生まれ変わった「007/カジノ・ロワイヤル」(2006年)を見た。

 007と言えば...と言う話は毎回しているので割愛するが、
今回はボンド俳優もいよいよ6代目ダニエル・クレイグに代わり、
それだけでも注目すべきところだが、作品がカジノ・ロワイヤルときた。
カジノ・ロワイヤルは原作を知る者ならすぐにわかるのだが、
イアン・フレミングの原作シリーズの第1作で、
最近は映画用のオリジナルが続いているが、かつて原作の映画化をしていた頃
権利の都合で唯一映画化できなかったのがこの作品なのだ。
当時映画化権を持っていたコロンビアは、映画化に踏み切るのだが、
本家の人気に勝てそうもないと考え思い切ってコメディにしてしまった。
それも5人もの監督が参加し、出演俳優も本家にゆかりのある人まで含めて
豪華な布陣で、主題歌は本家を上回るスタンダード曲になっていたりして
あれはあれで無視する事のできない作品なのだが、
やはり本家のアクションが好きな者としては、気に入らないという声も少なくない。
それが今回本家が映画化権を入手し、リメイクと言うよりは、
初めてまともに映画化する事になったと言うわけ。
バットマン・ビギンズなんかでも、誕生秘話を映画化するという発想があり
まあこういうのも面白いかもねと言う感じ。
予告では「ボンドが生涯唯一の恋に落ちる」とか何とか言っていて
厳密に言えば、唯一の恋があるとすれば、
それは結婚した「女王陛下の007」になるはずだが、それは大目に見るとして
どうやらヒロイン、ベスパー・リンドとの恋に重きを置いているような感じだ。
まあ、原作を読んだ事のある者であれば、
ベスパーがどういう運命になるかは承知しており、そこら辺をどう描くかも見所。

ジェームズ・ボンド 00要員に成り立ての英国情報部員
局長 英国情報部の裏切り者
その部下 トイレで撃たれる
M 007の上司
モロカ テロ組織に関与。ボンドに追跡されフランス大使館に逃げ込む
ディミトリウス テロ組織の男
ソランジュ ディミトリウスの妻
カルロス テロ組織の男。最新飛行機を爆破しようとする
ル・シッフル テロ組織に関与する黒幕
ルネ・マチス 支局員
ベスパー・リンド 財務省から派遣されたボンドの監視役
フェリックス・ライター CIA諜報員
ヴァレンカ ル・シッフルの恋人
ホワイト氏 組織の影の黒幕

 今まで冒頭は必ず、ガンバレルと言って、銃口に向けてボンドが撃つシーンだったが
今回はそれがない。いきなり場面が始まる始末で、戸惑わされる。
ボンド(ダニエル・クレイグ)は英国情報部員で、情報部を裏切った局長のところへ。
局長は、00要員でもないボンドが、自分のところへ来たのを軽くあしらおうとする。
00要員になるのは、最低2人の殺しが必要だったが、
もうあんたの部下は始末したと言う。
これで2人目だと言って、局長を始末するボンド。
1人目は手こずったが、2人目では殺し屋としての一歩を踏み出していた。
その1人目の時は、トイレで局長の部下と格闘。
倒したはずの相手がまだ生きていたので、これを射殺。
このシーンがこの映画の「ガンバレル」になっていて、そのままタイトル曲に。
それにしても、今までいろんなガンバレルがあったが、
場所がトイレで、ボンドのシャツがはだけていたのは初めてだ。
タイトル曲はトランプをデザインしたような感じで、
このタイトルバックも007の見所の一つなのだが、
何かセンスが違う人が物まねしたような感じで、何かピンと来ない。

 その頃、謎のテロ組織がひそかに動いていた。
ボンドは相棒と共に、爆弾魔のモロカを追跡していたが、
相棒の不注意でモロカに感づかれてしまう。
モロカは途端に逃げ出し、ボンドはこれを追跡。
「ヤマカシ」と言う映画があったが、モロカはまさにそんな感じで、
工事現場へ逃げ込み、階下へ飛び降りたり跳んだりはねたり逃げ回る。
ボンドも必死になって追い回すが、モロカほど身軽ではないようで苦戦。
それでも何とか追い回し、モロカはフランス大使館へ逃げ込む。
ボンドはここへも飛び込むが、現れた兵士たちに包囲される。
治外法権の場所で、ボンドも打つ手なしのはずが、
彼はここでも爆破を起こして、モロカを倒し、混乱に乗じて退散。
しかし、彼の起こした騒動は新聞沙汰になり、
国際ルールを無視した「英国情報員の暴挙」に非難が集中。
上司M(ジュディ・デンチ)は、命令に従わないボンドに手を焼く。

