう注意を払う。
一方、謎の男女スミス(クリストファー・ウォーケン)とジョーンズは
何かの目的で手頃な2人を探していた。口論しているカップルは不適格。
仲は良いが、年老いた2人の男では役に立たない。
そうこうしているうち、アツアツのカップルを見つけ、彼らにしようと接近。
ところがいざ話しかけてみると、彼らはフランス人で英語が通じない。
それでは何の役にも立たないと、新しい目標を探すと
仲の良い親子ワトソンとリンを発見する。
スミスらは警官のようなフリをして、すぐすみますからとか何とか言って
ワトソンらを自分たちのバンに乗せる。
途端にスミスらの態度は豹変。後部座席のリンにジョーンズが銃を突きつける。
娘自身はそれに気づいていないが、ワトソンにその事を知らしめ
言う事を聞かねば、娘を殺すと脅迫する。
彼らが指示したのは、1時半までに写真の人物を殺せと言うものだ。
ワトソンはこの理不尽な話に抵抗するが、スミスは銃で足を強く殴り、
本気だぞと脅す。しかも本物の銃を渡され、ワトソンはどうしていいものやら悩む。
選択の余地はないのだと言われ、意を決したようにワトソンは
リンにしばらく別れるが、おとなしくしてろ等と言って立ち去る。
スミスの指示は、まずタクシーに乗ってホテルへ行けと言うものだ。
冗談はよせとか言うが、スミスは銃で足を殴ったりするので、どうやら本気らしいと
ワトソンは仕方なく車を降りる事に。

 近くに警官がいたので、すかさず近づこうとするが、スミスが立ちはだかり
よけいな事は考えるなと脅迫。仕方がないので、こんちわとか言ってごまかす。
タクシーに乗って、ホテルまでと言うが、ホテルは近くなので運転手は不思議がる。
彼は親しげにいろいろ聞いてくるが、ワトソンの頭の中は、
いろんな想いがグルグル回り、会話しているどころではない。
ハッとしたワトソンは、意を決して運転手に事情を相談。
実は困った事になっているんだ。へえ、そうかいとか言ってると、
途端に何かがドンとタクシーにぶつかる。運転手が射殺でもされたのかと思ったが
そこまではしてなくて、ちゃんとついてきたスミスの車が体当たりしたのだ。
もっとも、特に盗聴器とかがあるわけでもなさそうなのに、
どうしてこんなタイミングでぶつけてきたのかは、説明がない。
あちらでは、これくらいの接触では驚かないらしく、
ちくしょうとか言って、よしになってしまう。ビクビクしているとホテルへ到着。
身の上相談するヒマなかったねえとか言われる。
ワトソンはあわてて、名刺の裏に「娘が誘拐され脅されてる」と書いて
運転手に渡す。だが、次の客が乗り込み、運転手には読むヒマがない。
チラッと見るが、「税理士」とあるので、おれには関係ないと捨ててしまう。
タクシーから降りると、スミスが近づいてきて、よけいな事は考えるなと言う。
(こんなにつきまうとくらいなら、自分でやればいいと言う気がするが)
呆然として、ホテルの中へ。身分証をもらっているので、簡単に中へ。
そこは誰かの選挙運動の会場らしい。
カリフォルニア州知事エレノア(マーシャ・メーソン)の再選のための運動だ。
そして、封筒の中から出した標的の顔写真は、エレノアその人だった。

 何が何だかわからないワトソンだが、どうやら何かの陰謀に巻き込まれたらしい。
オロオロしてぶつかった人物は、エレノアの夫ブレンダン(ピーター・スタラウス)
だが、何もできないし。
そうこうしていると、エレベーターにエレノアその人が乗り込むのを見て
ワトソンはあわてて、そのエレベーターに乗ろうとする。
警備員が止めるが、ワトソンがつけている身分証が、高額支援者を意味するものなので
エレノアが支援者は大切にしなきゃとか言って、乗せてくれる。
この密室の状態で、ワトソンは彼女にいきさつを話そうとするが、緊張で汗ダクダク。
心配したエレノアが、大丈夫?と聞いてくるので、実はお話がと言う。
ところが、そこへスミスが乗り込んできて計画はおじゃん。
エレノアはお話とは何?と聞くので、仕方なく彼女にサインをしてもらう。
途中、エレノアたちが降り、スミスと2人残されると
スミスは絶好の機会を逃したなと怒って殴る。
銃に弾が入ってなかったと言うと、弾をこめてこれでどうだとスミスは手渡し
今度しくじったら殺すぞと脅す。
まだオロオロしているワトソンは、警察へ電話しようとするが、
スミスに電話線を切られてしまう。何をしようとしてもダメだ。
時間稼ぎに、傷痍軍人と言うヒューイ(チャールズ・S・ダットン)の靴磨きの店へ。
彼に小声で事件の事を伝えようとするが、ヒューイには客の話など聞く気がない。

 これはあかんと、スミスをまいたと感じたワトソンは、
こっそりホテルの前で待機する、ジョーンズと娘リンの乗る車に近づく。
そしておもむろにドアを開け銃を突きつけるが、
ジョーンズの方も、そんな事もあろうかと待機していたようで、
全然気づかずに遊んでいるリンに、銃を突きつけたままの状態でいた。
八方ふさがりの状態のワトソンは、断念してエレノアの演説会場へ向かう。
そこでは、警備員が金属探知器で持ち物を検査しているので、このままでは
銃が見つかってしまう。動揺していると、警備員の1人がこっちへ来いと言う。
グズグズしていると、早く来いと言うので仕方なく行くと、
警備員は金属探知器をこっそりOFFにしたので、銃は見つからない。
何と警備員も一味だったのだ。おかげでワトソンは難なく会場へ入れてしまう。
すかさずスミスが近づき、今度こそしくじるなよとか言うので、
ワトソンはスミスがジョーンズに連絡するためのトランシーバーを奪い、
それを遠くへ投げてしまい、これで一安心と近くにいた警備主任に近づく。
そして、あの男が銃を持っていて、知事を狙っていると告げるが、
警備主任は顔色1つ変えず、銃を持っているのは君もだろうと言って
スミスに予備のトランシーバーを手渡す。
本当なら、こんな事をしたら、娘を殺すところだぞと脅すスミス。
エレノアの演説が始まり、仕方なく前列へ行くワトソン。またも汗ダクダク。
大丈夫?と話しかけてきたのは、知事の秘書クリスタだ。

