聖衣(53)

 西暦30年代のローマ帝国。道楽者の護民官マルセラス(リチャード・バートン)は
摂政カリグラと対立し、エルサレム守備隊長に左遷される。
その地で、神の子と言われるイエスを処刑。だが、彼の衣にふれ感化される。
奴隷デミトリアス(ビクター・マチュア)らと共に教えを説くためローマへ。
新皇帝カリグラにデミトリアスが捕らわれ、マルセラスらは牢を襲撃。
カリグラはマルセラスを捕らえ、婚約者ダイアナと共に処刑する。

 と言うわけで、シネラマ第1作だかとして名高い作品。
しかし、それらしいスペクタクルシーンは皆無。
聖衣で改心するのはいいが、「十誡」のような派手なシーンがあってもいいのでは。

TV放送 97/07/20  12CH  14:00-16:00
 

世紀の怪物 タランチュラの襲撃(1955年米)

マット・ヘイスティングス 町医者
保安官
ディーマー博士 栄養生物学者(レオ・G・キャロル)
スティーブ・クレイトン ディーマーの助手の女性
エリック ディーマーの同僚
ポール ディーマーの同僚

 生物学者エリックの怪物化した死体が見つかる。
同僚ディーマー博士は、先端肥大症と言うが、
町医者のマットには、病気が急に進行した点が納得いかない。
実はディーマーは新薬の研究をしており、
投与されたモルモットやタランチュラは巨大に。
同僚ポール博士が暴れ、研究所は火事に。タランチュラが逃げ出してしまう。
付近で骨だけになった死体が見つかり、マットは虫の毒液にやられたと判断。
ディーマーの助手スティーブの連絡を受け、
かけつけたマットは、博士が怪物化したと知る。
ディーマーらは食糧問題を解決するため、動物を巨大にする実験をしていた。
だが安定せず、エリックとポールは互いに投与して怪物化。
博士もポールに投与されてしまったのだ。
実験動物は火事で焼けたと言うが、毒液はタランチュラの物と判明。
超巨大になったタランチュラは、博士の屋敷を破壊。マットはスティーブを救出。
保安官らはダイナマイトで攻撃するが効果なく、空軍がナパームで焼き払って倒す。

 と言うわけで、巨大なタランチュラの話。
前半は、怪しげな博士(ウェイバリー課長)が、
食糧問題を解決するため、怪しげな薬を開発する話。
それによって巨大化したタランチュラが逃げ出すわけだが、
タランチュラ食う気だったのか。
それだけでなく、博士らは人体実験までする。
人間でかくなったら、さらに食糧に困るじゃん。
なんて、突っ込みどころのあるマッドサイエンティストもの。
その後、各地で謎の死体が見つかったりして、登場人物は何でだろうと不思議がる。
お約束とは言え、観客は皆タランチュラの仕業と知ってるからもどかしいが、
肝心のタランチュラが驚異になるのは終盤になってから。
ダイナマイトは効かなかったが、ナパームで割に簡単に倒される。
ところで、この映画には初期のクリント・イーストウッドが出ていた。
空軍パイロット役で、マスクで目以外は隠してるため、
半魚人の時よりわかりにくいが、他にパイロットは出てこない。今回もセリフあり。

TV放送 2013/03/13 ムービープラス 0915-1100
 

正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官(2009年米)

マックス・ブローガン 移民局(ハリソン・フォード)
ハミード マックスの同僚(コラテラルダメージのテロリスト)
ザーラ ハミードの妹
ミレヤ 不法滞在していた女性
タズリマ イスラム系の生徒
デニス 弁護士。タズリマの件を担当(アシュレー・ジャッド)
コール 審査官。デニスの夫(レイ・リオッタ)
クレア 不法滞在する女優の卵
ギャビン 歌手
ユン 韓国系移民

 移民局のマックスは人情派で、
不法滞在で退去させられたミレヤの息子をメキシコの家族の所へ届ける。
だがミレヤは再び入国し、行方不明だ。
 審査官コールは、車をぶつけた相手クレアが再入国審査で困っていると知り、
ベッドの相手をする事で許可するよう手を回す。だが後悔してクレアとの関係を解消。
クレアの書類に偽装があると判明し、彼女の証言でコールは逮捕される。
クレアは国外退去となるが、その顔は晴れやかだった。
 イスラム系の生徒タズリマは、
テロを容認するような発表をしたため、FBIに目をつけられる。
両親の不法滞在を不問にする代わりに、タズリマは国外退去とされる。
タズリマは家族と引き裂かれ、沈痛の思いで国外へ。
 ラビの資格を持つと称するギャビンは、
審査でデタラメの歌を歌うが、ラビに見逃される。
 マックスは同僚ハミード一家のパーティへ。
一家は帰化して弁護士などになったが、米国生まれの妹ザーラは奔放で疎まれていた。
やがてザーラと恋人が射殺死体で見つかる。
妹の死にショックを受けたハミードは、酒屋で強盗に遭遇。
一味を射殺するが、明日帰化すると言う若いユンを見逃す。
マックスは、ハミードの弟が一族の名誉のためザーラを殺害したと突き止め、
弟が逮捕される。
ユンとギャビンは晴れて市民権を獲得。
マックスは国境でミレヤの死体が見つかったと知り、家族に連絡する。

 と言うわけで、ハリソン・フォードが何やら法を守る仕事を演ずる
と聞けば期待するが、今回は移民局の役。
国境警備隊みたいに密入国を取り締まるのではなく、
不法滞在する人々を取り締まる訳。
実はハリソンの出番は全体の1/3くらいで、
不法滞在に関わる人々の人間模様を描く感じ。
レイ・リオッタやアシュレー・ジャッドも出てくるが、
この2人はハリソンとからみなし。
いくつかのエピソードが展開するが、
全体として淡々とした感じで、派手な見せ場も、大きな謎や巨悪とかもなく、
ちょっと期待したのとは違うかな。

TV放送 2010/12/18 WOWOW 1900-2053
 

青春の輝き(1992/米)

 60年代ペンシルバニア。ユダヤ人のデビッド(ブレンダン・フレーザー)は
父(エド・ローター)らの期待を胸に、田舎町を出てボストンの進学校へ。
ここは上流階級の生徒ばかりで、転校生は珍しいがすぐにうち解ける。
しかし、ユダヤ人は差別されており、デビッドはそれを隠す事に。
ディロン(マッド・デイモン)が恋人と称するサリーは、デビッドをデートに誘う。
フットボールの試合でもいい所を取られ、デビッドに嫉妬したディロンは
彼がユダヤ人であると気づき、皆に公表してしまう。
「ユダヤ人は去れ」と落書きされ怒るが、犯人は不明のまま。サリーも避けるように。
試験で自信のないディロンは、カンニングをするが、このメモが教師に見つかる。
教師は名乗り出ねば全員を落第にすると言い、ディロンはデビッドの仕業だと言う。
デビッドは否定するが、皆の不信感はむしろデビッドに向けられ、
多数決でデビッドが犯人にされる。不満だがデビッドは彼らのやり方に従う事に。
校長の所へ向かうが、ディロンのカンニングを目撃していたケルトが密告する。
デビッドは許され、ディロンが退学に。
それでもディロンは悪びれず、10年立てばこの事は忘れられるが、
ユダヤ人はユダヤ人だと言う。デビッドはゲスはゲスだと言い返す。

 と言うわけで、登場する面々が、
ブレンダン・フレイザー、マット・デイモン、クリス・オドネル
そして、ベン・アフレックなんてそうそうたる人々で
彼らがやや前に出た青春もの。
主役なのは、この映画とは違う路線へ走ったフレイザーで
非の打ち所の無いような好青年を演じ、
同室のクリス・オドネルも、ちょっとばかりうろたえる所はあるが
基本的に、ありえないくらいいいヤツ。
一方、ベンはかなり脇役で、後ろの方をウロウロしているだけだったり
最後にもめる時だけ目立って、悪い方の1人という感じ。
一番悪いのは、マット・デイモン。
彼は、フレイザーがユダヤ人である事を差別していると言うよりは
むしろ、自分の立場をよくするために、その事を利用しただけという感じ。
普通、この手の話は、最後の大げんかの末、わかりあったりするか、
悪いヤツが懲らしめられたりするものだが、
どちらにもならないので、ちょっと煮え切らない感じ。
まあ、ユダヤ人が差別されていると言うのは知っていても日本人的にはピンと来ず、
しかも、黒人とか1人も出てこないから、どの程度の差別なのかは、とらえにくい。

VHS
 

生体兵器 アトミックジョーズ(2004年米)

 ネイサンとマーラ夫妻は、ホオジロザメの遺伝子研究をしていた。
研究には軍のレモラ将軍らが参画。テロ組織に奪われたロシアの核爆弾を追うため
制御された6匹のサメの軍隊を利用する事に。
だが、サメが制御不能になり、犠牲者が。
同僚エイブリーがプログラムを書き換えたためと判明。
マーラがプログラムの解除に成功。
核爆弾を抱えたサメは、黒幕だった将軍に突っ込み自爆する。

 と言うわけで、C級とは思いつつ、派手な展開を期待して見る。
遺伝子操作されたサメが暴れる話と言うので、ディープブルーみたいな話と思うが
これが、水面は作り物のヒレ、水中は地味なCGのみ。
特撮がヘタでも、次々人が襲われても良さそうなのに、
なぜかほとんど襲われる人がおらず、物語もこの手の話にしてはかなりのんびり。
6匹もいるのに退治されたのは、2匹だけだし。派手なシーンは皆無。

DVD
 

SAFE/セイフ(2012年米)

ルーク・ライト 元刑事(ジェイソン・ステイサム)
メイ 中国人の少女
ハン 中国人のボス(ジェームズ・ホン)
ウルフ警部 組織に通じる(ロボコップ3の主役)
エミール・ドチェスキー ロシアのボス
アレックス 妻の仇

 元刑事のルークは、八百長ボクシングで相手を倒してしまい、組織に狙われる。
妻を殺され、家も追い出される。
 中国人少女メイは、一度聞いた数字を忘れない才能を持つが、
中国組織のハンにさらわれてしまう。
米国に連れてこられた彼女は、店の帳簿代わりに使われる。
だが、ロシア組織に拉致されかかる。
 行き場を失ったルークは、地下鉄に飛び込もうとするが、
メイがロシア組織に追われていると気付いて助ける。
彼女がハンの金庫の番号を覚えていたと知る。
 だが、メイが再び中国側に捕らわれた為、ロシア側と接触。
金庫には3000万ドルがあると聞き出す。
 因縁のあるウルフ警部に協力させて、中国カジノを襲撃。
警部を置き去りにして、金庫の金をいただく。
 今度は、妻の仇であるアレックスに接触。
ルークは組織の情報を入手し、恐喝に使えると告げる。
アレックスが中国側を襲撃し、メイを連れ去った為、情報と交換する事に。
ルークとアレックスは格闘になるが、
メイがアレックスを撃ち、さらにルークが射殺する。
 ルークは5万ドルを警部に渡し、
残りはハンに返すが、追跡すれば組織の情報流すと警告。
ルークとメイは町を出る事になり、一生友達でいると約束するのだった。

 と言うわけで、またジェイソン出演の小粒系アクション。
話は四つ巴みたいな感じで、中国マフィアとロシアマフィア、
悪徳警官、そしてジェイソンの対決と言う訳。
八百長ボクシングに逆らったジェイソンはロシアマフィアに目をつけられ、
彼自身ではなく、周囲の者が殺されると言う仕打ちを受ける。
耐えかねた彼は自殺を考えるが、
ロシアマフィアに中国人少女が追われているのに気づき、彼女を助ける事に。
少女は、大金と中国マフィアを窮地に追い込む情報が入った
金庫の番号を暗記していたのだ。
ジェイソンは実は元警官で、少女を救出するため、
かつて裏切った悪徳警官と組んで中国マフィアを襲撃。
襲撃だけ手伝わせて悪徳警官は始末。さらにロシアマフィアも襲撃する訳。
設定がややこしく、悪徳警官の中で、警部だけは始末しなかったりして、
お互いの関係はわかりにくい。ただし無愛想な中国娘とのコンビはなかなか面白い。

TV放送 2013/12/06 WOWOW 2300-0045
 

西部開拓史(62)

 125年前。西部は白人もほとんど踏み込まず、インディアンも友好的だった。
やがて、プレスコット一家らが開拓目的に現れる。
長女イブ(キャロル・ベイカー)は、山男ライナス(ジェームズ・スチュワート)に
一目ボレ。一家のイカダは急流に飲まれ、両親が死亡。イブはライナスと結婚。
1848年。舞台に出た次女リリー(デビー・レイノルズ)は、金山をもらう。
山師ベーレン(グレゴリー・ペック)は彼に接近。
2人は結婚するが、金が掘り尽くされたとわかると、ベーレンは消える。
やがて成功したベーレンは、リリーと再会。2人は結婚する。
南北戦争を終え、イブの息子が帰宅すると、両親は死んでいた。
東西を列車で結ぶ工事が行われる。コースが変わった事に、インディアンが怒る。
イブの息子は、父の友人ジェスロ(ヘンリー・フォンダ)に仲介を頼むが失敗。
ベーレンが死に、リリーは農場をやるため、保安官の甥ゼブ一家を呼ぶ。
旧敵ギャンが列車襲撃するのを阻止。一家は出発する。

 というわけで、いろんな話が出てくるが、西部劇を期待すると大はずれ。
大勢出てくるが、扱いも軽く、何だか内容が薄すぎる。
グラント将軍の相談役に、ジョン・ウェイン。
鉄道工事の監督に、リチャード・ウィドマーク。

TV放送 92/07/11  BS11  22:00-00:45
 

西部戦線異状なし(1930年米)

ポール 新兵
カット 食料調達屋。面倒見の良い先輩
ヒンメルストース 軍曹。故郷では郵便配達人
ベーム 戦場へ行くのをためらう
ケンメリッヒ 足を負傷
ムラー ブーツをもらう
アルバート 病院で同室

 教師は学生たちに、祖国のために死ねるのは本望と、戦場行きを勧める。
ポールら学生が盛り上がる中、ベームはためらうが、結局戦場へ行く事に。
教官は顔見知りの郵便配達人ヒンメルストースで、
新兵たちは安心するが、過去は忘れろとしごかれる。
やがて戦場へ。鉄条網を張る任務に就くが、敵の攻撃でベームが死ぬ。
敵の砲撃が続き、負傷したケンメリッヒは、軍医の手が回らず死ぬ。
ムラーはその新品のブーツをもらって喜ぶが、やはりやられて死ぬ。
ヒンメルストースも前線に配属されるが、かつての鬼軍曹も実戦には怯える。
ポールは激しい撃ち合いで窪地から出られなくなり、
共に過ごす事となる敵兵を殺した事を悔やむ。
ポスターに描かれた女性に惹かれるポールらは、
村の娘たちと知り合い、ひとときを共に過ごす。
負傷したポールは入院し、見捨てられるかと怯えるが、何とか無事退院。
同じく入院したアルバートは、足を切断される。
休暇を得たポールは故郷へ。
故郷に留まる大人たちは、ポールを歓迎しながら、戦略をめぐって激論をかわす。
学校では、相変わらず教師が学生に戦場へ行けと勧める。
一言求められたポールは、戦場へ行くのは死にに行く事だと語り、
学生たちに腰抜けと批判される。
故郷に居場所がないと感じたポールは、休暇を切り上げて戦場に戻る。
先輩カットとの再会に喜ぶが、敵の攻撃で彼は負傷。
軽い傷かに思えたが、テントに担ぎ込んだ時死んでおり、ポールはショックを受ける。
しばらくして、戦闘もない静かな日。
壕に潜むポールは、ふと見つけたチョウに手を伸ばし、敵兵に狙撃されて死ぬ。