 ボンドはMの自宅に忍び込んで、そのアクセス権限を利用したりして
モロカに指示を出していた人物が、
バハマ諸島にいるディミトリウスだと突き止める。
そこでボンドはバハマへ飛び、
彼の愛車アストン・マーチンをゲームで巻き上げたりして
ディミトリウスの妻ソランジュに接近。
ボンドの魅力に負けたソランジュは、情報を漏らしてしまう。
ディミトリウスはボンドの尾行に気づくが、ボンドは彼を殺害。
ディミトリウスと接触した相手カルロスが爆弾を入手し、
何かを爆破しようとしていると知る。
カルロスの狙いは、マイアミ空港でお披露目される新型旅客機だった。
作業員に扮したカルロスは新型旅客機を狙って、
滑走路にタンクローリーを走らせる。
ボンドはこれを追って、ダイハード風の激しい追跡。
そんな風だから、何だかボンドでなくてもいいようなそんな感じ。
走りながら格闘したりして、何とかカルロスを突き落とし、
タンクローリーによる旅客機への体当たりは阻止するが、
かけつけた警官たちはボンドがテロリストと誤解し、彼を逮捕する。
それを見てほくそ笑むカルロスは、リモコンで爆弾のスイッチを押すが
実はボンドは、格闘の最中に小型爆弾をカルロスの服に取り付けていた。
自らのスイッチで自爆するカルロス。
旅客機爆破は阻止されるが、ボンドの無謀にも思える行動は今回もあまり評価されず
作戦のため接近したディミトリウスの妻ソランジュは一味に始末されてしまい、
その事もMに非難される。

 ボンドはディミトリウスの背後に、
さらにル・シッフル(マッツ・ミケルソン)と言う人物がいる事を突き止める。
彼はテロリストを支援しているのだが、彼らが武器を購入するための金を流用。
旅客機の爆破によって、航空会社の株が暴落する事を見込んで、大儲けしようとするが
ボンドの奮戦によってアテがはずれてしまい、大損をしてしまう。
このままではテロ組織に始末されかねない。
そこでル・シッフルは、カジノ・ロワイヤルで大金を賭けたゲームを開催。
世界各地から集まった金持ちたちから大金を巻き上げ、
何事もなかったようなフリをしようとしているらしい。
これを知ったMは、ボンドを送り込む事にする。
ボンドを送る事に抵抗がないわけではないのだが、彼のカードの技術を買ったのだ。
どんな手を使っても、ル・シッフルを負かすのが任務だ。
そのためには元手が必要となり、財務省からベスパー・リンド(エヴァ・グリーン)
と言う女性が、1500万ドルを託す代わりにお目付役としてつく事に。
さらには現地の諜報員ルネ・マチスも支援する事になる。
女性に対し自信満々のボンドは、ベスパーを自分の恋人役としてはべらせようとするが
ベスパーは仕事は仕事、それ以上のつき合いはしないと一線を引くのであった。
しかし、ル・シッフルの命を狙うテロ組織一味が現れ、ボンドらと格闘に。
何とか倒すが、ショックを受けたベスパーはボンドに安らぎを覚えるように。
二人で食事するボンドは、それまでカクテルにもこだわらなかったのだが、
ベスパーが注文した、ステアでなくシェイクするドライ・マティーニを気に入る。

 ゲームが開始。ボンドはゲームを続ける中で、ル・シッフルのあるクセに気づく。
それは彼がブラフ(ハッタリ)を仕掛ける時、目元が痙攣するというものだ。
ベスパーやマチスにそれを説明。彼らもそのクセを認めて、全額を賭ける事に。
だが、それさえもル・シッフルの罠だった。彼は大勝。
目元の痙攣は演技だとうそぶき、ボンドから大金を巻き上げる。
ボンドはさらに軍資金をもらえれば、何とか勝てると言うのだが、
ベスパーは金を出すのを拒否する。
手詰まりとなったボンドに、客の一人が声をかける。
彼はフェリックス・レイターというCIAのメンバーで、
ボンドと同様にル・シッフルを見張っていたのだが、
カードの技術はいまいちでもはや勝てそうにも思えない。
それに対して、ボンドなら何とか行けると考えた彼は、資金援助を申し出る。
おかげで再びゲームに戻ったボンドに脅威を感じるル・シッフル。
今度は恋人ヴァレンカをボンドに接近させ、酒に毒を混ぜさせる。
毒入りの酒を飲んだボンドは、体の異変に気づき、ゲームを退席。
アストン・マーチンへかけつけ、本部へ症状を連絡。
本部は緊急医療キットで処置するように指示。
薬を飲んで心臓マッサージをしろと言われるが、
心臓マッサージキットのコードが抜けていて、万事休す。ボンドの意識が遠のくが、
かけつけたベスパーがコードをつないで間一髪生還する。
ベスパーに命の恩人だと言うボンドは、何事もなかったかのようにゲームに復帰。
ル・シッフルは愕然とする。
次第に金額がつり上がり、ついにボンドとル・シッフルの1対1の対決に。
ボンドが勝利し、ル・シッフルは大金を失う。
これで作戦は成功したかに思えた。