 ワトソンは意を決して、クリスタに銃を突きつけ、重大な話があるから来いと脅す。
幸い、今ならば人混みに紛れて、スミスらの監視もまけそうだ。
動揺するクリスタに、ワトソンは真相を話すが、彼女もにわかには信じがたい様子だ。
それなら警備主任に話すと言い出すが、彼もグルなのでそれはダメだと制止。
ならば、選挙参謀である夫ブレンダンの所へと、部屋へ連れていかれる。
ブレンダンとその部屋にいた謎の男は、クリスタの話を真剣に聞こうとはせず
なぜ暗殺者だと言う男を連れてきた?等と言い出す。
さらにその銃は本物か?と言い出し、専門家に調べてもらおうと言うと
現れたのが何とスミスだった。彼は銃を取り、座布団を消音用にし、クリスタを射殺。
平然と本物だと言うスミス。何でこの部屋で殺すんだと言いたげなブレンダンら。
そもそも彼女が選挙公約を破らなければ、こんな事にはならなかったとか、
こんな男を使って大丈夫なのか?とか、陰謀の内容を説明し始める。
何が何だかわからないながら、ワトソンは大暴れし、スミスに首を絞められるが、
彼の銃を奪って射殺。近くにいた男たちも次々射殺して逃走。
だがなぜか生きていたスミスが現れ、ワトソンを吹き抜けの下へ投げ落とす。
……と言う幻想を、首を絞められているワトソンは見るが、
そこらへんでやめろと言われてスミスは手をゆるめる。
とにかく、計画は再開しなければと、ワトソンは再び解放される。

 八方手を尽くしたが、何ら有効打の打てないワトソンは、
再びヒューイの靴磨き屋へ。ヒューイは不審がるが、ワトソンの話には耳を傾けない。
そこへスミスが現れ、話がしたいから来いと言うが、
ワトソンは、ヒューイは耳が聞こえないから大丈夫だと言う。
本当は足が義足なのだが、「傷痍軍人」と言う看板に簡単にだまされたスミスは
早くやらないと娘を殺すぞとか、わざわざ説明してくれる。
話を聞いてギョッ!としたヒューイは、ようやく事件の事を知り、
聞こえないフリをしながら、スミスが立ち去ると、トイレへ来いと伝言する。
しばらく間をおいて、ワトソンはトイレへ行くと、
ヒューイは仲間を1人用意させておいて、彼と服を交換させる。
あちらのトイレは足が見える式だから、ズボンで信用させてその間に……と言う寸法。
事件のいきさつを聞き、知事の味方とはっきり言えるのは、知事だけと聞き
それならば知事に直接と、ホテル関係者用のエレベーターで上の階へ。
掃除夫によれば、知事は会食会を前にして、昼寝をしているというのだ。
ワトソンは彼女の部屋へ侵入。銃を持った男の侵入に驚くエレノア。
殺す気があるならもうやっていると言い、事件の真相を話すワトソン。
そう言う事なら、秘書のクリスタにと言うが、彼女は殺されたと言う。
夫すら一味だと言われ、にわかには信用できないエレノアだが、
心当たりがないわけでもない。
暗殺の制限時間が1時半と言う事は、会食会はラストチャンスだ。
この会食会さえでなければ無事だと言われるが、
そうは言っても、助けも呼ばないわけにはいかないので、彼女が叫ぶと
警備員がなだれ込むが、あわててワトソンは逃走。
トイレへ戻り、仲間とすり替わり、そろそろ会食会の時間だとスミスに言われるが、
彼はワトソンが延々とトイレにいたのを、ちっとも不審がっていない。

 会食会を前にして、知事エレノアの所へ夫ブレンダンが現れる。
そろそろ時間だと言うが、エレノアは気分が悪いから中止にしたいと言い出す。
すると、ブレンダンは会食会は重要だから、これだけはやれと言い
では原稿のチェックにクリスタを呼びたいと言うと、
彼女は気分が悪いので帰ったとか言われ、不信感はつのる一方。
ワトソンは会食会の会場へも簡単に入れてしまう。
取材するマスコミの連中が、
屋内はトランシーバーが使えない等と言っているのを聞くワトソン。
会場へエレノアが現れ、いろんな場所に配置された暗殺者たちが、彼女に銃を向ける。
ワトソンは囮だったのだ。ワトソンは一呼吸早く、潜んでいるスミスに向けて撃つ。
たちまち会場は騒然とする。こりゃいかんと、暗殺者たちが次々銃を撃ち
エレノアの近くにいた男性に当たり、彼女に覆い被さるように倒れたので
一見、彼女が撃たれて死んだかのように見える。
それを見て夫ブレンダンは、我々に逆らうからだ等と言うが、
実はまだ生きていて、ワトソンの話が本当だと分かり、ギョッ!とするブレンダン。
一方、暗殺者たちはいっぱいいた気がするが、ワトソンはスミスだけを追跡。
逃げるスミスに飛びかかり、格闘になると、なぜか今回はワトソンが結構優勢。
そうは言っても、そうそうは続かず反撃されると、銃を向けるワトソン。
おまえは立派な殺し屋だとか言い残して、スミスはワトソンに撃たれて死ぬ。
その頃、ジョーンズは、時間が来ても連絡がないのでリンを射殺しようとしていた。
(そんなに時間厳守してメリットがあるとは思えないが)
ところが靴磨き屋のヒューイが、窓ガラスをふくとか言って車によってきて
つきまとうものだから、頭に来たジョーンズがヒューイに向けて撃つ。
当たったのは義足なのだが、気づかずにジョーンズはヒューイと格闘。
一件落着と、ジョーンズの事をすっかり忘れたワトソンは、車に戻りリンと再会。
すっかり安心している2人を、ヒューイを叩きのめしたジョーンズが銃で狙うが
ヒューイがはずれた義足で殴り倒し、ジョーンズを倒す。
こうして事件は一件落着。ホテルの一室にいた黒幕らしき謎の男だけが
1人捕まらずに去っていった。