 と言うわけで、第一次大戦のドイツ兵を描いた話。
最初は登場人物の区別がつかなかったが、途中でポールと言う若者が主人公とわかる。
ポールらは学生で、教師に勧められて戦場へ行く事に。
躊躇する同級生もいたが、行かないといけない雰囲気になったのだ。
このあたりで、既に反戦の主張が見え隠れ。
最初はキャンプにでも行く気分だった新兵たちだが、
やがて戦場が過酷である事を知る。
仲間が次々死ぬシーンももちろんだが、
一番痛烈なのは、ポールが休暇で故郷に戻るシーン。
故郷に留まってる父の世代は、酒場で飲みながら、
パリへ進撃すべきだ等と勝手な激論をかわす。
学校を訪ねると、かつて戦場行きを勧めた教師がまだいて、
同じように学生に話している。
ポールが戦場は過酷だと話すと、教師も学生も意味がわからない様子で、
最後には腰抜けと言われてしまう。
その場で実際に戦場を渡り歩いたのはポールだけなのに、この言われようだ。
やがて故郷に居場所がないと気付き、休暇を切り上げて戦場に戻る。
喉元過ぎると熱さ忘れると言うけれど、
この故郷の人々みたいな連中が増えないといいですね。

TV放送 2007/10/23 BS102 0055-0310
 

ゼイリブ(88)

 監督 ジョン・カーペンター

 テレビに妨害電波が割り込む事件が頻発。
肉体労働者のネイダは、教会で妨害電波を流すのを目撃。警官がここを襲撃。
逃げたネイダは、教会で大量のサングラスを発見。
このサングラスを通して見た町には、暗示用の文句があちこちに書かれ、
ドクロ顔のエイリアンがウロウロしていた。
愕然としたネイダは警官を倒し、ショットガンを奪いエイリアンを次々と殺害。
おたずね者のネイダは、友人のフランクに無理矢理サングラスをはめさせる。
2人は、抵抗組織の会合の場に行き、サングラスに代わるコンタクトレンズをもらう。
エイリアンはひそかに人間社会に浸透し、人間を洗脳し、地球を利用していたのだ。
だが、警官が襲撃。ネイダらは、エイリアンから奪った瞬間移動用の時計で脱出。
着いたのは、エイリアンの秘密基地だった。
エイリアンは地球人の一部の人間と結託していた。
ある男の案内で、テレビ局へ連れていかれる。
そこがエイリアンの電波発信基地と考え、2人は襲撃。
抵抗組織のホリーという女性に会うが、実は彼女もエイリアンの仲間だった。
ネイダはホリーを射殺。かけつけたヘリがネイダを撃つが、ネイダはアンテナを破壊。
電波は途絶え、エイリアンたちのドクロ顔が、人々の前にあらわになった。

 というわけで、
ひそかにエイリアンが地球に浸透していたと言う設定は、なかなか面白い。
しかし、サングラスを通してドクロ顔に見えたからと言って
いきなり、射殺しまくる主人公は意外に乱暴な奴。
後半は抵抗組織とか出てきて、TV「V」のようでちと雰囲気がおかしくなってくる。
人間社会に潜んだエイリアンが意外におとなしいのが変。
まあ、たいして期待していなかった映画なので、細かい事はよしとするか。

TV放送 91/09/29  10CH  21:02-22:54
 

セイント(97)

 遺児ジョンはサイモン・テンプラー(バル・キルマー)と名乗り
変装の技術を生かして、ロシアの石油王イワンから最新のチップを盗み出す。
今度はイワンに呼ばれ、エマ博士(エリザベス・シュー)の
エネルギー問題に革命を与える低温核融合の技術を盗めと依頼される。
サイモンはエマに接近。化学式を盗み出すが、それだけでは未完成だった。
イワン一味はサイモンとエマを追うが、米大使館へ逃げ込む。
そこでイワンはこの技術をロシア大統領に売り、失敗させて失墜させようとする。
サイモンはエマに化学式を完成させ、それを科学者に知らせる。
イワンは民衆の前で技術を公表するが見事に成功。
大統領の手柄とされ、イワンは逮捕される。

 と言うわけで、かつてのロジャー・ムーア主演のTVシリーズの映画化。
変装を使って神出鬼没なのが見所のはずなのだが、
最後の決め手は、科学者の夢の発明のおかげとは拍子抜けだ。

TV放送 99/01/09  BS05  20:00-21:57
 

世界が燃えつきる日(77)

 敵国のミサイル攻撃で、第3次大戦が勃発。全米各都市は破壊。
地軸が歪み、異常気象が発生。巨大なサソリ等が現れる。
ミサイル基地の生存者、デントン少佐(ジョージ・ペパード)は
特殊車輌ランドマスター号で大陸を横断し、生存者を探そうと言う。
事故で基地は全滅。タナー(ジャン・マイケル・ビンセント)や
キーガン(ポール・ウインフィールド)が同行する事に。
途中、ペニーが事故死。ベガスの廃虚でジャニス(ドミニク・サンダ)を発見。
キーガンが殺人ゴキブリに殺され、家族を失ったビリーが仲間に。
大津波の後、青空となり、一行は人々の歓迎を受ける。

 と言うわけで、ランドマスター号がキャンペーンに来た記憶がある作品。
話自体は呆れるほど退屈で、登場人物は5人程度だから陳腐な映画だ。
ミサイル基地のランダース将軍に、マーレー・ハミルトン。事故で死ぬ。
音楽はジェリー・ゴールドスミス。

TV放送 94/05/18  12CH  14:00-15:30
 

世界終末の序曲(1957年米)

エド・ウェインライト 科学者(ピーター・グレイブス)
オードリー・エイムズ 記者
フランク エドの助手
ハンソン将軍

 田舎町ラドロウを訪れた記者オードリーは、町が封鎖されたと知る。
軍によると、町が壊滅し、150名が消えたと言うのだ。
付近には農務省の試験場があり、
エド博士が放射能で作物の成長を促進する研究をしていた。
エドの協力で調査すると、巨大化したイナゴが出現。エドの助手フランクが犠牲に。
エドは、イナゴが試験場の作物を食べ、巨大化したものと考える。
軍が出動するが、殺虫剤も焼夷弾も効果ない。
イナゴの大群はシカゴに襲来。軍は人々を避難させ、原爆による攻撃を決定。
エドは、虫が出す音でイナゴを誘導できると考え、ついにその音を見つけ出す。
イナゴは音で湖に誘導されて沈められるのだった。

 と言う訳で、巨大化したイナゴが暴れる話。
田舎町が壊滅する事件が発生し、巨大なイナゴの仕業と判明。
実は付近では、ピーター・グレイブス博士が放射能(!)で
野菜を巨大化させる研究をしていて、それを食べたイナゴも巨大化したのだ。
人間が食べなくて良かったね。
やがてイナゴは大都市シカゴを襲う。
グレイブスは植物、あるいは放射能の専門家のはずなのに、
特殊な音でイナゴを誘導できると言い出し、軍もそれに乗ると言う訳。
虫の専門家は登場しません。
何よりも特筆すべきは、巨大イナゴの特撮で、ビルの写真にイナゴを乗せただけ。
ビルを登り切って、上空に浮いてるイナゴがいた気がします。

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世界侵略:ロサンゼルス決戦(2011年米)

二等軍曹 かつて部下を失った(アーロン・エッカート)
少尉 小隊長。実戦経験なし
サントス 別の部隊から合流(ミシェル・ロドリゲス)
獣医の女性 市民

 世界各地に流星群が飛来。やがて流星ではなく、機械だと判明。
異星人による侵略行為だとして、戦争状態に突入する。
空爆が決まり、海兵隊は住民を避難させる任務に就く。
退役願いを出していた二等軍曹も出動。
かつて兄を死なせたとして、恨んでいる兵士も一緒だ。
敵と撃ち合いになるが、なかなか倒せない。
捕えた敵を調べ、胸の右側が急所だと突き止める。
少尉はバスでの移動を指示。敵編隊の攻撃を受け、無線が探知されていたと気付く。
立ち往生し、少尉は自爆して隊を逃がす。
二等軍曹が指揮官になるが、今度は少尉を見殺しにしたと言われる。
前線基地は全滅しており、空爆は始まらない。
ロスを放棄する事になり、一行は救援ヘリで脱出。
途中、二等軍曹は、敵基地らしき場所に気付き単身向かう事に。
結局、彼に同調した部下たちも同行する。
ミサイル攻撃を要請。見事に命中し、地中の母船が浮上。
再度ミサイルを誘導し、撃墜に成功する。
攻略法を見出した一行は、基地で歓待されるが、
休む事なく次の戦いに出発するのだった。

と言うわけで、エイリアンと地球側の攻防を、
今風の特撮で見せる映画はいくつもある。
本作は近年のそんな作品の中でも評価が高かったみたいで、
いくつかのパクリ作品を生んだりしたわけ。
実際見てみると、戦闘シーンの激しさに特筆すべきものあり。
ただし、インデペンスデイは空中戦がメインだったし、
その他の映画も、それなりにエイリアンの描写があった。
本作では、エイリアンの描写はあまりない上に、基本的に戦いは地上戦。
しかも、他地区の様子がわからない局地戦。
攻略不明な新兵器を持つ、人間の敵との戦いと言っても支障ない感じで、
だったら、他にも良作いっぱいあるよねと言う気がする。

TV放送
 

世界で一番パパが好き(2004年米)

オリー・トリンキ 音楽業界の宣伝マン(ベン・アフレック)
ガーティ オリーの娘
オリーの父 田舎町の清掃員
ガーティ オリーの妻(ジェニファー・ロペス)
マヤ・ハーディング ビデオ店店員(リブ・タイラー)
アーサー オリーの部下
ウイル・スミス ミュージシャンで俳優

 94年。オリーの妻は娘ガーティを出産するが、直後に死んでしまう。
音楽業界で働くオリーは、赤ん坊の世話をしながらイベントへ。
集まった記者や歌手であるウイル・スミスを侮辱してクビに。
仕事が見つかるまで田舎町の父の家に同居し、清掃員の仕事をする事に。
月日は流れ、ガーティは7歳。
いまだに侮辱事件の悪評があって、オリーは業界に戻れずにいた。
ビデオ店でポルノを借りた事をきっかけに、店員マヤと親密に。
水道工事で通行止めをする事になり、不満の住民を説得。
宣伝マンとしての達成感を思い出し、かつての部下アーサーに面接を都合させる。
浮かれるオリーだが、田舎町の暮らしが幸せなガーティは、
NYへは行きたくないと言う。しかも面接は家族で出演する学芸会の日なのだ。
思わずオリーはガーティとママが自分の人生を奪ったと口走り、ガーティを傷つける。
オリーは詫びつつ、道路がすいてたらかけつけると約束して面接へ。
待合室でウイル・スミスと一緒になり、子供が大切と言う話をする内、
学芸会へ行く事を決意。何とか間に合い、ガーティらと歌う。
パパが自慢できるのはお前だけと、田舎町に留まる事にする。

 と言う訳で、ベン主演のハートウォーミングなドラマ。
NYでやり手の宣伝マンであるベンは、大恋愛の末結婚。(相手がまたジェニロペ)
だが妻は娘を産むと死んでしまい、ベンは赤ん坊に振り回される内クビに。
やむなく父のいる田舎町で暮らすように。
ビデオ屋店員リブ・タイラーと親密になったりするが、NYへの復帰も夢見ている。
ようやく復帰の話が舞い込むが、
娘は祖父やリブとの暮らしが気に入っていて、板ばさみになると言う訳。
娘役も可愛いし、この手の話は嫌いじゃないけど、
粗筋以上のエピソードがない印象の薄さはある。
ジェニロペとリブタイラーって比較した事ないけど、
いつの間にかすり変わっても、あまり違和感がない。

TV放送 2006/06/10 WOWOW 2000-2142
 

世界崩壊の序曲(80)

 火山島に、ギルモア(ウイリアム・ホールデン)所有のホテルがオープンする。
だが、石油を採掘するハンク(ポール・ニューマン)は噴火の危険を指摘。
共同経営者のボブは反論するが、噴火は始まり、島の半分は溶岩に沈む。
津波や地割れで町は崩壊。人々はホテルへ逃げ込む。
ハンクは丘へ逃げる事を提案するが、ボブは残るよう指示。大半の客はとどまる。
崩れた橋で数名を失うが、島の反対へ避難。ホテルの客は噴火で全滅する。

 と言うわけで、「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」の
アーウィン・アレンが製作し、それぞれの出演者を少しずつ出して
似たような展開をくっつけた安易な話。
火山島だからいろんな事が起こるのが売りだが、見せ場が橋を渡るだけとは。
ギルモアの助手で、ハンクの恋人デリーにジャクリーン・ビセット。
ホテルの接待係で、ボブと不倫仲のイオラニにバーバラ・カレラ。噴火で死ぬ。
観光客で、引退した綱渡りのバレティスにバージェス・メレディス。橋で才能を発揮。
横領犯を追う刑事トムにアーネスト・ボーグナイン。目をやられ、犯人に助けられる。
観光客のトムにパット・モリタ。橋で転落して死ぬ。
音楽はラロ・シフリン。

TV放送 94/01/05  08CH  03:21-05:05
 

セカンド・チャンス(83)

 25年の休暇より戻った天国のボスは、地上の混乱に再び洪水を起こすと言う。
借金に悩む売れない発明家ザック(ジョン・トラボルタ)は銀行強盗をするが、
窓口のデービー(オリビア・ニュートン・ジョン)にニセ札を渡されて失敗。
借金取りに追われ、デービーと激突。2人とも死亡した。
天国のボスは、7日以内に2人が改心すれば地球を救うと約束。
時間を逆転させ、生き延びたザックは、デービーから金を奪い返す。だが接近。
天国のチャーリー(チャールズ・ダーニング)らが四苦八苦する中、悪魔は逆に妨害。
ザックは警察の誘導尋問で自白。デービーが逮捕される。
証拠のテープが紛失し、デービーは釈放されるが、2人の仲は気まずくなる。
やがて強盗事件でデービーが人質に。飛び込んだザックは、格闘で撃たれて死ぬ。
だが、デービーの愛のおかげでザックは甦る。強盗は、悪魔の演技だった。

 と言うわけで、「グリース」のコンビが再び共演したと言う作品。
銀行強盗がだまされるエピソードは面白いが、2人が親密になる過程がいまいち。

TV放送 94/06/06  12CH  14:00-15:30
 

絶叫屋敷へいらっしゃい!(91)