 だが、ベスパーがル・シッフル一味に捕らわれてしまう。
彼女を愛するようになっていたボンドは、
アストン・マーチンを猛スピードで走らせるが、
路上に縛られたベスパーが横たわらせられていた。
寸前に気づいたボンドは急ハンドルでかわすが、アストンマーチンは横転してしまう。
気を失ったボンドは、某所で目覚める。
そこはル・シッフルのアジトで、ボンドは衣服をはぎ取られ
穴を開けたイスに座らせられる。
(そうすると問題の場所がイスの座る所よりも低い位置になるわけ)
ル・シッフルはボンドを痛めつけ、せしめた大金の在処を聞き出そうとする。
重りを入れた布を振り回し、イスの下の部分に当てて痛めつける。
「そこそこ、そこがかゆかったんだ」と強がるボンド。
ベスパーも別の場所で捕らわれているらしく、
マチスが助けに来ると言うと、マチスは我々の一味で
目元の痙攣のクセの話しも彼が知らせてくれたんだと言うル・シッフル。
絶望の中、意識が遠のくボンドだが、そこへ謎の人物が現れる。
組織の殺し屋である彼は、裏切り者であるル・シッフルを始末。
指令にはないボンドについては、そのまま放置して去る。

 何とか生き延びたボンドは、ベスパーへの愛に目覚め、
情報部を辞め、彼女と結婚する事を決意。
一方で、ボンドの報告により、マチスは捕らわれ、尋問を受ける事となる。
万事丸く収まったかに思えたのだが、浮かない顔で立ち去るベスパー。
その後、銀行に入金されたはずの大金が、何者かによって引き出されていたとわかる。
暗証番号を知っているのは、ボンドとベスパーだけだ。
事態に気づいたボンドはベスパーを追う。彼女こそ裏切り者だったのだ。
彼女を追ってベニスだかどこだかの、運河沿いの建物へ。
そこで現れた一味と撃ち合いになるが、爆発が起き、建物自体が運河に沈み始める。
一味を倒し、エレベータに閉じこめられたベスパーを助けようとするボンド。
だが、ベスパーは何を思ったか、ドアを開けようとせず、
そのまま建物と共に沈んでいった。
ベスパーの死にショックを受けたボンドは、人が変わったように冷酷になっていた。
再び情報部へ戻り、00要員として働くと言うボンド。
マチスはシロだったわけねと言うMに対し、いやまだ灰色ですと答え
Mはボンドの、スパイとしての成長を感じる。
テロ組織の黒幕、ホワイト氏は建物を出ようとした所を何者かの狙撃を受ける。
見下ろすボンドに弱っているホワイト氏は、「おまえは誰だ」と聞くと
ここでようやく決めゼリフ、「マイ・ネーム・イズ・ボンド、ジェームズ・ボンド」
と言って、劇中ほとんど流れなかったボンドのテーマが高らかになって
エンド・クレジットとなるわけ。