 と言うわけで、ヒッチコックばりの巻き込まれ型サスペンスで、
90分の話を90分の映画で描くと言う、ヒッチコックの「ロープ」を思わせる展開。
話の展開自体も「知りすぎていた男」を思わせると、設定は抜群な感じなのだが
思ったほど面白くなかった。
と言うのも、巻き込まれた事と同時進行を意識しすぎたのか
前半はワトソン氏はほとんど活躍せず、スミスに振り回されてばかり。
そのスミス氏も、そんなにピッタリはりついて監視するぐらいだったら
自分でやれよと言いたくなるほど。標的も架空の知事で、陰謀の底が浅そうだし。
後半ようやく靴磨き屋と言う仲間が現れ、やや反撃に転じて面白くなるが
見事一味を出し抜いたと言うほどの痛快感のあるものではなく
どちらかと言えば、出たとこ勝負。暗殺阻止も娘救出も運が良かったと言う感じ。
トイレすり替わり作戦も、あまり頭のいい手とは思えないし。
敵一味が巨大そうと言うのはお約束なのだが、
そればかりが目立ち、こちらが何も活躍できずじまいではちょっと。
雰囲気はそれなりだが、作品全体としては失望感が残る。
 

2番目のキス(2005年米)

リンジー キャリアウーマン(ドリュー・バリモア)
ベン 教師

 教師ベンは、生徒たちを連れてリンジーの職場を見学。
互いに惹かれ合い、デートする様に。
 ベンは、実はレッドソックスの熱狂的なファンだと告白するが、
リンジーは問題視しない。
リンジーは共に試合を見に行くが、ベンの騒ぎぶりにはやや閉口。
球場で仕事をした挙げ句、ボールが当たる騒ぎになり、今後は仕事に集中すると言う。
 リンジーはパリへ出張する事になり、ベンに同行を求めるが試合を優先される。
妊娠の疑いがあった事を機に、ベンは試合に行かずにデートする。
だが、歴史的な大逆転の試合を見逃してショックを受ける。
 ベンは1人で試合を見に行く様に。
リンジーにプロポーズするが、夏のベンに傷つけられたと言われる。
リンジーは昇進が決まるが、ベンがシーズンチケット売ろうとしていると知る。
リンジーは、それが自分の為にした事で、自分は何も犠牲にしていないと気付く。
ベンはシーズンチケットを売る契約をしようとするが、
球場にかけつけたリンジーが阻止してキスする。
その後、レッドソックスは奇跡的な連勝でリーグ優勝、
さらにワールドシリーズを遂げるのだった。

 と言う訳で、ドリュー・バリモア主演のラブコメ。
キャリアウーマンのバリモアちゃんは、教師ベンと恋に落ちる。
だがベンは熱狂的なレッドソックスファンで、デートより試合を優先すると言う訳。
アタシと野球とどっちが大切なのよ!てな話で、
男の人のそういう趣味って、結婚しても捨てられないのも人生なら、
結婚を機に捨てるのも人生。
人生の大問題だったりするのは共感できて面白い。
でも、ラブコメとはちょっと違うかもね。

TV放送 2016/03/29 WOWOW 1900-2043
 

ニューイヤーズ・イブ(2011年米)

クレア タイムズスクエア協会副会長(ヒラリー・スワンク)
会長 (マシュー・ブロドリック)
電気技師 (プリティウーマンのフロント)
テス 妊娠中(ジェシカ・ビール)
グリフ テスの夫
ランディ (アシュトン・カッチャー)
エリーズ 歌手
エレベータ技師 (ジェームズ・ベルーシ)
サム
サムの母 (24の大統領)
ジェンセン 人気歌手
ローラ ジェンセンの元恋人
イングリット レコード会社の秘書(ミシェル・ファイファー)
ポール 秘書の同僚。キムの弟(ザック・エフロン)
秘書の上司 (ジョン・リスゴー)
キム(サラ・ジェシカ・パーカー)
ヘイリー その娘
ハリス 病床(ロバート・デニーロ)
エイミー 看護婦(ハル・ベリー)
看護婦の同僚 (アリッサ・ミラノ)

 大晦日のNY。タイムズスクエア協会の副会長クレアは、
カウントダウンの準備に悪戦苦闘していた。
ポールドロップと言う飾り物が故障し、あわてて電気技師に修理させる。
修理が完了すると、クレアはどこかへ急行するのだった。
 予定日が近いテスと夫グリフは、新年一番に出産して賞金をもらおうとする。
だが、同じ事を考えるカップルがいて、競い合う羽目に。新年になり、テスは出産。
グリフは感激し、自分たちの方が先なのだが、
0時5分だった事にして、賞金をライバルに譲る。
 ローラは、人気歌手ジェンセンのパーティにケータリングサービスをする。
実は彼女はジェンセンの元恋人で、今回の仕事がジェンセンの推薦によるものと知る。
厨房に現れたジェンセンは、以前逃げた事を悔やみ、
ローラと離れない為にツアーは中止すると言うのだった。
 部屋にこもっているランディは久しぶりに部屋を出るが、
エリーズと言う女性とエレベータに閉じ込められる。
なかなか救援が来ず、仕方なく2人でパーティをする事に。
ようやく解放されたエリーズは、歌手ジェンセンと共演の予定でかけつける。
エリーズがブレスレットを忘れた事に気付いたランディは、それを届け彼女にキス。
ジェンセンの代わりに歌う事になったエリーズを見守るのだった。
 キムは娘ヘイリーとカウントダウン見物に出る。
付きっきりの母に嫌気がさし、ヘイリーは逃げ出してしまうが、
恋人が他の女とキスしているのを見てショックを受ける。
慰めるキムは、ヘイリーが友達とカフェに行くのを認めるのだった。
 独身のサムは車が故障した為、一家の車に同乗し、彼らに身の上話をする。
かつて惹かれ合った女性がいたが、彼女は去り、名前も知らないままだ。
残された手紙には1年経っても好きなら店に来てと書かれていた。それが今日なのだ。
サムは迷った末、かけつけるが、約束の店は閉店になっていた。
呆然とするが、そこへ馬車に乗った女性キムが現れる。
1年かけて準備したと言うドレスを着た彼女とキスするのだった。
 レコード会社の秘書イングリットは、上司に休暇を拒否され、会社を辞める事に。
今まで自分を殺してきた彼女は、今年の目標を一気に達成したいと言い出し、
メール係ポールが協力する事に。
若いポールは、最初は痛い女性とバカにしていたが、途中から真剣に協力。
バリ風のスパ、ペットの里親、バイクの運転、劇場での吊りを体験。
カウントダウンを迎え、最後の目標を頑張ってとポールは立ち去る。
だが戻ったポールは、最後の目標と言うキスを達成させる。
イングリットを連れたポールは、パーティに乗り込むのだった。
 余命わずかのハリスは、家族とも疎遠に。
看護婦エイミーは、1人には出来ないと彼を見守る。
そこへかけつけたのは、娘クレアだった。
クレアは車イスでハリスを連れ出し、カウントダウンを見せた。
年が明けて、クレアは父の遺品を受け取る。
消沈するクレアに、看護婦たちは病院の新年だと言って、多くの赤ん坊たちを見せる。
 愛はどんな形でも希望を与える。新年に希望を託すのがニューイヤーイブなのだ。