監督 ダン・エイクロイド

 銀行家クリス(チェビー・チェース)は、弁護士ダイアン(デミー・ムーア)と
サンツ社へ行く事に。旅行と誤解してブラジル人兄妹も同行。
途中、田舎町を通ると、警官デニス(ジョン・キャンディ)に交通違反で逮捕される。
判事(ダン・エイクロイド)は明日まで監禁する事に。
この土地は、判事の祖父がだまされ、採掘されたのだ。
奇妙な雰囲気に、ブラジル人兄妹は逃走。デニスに捕まるが、買収し逃げる事に成功。
屋根裏部屋で、多くの行方不明者の身分証を発見。判事らは人殺し一家らしい。
クリスは判事に孫娘エルドナ(ジョン・キャンディ)との結婚を強制される。
拒否したため、処刑マシンに。だが、故障のため助かる。
判事は刃物だらけの車で、ダイアンを人質に。クリスは火をつけダイアンと逃走。
列車に飛び乗り、警察に報告。だが、大物の判事には警察も逆らえなかった。
ところが、炭坑が爆発。屋敷が沈み、クリスらは危うく脱出。
しかし、テレビのニュースには、まだ生きている判事が映し出された。

 と言うわけで、ダン・エイクロイドが監督をして自身も登場。
怪物のようなボーボーも含めて3役をやり、ジョン・キャンディも2役。
どうも、バタ臭いと言うか、こんなのでウケるとでも思ったの?と言う感じ。
音楽は、マイケル・ケイメン

TV放送 93/02/12  BS05  11:45-13:20
 

SEXテープ(2014年米)

アニー (キャメロン・ディアス)
ジェイ アニーの夫
クライヴ 息子
ネル 娘
ハンク  企業のCEO(ロブ・ロウ)
テス アニーの友人
ロビー テスの夫
ハワード ロビーの息子
サイトのオーナー (ジャック・ブラック)

 アニーとジェイのカップルは、
時と場所を選ばずにセックスし続け、妊娠を機に結婚する。
出産してもセックスは続けようとするが、子供中心の生活に。
たまに子供が不在でも、なかなかうまく行かない。
そこでセックスを動画撮影して楽しむ事を思い付く。
これには2人とも興奮して大ハッスルする。
 ところが数日後、何者かから動画を見たとのメールが入る。
友人らにあげたタブレットと音楽ファイルの同期をとる設定になっており、
動画も配られてしまったのだ。
テスとロビー夫婦の仕業を疑うが否定され、騒ぎを面白がられる。
 続いて、アニーの仕事相手である企業のCEOハンクを疑う。
彼の屋敷を探し回った末、タブレットを回収。
 やがて、犯人はテス夫婦の息子ハワードと判明。
動画をユーポルノと言うサイトにアップロードした為、
キャンセルしたければ25000ドルを払えと言う。
2人は相談するが、金は払えない。
 そこでサイトのサーバ室へ侵入しサーバを破壊するが、オーナーに捕まってしまう。
オーナーの妻が、アニーのブログのファンだった為に、
データは消されサーバの弁償で済む事に。
 そんな中、息子クライヴが、パソコンを使って卒業記念の動画を公開する事に。
問題の動画を誤って公開してしまうかも知れないと気付いたジェイは、
2階から壇上に飛び降りて、何とか阻止。
 ハワードは、クライヴは親友だと思い直し、持っていた動画を返す。
2人はメモリを壊そうとするが、一度だけ見る事に。
結局、他人には見せられないと思い知り、メモリを破壊するのだった。

 と言う訳で、キャメロン・ディアス主演のコメディ。
キャメロン夫婦は、気分を変えるためにセックスの動画を撮影。
だが、何者かがそれをばらまくと脅してきたと言う訳。
ラブコメとかではない一方、あまり期待してなかったが意外にHな印象。
特筆すべきは、データを流出してしまった者の視点で描かれている点で、
そういう映画ってなかった気がするので、割に面白い。
実際にあったら、こんなに簡単には収まらないと思うけどね。

TV放送 2016/03/25 WOWOW 2315-0049
 

セックスと嘘とビデオテープ(89)

 アン(アンディ・マクダウェル)は弁護士の夫ジョン(ピーター・ギャラガー)と
暮らすが、アンはジョンとのセックスを避け、彼はアンの妹シンシアと浮気。
アンはジョンの旧友グレアム(ジェームズ・スペーダー)と知り合う。
不能だと言う彼と意気投合。だが彼には女性のセックス談を録画する趣味があった。
アンはショックを受けるが、ジョンの浮気も知り自らも録画をさせる。
グレアムの影響でジョンと別れる決意をしたアンは、逆にグレアムに質問する。
彼は人と関わらないよう生き方を変えたと言う。
グレアムはテープを捨て、アンはジョンと別れグレアムと暮らすようになる。

 と言うわけで、何やら面白げな設定だが、
グレアムがどうして不能になって、録画の趣味を始めたのかよくわからないまま。
アンがジョンに愛想を尽かし、グレアムならいいと言うのもよくわからず。

TV放送 98/11/01  25CH  14:00-16:00
 

セッション(2014年米)

アンドリュー・ニーマン ドラム志望
フレッチャー 指揮者(JK・シモンズ)
ニコル ニーマンの恋人
ニーマンの父 (エイリアン2の社員)

 19歳のニーマンは、ドラマーに憧れて音楽学校へ。
タナーの控えだったが、楽譜をなくした為に、暗譜しているニーマンが代役に。
厳しい事で知られる指揮者フレッチャーに気に入られたと喜ぶ。
 次の候補であるコノリーと比較された為、恋人ニコルとも別れて猛特訓。
ついに主奏者に選ばれる。
 だが、練習に遅刻しそうになり、焦ったニーマンは事故を起こす。
それでも血だらけになってかけつけたニーマンは必死に演奏するが、
おしまいだと言われてフレッチャーに殴りかかる。
 ニーマンは退学処分となるが、
生徒の中には自殺した者もいると、指導に行き過ぎはなかったかと聞かれる。
 店員になったニーマンは、小さな店でジャズライブをするフレッチャーを見かける。
彼は、生徒の自殺の責任を問われ、学院を辞めたと言う。
厳しい指導は、皆を期待以上に引き上げる為だったと言うフレッチャーは、
ニーマンを評価していたとバンドに誘う。
 フェスに参加する事になったニーマンは喜ぶが、
フレッチャーはニーマンが密告した事でクビになったと知っていた。
違う曲を教えられていたニーマンは演奏できず、無能だと言われ、やむなく立ち去る。
だが、思い直したニーマンは、勝手にドラムを演奏。
やむなく周囲も合わせて演奏する。
フレッチャーは止めようとするが、ニーマンの演奏に影響され、
最後には魂をぶつける様なセッションを繰り広げるのであった。

 と言う訳で、JKシモンズ(スパイダーマン)がアカデミー賞をとったドラマ。
ドラマー志望のニーマンは、指揮者フレッチャーのバンドに参加。
そこで理不尽にも思えるしごきを受けると言う訳。
鬼軍曹ものみたいだが、
終盤にフレッチャーがよくある鬼軍曹ほどの人格者ではないとわかり、
見ている方も困惑させられる。
その後にニーマンとフレッチャーの魂のぶつかり合いみたいな見応えあるシーンが。
邦題のセッションとは、演奏家同士が競う場合に使われる事が多いが、
ここでは指揮者とドラマーのつばぜり合いを意味するとわかる。
理屈じゃないんですよって事かな。

TV放送 2016/04/16 WOWOW 0100-0246
 

絶体×絶命(98)

 シカゴ警察のフランク(アンディ・ガルシア)は、
白血病の息子マットへの骨髄移植適合者を捜しついに突き止めるが、
殺人犯終身刑囚の中でもかなり凶悪な、ピーター(マイケル・キートン)だった。
知事の許可を得て手術が行われるが、ピーターは麻薬で麻酔の効果を受けず
指を折って手錠をはずし逃走。フランクは追跡するが、射殺すれば移植はできない。
ピーターは病院を逃げ回り、感染症病棟へ。警察は射殺を試みるがフランクが妨害。
警部らは通路から接近するが、通路を爆破する気と知りフランクは事前に爆破。
ピーターはヘリを呼ぶがそれでは逃げず、マットを人質に地下の通路へ。
車を奪い逃げるがフランクも追跡。ピーターは河へ飛び込むがフランクが救出。
移植手術は成功するが、病室のピーターはすでに銃を入手していた。

 と言うわけで、息子の命を助けるため、はからずも凶悪犯の手助けをするハメに
と言う展開で、凶悪犯が暴れ回るあたりは「羊たちの沈黙」を思わせるのだが
ピーターは病院からなかなか出られず、後半はたいして死者も出ないので
凶悪ぶりも中くらいと言う感じ。すごく面白くできる発想なのに残念。

TV放送 99/05/09  11CH  21:02-22:54
 

セットアップ(2011年米)

サニー ダイヤ強盗
ビンス・ロング サニーの仲間。裏切る(ライアン・フィリップ)
ディブ・ホール サニーの仲間
ビグス氏 サニーのボス(ブルース・ウイリス)
ピーティ ビグスの部下
ミア 運転手の女
ジョンR ビンスのボス
ヒットマン ダイヤを探す

 サニーら3人組は、男を襲撃し、500万ドルのダイヤを奪う。
だがビンスが裏切り、デイブを射殺。サニーも負傷する。
ビンスはジョンRの組織と通じていたらしい。
別の組織のボス、ビグスは、ビンスを追うよう指示。
監視役のピーティが誤って自分を撃って死に、サニーは死体を始末する羽目に。
サニーはビンスがピーティを殺害したと報告。
ビグスとジョンRの両組織が衝突。撃ち合いになって全滅する。
生き延びたビンスは、サニーに捕われる。
ビンスは、刑務所にいる父を優遇させるため、金が必要だったのだ。
サニーはビンスに手を下さず退散。
ビンスの父は一般房に回され、囚人に刺される。
サニーは、おびえずに生きていけるが、ビンスはどうだろうと思うのだった。

 と言うわけで、またまたブルース・ウイリスが脇役(またボス役)で出演する作品。
今回は、ダイヤを盗んだ男たちの話で、
裏切ってダイヤを持ち逃げした男と、持ち逃げされ仲間を殺された男の対立に。
出だしの雰囲気は悪くなく、
それぞれが懇ろにした組織が敵対すると言うのも、まあ面白い。
ただ、結果的に組織の戦争になって、ブルースとかは全滅するのに、主人公らは無事。
主人公に同行したブルースの部下が誤って死んでしまい、
敵組織の仕業にして、誰も疑わないあたりも調子良すぎ。

TV放送 2013/03/18 WOWOW 2300-0024
 

セブン(95)

 定年間近の刑事サマセット(モーガン・フリーマン)は、
若手のミルズ(ブラッド・ピッド)と連続殺人事件の捜査に当たる。
無理矢理食べさせ死んだ男の部屋には「大食」、弁護士の部屋には「強欲」の文字が。
サマセットは「7つの大罪」にちなんだ殺人と推理。あと5回殺人が起きるのだ。
容疑者ビクターを突き止めるが、彼もミイラのように殺され、部屋に「怠惰」の文字。
「7つの大罪」に関する著作の読書傾向から、ジョンを突き止めるが、彼は逃走。
さらに男に娼婦と変態的なセックスを強要させ「肉欲」。女性の顔を剥ぎ「高慢」。
ジョンは自ら警察へ現れ、逮捕される。だがあと2人の殺人現場へ案内すると言う。
某所へ2人を連れ、続く被害者を見せる。それはミルズの妻トレーシーだった。
平凡な生活をねたんだ自身も罪人だと、ミルズに殺させようとする。
サマセットは彼の計画を完成させるなと止めるが、怒るミルズはジョンを射殺する。

 と言うわけで、「7つの大罪」にちなんだと言う殺人を描く作品。
「羊たちの沈黙」以降続く、異常者の殺人ものの1作と言えるが、
「7つの大罪」になじみがないのでピンとこない。
それでも途中までは面白いが、トレーシーまで殺すのは後味が悪い。
「7つの大罪」を完成させたからと言って、だから何?と言う感じだし。

TV放送 97/02/02  BS05  20:00-22:10
 

セブン・イヤーズ・イン・チベット(97)

 39年。オーストリア人ハラー(ブラッド・ピット)は独国登山チームに参加するが
吹雪が断念。戦争が始まり、敵国人として逮捕され、収容所に入れられる。
42年。脱走したハラーは仲間ペーターとチベットへ逃げ込む。
聖地ラサへ潜入。摂政に滞在許可を得る。ペーターは仕立屋の娘ペマラキと結婚。
戦争が終結。ハラーは息子から再会を拒否する手紙を受け、測量の仕事で留まる事に。
若きダライ・ラマのため映画館を作り、彼の相談相手になる。
毛沢東の中国はチベットへ侵攻。圧倒的な兵力に勝ち目がなく、ンガワン大臣は降伏。
自国の文化を捨てたと避難を受ける。
ダライ・ラマは即位し、51年ハラーは息子と再会するため帰国する。
59年ダライ・ラマはインドへ亡命し、ハラーとの友情は続いた。

 と言うわけで、実在したハラー氏の数奇な体験を描いた話でなかなか面白い。
最後に中国にぎゃふんと言わせられないのが難だが、実話だから仕方がない。
チベットとネパールを混同していたのもよくわかったし。
最初歓迎する男ツァロンにマコ。

TV放送 99/01/10  BS05  20:00-22:17
 

セブン・サイコパス(2012年英)

マーティ 脚本家(コリン・ファレル)
ビリー マーティの相棒(サム・ロックウェル)
カーヤ マーティの恋人
ハンス (クリストファー・ウォーケン)
マイラ・キェシロフスキ ハンスの妻
チャールズ・コステロ 組織のボス(ウディ・ハレルソン)
アンジェラ ビリーの恋人(オルガ・キュリレンコ)

 脚本家マーティは、セブンサイコパスと言う脚本を求められるが、
物語が思いつかない。
友人ビリーがいろんな殺人鬼の話をし、やむなくそれを聞く事に。
ハンスはビリーと組んで、金持ちの犬を盗んでは大金を得る仕事をしていたが、
組織のボスであるコステロに恨まれ、愛妻マイラを殺される。
ハンスもマーティらに同行し、物語を考える。
ビリーはネタ作りの為に恋人アンジェラを殺害。砂漠にコステロを呼び出したと言う。
ビリーはコステロを撃ち、撃ち合いでビリーとハンスがやられる。
死んだハンスの所へかけつけたマーティは、
彼が遺したベトナム人殺人鬼のアイデアを手に入れる。
映画セブンサイコパスは完成するが、インタビューしたザカライアから連絡が。
電話番号を入れる約束を守られなかったので、殺しに行くと言う。
だが、マーティが待ってると答えると困惑し、また電話すると言い残し去るのだった。

 と言う訳で、コリン・ファレル主演のちょっと危ない人たちのコメディ(?)
作家コリンは、セブンサイコパスと言う小説を書くよう依頼されるが、
さっぱりはかどらない。
代わりに友人サム・ロックウェルが、危険な連中がたくさん現れるアイデアを出すが、
サムの周囲には実際に危険な連中がいっぱいいたと言う訳。
クリストファー・ウォーケンやウディ・ハレルソンと言う他の作品でキレてた布陣で、
その危なさ加減が笑いのポイントのはずだが、あまり面白くない。
さらに、肝心のコリンは存在感が薄い。

TV放送 2015/01/18 WOWOW 2345-0135
 

7セカンズ(2005年ルーマニアスイス英)

ジャック・タリバー 強盗(ウェズリー・スナイプス)
スーザ ジャックの恋人
アンダース軍曹 女憲兵

 ジャックは、仲間たちと現金輸送車を襲撃。
警備会社に潜入したスーザが一味だったのだ。
輸送車には謎のケースがあり、それもいただく事に。
 だが、チャーリーが裏切り、他の仲間を殺害。
スーザを人質にとられた為、ケースを持って退散。
警察や一味に追われるが、憲兵アンダース軍曹の車を拝借して逃げる。
 盗まれたケースには、6500万ドルのゴッホがあったと判明。
共犯の疑いをかけられた軍曹は、独自にジャックを追う事に。
一方ジャックは、襲撃したのがアレクセイの組織だと突き止める。
 ジャックはアレクセイ一味に捕らわれ、
ケースを取り戻さねばスーザを痛めつけると脅される。
見張りを倒したジャックは軍曹と合流。
アレクセイの屋敷に乗り込むが、実はスーザがアレクセイに通じていたと判明。
敵対するミカエル一味が現れ、スーザとアレクセイを射殺。
ジャックと軍曹は行方をくらまし、ゴッホの絵をいただくのだった。

 という訳で、ウェズリー・スナイプス主演のアクション。
ウェズリー率いる強盗団は、現金輸送車を襲撃。
だが、ケースを奪われた組織に仲間を殺され、恋人を人質にとられてしまう。
ウェズリーは恋人を助ける為に、組織に立ち向かうと言う訳。
設定はやや入り組んでるが、誰が裏切り者かは序盤の印象通り。
カーアクションはまあまあで、格闘はいまいち。

TV放送 2016/06/01 テレビ東京 1350-1555
 

セラフィム・フォールズ(2006年米)

カーバー大尉 (ピアース・ブロスナン)
大佐 (リーアム・ニースン)
大佐の仲間 (エド・ローター) 
マダム・ルイーズ (アンジェリカ・ヒューストン)
ローズ 大佐の妻

 雪山を逃げるカーバー大尉は、大佐一味に追われていた。
戦争の際、カーバーは上官命令で大佐の家に火をつけ、
妻子を殺された大佐はカーバーを恨んでいるのだ。
格闘の末、許してくれと言うカーバーを大佐は撃たず、
共に別方向に歩み出すのだった。

 と言うわけで、ピアース対リーアムと言う西部劇(!)。
脇役にエド・ローターやアンジェリカ・ヒューストン。ぼちぼちな配役です。
2人の対決期待するよね。
ところが、物語はピアースが終始逃げ回るばかり。
そしてリーアムが追う理由は、終盤まで語られない。
エド・ローターはリーアムの仲間で、アンジェリカは幻想ぽい女性。
どちらも出番は少ない。ピアースらの派手な対決がある訳でもない。
ラストになって、2人は急に敵対心を失ってそれぞれどこかへ去り、
これで終わりかいと言う感じだ。

TV放送 2013/10/06 ザ・シネマ 1000-1200
 

セルピコ(73)

監督 シドニー・ルメット

 警察学校を卒業したセルピコ(アル・パチーノ)は、正義感に燃え配属。
だがセルピコは、バクチ屋から賄賂をもらう事が当たり前になっている事を知る。
中には、勤務時間に集金して回る者も。払わない者には暴行する始末だ。
セルピコは賄賂を拒否するが、仲間に不安がられる。
総監や市長調査室に相談するが、警察の恥部を明らかにするのを避け、消極的だ。
裏切り者の中傷の中、証言する事となるが、上層部の心配は評判のみ。
ついに新聞社に話し、市長は調査委員会を組織するが、警察側は否定。
麻薬捜査をするセルピコは、仲間に見殺しにされ撃たれて重傷。
回復したセルピコは、警察内部に公正な調査委員会が必要だと訴えた。

 と言うわけで、警察内の不正を糾弾する刑事の話だが、
物語は賄賂を受けるか受けないかと言う程度で、巨大な陰謀が渦巻くわけではなく
最後も、首謀者が逮捕されるわけでもなく、何か煮え切らない感じだ。
どうやら実話らしい。

TV放送 97/12/09  04CH  02:25-04:55
 



セルラー」を見た。(2004)

 携帯電話で突然誘拐を知らされた男が、一味と対決するハメになると言う
いわゆる巻き込まれ型サスペンスで、携帯電話を使っているのが新しい点。
思えば、電話と言うのはサスペンスの小道具として使われるが
携帯電話になると、いろいろ新たな特徴が出てきて面白いかも。
本国公開時から気になっていたが、日本ではなぜか2週間しかやらないと言うし
そんなに受けないと思っているのかという気もするが、
そう言うことなら逆に見なくてはと思って見た。

 ジェシカ(キム・ベイシンガー)は息子リッキーを学校へ送り出し、
家へ戻ると、メイドが夫から電話があったと告げる。
だが、突然5人組が家に乱入。メイドを射殺し、ジェシカをどこかへ連れ去る。
ジェシカは見知らぬ建物の屋根裏部屋へ拘束される。
リーダーのイーサンは、ジェシカが外部と連絡とれないように
部屋にあった電話機を破壊。ジェシカを部屋に閉じこめて立ち去る。
理由もわからないまま巻き込まれたジェシカは、
おびえていたが、壊れた電話機がまだ通話可能である事に気づく。
配線を適当に接触させたりしていると、何とか発信する事に成功。
たまたまかかったのは、ライアンという青年だった。
ライアン(クリス・エバンス)はビーチでバイトしている青年で
恋人とうまく行きそうな行かなさそうな状態。
そんな中、仕事で車を走らせていたら、ジェシカの電話を受け取ってしまう。
ジェシカはとりあえず電話を切るなと言い、事情を説明するが、
そんなおかしな話があるとも思えず、イタズラだと決めつける。
だが、何とかライアンは警察まで行く事を承諾。
受付にいたのは、退職寸前のムーニー巡査部長(ウイリアム・H・メイシー)。
彼は妻と共にエステの店を開く予定だが、同僚たちにバカにされ
かばうのは殺人課の同僚タナーだけだ。
ムーニーは、殺人ならば4階へ行けと指示。
仕方なくライアンは階段を上るが、次第に電波が弱くなる。
そんな中、電話の先では、何やらジェシカがイーサンに脅されているのが聞こえる。
どうやら本当の話らしいと知ったライアンは、電波が切れないように飛び出し、
次に一味が狙いそうな、息子リッキーの所へ向かう事に。

 だが、一味は一足早く学校に現れ、リッキーをさらってしまう。
サスペンスフルな中、息子の名前がリッキー・マーチンだと言うジェシカに
歌手の名前を付けたのかと言うライアン。彼が有名になる前に生まれたと言う。
こんなバカな話をするあたり、妙にうまい感じだ。
しかたなくとっさに警備員の車を奪い、一味を追跡。
しかし、今度はお約束の電池切れが近づく。
仕方なく、携帯電話屋に飛び込み、充電してくれと頼むが、客の大行列で無理。
ならば充電器を売ってくれと言うが、それも同様で、
仕方なく警備員の車にあった銃で脅して、充電器を強引に買い取る。
おかげでこの件はマスコミ他の知るところとなる。
一方、ムーニーはタナーにライアンの件を聞くが、
知らないと言われ気になって調査してみる事に。
ジェシカの家には女性がいて、異変はないと言われ安心するムーニー。
しかし実は彼女はジェシカではない一味だった。
女は、留守電に残されたメッセージから、
夫クレイグがジェシカをどこかへ呼び出していると気づく。
脅されたジェシカは、それがロサンゼルス空港だと気づき知らせる。
それを知ったライアンも追跡するが、向こうの電話ではそんな事があるのか混線が。
近くにいるどこかの携帯に混線してしまい、今や主導権は謎の人物が握っている。
彼がイタズラだと思い、電話を切ってしまえば、ジェシカとは連絡が取れないのだ。
あわてて探すライアンは、弁護士の持つ携帯だと気づき、
またも脅して携帯を奪い取る。
さらには車も、他の車にぶつけられてしまい、弁護士の車を借用する事に。
トンネルに入りそうになり、あわてて引き返したりして空港へ向かう。
そこにはすでにイーサン一味が着いていた。
クレイグがいるのが検問の向こうで、持ち物検査があると気づいたライアンは
あわてて銃をイーサンの持ち物に入れる。
ライアンは無事通過するが、イーサンは金属探知器で捕まってしまう。
これで安心と思いきや、イーサンらは身分証を見せ、事なげに通過する。
彼らは警官だったのだ。
しかも、ライアンが人違いしている間に、イーサンらはクレイグを捕らえてしまう。

 イーサンらは、クレイグを連れて銀行へ向かう。
貸金庫から荷物を取り出す一味だが、ライアンが襲撃。
クレイグは再び捕らわれるが、ライアンは荷物を奪って退散。
だが、一味から逃れる中、携帯を落としてしまい、壊れてしまう。
ついにジェシカとの通話はとぎれてしまったのだ。
ライアンは荷物の中身がビデオテープだと知る。
そこには、不動産屋であるクレイグが物件を撮影していたが、
近くで警官であるイーサンらが、証人を殺害しているのに遭遇。
偶然その現場捕らえてしまい、一味に見つかって追われるハメになったのだ。
捕らわれているジェシカは、見張り役に通話していた事がばれ襲われるが、
生物教師の知識を利用し、急所を一撃して倒す。
そして車を奪い、リッキーが閉じこめられている別の小屋を破壊。
彼を連れて逃走しようとするが、
そこへイーサンがクレイグと共に現れ阻止されてしまう。
一方、ムーニーはライアンが事件を起こしていると知り、再びジェシカへ電話。
女は出ず、ジェシカの留守電になるが、声が違う事に気づいて彼女の家へ。
無人かに思えた家には、先ほどの女がいて、いきなり銃を向けたため、
ムーニーは彼女を射殺する。
ところが、殺人課のタナーによると、彼女は殺人課刑事で捜査中だったと言う。
彼女の行動に不信感を抱くムーニーだが。

 自分の携帯の方は無事なので、リダイヤルでイーサンと連絡をしたライアンは
ビーチに一同を集めるよう要求。
彼らはジェシカらも連れてきていて、望遠鏡で離れた場所から監視。
彼らを出し抜こうとするが、タナーとムーニーに見つかってしまう。
大事件とは思っていないムーニーは、簡単にタナーに引き渡してしまうが
タナーはライアンの持っていたテープを破壊。
スキをついて桟橋の下の小屋へ逃れるが、そこにイーサンが現れる。
事態に気づいたムーニーもかけつけ、互いに隠れて撃ち合いに。
しかし、ライアンがイーサンの携帯を鳴らし、
一瞬イーサンの注意がそれたところをムーニーが射殺する。
ジェシカもまた、運転席の見張りの首を絞めて倒す。
タナーは事件の関与を否定するが、ライアンの携帯のビデオ機能で
例のビデオの映像が保存されており、これが証拠に。
ジェシカはついにライアンと初対面。ライアンはもう電話しないでと言う。

 と言うわけで、今までの電話と違い、
携帯電話には移動しても話し続けられると言うメリットがあり
それが当然今回の映画の展開に影響。
それでいて、携帯特有の弱点がいろいろあり、
電波が弱ると切れるとか、充電しないと切れるなんて問題が発生。
混線すると切れるなんて言うのは未経験だが、そう言うこともあるかも。
そして着信履歴や動画を記録出来る機能も活用して、
まあ携帯を使おうと決めれば、1つ1つの見せ場は思いつきそうな気もするが面白い。
冒頭からいきなりキム・ベーシンガーが誘拐され
ムダを排除したサスペンスかと思えば、
携帯を受信したライアンや、引退寸前のムーニーなんて連中の描写が最初の内のんきで
なんか水を差されたような感じだったが、
ライアンが奮戦するようになると面白い。
後半、携帯が切れてしまってからも、いかに合流するかも見せ場と言えるが
肝心のキム・ベーシンガーはずっとつかまったままで、
どうしても物語はライアン中心に展開するのが拍子抜け。
それならそう言う配役にすべきだったのではと言う気もするが。
最後に一味を倒すあたりも、もう少しライアンが携帯を駆使して(多少利用するが)
してやったりと思わせれば痛快だったのだが。
 



ゼロ・グラビティ」を見た。(2013年米)

 本作は宇宙飛行士が宇宙に取り残される話。
それで連想したのは、まず007は二度死ぬ。
かの作品の冒頭で、宇宙飛行士が敵に命綱を切られ、
宇宙に放り出されるシーンがあり、印象に残った。
なぜなら撃たれたりしたのと違い、この局面で犠牲者はすぐには死なず、
でも手の打ち様はなく、死ぬしかない絶望的状況だからだ。
本作はこの宇宙飛行士を主役に据えた訳。
もう1作連想したのはオープンウォーター。
海に取り残された主人公を描いた作品で、
その実験的な試みは評価すれど、見せ場の弱さがあって、あまり面白くなかった。
本作も同じ設定と言えるが、評判はいいらしい。
海ならたまたま船が通りかかる可能性もあるが、宇宙でそれは無理。
いったいどう見せ場を作り、
どう帰還しようとするのか(失敗するとしても)見てみないとわからないので見た。

ライアン・ストーン博士 科学者(サンドラ・ブロック)
コワルスキー 船長(ジョージ・クルーニ)

 冒頭から宇宙空間。
次第にカメラが寄り、シャトルの周囲で飛行士が作業しているのがわかる。
ストーン博士はアンテナを設置する作業中。
コワルスキー船長はシャトルの周囲をぐるぐる宇宙遊泳し、
誰も聞いてない小話みたいなネタを延々と話している。
このフライトはいやな予感がするとも言うが、これは彼得意のネタらしい。
宇宙遊泳の新記録を樹立したいとも言うが、予定ではそこまで作業は続かない。
そんな中、ヒューストンから連絡が。付近でロシアの古い衛星が爆破されたとの事。
破片が飛来するが、ストーン博士らには影響ないはずだ。
彼女が設置したアンテナはうまく作動せず、いろいろ試すが、
ヒューストンから新たな連絡が入る。
破壊された衛星の破片は、別の衛星を巻き込み、予想外の方向に広がっているのだ。
彼らのシャトルも危険だと、作業中止の命令が出る。
だが、ストーン博士はもう少しやりたいと言って、退避が遅れる。

 ようやく退避しようとした時、無数の破片が飛来。
シャトルを直撃し、ストーン博士はアームにつながったまま振り回される。
コワルスキーはワイヤーを外せと言うが、振り回されててままならない。
ようやくワイヤーをはずすと、反動で飛ばされ、
くるくる回りながら、シャトルから離れてしまう。
彼女の背負ってるジェット噴射する装置は、残り燃料がなくて何ともならない。
通信も途絶えたかに思えたが、不意にコワルスキーに助けられる。
彼がジェット噴射してかけつけたのだ。
何とかストーン博士の体勢を安定させ、シャトルに戻る事に。
同じく宇宙空間にいた飛行士は死亡したらしく、遺体を回収しろと言うコワルスキー。
見ると、何かが貫通したらしく、飛行士の顔半分がなくなり、向こうが見える状態だ。
シャトルも損傷して、使い物にならない。中には別の死体が。
生存者はストーン博士とコワルスキーだけ。地上との交信もできない。
しかも30分すると、次の破片が飛んでくるのだ。
ストーン博士は、自分が退避するのが遅れたからだと、責任を感じる。