 と言う訳で、NYで新年を迎える人々を描くゲーリー・マーシャル監督作。
またオムニバス系です。
ヒラリー・スワンクはカウントダウンイベントの責任者。
ジェシカ・ビールは新年に出産して賞金をもらおうとする。
ミシェル・ファイファー扮するくたびれた秘書は、
今年の目標を一気に片付けようとする。
引きこもりのアシュトン・カッチャーは、女性とエレベータに閉じ込められる。
余命わずかのロバート・デニーロは、新年だけは迎えたいと願う。
サラ・ジェシカ・パーカーはパーティに行きたがる娘を心配する。。てな感じ。
同時進行のオムニバス系はストーリーを追うのが大変なんだけど、
2つ3つの失敗があっても、他が良い出来なら全体の印象は良いと言うメリットも。
個人的には、ミシェル・ファイファーのエピソードと
1年前の約束にかけつける男性のエピソードが気に入った。
ただし後者は、相手が誰かわかったら、ちょっとガッカリしたけど。

TV放送 2012/10/26 WOWOW 2100-2258
 

ニューオーリンズ・トライアル(2003年米)

ニコラス・イースター 陪審員(ジョン・キューザック)
マーリー 謎の女性(レイチェル・ワイズ)
ランキン・フィッチ 銃器メーカーの弁護士(ジーン・ハックマン)
ローア 原告の弁護士(ダスティン・ホフマン)
ジェイコブ 犠牲者(ディラン・マクダーモット)
ヘレーラ 陪審員(ダイハード4の捜査官)

 ジェイコブと言う男性が銃撃されて死亡する。
 2年後。未亡人セレステが銃器メーカーに裁判を起こし、弁護士ローアが担当。
一方、銃器メーカー側はフィッチ率いるチームが対応。
彼らは陪審員候補を徹底的に調べ、有利な者を選択させる。
ニコラスら想定外の陪審員については調べあげて、
場合によっては買収を持ちかけるのだ。
 そんな中、フィッチとローアの双方に、
マーリーと言う女性が評決を売ると持ちかける。
一方、未知数のニコラスが陪審員たちに影響を及ぼしていると知る。
ニコラスが各地で銃関連の訴訟に関わっていると知ったフィッチは、
マーリーに金を渡そうと考える。
 マーリーは襲撃を受けるが反撃し、フィッチへの要求額を釣り上げる。
観念したフィッチは送金する。だが、その直後にマーリーの素性に気付く。
銃撃事件で娘を亡くした女性の姉妹がマーリー。
その同級生である恋人がニコラスだった。
裁判では、フィッチが仕切って町がつぶされたのだ。
フィッチは送金を止めようとするが手遅れ。
裁判では原告の要求が認められ、銃器メーカーに賠償が求められる。
呆然とするフィッチの前に現れたニコラスらは、
上告しても送金記録を公表すればおしまいだと警告するのだった。

 と言う訳で、ジョン・グリシャム原作の法廷もの。
乱射事件で夫を殺された女性が、銃会社を訴える事に。
弁護士のダスティン・ホフマンは、凄腕と言うより、正義感の強い中堅と言う印象。
対する銃会社側は、同様の裁判で負けた事がない。
なぜなら、ジーン・ハックマン率いる対策チームがついているから。
彼らは陪審員を調べあげ、不利そうならば外すように要求し、
それでも採用されたら、プライベートの弱みで脅したりするのだ。
今回も楽勝かに思えたが、
陪審員の1人ジョン・キューザックとその恋人レイチェル・ワイズに翻弄される。
彼らは陪審員たちを誘導して、どちらの勝利にも導けると、
双方から金を請求しようとする輩だったのだ。
数ある裁判ものでも新しい展開で面白いんだが、
キューザックらに隠された目的がありそうと序盤に匂わせたのがマイナス。
おかげで、痛快感がちょっと薄まった感じ。
ホフマンとハックマンと言う70年代の名優が対決するのも見所。
冒頭に殺される夫役はノンクレジットのディラン・マクダーモット。
陪審員のジェニファー・ビールスなんかより印象に残る。

TV放送 2015/09/20 WOWOW 1845-2052
 

ニュー・シネマ・パラダイス(89)

 アルフレッドが死に、故郷の母が息子トトを呼び出す。
子供時代のトトは、司祭の手伝いをしていた。司祭は上映する映画を検閲。
キスシーンなどをカットさせていた。トトは切られたフィルムを欲しがった。
映写技師のアルフレッドは、出入りするトトを嫌がるが、結局仲良しに。
彼はトトに、映写の方法を教える。劇場はどんな映画でも満員だった。
だが、フィルムが燃えて火事に。劇場は燃え落ち、アルフレッドはやけどで失明した。
ばくちで儲けたナポリ人が、「ニューシネマパラダイス」を建てる。
司祭のチェックはなくなり、裸のシーンも登場。映画はカラーに。
青年になったトトは、銀行支配人の娘エレナに恋する。
エレナの家に通いつめ、ついにエレナもトトを愛するように。
だが、彼女の父の知る所となり、トトが入隊した間に彼女は転居していった。
アルフレッドは人生が映画と違う事を教え、村を出るよう勧めた。
映画監督になったトトが戻る。映画館はポルノまで上映した後閉館されていた。
彼にとって、すでにここでの生活は幻だった。
アルフレッドがトトに残した形見は、カットされたフィルムだった。

 と言うわけで、映画なら何でも当たった時代から、すたれた現在まで
郷愁感をもたせて描いた作品。何と言っても少年期のトトがいい。
両親よりも仲のよいアルフレッドとトトの別れは、断腸の思いと思うが、
よく決断したと感心される。
音楽はエンニオ・モリコーネ。

TV放送 93/03/06 08CH 21:02-23:34
 

ニューヨーク1997(81)