 一方コワルスキーは生還するための作戦を考える。
見える場所に、ロシアの基地があるため、そこまでジェット噴射で向かうのだ。
そこにあるソユーズも損傷しており、大気圏突入は無理。
だが、ソユーズでさらに先にある中国の基地まで行けば、地球に帰れると言うのだ。
ストーン博士はソユーズのシュミレーションをした事はあるが、
着陸は苦手だったと言う。
コワルスキーがジェット噴射し、ストーン博士が引っ張られて移動。
道中、家族について聞かれると、
子供がいたが4歳の時鬼ごっこで転んで死んだと言うストーン博士。
博士自身の名前はライアン。親が男の子を欲しがっていたのだ。
彼女は酸素を消費し過ぎて、残りわずか。
コワルスキーはいいニュースと悪いニュースがある時言う。
いいニュースは、ジェット噴射はロシア基地までぎりぎり持ちそうな事。
悪いニュースは、宇宙遊泳の新記録は樹立できないと言う事。
何とかロシア基地に到達するが、ストーン博士のタンクには酸素がもうない。
マスクの中にも酸素が残っていると、何とか持ちこたえている状況だ。
なかなか基地に入れず苦戦していると、反動で2人とも飛ばされる。
ストーン博士の足にケーブルみたいなのがひっかかり、コワルスキーの手をつかむ。
コワルスキーはこのままでは共倒れだと、手を離す。
ストーン博士はすぐ助けに行くと言うが、来るなと言うコワルスキー。

 ストーン博士は酸欠で頭がくらくら。何とかエアロックへたどり着き中へ。
宇宙服を脱いで、コワルスキーに通信するが、応答がない。
出発してからずっと話してたのに、今さら黙り込むって何よ、
毛むくじゃらの男がどうなったか教えてよと言うが、やはり応答はない。
そうしていると、基地内に火災警報が鳴る。
ストーン博士は消火器を持って向かうが、火は広がって効果がない。
やむなくソユーズに乗り込み、基地を離脱する事に。
マニュアルを見ながら操作し、何とか基地を離れるが、
開いてしまったパラシュートが引っ掛かり、進めない。推力を上げてもダメだ。
仕方がないと、再び宇宙服を着て船外へ。
パラシュートを手ではずす作業をするが、そこへ再び無数の破片が。
ストーン博士の背後で、無音で大破する基地。宇宙なんて大嫌いと叫ぶ。
再び宇宙船に戻り、点火するが反応がない。
先ほどじたばたした際に、燃料が空になったのだ。
絶望するストーン博士に、何語かわからない通信が入る。
他国の宇宙船かにも思えたが、犬の鳴き声が聞こえ、地上からだとわかる。
地球はさほど遠くはないのだ。
通じているかわからないが、話しかけるストーン博士。
人間は必ず死ぬけど、私は今日死ぬの。死ぬのがわかっているのってつらい。
続いて、赤ん坊の泣き声が聞こえるように。赤ちゃんがいるのね。
子守唄を聞かせてと言って、自ら酸素を抜いて、静かに眠ろうとする。
娘にもうすぐ会える。静かに寝かせて。

 不意にノックの音がして、外に誰かがいるのに気づくストーン博士。
救助がかけつけたのか?そういう結末か?
その人物は、ストーン博士が宇宙服も着ていないのにエアロックを開け始めた。
空気が漏れたりしないんだっけ?と思っていたが、その人物は宇宙船に入ってきた。
どうやら平気らしい。
そしてマスクをはずすと、何とそれはコワルスキーだった。
えぇーーー!?
これぞハリウッド映画?
地球一周してきたとか?結局、2人で生還する訳?
台無し感が生まれる中、予備タンクを忘れてたと、
宇宙遊泳の新記録を樹立したよと、しれっと言うコワルスキー。
酸素の流出を止め、宇宙船を動かそうとする。
ダメなのよ、燃料がなくて、出来る事はやったと言うストーン博士。
必ず解決策はあるものさと言うコワルスキー。
推進の燃料がなくても、中国基地を月面に見立てて、着陸の操作をすれば良いと言う。
着陸は苦手だと言ったでしょと言うと、
隣にコワルスキーの姿がない事に気づくストーン博士。それは幻覚だったのだ。
だが、幻覚のコワルスキーに励まされたストーン博士は、
もう後ろ向きにはならないと、がぜんやる気を出す。
娘によろしくねとコワルスキーに別れを告げる。

 着陸船を切り離し、着陸用の噴射で中国の基地へ到達。
船外に出たストーン博士は、
消火器をジェット噴射代わりに方向を調整し、エアロックへ到達。宇宙船に乗り込む。
同じソユーズだが、パネルは中国語でわからない。
訓練はしたのだが覚えていないのだ。どれにしようかなと、適当にボタンを押す。
最初は違っていたが、いくつか押すと、正解だった様で、地球に向けて動き出す。
このフライトはいやな予感がすると、コワルスキー流の軽口も飛び出す。
宇宙船は大気圏を突入。探知した地上から通信が入るが、交信は出来ない。
すぐに救助に向かうと言っているが。
宇宙船は着水。ハッチを開けると浸水してきたが、
宇宙服が邪魔になって、なかなか脱出できない。そこで宇宙服を脱いで船外へ。
近くにカエルが泳いでいるから、海ではなく湖らしい。どこの国かはわからない。
意外に近くにあった岸まで泳ぎ、陸に立つストーン博士。
彼女はついに帰ってきたのだ。

 と言うわけで、本作は冒頭から宇宙空間を描写。打上げシーンとかはない。
宇宙空間で作業するサンドラ・ブロックと、
宇宙遊泳の新記録を目指すとか言って話し続けるジョージ・クルーニ。
ロシアの衛星が爆破されるが、これが予想外の影響を及ぼし、サンドラらも危険に。
避難するが間に合わず、大量の破片を受け、シャトルは大破。
サンドラとクルーニ以外は死亡する。
命綱が切れたサンドラは放り出されるが、クルーニが救出。
クルーニは地球へ帰還するための妙案を出すが、そうそううまくは行かず。。。
クルーニも途中降板し、後半はサンドラが一人で奮戦する話になる訳。
実際にあったら、さすがに生還できないだろうとは思うが、
サンドラは絶望したり、奮起したり、やけくそになったりして帰還のために行動する。
やや短めの作品に、派手な見せ場を盛り込み、
死を覚悟していたサンドラが、最終的に生きる事を選ぶ展開はなかなか感動的。
オープンウォーターと同じ話を、面白く見せる事に成功している。
さらに言えば(ここが一番重要)、このサンドラの奮戦ぶりを、
まるで宇宙でロケしたような映像は、もはや驚異としか言い様がない。
これがチープな特撮だったら、作り物と言う印象が前面に出てしまっただろう。
今はこんな映画作れるんだねと感服しました。
なお出演者は2人と思ったら、エンドクレジットで管制官役のエド・ハリスに気付く。
まあ、吹替えで見たからわかんないんだけど、ちょっと洒落がきいてるね。
アポロ13とアルマゲドンでも管制官やってるし。
(アルマゲドンはビリー・ボブか。。)
 

0011ナポレオン・ソロ/罠を張れ(64)

 西ナトゥンバ首相の暗殺計画を知らせようとするランサーが殺される。
アンクル本部に一味が侵入。課長が狙われるが、ソロ(ロバート・ボーン)が倒す。
ランサーは、バルカンがワスプという組織の一味と気づいていた。
そこで、バルカンの元恋人であるエレインに協力を求め、バルカン邸へ乗り込む事に。
アンクルが送り込んだアンジェラが先にいるが、実は彼女も一味。
しかし仲間に誤って撃たれて死ぬ。
ソロの連絡で、首相によるバルカンの工場視察は中止。
だが、腹心ノブクらによって視察は行われ、一味の狙いが工場自体にあると気づく。
ソロが侵入するが、実はノブクこそ一味の狙いで、首相も一味だったのだ。
彼らはソロとエレインを捕らえ、もろともに爆破しようとする。
しかし脱出したソロがノブクを救出。首相とバルカンは爆破に巻き込まれる。
貴重な体験をしたエレインは、土産を持って家族に返される。

 と言うわけで、ナポレオン・ソロの映画版第1作。
パイロット版みたいで、イリアがその他大勢的だし課長はウェイバリーではない。
一味もスラッシュではなく、ワスプという組織。
ソロが素人の女性と協力して活躍するのだが、
原案に協力したイアン・フレミングは、毎回素人が活躍する展開を考えていたらしく
こう言うのが毎回続く予定だったのかという感じ。
ナポレオン・ソロにしては意外にハードな展開で、
毎回こうだったら、もう少し面白いシリーズになったかも。

TV放送
 

0011ナポレオン・ソロ/消された顔(65)

 スラッシュはアンクルの地球防衛計画を妨害するため、
ナポレオン・ソロ(ロバート・ボーン)を色仕掛けで誘拐。
イリア(デビッド・マッカラム)らと重要機密を入れたケースを運ぶ。
だが本物のソロは逃げ出し、ニセ者と格闘し倒す。

 と言うわけで、ナポレオン・ソロ映画版の1作で
シリーズものにありがちなニセ者登場。だがそれが主人公たちを窮地に陥れない。
おまけにシリーズ初期なためか、イリアがあまり活躍しない。
課長役にレオ・G・キャロル。

TV放送 97/02/16  06CH  02:05-03:41
 

0011ナポレオン・ソロ/地獄へ道づれ(65)

監督 ジョゼフ・サージェント

 陸軍の神経ガスが盗まれ、アレクサンダー隊長に疑惑がかかる。
ソロ(ロバート・ボーン)とイリア(デビッド・マッカラム)は彼を追跡する。
アレクサンダーは十戒すべてを破れば、巨大な力を得ると信じ、
その締めくくりとして、某国大統領殺害を計画したのだ。だが暗殺に失敗。
一味のケイボン博士と仲間割れし格闘、乗った飛行機は爆発する。

 と言うわけで、ナポレオン・ソロシリーズだが、
敵の計画が十戒を破る事で、世界の危機になるとも思えず、
しかもソロたちはほとんど活躍しない。課長役はレオ・G・キャロル。

TV放送 97/01/19  06CH  02:05-04:00
 

0011ナポレオン・ソロ 消えた相棒(66)

 猫の老化研究でノーベル賞を受賞したランサー博士が行方不明に。
ランサーを追うソロらは、「ライオンの橋」と言うクラブのベインブリッジ氏を追跡。
彼は撃たれて死ぬが、彼こそランサーで、若返りを成功させたと言う疑いが。
ランサーの助手グリツキー博士が、スウィッカート卿の支援で研究を続行。
スラッシュのジョーディンは、この研究成果を狙っていた。
老いた政治家を若返らせる事を計画。
利用されたと知った卿は、研究の破壊を決意するが、ジョーディンが妨害。
装置が作動し、グリツキーは若返りすぎて子供に。
装置の爆発でジョーディンは倒され、研究成果は誰にも解読出来なくなる。

 と言うわけで、題名からイリアが捕らわれたりする話かと思えば、
特にそんな事もなく、若返りの薬を狙う陰謀なんてバカバカしい感じ。

TV放送
 

0011ナポレオン・ソロ/対シカゴ・ギャング(66)

監督 ジョゼフ・サージェント

 元ナチのクローネン博士がスラッシュのストレイゴ(ジャック・バランス)と接触。
暖流の流れを変え、グリーンランドを亜熱帯に。北半球を凍らせる気だ。
ソロ(ロバート・ボーン)とイリア(デビッド・マッカラム)は彼を追いシチリアへ。
撃ち合いでソロはピアに助けられるが、彼女はスチレトー一家の娘で、一家は集結。
ソロに結婚しろと迫る。ストレイゴは本部命令でイリアを捕らえる。
続いてピアが捕らわれたため、ソロは一家と協力して救出のため島へ向かう。
ミサイルの発射を阻止し、撃ち合いでストレイゴを倒す。

 と言うわけで、ナポレオン・ソロシリーズはどれものんきな感じだが、
今回はそののんきさを残しながら、古きギャングが活躍するという展開で楽しませる。
上司の顔色をうかがうジャック・バランスも新機軸だが、悪役としてはパンチが弱い。

VHS
 

0011ナポレオン・ソロ/ミニコプター作戦(67)

 海水から真水を作る研究をしていた博士が死に、処方式を5人の娘に託す。
実は海水から黄金を作る事が可能で、スラッシュはこれを奪おうとする。
ソロ(ロバート・ボーン)とイリア(デビッド・マッカラム)は娘たちを探す。
4枚の写真に隠された文字から、博士の日本の知人ササミ博士に託したと判明。
一味に処方式を奪われるが、装置の圧力を上げ装置は爆発する。

 と言うわけで、ナポレオン・ソロシリーズの1作。
世界各地を飛び回るが、何とも内容が薄い。敵の陰謀も何が陰謀なのかわからんし。
後半に珍妙な日本のシーンあり。
一味の親分にハーバート・ロム。部長はレオ・G・キャロル。
娘の1人の夫である伯爵にテリー・サバラス。別の1人にジル・アイアランド。
さらに別の1人に求婚するカールにクルト・ユルゲンス。豪華だが無駄遣い。

TV放送 97/05/25  06CH  02:05-03:42
 

0011ナポレオン・ソロ/スラッシュの要塞(67)

 カムージー博士が世界情勢を左右する熱プリズムを完成させる。
世界一の金庫破りセバスチャン(ブラッドフォード・デイルマン)に奪う事を依頼。
成功するが、実は彼は熱プリズムを入手するためアンクルを利用したのだ。
ロケットで打ち上げ、東西を脅迫し、国を要求しようとする。
ソロ(ロバート・ボーン)とイリア(デビッド・マッカラム)は、敵本部へ突入。
格闘の末、セバスチャンごと打ち上げたロケットを爆破する。

 と言うわけで、途中で味方と思っていた奴が敵と判明とは、目先を変えた感じだが、
それさえもありがち。陰謀もたいした事に思えず、主役2人もたいして活躍せず。

TV放送 97/06/29  06CH  02:25-04:00
 

0011ナポレオン・ソロ/地球を盗む男(68)

 アンクルのキングズレーが姿を消し、世界中の科学者が行方不明になる事件が発生。
ソロ(ロバート・ボーン)とイリヤ(デビッド・マッカラム)は
ギャロウ博士を囮に敵の秘密基地へ潜入。だが捕らわれる。
キングズレー一味は、神経ガスで世界中の人々をコントロールし、
戦争を終わらせようと言うのだ。そしてソロらを実験台にしようとする。
計画を横取りしようとするスラッシュが乱入。撃ち合いで敵は全滅する。

 と言うわけで、ナポレオン・ソロ映画版の最終作。
物語は三つどもえになったり工夫しようとしているが、話はひねりがほとんどない。
ソロたちもまったく活躍せず。ウェバリーはレオ・G・キャロル。
敵の将軍役にレスリー・ニールセン。生き残るがガスで廃人のように。

TV放送 97/07/20  06CH  02:05-03:42
 

0011ナポレオン・ソロ2(83)(TV作品)

 再建を目指すスラッシュは、首領セフランが刑務所を脱走。
ジャラス(ジェフリー・ルイス)が新型の核爆弾を奪う。
3億5000万ドルを要求。受け渡しの相手は、ナポレオン・ソロを指名。
アンクルのローリー卿(パトリック・マクニー)は、
引退したソロ(ロバート・ボーン)に連絡。
ソロはJGBに追われる美女アンドレアを助ける。
同じく引退したイリア・クリアキン(デビッド・マッカラム)は
二重スパイだったジャラスへの復讐のため、作戦に参加。
核爆弾設計者の息子スマイスが誘拐され、アンドレアから情報が漏れていた事が発覚。
父親を捕らえられ、脅迫されていたのだ。
スマイスは核爆弾のセットを強要され、尾行したイリアも捕まる。
彼らの目的は、アラブの大統領とデモ隊、そして原発までを爆破する事だ。
発信器で敵の根拠を突き止めたソロは、特殊部隊で攻撃。
ジャラスはスラッシュを利用し、核爆弾を自分の物にする計画だった。
イリアが格闘でジャラスを倒し、スマイスが核の解除に成功。
だが、セフランは逃走し、ソロらは新しい捜査を依頼される。

 と言うわけで、TVナポレオン・ソロの15年ぶりの後日談。
現代的にハードな面を見せようと言う所もあるが、
基本的にバカな設定は抜けず、中途半端な出来に。
続編をうかがわせるラストもお約束と言える。
ジョージ・レイゼンビーが、007を思わせるJBと言う役名のスパイで
ソロを助けるシーンあり。

TV放送 93/07/17  04CH  15:30-16:55
 



007/ドクター・ノオ(007は殺しの番号)(62)

 監督 テレンス・ヤング

 英国ジャマイカ支局長のストラングウェイズが、黒人三人組に殺害された。
交信不通を重視した情報部長M(バーナード・リー)は、
007号ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)を派遣。
支局長は、ミサイルの妨害電波を調査していた。
ボンドは、支局長に協力した漁師クオレルに接触。
CIAのフェリックス・ライターとも共同して作戦に当たる。
クオレルらは、ドクター・ノオ(ジョゼフ・ワイズマン)
という謎の中国人の島クラブ・キーを調査したと言う。
デント教授(アンソニー・ドーソン)がこの島の鉱石を調べたと言うので接触。
教授は、放射能を帯びた鉱石をただの石だと否定。
ボンドのベッドに毒グモがもぐりこむが、ボンドは退治。
総督の秘書ミス・タローに不審を抱いたボンドは、彼女とデートを約束。
途中、不審車の追跡を受けるが、追跡車は勢いあまって谷底へ転落。
ボンドはミス・タローを当局へ引き渡し、襲撃に来たデント教授を待ち伏せして倒す。

 ボンドとクオレルはクラブ・キーに上陸。
密漁する女性ハニー・ライダー(アーシュラ・アンドレス)に会う。
やがて、竜に似せた装甲車が出現。クオレルは火炎にやられ、ボンドらも捕らわれる。
地下の巨大な秘密基地へ連れられ、そこでドクター・ノオの歓待を受ける。
彼はスペクターという組織の一員で、ボンドを仲間にしようとするが、彼は拒否。
独房に閉じこめられたボンドは、通気孔から脱出。
基地ではノオらが、月ロケット妨害の準備を進めていたが
ボンドが装置のハンドルを全開。
装置はオーバーロードになり、基地は爆発寸前。月ロケットは無事発射。
ノオとボンドは格闘になるが、ノオは原子炉に落ちて死亡。
ボンドは捕らわれていたハニーを救出して、爆発する基地からボードで脱出する。

 というわけで、記念すべき007シリーズ第一作。
いろいろと試行錯誤していたのか、おかしなところが多い。
わざわざ支局長行方不明でボンドを送るかとか、
最初からノオが怪しいのに、どうして今まで調査しなかったのかとか、
仕掛のいろいろある通気孔は何かとか。
通気孔などは、原作ではそういう物だと言うような設定になっていたが、
映画では説明不足。仕掛のあるくせに、その行き着く先が秘密基地と言うのもマヌケ。
放射能をシャワーで洗い流すと言うのも強引だが、
ボンドもガイガーカウンターに反応する船に平気でいるとは。
どう見ても、装甲車にしか見えないのに、竜だなどと騒ぐのもおかしい。
あんなに簡単に上陸できたのに、今まで放置されていたのは絶対おかしい。
あの島自体が、ジャングルがあったり、海岸があったり、
ボーキサイト鉱山があったり、地理がかなりおかしい気がする。
CIAのライターと、ハニーはほとんど役に立たなかった。
ハニーは無理矢理相手役を作ったと言う感じ。
ノオがわざわざボンドたちに薬を飲ませて、寝ている所を調べに来るのは
意味があるのか不明。
ボンド自体が意外に不注意が多い気がする。
あのノオ博士が、スペクターの言うなりになっていると言うのもおかしい。
秘密基地が、たかがハンドルを回しただけで、大爆発すると言うのも変。
などなど、小説のあらすじを利用しながら、
スペクターとの対決でシリーズ化しようと言う考えから、変な部分が多い。
でも、ボンドの活躍も最初のうちは、
髪の毛をドアにつけたりなどと、自分にもできそうなくらいシンプルなもの。
このシンプルさと、ノオ博士などの設定などにみられる
いかにもと言う感じが、このシリーズの第1作にしてできていた。
亜流のスパイものと同じような部分がありながら、
そうはならなかったのは、こうしたベースがしっかりしていたからに違いない。

LD
 



007/ロシアより愛をこめて(007/危機一発)(63)

 監督 テレンス・ヤング

 犯罪組織スペクターは、bPブロフェルドのもと大々的な作戦を計画。
チェスの名人bTクロンスティーンの計画で、
元スメルシュのbRクレブ(ロッテ・レーニヤ)が遂行。
目的はソ連の暗号解読器レクターの入手。
同時に、宿敵ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)を倒すと言うものだ。
クレブを味方と信じた、トルコのソ連領事館員タチアナ(ダニエラ・ビアンキ)が
英国情報部員ケリム(ペドロ・アルメンダリス)に接触。
ボンドに一目ボレしたので、レクターを手土産に亡命したいと言う。
情報部長M(バーナード・リー)は、ソ連の罠と承知でボンドを派遣。
ソ連の尾行が着くが、スペクターの殺し屋グラント(ロバート・ショー)が殺害。
怒ったソ連のクリレンコは、ケリムを何度も襲撃。
お返しにケリムは、クリレンコの隠れ家を襲撃。クリレンコを射殺する。
ホテルに戻ったボンドを、タチアナが出迎える。
2人はそのままベッドインするが、その様子はカメラに撮影されていた。

 ケリムはソ連領事館を爆破。その間にボンドは領事館に侵入し、
レクターを奪いタチアナと共に脱出。ケリムと合流し、オリエント急行に飛び乗る。
だが、駅にいたソ連の保安要員ベンツが気づき、彼も飛び乗る。
ケリムはベンツを捕まえて見張るが、相打ちになり、双方が死んでしまった。
ボンドはタチアナに計画を聞くが、彼女には何も知らされていない。
部員ナッシュになりすましたグラントが、ボンドに接触。
彼はタチアナを薬で眠らせ、ボンドの銃を奪う。
彼は筋書きのため、ケリムらを処分し、ボンドを保護してきた。
そして、ボンドらを殺し、タチアナの脅迫状とフィルムを残し、心中に見せるのだ。
だが、グラントはナッシュのケースを不用意に開け、催涙ガスが吹き出す。
ボンドとグラントは格闘。
グラントはワイヤーで首を絞るが、ボンドはナイフを取り出し、グラントを刺し殺す。

 グラントの仲間が列車を止め、ボンドらはその間に下車。トラックを奪う。
国境でソ連のヘリが襲撃。ボンドは狙撃銃でヘリを攻撃、撃破する。
ボンドらはボートに乗ってベニスへ向かう。
スペクターは、ソ連にレクターを売るため、何としても奪わなくてはならない。
ブロフェルドは計画失敗の責任を追及し、クロンスティーンを処刑。
スペクターのモゼニー(ウォルター・ゴテル)の隊は、ボートでボンドらを襲撃。
ボンドは穴の開いたドラム缶を落とし、照明弾で点火。モゼニーらは火に包まれる。
ボンドらはベニスのホテルに落ちつくが、そこへ掃除婦に扮したクレブが現れる。
だが、タチアナはボンドを愛しており、クレブの銃を払う。
クレブとボンドは格闘になるが、タチアナが落ちた銃で撃ち、クレブは死ぬ。

 というわけで、前作がどこかちゃちだったのに対して、
本作はどうしたのかと言いたいほどの大豹変。
それもこれも原作が優れていたからに違いないが、
前作ではあまりうまくいっていなかった、スペクターを絡ませるあたりも
本作ではなかなかうまくいっている。
前作ではドクター・ノオがなかなか正体を見せなかったが、
本作ではブロフェルドが姿を見せない。
これは、昔ながらの伝統という気もするが、なかなかそれらしい。
クロンスティーンがチェスのプロと言うのも、
ほとんど必然性がないが、ぜいたくな設定。
でも、それほど綿密な計画には思えず、グラントがあちこちで
ボンドを守ったりするのが、計画通りだったというのは、ちと余計な気もする。
そうそう筋書き通りにはいかないものだ。
レクター奪取が目的だったわけだが、
結局、タチアナはほとんど役に立たなかった気がする。
ナッシュに不審を抱きながら、これも指命だと話されると、
途端に信用して簡単にやられてしまうあたりはマヌケ。
クレブも、ブロフェルドに恐怖しながら、どうして寝返ったのかわからない。
最後のチャンスと言われてから、ベニスまで何もしなかったのも変。
タチアナが最後にクレブを殺してしまうわけだが、
事情をボンドに知らされていなかったとすれば、反逆行為だ。
クレブもタチアナの寝返りを予想しなかったのだろうか。
などなど、意外にアラは多いもの。
でも、やっぱりグラントとのオリエント急行の対決が出色。
グラント役のロバート・ショーは、ショーン・コネリーより強そうで
本当に殺し合うような格闘シーンは迫力。
もっとも、フィルムがつながらない部分が多少気になる。
列車が舞台となれば、普通は屋根に登ったりするものだが、
走る列車内の一室で、人知れず格闘するあたりは、スパイものの醍醐味か。
グラントが、ボンドに会うまで一言も発しなかったのもいい。
でも、007シリーズとしては、違う方向へ進んでしまった気もする。

LD
 



007/ゴールドフィンガー(64)

 監督 ガイ・ハミルトン

 英国情報部員ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、
マイアミでCIAのフェリックス・ライターと再会。
次の任務は、実業家ゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)に関するものだ。
ボンドは、同じホテルにいたゴールドフィンガーのいかさまトランプを妨害。
だが、秘書ジル(シャーリー・イートン)が、全身に金粉を塗って殺害される。
M(バーナード・リー)によれば、ゴールドフィンガーの金密輸で貨幣価値が混乱。
まず、ボンドはゴルフでゴールドフィンガーに接近。
彼のロールスロイスに発信器を取り付け、スイスの工場まで尾行。
ゴールドフィンガーは、ロールスを純金製にして密輸していた。
さらに、グランドスラム計画の話も小耳にはさむ。
ジルの妹ティリーが現れ、復讐しようとするが、ボンドが止め警備員たちに見つかる。
2人はアストンマーチンで逃走するが、道路が行き止まりになってしまう。
ティリーは逃げるが、用心棒オッドジョブ(ハロルド坂田)に倒される。
ボンドはアストンマーチンの新兵器を使って逃げるが、壁に激突して気絶。
ゴールドフィンガーは、ボンドを工業用レーザーで殺そうとするが、
グランドスラム計画に気づいたと知り、人質のため生かしておく。

 ボンドはケンタッキーの牧場へ連行される。
ゴールドフィンガーは、東西のギャングにグランドスラム計画を説明。
フォートノックス金貯蔵庫周囲の軍隊を神経ガスで倒し、金塊を盗もうと言うものだ。
盗み聞きしたボンドは、プッシー(オナー・ブラックマン)に見つかるが、
協力を拒んで帰るソロのポケットに、発信器とライターへの手紙を入れる。
だが、ソロはオッドジョブに射殺され、残るギャングは毒ガスで殺されてしまった。
そして真の狙いは、金を放射能漬けにして、自分の金の価値を上げる事と知る。
ボンドはプッシーに強引に迫り、何とか寝返らせようとする。
翌日、作戦は決行。プッシーの飛行部隊がガスをまき、軍隊は全滅。
ボンドは原爆に手錠で縛られ、金庫の中に置き去りにされる。
だが、突如軍隊が立ち上がり、私設軍隊と銃撃戦になる。ゴールドフィンガーは逃走。
手錠をはずしたボンドは、オッドジョブと激しい格闘。
オッドジョブは、シルクハットを鉄柵からはずそうとし、
ボンドが電線を接触させて感電死。
軍隊が金庫内に侵入。ボンドは時限装置をこじ開けるが、止め方がわからない。
危機一髪、ライターたちがかけつけ、時限装置を停止。残り時間は007秒だった。
ボンドを愛したプッシーがガスを詰め替え、ライターらに連絡したのだ。
米大統領がボンドをホワイトハウスへ招待。
だが、小型機はゴールドフィンガーに乗っとられていた。
彼はボンドに銃を向けるが、スキを見てボンドが飛びかかる。
機体に穴が開き、ゴールドフィンガーは機外へ。機は急降下。
操縦席のプッシーとボンドは、パラシュートで脱出する。

 というわけで、前作に比べるとかなり荒唐無稽になった。
1作目もそうだったのだが、この作品は完璧にマンガ。
考えてみれば、これからの指命がどういうものかも知らずに、
ゴールドフィンガーに接触したボンドはマヌケだし、
たかが金の密輸で、ボンドとライターが出てくると言うのは、ずいぶんおおげさ。
だいたい、ライターはかなりおっさんになってしまったぞ。
ボンドは簡単に捕まり、新兵器を一通り使うが、実は役に立たず、
どう見てもすれ違う事ができる通路で、むやみによけて、壁に激突するとは。
相手がよけたかも知れないのに。
どうしても姉妹とは思えないジルとティリーが、ボンドのおかげで死んでしまう。
いろいろな機材の輸送に、たくさんのギャングを利用すれば、
それだけ話が漏れる危険があるはずだが。
しかも、彼らにわざわざ計画を説明してから殺すとは。
ソロにいたっては、金を渡してから殺し、後で金を回収するというマヌケさだ。
ボンドは後半ずっと捕まりっぱなしで、ライターはそれに全然気づかない。
プッシーに強引に迫って寝返させるとは、何とも心細い作戦だったわけだ。
軍隊がガスにやられたフリをするというのもおかしいが、
わざわざ倒れる演技までしなくてもいいのでは。
とは言うものの、細かいつじつまは放っておいて、
それらしい展開を重視したと言う意味で、この作品はマンガとして確立したわけだ。
スペクターは1回休みだが、金のためなら何でもすると言う
何ともコミカルな怪人ゴールドフィンガーが登場したので仕方がないか。
何でも金にしてしまうというのは、現実ではありえない怪人だ。
用心棒の、不死身なオッドジョブは、のちのシリーズの敵役の元祖のようなもの。
皮膚呼吸をできなくして殺すとか、気圧の関係で放り出されるとか、
割と知らないと理解できないシーンも、わかると満足。
感電死させるシーンが2回もあるがご同様。
工業用レーザーというのが、SF的ながら、サラリと使われたのがよかった。
最後でボンドが時限装置を止められなくて、困るのはいい。
当時は、ボンドも万能ではなかったわけだ。

LD
 



007/サンダーボール作戦(65)