監督 ジョン・カーペンター

 犯罪発生率が増加し、マンハッタンは全米の刑務所となる。
地雷で包囲し、看守はなく、軍が待機。入った者が出る事はないのだ。
1997年。大統領(ドナルド・プレゼンス)の乗る専用機が乗っ取られ、
機はマンハッタンに不時着。人質にとられる。
署長ホーク(リー・バン・クリーフ)は、囚人スネーク(カート・ラッセル)に
大統領救出を命ずる。彼は元特殊部隊だ。戦争交渉のため、制限時間は24時間。
小型カプセルを注射し、X線で中和しなければ、爆死する。
グライダーでビルの屋上へ。運転手キャビー(アーネスト・ボーグナイン)の案内で
大統領が、ボスデュークの所にいる事がわかる。
彼の右腕ブレイン(ハリー・ディーン・スタントン)と、恋人マギーに協力を求める。
島から出たい彼らは協力。だが、デュークに捕まり、彼らは全囚人の解放を要求。
ブレインは見張りを倒し、スネークと逃走。グライダーは破壊され、車で逃げる。
橋に到着。デュークが追跡し、ブレインらは死ぬ。2人は救出され、デュークは射殺。

 と言うわけで、異色設定のSFアクションだが、設定におんぶしすぎている感が。

TV放送 93/04/29 BS05 20:00-22:00
 

エスケープ・フロム・LA(95)

監督 ジョン・カーペンター

 大地震でロスは島になり、脱獄不能の流刑地となる。
大統領(クリフ・ロバートソン)の娘ユートピアは、国家存亡に影響する装置を盗む。
装置はクエボの手に。機械を使用不能にし、米国全土を暗黒時代に戻せるのだ。
犯罪者スネーク(カート・ラッセル)は死亡率100%のウイルスを注射され、
10時間以内に奪還するよう指示される。
ユートピアはクエボに失望するが、大統領に返しても同じ事だ。
スネークは対立するハーシーと手を組み、クエボ一味を襲撃。
間一髪装置を奪い返し、ヘリで帰還。ウイルスはウソだったとわかる。
大統領は娘の電気イスでの処刑を指示。スネークは世界中の機械を使用不能に。
500年の科学技術は元に戻り、ユートピアも助かる。

 と言うわけで、「ニューヨーク1997」のかなり間のあいた続編で、
設定はほぼ同じ。でも物語の方は、特に設定が生かされているとは思えない。
サーフィン好きの囚人にピーター・フォンダ。
途中協力するが、撃たれて死ぬタスリーマにバレリア・ゴレノ。
どちらも、たいして役には立たない。

VHS
 

ニューヨーク一獲千金(1976年米)

ハリー 詐欺師(ジェームズ・カーン)
ウォルター ハリーの相棒(エリオット・グールド)
ワース 有名な泥棒(マイケル・ケイン)
リサ・チェストナット 新聞記者(ダイアン・キートン)
グロリア・フォンテーン 女優(レスリー・アン・ウォーレン)
クリスプ氏 銀行家(チャールズ・ダーニング)

 1892年。ハリーとウォルターのコンビは、
インチキマジックで金をいただき、逮捕される。
刑務所にはスター扱いの泥棒ワースがいて、特別待遇を受けていた。
ハリーは、ワースが銀行の図面を入手し、金庫破りを計画していると知る。
新聞社のリサが取材に訪れたのに便乗し、こっそり図面を写真に撮るが、
誤って図面を燃やしてしまう。
この騒ぎで石切場に回されたハリーらは、爆弾を利用して脱走に成功。
新聞社を訪ね、ボヤ騒ぎの際の写真を入手する。
ハリーらの企みを知ったワースは、リサやハリーらを脅して写真を入手。
これに腹を立てたリサは、どうせ盗まれるなら貧しい人に配ると、
先に金庫を破ると言い出す。
ワースが劇の終了を待ってトンネルを掘る計画と知り、
ハリーらが舞台に上がって劇を延ばす。
その間にリサと仲間たちが金庫を破り、大金をせしめるのだった。
ワースの行き付けの店へ行くと、ハリーらはその仕事を称えられる。
リサは結局ワースに引っ付いてしまい失望するが、
ハリーらは店で得意のショーを披露するのだった。

 と言う訳で、ジェームズ・カーンとエリオット・グールド主演の金庫破りもの。
どちらかと言うとドタバタコメディ。
カーンとグールドのコンビは、
インチキマジックで客の金をいただいた挙げ句刑務所行きに。
刑務所には特別扱いを受ける著名な金庫破りマイケル・ケインがいて、
コンビは彼の次の計画を横取りする事に。
盗んだ金を慈善事業に使うと言うダイアン・キートンと組んで金庫破りに取り組む訳。
コンビの仕事ぶりは、緻密には程遠い感じでちょっとイライラ。
悪役たるケインの描き方も中途半端で、
最後にキートンとひっつくあたりもいただけない。

TV放送 2015/05/08 ザシネマ 0800-0951
 

NY検事局(97)

 元警官で検事の卵ショーン(アンディ・ガルシア)の
父ケイシー刑事(イアン・ホルム)らが逮捕状抜きで踏み込み重傷を負う。
麻薬犯ワシントンの裁判で、一癖あるピゴダ(リチャード・ドレイファス)が弁護。
ピゴダは警察との裏取引があったと主張。元警官クラインオフの名前も出るが有罪に。
その後、クラインオフの死体が見つかり、地方検事モギーが発作のため
代役としてショーンが選ばれる事に。ピゴダにクラインオフの件の捜査を頼まれる。
ピゴダがワシントンを弁護した真の目的は、警察の麻薬汚職を暴く事だったのだ。
クラインオフのメモには、汚職警官らしき名前が書かれ
友人ジョーイやケイシーの名前もあった。
ジョーイは自殺し、ショーンはケイシーの証拠を握りつぶす。
仕事に疲れたショーンは、辞任を決意する。

 と言うわけで、警察内の汚職に気づいた検事が、父の犯罪にも気づく話で
アンディ・ガルシアだから見たが、何か似たような作品が多くあった気がする。
そう言う意味でインパクトはいまいち。話もややわかりづらい。

TV放送 2000/03/02 BS05 1600-1800
 

N.Y.式ハッピー・セラピー(2003年米)

デイブ (アダム・サンドラー)
バディ医師 精神医(ジャック・ニコルソン)
リンダ デイブの恋人
ギャラクシア ゲイのコールガール(ウディ・ハレルソン)
ケンドラ 飲み屋の女性(ヘザー・グラハム)
アーニー 少年時代の悪友(ジョン・C・ライリー)
アンドリュー リンダの友人
チャック セラピーのコンビ
フランク デイブの上司