 監督 テレンス・ヤング

 スペクターは、bQラルゴ(アドルフォ・チェリ)の指揮で、大々的な作戦を実施。
療養中の英国情報部員ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、
リッペ伯爵とアンジェロに不審を抱いて調査。
背骨牽引機で痛い目にあったボンドは、リッペをサウナに閉じこめる。
アンジェロはNATOダーバル少佐そっくりに整形し、爆撃機演習に参加。
他の乗組員を殺害し、機を海に沈める。
だが、かけつけたラルゴはアンジェロを殺害。潜水艇で2基の原爆を回収。
M(バーナード・リー)の召集で、ボンドは退院。
リッペはボンドに復讐をはかるが、人選の失敗を追及され殺害される。
スペクターは英米に大金を要求。さからえば、大都市を原爆で破壊すると言う。
ボンドは、ダーバル少佐が療養所に運ばれた遺体である事に気づく。
そこで、彼の妹ドミノ(クロディーヌ・オージェ)を追って、ナッソーへ。

 ホテルのカジノで、ボンドはドミノの後見人ラルゴと対戦。
CIAのフェリックス・ライターも到着。共同で捜査する。
沖に停泊するラルゴの船を調べるため、ボンドは潜水。船底に出入口を発見。
ラルゴ一味に襲われ、海岸に漂着。フィオナ(ルチアナ・パルッチ)に助けられる。
ボンドとライターはヘリで海を調査するが、すでに周辺は空軍が調査している。
女性助手ポーラが行方不明になり、ボンドはラルゴ邸に潜入。
拷問されたポーラは、青酸で自殺していた。
ボンドは発見され、見張りとプールで格闘。ラルゴはサメを放つが、ボンドは脱出。
ホテルの自室へ戻るが、ラルゴ一味に捕まり、ラルゴ邸に連行される。
スキを見てカーニバルの人混みに逃げるが、フィオナに捕まり、ダンスを踊らされる。
ラルゴ一味が銃で狙うが、ボンドは体を入れ換え、逆にフィオナがやられる。

 ボンドらは海の捜索を続行。サメの動きから爆撃機を発見。だが、原爆はない。
ドミノに事情を説明。兄の復讐を誓うドミノは、協力を約束。
彼女の言葉から、潜水チームの基地を発見。
潜入したボンドは、敵の狙いがマイアミだと知る。チームは海底の原爆を回収。
だが、ラルゴがボンドに気づき、1人と格闘する間に逃げられてしまう。
ドミノはガイガーカウンターで船内を調査するが、ラルゴに見つかり、拷問を受ける。
マイアミに向かうラルゴたちの前に、NATOの潜水チームが急行。
モリの撃ち合いとなり、ラルゴ一味は降伏。ラルゴは船に逃げ帰り、ボンドが追跡。
もう1つの原爆をもって、船は高速で逃走。
船に乗り込んだボンドは、ラルゴたちと格闘。
ラルゴはボンドに銃を向けるが、ドミノが水中モリでラルゴを殺害。
目前に島が接近。間一髪、ボンドらは海に飛び込む。

 というわけで、この話は結局の所、初期の007シリーズの代表作だと考える。
前作ほどマンガチックではないが、やはり荒唐無稽。
ブロフェルドはじめ、いかにもと言う設定。パターン通りの冷酷な連中。
フィオナが珍しくボンドに寝返らなかったのは、なかなか面白い。
でも、この話は長い割に、意外に中身が薄い。
療養所のシーンがエンエンと続くが、本筋とはそれている感がある。
またまた偶然に、スペクターの陰謀に関わってしまったわけだが、
再三対決したボンドの名前や顔を、スペクターの連中が知らないと言うのはマヌケ。
リッペにボンドを復讐させた方がよかったのでは。
どうして、たまたまドミノがラルゴの情婦だったのか、これは謎だ。
これでは、ボンドに気づいて下さいと言わんばかり。
スペクターにはかなり大規模な設備があるようだが、
そんな金があるなら、NATOごときを脅しても始まらないのでは。
もっとも、この後のシリーズでは、もっと非常識な設備が出てくる。
あいかわらず、ライターは役に立たない。
たまには、ボンドに代わって、海に潜ってもよさそうだが。
隣の部屋にいるというフィオナの部屋に、どうしてボンドが行けたのか、
どうしても理解できない。
水中シーンがやたら多いが、会話がない上のでかなり退屈。
ラルゴがボンドに水中で気づくシーンなどは、かなりマヌケな演技。
NATOチームの潜水服の色が違うのは親切だが、
わざわざボンドが着替えたのはマヌケ。
ラルゴには今までの悪役ほど魅力がなく、ちょっと出のブロフェルドの方がいい。
しかし、カーニバルでの追跡シーンや、最後の船の暴走シーンなどは、
スパイ映画の醍醐味という気がする。

LD
 



007は二度死ぬ(67)

 監督 ルイス・ギルバート

 米国の宇宙船が、謎の大型宇宙船に飲み込まれて行方不明に。
米ソの関係は悪化するが、英国は謎の宇宙船が日本付近に着陸したのを確認。
英国情報部員ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は香港に急行。
だが、ボンドは襲撃を受け死亡。彼の殉職は新聞で報じられ、遺体は水葬にされる。
しかし、これは敵の目をそらすM(バーナード・リー)の作戦だった。
ボンドは日本へ潜入。英国情報員ヘンダーソン(チャールズ・グレイ)と接触。
だが、ヘンダーソンは何者かに殺害される。
刺客に扮したボンドは、大里工業という会社に連れていかれる。
金庫から書類を盗み出し、アキ(若林映子)の助けで逃走。
彼女に連れられて、秘密警察のタイガー田中(丹波哲郎)という人物に会う。
実業家に扮して大里工業の社長に面会。会社を出た途端、何者かに襲撃される。
アキの車で逃走。タイガーのヘリが急行。磁石で追っ手の車を海に捨ててしまう。
金庫の書類にあったニンポー丸が、神戸に停泊中と聞き急行。
だが、大里の秘書ブラント(カリン・ドール)に捕まる。
彼女は飛行機を爆破して、ボンドを置き去りにするが、何とか不時着させる。
ニンポー丸は、マツ島という所で積み荷を降ろしているようだ。
Q(デズモント・ルウェリン)が急行し、組立式ヘリ、リトル・ネリーを準備。
ボンドはこれでマツ島へ急行。火山の上空でヘリの襲撃を受けるが、撃破する。

 ソ連のロケットも奪われ、次の米宇宙船が失敗すれば、世界大戦は必至だ。
スペクターは、某国政府の資金援助でこの計画を進めていた。
ブロフェルド(ドナルド・プレゼンス)は、ボンド殺害に失敗したブラントを処刑。
タイガーは火山襲撃を計画。100名の忍者を島に潜入させる。
ボンドも日本人の漁師に整形。だが、ボンドの身代わりにアキが殺されてしまう。
忍者の特訓を受け、キッシー鈴木(浜美枝)と偽装結婚。
火山が人工のドームである事に気づき、侵入。
基地内では、次のロケット打ち上げが準備されていた。
ボンドは、飛行士になりすますが、正体がばれ、飛行士が交代して打ち上げられる。
一方、タイガーらは火口に接近。しかし、機関銃が彼らを妨げ、侵入できない。
ボンドは、ロケット入りのタバコで警備兵を倒し、ドームを開ける。
スペクターとタイガーの忍者隊の激しい銃撃戦。
ブロフェルドは責任を追及して、大里を射殺。
ボンドも殺害しようとするが、タイガーが妨害。ブロフェルドは逃走。
タイガーの援助で司令室へ向かうが、用心棒が現れ、格闘になる。
彼から自爆装置のカギを奪い、ピラニアの池に落とす。
スペクターのロケットは、アメリカのロケットに接近。
米軍は戦闘体制に入りつつあったが、ボンドが間一髪ロケットを爆破。大戦は回避。
しかし、ブロフェルドは基地の自爆装置を作動させたため、火山が爆発。
ボンドらは脱出し、Mの潜水艦に回収される。

 というわけで、ボンドが日本に来るという事で、大騒ぎになったと言う作品。
日本にスパイが来るとなれば、忍者やら力士やら、
いろいろ出さなければならないわけで、かなり奇怪な作品になった。
原作では、最後にボンドが行方不明になり死亡と断定されるわけだが、
映画ではそういうラストにするわけにもいかず、
最初に死なす事で、題名をこじつけてしまった。
しかし、死んだと見せかけて、敵をだますなどと言う子供だましの手が通用するか。
だいたい、この作戦が有効だったようには感じられなかった。
ワルサーPPKを持つのはボンドだけと言っているが、そんな事はないと思う。
海岸に到着し、歩いて国技館へ行くわけだが、距離的に大変なものがあるはず。
もっとも、他の作品でもこういう事はあったかも知れない。
国技館に行くと、わざわざ佐田の山がなぜか控え室でチケットをくれるのは妙。
殺した刺客のマスクをボンドがするのは不衛生。
だいたい、マスクをしただけで、仲間をだませるとは思えない。
大里工業の建物は、どう見てもただのホテル。
地下鉄の下にタイガーの部屋があると言うのも奇想天外。
まして、専用の車両があると言うのはおかしい。
大里工業の金庫に、わざわざニンポー丸の写真が入っていて
「これを撮影した女性は殺された」とメモまで書かれているのはマヌケ。
ロケットが盗まれたくらいで、大戦の危機になるほど世界平和は危うかったのか。
もっとも、冷戦当時はそういうものだったかも。
火山が怪しいなら、すぐ調べればよさそうなのに、100人も忍者を送り込む強引さ。
100人も島民が増えれば、絶対にばれる。
ボンドは日本人に扮して潜入するが、どう見ても日本人には見えず
まして、日本語があんなにヘタなのでは、絶対に怪しい。
結局、周囲は英語で話しており、何のための計画だったのか。
着陸式のロケットはいまだに実現しないし、
だいたい他のロケットを飲み込むと言うのが、技術的にはほぼ不可能に思える。
だいたい、この映画の新兵器のデザインは、総じてセンスが悪いぞ。
火山が最後に噴火するが、どうやって火山に基地を作ったのだろうか。
ブロフェルドは顔を見せたら情けなかった。
用心棒は強そうだが、最後の方にしか出てこない。
などと、日本人が見るとずいぶん変な感じの映画になった。
外国人が見るとどうなのかはわからない。
いずれにせよ、初期のシリーズ過渡期の作品である事は間違いない。

LD
 



女王陛下の007(69)

 監督 ピーター・ハント

 英国情報部員ジェームズ・ボンド(ジョージ・レイゼンビー)は
ブロフェルド(テリー・サバラス)追跡の任務で移動中、
自殺する女性テレサ(ダイアナ・リグ)を助けた。
ホテルのカジノで無謀な賭をするテレサに再会。
支払ができないテレサをボンドが助ける。
翌日、ボンドは男たちに捕まり、某所へ連れて行かれる。
そこには、ヨーロッパ最大の犯罪組織ユニオンコルスの首領であり、
テレサの父親であるドラコ(ガブリエル・フェルゼッテイ)がいた。
ドラコは、精神的に弱いテレサの心の支えになるよう、ボンドに結婚を要求。
ボンドはブロフェルドの居場所を聞き出すため、利用する事を考える。
ドラコから情報を聞き出すが、テレサを愛するようになっていたのも事実だった。
ボンドは、ブロフェルドの弁護士グンボルトのオフィスを捜索。
ブロフェルドがド・ブルーシャン伯爵の称号を要求している事がわかる。
そこでボンドは紋章院のヒラリー卿に扮し、ブロフェルドと会う段取りとなる。

 アルプスの山頂にある研究所へ行くボンド。
ブロフェルドは、世界各地のアレルギーの女性を、催眠療法で治療していた。
ボンドは彼女たちに接近。ブロフェルドの研究の秘密を探ろうとする。
だが、別の諜報員が捕まり、ボンドの正体がばれてしまう。
ブロフェルドは動植物を絶滅させる細菌兵器を開発し、
それを世界中にばらまいて、国連を脅迫しようとしていた。
ボンドは、証人としてケーブルカーの格納庫に閉じこめられるが、脱出。
ブロフェルドは、国々へ帰る美女たちに細菌を渡し、催眠でばらまこうとしていた。

 ボンドはスキーで脱出。下の村のクリスマスの祭の中へ逃げ込む。
逃げ場を失ったボンドはスケートリンクに逃げるが、彼を追ってきたテレサと再会。
彼女の車で逃走するが、追っ手も気づき追跡。
カーレース会場へ逃げこみ、激しいチェースの末、追っ手の車は転倒して炎上。
車は吹雪に巻き込まれて立ち往生。小屋で一晩を過ごす事になる。
テレサを愛したボンドは、結婚のために引退を決意。
翌日、スキーをする2人を、かけつけたブロフェルドらが追跡。
ブロフェルドは雪崩を起こし、2人を巻き込み、テレサを回収。
ボンドは生還するが、国連はブロフェルドの要求を飲む考え。
M(バーナード・リー)もボンドの攻撃を禁止する。
ボンドはドラコの協力で特攻隊を組織し、研究所へ急行。
テレサを救出し、研究所を爆破。
ボブスレーで逃げるブロフェルドを、追跡するボンド。
激しい格闘の末、ブロフェルドは木に首をはさんでしまう。
ボンドはテレサと結婚。
だが、彼らの車を生きていたブロフェルドが襲撃。テレサが死んでしまった。

 というわけで、ボンド役がこれ限りのジョージ・レイゼンビーに代わった作品。
ブロフェルドがずいぶん小粒になってしまって変な感じ。
おまけに、称号に固執したり、引退しようとしたり
恩赦を求めたりと、ブロフェルドらしからぬ行動が目立つ。
前作でボンドとブロフェルドは会っているはずなのに、
双方ともそれに気づかないのは、役者が代わったせいか。
しかし、やたらスケールがでかくなっていた
シリーズの傾向を戻そうとした意識は買える。
ラストがアンハッピーエンドなのも、このシリーズでは珍しいが、
ボンドが決して結婚しないわけじゃないという一面を見せて面白い。
しかし、いずれにせよ、異色の内容という感は否めず、
たまたま別のボンド役者だった事は、怪我の功名だったかも知れない。

LD
 



007/ダイヤモンドは永遠に(71)

 監督 ガイ・ハミルトン

 英国情報部員ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、
宿敵ブロフェルド(チャールズ・グレイ)を追跡。
整形手術で影武者を作ろうとしていたブロフェルドも倒す。
M(バーナード・リー)は、ボンドをダイヤモンド密輸事件調査に当てる。
南アのダイヤの多くが密輸され、しかも闇市場にも出ていないのだ。
ウイントとキッドという2人組の殺し屋が、運び屋を次々と殺害。
ボンドは運び屋ピーター・フランクスに扮して
ティファニー・ケイス(ジル・セント・ジョン)と言う女性に接触。
逮捕されたフランクスが脱走するが、ボンドが殺害。
その遺体にダイヤを隠して、ロスへ密輸。
葬儀会社で火葬にされかかるが、ダイヤがニセ物だったために助けられる。
そこで会った老人が、ラスベガスのホテルでショーをしていると知り、急行。
だが、彼もまた殺されていた。
ここはホワイトという有力者のホテルで、彼は自室から出ない事で知られている。
ティファニーは、手を組むと称して、ボンドからダイヤの有りかを聞き出そうとする。
彼女はボンドの指示でダイヤを納めた人形を回収。
CIAは彼女を尾行するが、まかれてしまう。