 デイブは飛行機で隣の男に絡まれ、
それをきっかけに騒動となり、乗務員に暴力を振るったとして裁判沙汰に。
裁判長は怒り抑制セラピーを受けるよう指示。
そのセラピストこそ、騒動のきっかけとなった隣の男バディ医師だった。
さらにセラピーでは、他の患者のケンカに巻き込まれ、
再び暴力沙汰を起こしたとして、30日間の更正プログラムを命じられる。
バディは寝食を共に過ごす事となり、会社へも同行。
逆にバディの母親が入院した際には、病院へ同行させられる。
飲み屋でケンドラと言う女性にナンパさせられ、
少年時代のいじめっ子アーニーとも再会。
次のステップとして、恋人リンダとの関係に、冷却期間を設ける事に。
だが、その間にバディがリンダとデートしたと知り、
彼を殴ってついに接近禁止命令が出てしまう。
バディは、もともとデイブが計画していた球場でのプロポーズを横取りする気だ。
かけつけたデイブは、式典のマイクを奪い、リンダにプロポーズ。
皆の前でキスして観客に祝福される。
実は、この2週間の出来事は、
すべてリンダの相談を受けたバディによるセラピーだったのだ。
飛行機で騒動になった所から。

 と言う訳で、アダム・サンドラーとジャック・ニコルソンのコンビによるコメディ。
サンドラーは飛行機で厄介な客や乗員のトラブルに巻き込まれ、
彼だけが暴力沙汰を起こしたとして捕まってしまう。
裁判でセラピーを受けるよう命じられるが、そのセラピストこそ、
飛行機でトラブルの原因となったジャック・ニコルソンだったと言う訳。
金の亡者や口先だけの主人公が、
奇抜な状況で自らの過ちに気付くと言う話はいくつかあって、本作も同様の構成。
だが、そもそもサンドラーのどこが問題で、
最終的にどこを改めて周囲が納得したのかは、よくわからない。

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ニューヨーク・ストーリー(1989年米)

[a.]
ライオネル・ドビー 画家(ニック・ノルティ)
ポーレット ライオネルの元恋人(ロザンナ・アークエット)
グレゴリー ポーレットの恋人(スティーブ・ブシェミ)

 画家ライオネルは、恋人ポーレットと別れるが、助手として同居を続けさせる。
何とか寄りを戻そうとするが、ポーレットにはその気がない。
パーティに恋人ゴーディと現れるが、ライオネルはゴーディにケンカを仕掛ける。
愛想を尽かしたポーレットは出ていってしまう。
そんな時、個展の相談をする女性が現れ、ライオネルは助手に誘うのだった。

[b.]
ゾイ 少女
アブー 転校生
クラウディオ ゾイの父。フルート奏者(007のマティス役)
ゾイの母 (タリア・シャイア)

 少女ゾイはホテル暮らし。両親は離婚しており、母は外出がちだ。
ある時、ホテルに強盗が現れ、貸金庫の品が奪われる。
運良く父の封筒は無事で、中に高価な宝石が入っていると知る。
それはフルート奏者である父が、王妃からもらった物だった。
不思議な事に、両親は急に寄りを戻す事に。
ゾイと母はギリシャへ飛び、父の演奏会を見て、
それから3人はパーティを続けるのだった。

[c.]
シェルドン・ミルズ 弁護士(ウディ・アレン)
ミルズ夫人 シェルドンの母
リサ シェルドンの恋人(ミア・ファロー)
トレバ 霊能者

 弁護士シェルドンの母ミルズ夫人は、息子の行動に何かと口出しし、会議にも乱入。
恋人リサとの関係には否定的だ。
ある時、親子で中国奇術を見物するが、壇上に出た夫人は本当に消えてしまう。
最初はパニックになるシェルドンだが、母から解放されたと感じてリラックス。
仕事も私生活も絶好調となる。
ところが、空に母の姿が現れ、シェルドンを見張るように。
これはニュースで報じられ、
母が大声で話す為に、シェルドンの素性は町中の人に知られてしまう。
おかげでリサとはケンカ別れ。
霊能者トレバを紹介されるが全く役に立たず、逆にシェルドンがトレバを慰める始末。
だが、それをきっかけに、シェルドンはトレバと付き合う様に。
これで下へ降りられると、母は元の姿に。
シェルドンについて、トレバにいろいろ話し始めるのだった。

 と言う訳で、ニューヨークを舞台にした3つの話を描くオムニバス。
監督するのがマーチン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、
ウディ・アレンと言う布陣。出演陣もなかなか豪華。
画家ニック・ノルティは恋人ロザンナ・アークエットと別れるが、
助手として同居を続けさせる。
(ロザンナの新しい恋人が妙にハンサムなスティーブ・ブシェミ)
少女ゾイは離婚した両親(母がコッポラの妹タリア・シャイア)を
復縁させようと奮闘する。
ウディ・アレンは口うるさい母が奇術で消えてしまい、解放感を感じる。
(恋人役がまだ仲のよかったミア・ファロー)
だが、母は空に現れて息子を見張り、その様子は世間にも知られる様に。
最初2話は淡々とした感じで面白さはもう1つ。
3話目が奇抜で面白いが、他の2話とのバランスは悪いかも。
a.監督:マーチン・スコセッシ
b.監督:フランシス・フォード・コッポラ
c.監督:ウディ・アレン

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ニューヨーク・ニューヨーク(77)

監督 マーチン・スコセッシ

 太平洋戦争終結。サックス奏者ジミー(ロバート・デニーロ)は
歌手のフランシーヌ(ライザ・ミネリ)と知り合い、2人で楽団に。
2人は結婚。リーダーの引退でジミーがリーダーに。
彼の演奏は不評だったが、フランシーヌの歌は好評。
やがてフランシーヌが妊娠し、不在の間に人気は急落。ジミーは楽団を去る。
レコード会社はフランシーヌと契約。ミュージカルスターとして人気絶頂に。
一方、ジミーの楽団も好評だったが、彼女のため立ち去る。

 と言うわけで、男が歌手の女性を見出し結婚するが
女性の方が人気者になり、男が身を引くと言う展開は、まるで「スター誕生」。
こっちは男が自殺しないだけマシかも知れないが、その分中途半端にも思える。
最初の頃のフランシーヌのマネージャーに、ライオネル・スタンダー。

TV放送 98/12/16 BS05 20:00-22:45
 

ニューヨークの王様(57)

監督 チャールズ・チャップリン

 エストロピア国のシャドフ国王(チャールズ・チャップリン)は
核エネルギー利用で誤解され、革命でジョミエ大使と共にニューヨークへ亡命。
若い妃アイリーンには離婚を勧める。隣室のアン・ケイにだまされCMへ。
人気者となり、各企業の引っ張りだこに。
知り合った小学生ルパードの両親が、共産党員として尋問を受ける。
かばった王も召喚され、無実となるが、米国に愛想を尽かし欧米へ行く事に。
アイリーンは離婚しない事を決意。ルパードが仲間の名前を言ったために
両親が釈放されたことを知る。ちょっとケツ切れ。

 と言うわけで、チャップリン主演の最後の作品。
赤狩りで米国を追われた彼が、それを題材にしたが、政治的で面白さに欠ける。

TV放送 94/12/30 BS05 08:10-10:00
 

ニューヨークの恋人(2001年アメリカ)

 19世紀。レオポルド公爵(ヒュー・ジャックマン)は、
パーティで奇妙な男を見かけ、彼を追跡し共に塔から落ちてしまう。
現代。スチュアートは19世紀へ行く方法を見つけ、ノーベル賞を取れると言うが、
エレベータから落下し入院するハメに。
隣に住む元恋人ケイト(メグ・ライアン)は、残された公爵に驚かされる。
彼の振る舞いをおもしろがり、CMに採用する事に。人気者になる。
ケイトの弟チャーリーの恋の手伝いもする。
ケイトの上司JJはケイトを狙うが、公爵は下心を心配しこれを妨害する。
公爵はケイトと親密に。だがケイトは、公爵が本当に過去から来たと気づき驚く。
公爵は身を引き、過去へ戻ってしまうが、
退院したスチュアートは、過去の写真にケイトが写っている事に気づき、
ケイトは過去へ行く必要があると言う。
昇進パーティから連れ出し、橋から飛び降りさせて彼女も過去へ。
パーティで公爵は結婚相手を発表する事になるが、
ケイトがかけつけたのに気づき、彼女を選ぶ。

 と言うわけで、ラブコメの女王メグ・ライアンがヒュー・ジャックマンと競演。
タイムトラベルなんかを織り込んでいるが、SFテイストは押さえ気味で
おとぎ話路線を狙ったか。
タイムトラベルとしての面白さはあまりなく、何か2人の展開も当たり前な感じで、
なぜメグがわざわざ過去へ戻ってまで、彼を追ったかもピンと来ない。
自分の写ってる写真を見たからって、運命だと感じるあたりに説得力がない。
ヒューはまだいいのだが、メグ・ライアンはラブコメにはそろそろつらい。

TV放送 2003/11/09 BS05 2000-2210
 

ニューヨーク東8番街の奇跡(87)

 ニューヨーク下町の古アパートは、地上げにあっていた。
住むのは、1階でハンバーガー屋をする
フランク(ヒューム・クローニン)とフェイ(ジェシカ・タンディ)の老夫婦。
メイソンという芸術家、タリサという妊娠した娘、元ボクサーの無口な管理人ハリー。
フェイはボケがひどくて、地上げ屋を死んだ息子のボビーだと思っている。
地上げ屋は、ある日アパートを無茶苦茶に破壊していった。
ところが、その晩、円盤状の宇宙人夫婦が飛来。
壊れたアパートを特殊な能力で修復してしまった。
住民たちはその正体もわからないが、奇跡を呼ぶ妖精として歓迎。
宇宙人は、ガラクタの金属を身につけ、自分で充電している。
やがて宇宙人に3つ子が生まれる。
彼らはハンバーガー屋の手伝いをし、地上げ屋を撃退。
怒った地上げ屋は宇宙人の夫を破壊。驚いて子供たちは逃げてしまった。
フランクたちは街へ出て子供たちを捜索。
その間に、放火のプロがアパートに火をつける。
アパートにフェイが残っている事に気づいた地上げ屋は、彼女を助けに飛び込む。
全焼になるが、宇宙人が仲間を連れて帰り、アパートを修復してしまった。

 というわけで、金属製の宇宙人とは何とも変わった感じだが、
地上げに対するささやかな抵抗という感じがよかった。
あのラストでは、まだまだ地上げは続きそうな感じもするが。
いずれにせよ、この映画ではジェシカ・タンディのボケ演技が出色。
最後に息子が死んだ事を思い出すあたりは、感動的だ。

TV放送 91/10/19 08CH 21:02-22:54
 

ニュールンベルグ裁判(1961年アメリカ)

 48年。ドイツニュールンベルグ。
ナチスを容認したかつての独軍の判事らが裁判にかけられる事に。
ヤニング(バート・ランカスター)らは、無罪を主張するが、多くを語ろうとしない。
検察官(リチャード・ウィドマーク)は、正義と法をゆがめたと追求する。
弁護人のロルフは、ヒトラーの台頭で判事は力を失い、控訴はできなかったと反論。
さらに、ナチスが国家の窮状を救ったとも言う。
不適合者を去勢した事が問題視されるが、他国でも評価されていたと主張。
ベルトホルト夫人らは、ヒトラーもよい事をしたとし、
虐殺については、一部のドイツ人しか知らなかったと言う。
検察側は、パン職人ルドルフが去勢された件を追求。
だが、弁護側は遺伝的な病気だったと反論。
その頃、ソビエトがチェコへ派兵し、トルーマンは東からの脅威に対し、兵を増強。
ところが、この行動がドイツと同じだと言われるようになる。
ヤニングはヒトラーに抗議していたと言われ、
さらに同胞が追求されるの嫌うドイツ人の証言を得て、有罪にできるのだろうか。

 アーリア人に接触した他民族を死刑にすると言うフェルデンスタイン事件を追求。
ヤニングが裁判官で、フェルデンスタインは直ちに処刑されたと言う。
だがそれはヒトラーの法令に従ったもので、逆らえば強制収容所に送られただろう。
検察官は自ら証言台に。解放部隊にいたと言う彼は、
600万以上のユダヤ人が虐殺されたと言う惨状を訴える。
だが、弁護側は少数の過激集団の仕業だとして、検証の必要があると主張。
さらにフェルダンスタインの掃除婦を激しく追求するが、みかねたヤニングが止める。
証言台に立ったヤニングは、収容所の存在知っていたとして、責任を認める。
ロルフは、ヒトラーを生んだのは全世界の責任であるとして、酌量を求めるように。
8ヶ月の審理を終え、判決が出ることに。600万人の虐殺を無視する事はできず、
また、文明がそうした事態を招いた事も認めるが、
法制化した彼らにも責任があるとして、ヤニングら全員を終身刑に。
その後判事に会ったヤニングは、あの判決は正しいと評価。
だが、確かに虐殺の事は知らなかったと語る。
49年7月に裁判は終わり、99人が投獄される。
だが全員が釈放され、現在は1人も獄中にいない。