 プレンティ(ラナ・ウッド)が、ティファニーと間違えられて殺害される。
ボンドはティファニーに協力させる。
ダイヤを回収に来たバンを尾行。バンはホワイトの研究所へ行く。
何かを作っているのを目撃するが、正体が見破られ、月面車で逃走。
ティファニーの車でラスベガスまで来るが、またもパトカーに追われる。
激しいチェースの末、ボンドは狭い通路を片輪走行で突破。
CIAはホワイトが黒幕とわかるまでは手を出せない。
ボンドはホテルの壁をロッククライミングで最上階へ。
だが、そこには2人のブロフェルドがいた。ボンドが殺したのは影武者だったのだ。
ブロフェルドはホワイトになりすましていた。
猫が飛びついたブロフェルドを射殺するが、実は猫も影武者だった。
眠らさせられたボンドは、ウイントとキッドによって、パイプラインに埋め込まれる。
ネズミ退治装置を、係員が修理にきて脱出。
ボンドはホワイトの別荘へ急行。バンビとサンパと言う女性を倒し、ホワイトを救出。
カジノのティファニーは、ブロフェルドに気づき尾行するが、逆に捕まる。
ボンドらは研究所へ急行するが、すでにダイヤ製の装置はロケットで発射されていた。
レーザー衛星はアメリカ、ソ連、中国の軍事施設を攻撃。
ブロフェルドは、各国に衛星を競売にかける。

 ボンドはブロフェルドがバハに油田施設を作った事に気づき急行。
衛星制御用のテープをすり替えるが、ティファニーが誤解して元に戻してしまう。
ブロフェルドは見せしめにワシントン攻撃を決定。
ボンドは倉庫に閉じこめられるが、ホワイトらのヘリが油田を攻撃。
ブロフェルドは攻撃続行を指示し、自分だけはボートで脱出しようとする。
だが、倉庫を脱出したボンドは、クレーンを奪いボートを管制室へぶつける。
油田爆発寸前に、ボンドらは海へ脱出。
ボンドらは、ホワイトのプレゼントで船の旅に出るが、
そこへウイントとキッドに襲われる。
だが、格闘の末、爆弾ごと船外へ放り投げて倒す。

 というわけで、ショーン・コネリーが1作だけ復帰した作品。
復帰してみると、どこかふけていたからたまらない。体格もデブになっている。
話は前作をなかったものかのように、再びSFぽくなっているが、
施設も他人の物を拝借したり、いまいち規模が小さい。
いろんな登場人物が出てくるが、脚本が消化しきれず、
何やら横道にそれた感じのエピソードが多すぎる。
コンピュータが1つの制御用テープをはずしただけでパーになるなんて。
それ用のシステムを作ればいい気がするが。
ブロフェルドが死んだかどうかは不明。あんな中途半端でいいのか。
割と退屈な感じがある。

LD
 



007/死ぬのは奴らだ(73)

 監督 ガイ・ハミルトン

 カリブ海サンモニク国の首相カナンガ(ヤフェット・コットー)を
調査する英国情報部員3名が殺される。
英国情報部員ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)はニューヨークへ。
だが、運転手が殺され、車は暴走。ボンドが辛くも停止させる。
CIAのライターらが見張っているはずのカナンガが、車に乗るのを目撃。
ボンドは尾行し、スラム街の黒人の店へ行くが、逆に捕まってしまう。
黒人街の顔役ビッグは、ボンドの処分を指示するが、何とかチンピラを倒す。
サンモニクに入国したボンドは、ホテルで毒蛇に襲われるが、即席バーナーで退治。
CIAのロージー(グロリア・ヘンドリー)の案内で、情報員が殺された場所へ。
ロージーもカナンガの一味だったが、ボンドは気づき、カナンガはロージーを処分。
ボンドは人間凧で、カナンガの占い師ソリテール(ジェーン・シーモア)の屋敷へ。
カード占いが恋人と出たため、ソリテールはボンドと寝てしまう。
しかし、この占いは処女でなければ力を失ってしまうのだ。
ボンドはソリテールを連れて逃走。広大なケシ畑を発見。
2人は2階建てバスで逃走。パトカーを振り切り、クオレルの船でニューオリンズへ。

 しかし、空港でビッグの部下によって、ソリテールが捕まってしまう。
ボンドは黒人の店のチェーン店へ行き、またもビッグに捕らえられる。
ビッグ、実はカナンガは、ブードゥー教を隠れ蓑に、麻薬を作り、
タダでばらまき、麻薬中毒患者を増やして、市場独占を狙っていたのだ。
ボンドは用心棒ティーヒーに、ワニ池に置き去りにされるが、ワニの背を渡って脱出。
麻薬精製工場に火をつけボートで逃走。陸も走るボートで、
ルイジアナ警察のペッパー保安官(クリフトン・ジェームス)らの包囲網を次々突破。
追っ手を大型船に激突させ切り抜ける。
ボンドは再びサンモニクに上陸。クオレルがケシ畑を爆破する。
力を失ったソリテールは、儀式のいけにえにされるが、ボンドが救出。
ボンドは死神と恐れられるサメディ(ジェフリー・ホールダー)を倒し、
地下の施設に侵入するが、カナンガに捕らえられる。
カナンガはボンドらを、サメのエサにしようとするが、ボンドはロープをはずす。
格闘の末、カナンガにサメ退治用の圧縮空気のカプセルを飲ませ、破裂させる。
一件落着し、ボンドとソリテールは列車で旅へ。
現れたティーヒーを車外へ放り出すが、列車の後ろには、生きていたサメディが。

 というわけで、ロジャー・ムーア初登場作品。
とはいえ、敵はただの麻薬犯でかなりのスケールダウン。
しかも一国の首相だと言うのに、暗黒街のボスに変装という意図不明のセコさ。
ボンドの使う小道具は、どれもセンスの悪い物。
出てくる黒人はほとんどがカナンガの一味で、ボンドもそれは承知。
これなどは、誰が敵で味方かわからないと言う、スパイ物の面白さを激減させる。
アクションシーンは、とぼけた感じで、ワニの背渡りとか、
2階建てバスで、低いトンネルを渡るシーンとか、誰でもできるつまらない展開。
ボートのシーンは、それなりだが、あんなに延々と続いたのでは
退屈としか言い様がない。
ブードゥー教を持ち出すのは反則。宗教とかを使うと、何でもありになってしまう。
だいたい、最後にサメディが生きていたなんて言うのは、
ボンドが主役の映画のラストとも思えない展開だぞ。
ロジャー・ムーアは線が細くて、黒人の重量感のある俳優たちと
格闘で勝てそうには見えない。
ボートのシーンでは、クリフトン・ジェームスが場面を奪ってしまっている。
これは、ボンドが主役であって主役でなくなると言う
主役不在映画への転機となった作品かも知れない。

LD
 



007/黄金銃を持つ男(74)

 監督 ガイ・ハミルトン

 世界最高の殺し屋スカラマンガ(クリストファー・リー)は、屋敷で殺し屋と対決。
小人の助手ニックナック(ハーブ・ビレシェーズ)の仕掛を切り抜け、相手を射殺。
英国情報部員ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)に、殺しの予告が届く。
M(バーナード・リー)は危険を避け、ボンドを任からはずす。
そこでボンドはスカラマンガを探し、ベイルートへ。
002が撃たれた弾丸を入手し、Q(デズモント・ルウェリン)が分析。
弾丸の作成者であるマカオのラザーと接触。
銃弾を受け取りに来たアンドレア(モード・アダムス)を尾行して、香港へ。
スカラマンガの居場所を聞き出すが、ボンドの目の前で男が射殺される。
殺されたギブソンは、エネルギー事情を一変させるソレックスと言う装置を開発。
英国へ来る意志があったのだが、死体にはその装置はなかった。
ギブソンはバンコックのハイファットの下で働いており、
ハイファットがスカラマンガを雇ったと考え、ハイファットに接触。
ボンドは相撲の力士に襲われ、気絶。
ハイファットの道場で空手の達人と対戦。相手を倒して逃走する。
スカラマンガはハイファットを射殺。
アンドレアはスカラマンガから離れるため、ボンドに殺させようと仕組んでいた。

 ソレックスを受け取るため、キックボクシング会場に呼び出されるが、
彼女はスカラマンガに殺されていた。スカラマンガはボンドに警告して立ち去る。
ボンドは落ちていたソレックスを発見し、
助手のグッドナイト(ブリック・エクランド)に渡すが、彼女が捕まってしまう。
ボンドはスカラマンガを追って、
偶然にもペッパー保安官(クリフトン・ジェームス)の乗った車で追跡。
腐って曲がった橋を利用し、回転しながら対岸へ行くが、
スカラマンガは車に羽根をつけて空へ逃げる。
発信器から中国領海へ逃げたとわかり、ボンドは単身赴く。
待ち受けていたスカラマンガは、ソレックスを各国に競売にするつもりだと説明。
そして、彼は殺しの芸術家としてボンドとの対決を要求。
ニックナックの仕掛で対決するが、ボンドは監視カメラから逃れる舞台裏を発見。
ロウ人形のマネをしてスカラマンガを射殺。
グッドナイトが見張りを倒すが、装置の温度が上昇し、工場は今にも爆発しそうだ。
ボンドはソレックスを回収し、スカラマンガの船で脱出。工場は大爆発する。
船にニックナックが潜んでおり、対決。これを倒して帰還する。

 というわけで、世界最高の殺し屋という発想はよくて、
殺しの芸術家として、1発しか撃てない特製銃と言うのもいいのだが、
ペンやシガレットケース等を組み立てて銃にすると言う発想はいただけない。
小人のニックナックも割といい味。
屋敷のいろんな装置もいいのだが、わざわざいつもそこで対決すると言うのは、
相手に対してアンフェアな気がする。
スカラマンガのキャラクターはいいのだが、それがソレックスなどという物を
狙っている事にしたため、途端にバカバカしくなってしまう。
ボンドは相変わらず不在で、無理矢理再登場したペッパー保安官が
場面をさらうと言うのも変な感じ。
初期に戻ろうとした意気込みが感じられるが、中途半端であった。

LD
 



007/私を愛したスパイ(77)

監督 ルイス・ギルバート

 英潜水艦レンジャーと、ソ連潜水艦ポチョムキンが行方不明に。
KGBは、アマソワ少佐(バーバラ・バック)が調査に。そして、恋人の死を知る。
M(バーナード・リー)は、ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)を呼ぶ。
レンジャーの航路は、熱感応システムで漏洩。システムはカイロで売られると言う。
ボンドは競売するカルバに会い、アマソワと対面。
しかし、カルバは鉄の歯を持つ殺し屋ジョーズ(リチャード・キール)に殺される。
ボンドらはジョーズを追跡。怪力に苦戦しながら、マイクロフィルムを奪取。
MとKGBゴゴール将軍(ウォルター・ゴテル)は手を組む事に。
Q(デズモント・ルウェリン)の分析で、ストロンバーグ商船のマークを発見。
ストロンバーグ(クルト・ユルゲンス)は、サルジニアに海洋研究所を持つ富豪だ。
ボンドらはストロンバーグと対面。ロータスエスプリのボンドを刺客が襲う。
爆弾搭載のサイドカーや、絨毯爆撃するヘリのナオミ(キャロライン・マンロー)。
回避したエスプリは潜水艇になり、研究所を調査。今度はダイバーたちと対決。

 ストロンバーグのタンカー、リパラス号が寄港していない事が判明。
さらに、ボンドがアマソワの恋人を殺した事も。
2人は米潜水艦で、リパラスに接近。機能停止し、船内に回収、捕虜にされる。
ボンドらは捕まり、ストロンバーグの計画を聞く。
彼は、米ソを核攻撃し、世界を壊滅させ、海の世界を作ろうと言うのだ。
ストロンバーグがアマソワを連れて去った後、ボンドは見張りを倒して反撃に。
乗員と協力し、ドックを抑える。続いて、核ミサイルの起爆装置で司令室を爆破。
2つの潜水艦に、双方を攻撃するよう指示を出し、成功。
海洋研究所攻撃が決まるが、ボンドはアマソワ救出のため、単身向かう。
ストロンバーグを射殺。ジョーズをサメの池に落とすが、逆にかみ殺す。
アマソワを救出し、脱出艇で脱出。彼女も、ボンドへの愛には勝てなかった。

 というわけで、007シリーズが大作の傾向に走った作品。
ジョーズを出すあたりでも、お手軽に走ったと言う感が強い。
物語は、出たとこ勝負で、けっこう強引。恋人の写真を持ち歩くスパイとは。
バーバラ・バックが、ちっとも有能そうに見えない。
海軍中将役のロバート・ブラウンは、バーナード・リー死亡後のM役。
音楽は、マービン・ハムリッシュ。

LD
 



007/ムーンレイカー(79)

監督 ルイス・ギルバート

 英国のスペースシャトル、ムーンレイカーが、輸送中にハイジャックされる。
ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)が調査に。シャトルはドラックス製だ。
カリフォルニアの、ドラックス(ミッシェル・ロンズデール)の大工場へ。
NASAのグッドヘッド博士(ロイス・チャイルズ)の案内で遠心力訓練機に。
しかし、用心棒チャンによって、バラバラにされかかる。
ヘリ操縦士コリンヌ(コリンヌ・コレリー)の協力で、書斎の書類を盗み見る。
ドラックスは、裏切った彼女を犬に襲わせる。
ベニスのガラス工場を調査。ゴンドラに乗ると、敵の襲撃を受ける。
夜、再び工場へ。そこには研究所があり、ガスを製造していた。
チャンに襲われるが、これを撃退。グッドヘッドがCIAと見抜き、協力を約束。
だが、M(バーナード・リー)らとガラス工場へ行くと、そこは片付けられていた。

 ボンドは貨物を追って、リオからサントロピエへ。グッドヘッドも来ていた。
ケーブルカーを止められ、ジョーズ(リチャード・キール)の襲撃を受けるが回避。
2人は救急車に捕まるが、ボンドだけ脱出する。
Q(デズモント・ルウェリン)の分析では、ガスは人間を殺すが、動物には無害だ。
ボンドは、原料のランを追って、タパラピ川へ。ジョーズらのボートの襲撃を受ける。
美女に招かれ、ドラックスの基地へ。ドラックスはムーンレイカー各機を打ち上げる。
彼は、欠陥が発生したため、政府のシャトルを奪ったのだ。
ボンドはグッドヘッドと共に脱出。飛行士を倒し、宇宙へ出る。
積み荷は、男女。この計画は、ノアの箱船だ。シャトルは宇宙ステーションへ。
ボンドらは電波妨害装置を破壊。米ソがステーションを発見。NASAが出動する。
ボンドらは捕まり、ガス球が発射。1つで1億人が死ぬ。
醜い人間は殺すというドラックスの計画を利用し、ジョーズを味方に。
非常停止ボタンを押し、突入した米兵と共に撃ち合いに。
ドラックスを宇宙へ放出。ムーンレイカーのレーザーでガス球を追跡。破壊する。

 というわけで、ボンドがついに宇宙に出たという作品。
ラストのロケ地にも宇宙とある。しかし、出たとこ勝負の展開はさらに激しく。
意味もなく、世界を飛び回っている感が。
ランの毒だからと言って、ランの原産地に行くとは。
鳥の猟を利用して、ボンドを処分しようとするまだるっこしさ。
チャンの剣道は無茶苦茶。ジョーズに恋人までできてしまう。

LD