 と言うわけで、第二次大戦に関する裁判を描いた作品で、
見る前から堅そうな気はしたが、実際堅い話でしかも長い。
ナチの虐殺行為を正当化する法案を通した判事たちを裁く話で、
虐殺行為はなかったとするドイツ国民の感情や、
ソ連の台頭で、ドイツと争っている場合ではないと言うあたりに
面白い物があるが、いかんせん話が長い上にややこしくて
結局の所、どういうテーマかと言うのがとらえづらい。
検事の助手みたいな役で、カーク船長ことウイリアム・シャトナーが出ていて
カーク船長よりもさらに若くてりりしい。

TV放送 2002/03/25 BS11 0100-0410
 

ニュー・ワールド(2005年米英)

スミス大尉 (コリン・ファレル)
ポカホンタス 先住民の娘。王の末娘
ジョン・ロルフ (クリスチャン・ベイル)
ニューポート船長 (クリストファー・プラマー)

 1607年。ニューポート船長率いる英国船団が北米ヴァージニア入植地に到着。
拘束されていたスミス大尉は赦免され、
帰国する船長に代わり、先住民との交流を委ねられる。
王の娘ポカホンタスと親しくなり、偽りも嫉妬もない先住民の世界に憧れを感ずる。
だが、期待した金は見つからず、食料も不足。
ポカホンタスは食料を与えるが、国王はこれを快く思わず、彼女は追放に。
英国側に優遇される。
戻ってきた船長は、スミスを新航路発見の立役者として称えようとするが、
ふさわしくないと断り、死んだ事にさせる。
ポカホンタスはショックで心を閉ざすが、
新たに到着したロルフが彼女に惹かれ、結婚。レベッカと名乗る。
次第にロルフに惹かれるようになり、子供も産まれる。
国王に国賓として招かれ、ポカホンタスは英国へ。
そこでスミスが生きていると知り、ショックを受ける。
ロルフは彼女が自分を愛しているとうぬぼれていたが、
それはスミスが死んだと思えばこそだと知る。
スミスはポカホンタスと再会。
インド航路は見つけられず、君こそが唯一の真実だと告げる。
ロルフは落胆していたが、ポカホンタスは彼のもとへ戻り、故郷へ帰ろうと言う。
帰国途中にポカホンタスは死に、ロルフと息子だけが帰国した。

 と言うわけで、寡作で知られるテレンス・マリック監督作で、
ディズニーアニメにもなったポカホンタスの話。
スミス(コリン・ファレル)と出会うアニメ1作目と、
ロルフ(クリスチャン・ベイル)と出会う2作目の話をまとめて描く。
3人の男女の揺れ動く心情(ファレルとベイルは直接は会わない)を、
ポカホンタスの住む世界のような、どこかスローな調子
(激しく愛し合ったり、ケンカしたりしない)で見せる。
淡々とした感じだけど、アニメではピンと来なかったロルフを選ぶ下りが、
本作では共感できるって事は、ちゃんと描かれてるって事ですね。
ただし、ポカホンタスの話って、結構スミス自身の創作(ホラ)が入ってるらしい。

TV放送 2008/01/04 WOWOW 1839-2054
 

庭から昇ったロケット雲(2007年米)

チャーリー・ファーマー ロケット打ち上げを夢見る男(ビリー・ボブ・ソーントン)
オーディ チャーリーの妻(バージニア・マドセン)
シェパード チャーリーの息子
スタンリー チャーリーの娘
サンシャイン チャーリーの娘
オーディの父 (ブルース・ダーン)
ペペ ファーマー家のお手伝い
マスターソン大佐 宇宙飛行の経験がある人物(ブルース・ウイリス)

 宇宙へ行きたいと言う夢を実現させようと、独自にロケットを作るチャーリー。
燃料のため5万ドルが必要だが、銀行は融資出来ないと言う。
町の人々は彼を愛していたが、変わり者と思っていたのも事実だ。
FBIはハイグレードな燃料を使おうとした事を問題視。
国家の敵として監視するように。
弁護士がマスコミを呼んだため評判になるが、彼らも本気にはしていない。
友人のマスターソン大佐がかけつける。彼は宇宙飛行の経験がある人物だ。
父の死で一度は宇宙への夢をあきらめたチャーリーだが
再び夢を追い始め、大佐は彼が本気だと知る。
しかし、何億ドルもかかるロケットを自力で作り、
安全性も怪しい状態で打ち上げる事は許されない。
今まで協力していた妻オーディも、借金が膨らんでいると知り怒る。
チャーリーはロケットに広告をつけようとするがうまく行かず。
打上げ許可を検討する委員会は結論を先送り。このままでは抵当権を行使される。
意を決したチャーリーは、突如打ち上げを強行。
だがロケットは転倒して水平に飛び、チャーリーは重傷を負う。
オーディの父の遺産で借金は帳消しに。
家族を傷つけたと、チャーリーはロケットの夢を捨てようとする。
だがオーディは、子供たちに夢は叶う事を見せてほしいと言う。
再びロケットを製作。家族に見送られ打ち上げに成功。
NASAは打ち上げ自体を否定するが、チャーリーは地球を周回し無事生還する。

 と言うわけで、学生が自力でロケットを打ち上げる実話の映画があったと思うが、
雰囲気が似てるので実話ぽいけど今回はフィクションらしい。
確かにちょっと調子良すぎるところはあるが、一度の失敗を経て打ち上げに成功し、
今までバカにしていた町の人々まで感激するクライマックスはいい感じ。
ここまで盛り上げたら、
最後に宇宙局の連中をぎゃふんと言わせたいところだが、それはなし。
友情出演ぽいブルース・ウイリスもいい味出してる。
ところで、もちろんバージニア・マドセンが出るから見た。
ちょっと歳とったけど、理解のある妻と言う感じで良かった。

TV放送 2010/07/29 テレビ東京 1330-1530