 と言うわけで、冒頭からいきなり映画が始まってしまい、
あっガンバレルがないと言う事に気づく。
前作「ダイ・アナザー・デイ」でもガンバレルがなくなるという噂があったが
実際はそんな事はなく、やはりアレ抜きでは語れないと思われたのだが
語れないはずのアレをはずしてきたわけ。
プレタイトルではボンドが00要員に昇進するための任務が軽く描かれ、
その後ようやくガンバレルが。
(これが服ははだけていて、しかも場所はトイレだ)
見せ方は面白いが、何かしっくり来ない物を感じる。
続くタイトルバックは、トランプをデザインした物で
シリーズのタイトルバックを期待する者としては、何かセンスが違うという感じ。
本編が始まると、Mからの指令もなく、ボンドは勝手に任務を展開。
ちょっとワイルドな感じでボンドらしくない。
いや、これはボンド映画ではない。と中盤感じさせる雰囲気。
空港での派手なアクションなど見せるが、何かボンド映画でなくてもいい感じ。
後半になり、いよいよルシッフルとの対決に。
ここで運命の女ベスパー・リンドが登場。
まだ洗練されていないボンドとベスパーのやりとりは、
あっ、これは本当の恋に落ちたと言う事を納得させるための伏線だったのか
と感じるようになる。
過去のシリーズ作品では、ボンドガールとの恋と言うのは添え物的で
結婚した「女王陛下の007」でさえ、そんな雰囲気があった。
しかし、今回は恋に重きを置いている事が感じられ、
それがエンディングに通じている事に気づく。
ルシッフルとのカード対決は、アクション的な見せ場の乏しい感じで
まあ何とか見せ方で興味を維持している程度。
と言うか、コメディとは言え、
長年ルシッフル=オーソン・ウェルズと思ってきた者として、
どうも「チャーリーズエンジェル」の痩せ男みたいなルシッフルはピンと来ない。
その後、ルシッフルの拷問シーンや、謎の殺し屋の登場など
原作を知る者としてはおなじみのシーンが展開。
ボンドが辞職を決意する所は、やはり「女王陛下」を連想させるが意外な展開に。
最後に黒幕的人物を倒し、冷酷になったボンドが初めて名前を名乗り
ようやく高らかにボンドのテーマが流れると
「ああ、こういう手もあったのね」とちょっと感心させられた。
(個人的には、バットマンビギンズみたいに
Mから「次の任務があるの。ジャマイカで怪電波が出ているらしい」
なんてのを期待したが)
全体としてボンド誕生の秘密と、女王陛下以上に納得できる彼の恋愛を描いており
序盤不安になったにしては面白い出来になっていると言える。
しかし、それもこれも個人的に007ファンだから言える事であり、
それほどでもない人が見た時に、どれほど面白いと感ずるかは微妙な所。
と言うか、それほどのファンでない人は、やはり秘密兵器とか出てくるから
007は面白いと思っているはずで、
本作の路線が続くと、シリーズとしてはちょっとつらい気もする。
 



まさかの続編「007/慰めの報酬」(2008年)を見た。

 007と言えば。。。と繰り返し説明するのも何なので、シリーズ新作登場。
ボンドも6代目ダニエル・クレイグとなり、
物語は小説の第1作カジノ・ロワイヤルを念願の映画化。
長年のシリーズで築き上げたスマートなスパイ像はなく
スパイに成り立てですぐ暴走する頃を描き、
これと言った秘密兵器もなければ、ボンド映画の様式美もない。
何か007ぽくないなと思いつつ、歴代トップのヒット。
(物価の差があるからね)
次はもう普通に戻るかと思えば、何と前作の続編で、
シリーズ初の明確な続き物との事。
時間は1時間半と短めで、前作が2時間半だったから
だったら2時間ずつにしろよと言う気もするし。
何はともあれ、見ない事はあり得ないので先行でさっさと見た。

英国情報部関係者
 ジェイムズ・ボンド 英国情報部員。007になりたて。愛するベスパーを殺された
 M 英国情報部MI6のトップ
 ビル・タナー Mの幕僚長
 ミッチェル Mの護衛。実は組織の一味
 ルネ・マチス 元局長。前作でボンドに裏切者とされ引退した
 フィールズ ボリビア駐在員。ボンドの監視をする事に

CIA関係者
 グレゴリー・ビーム 南米局長。組織と通じてる
 フィリックス・ライター 前作でもボンドに協力した

組織関係者
 ホワイト 前作にて背後に存在した人物
 ドミニク・グリーン 慈善団体のトップ。実は組織の一員
 カミーユ ドミニクの愛人だが。
 メドラーノ将軍 組織とつながる元将軍。カミーユの家族を惨殺した過去あり
 ベスパーの彼氏 実は組織の一味

 冒頭は今回もガンバレルなしで、カメラが湖の上を滑るように移動。
対岸の道路へ来ると、そこに走るアストンマーチンがいきなり加速。
もちろん運転するのはボンド。何やら追跡する一味とカーチェイスに。
石の壁の狭い道をすり抜け、トレーラーとかに車体をこすり、撃ってくる一味。
前作でも一台壊したばかりなのに、また支給されるとはMI6も気前がいい。
警察が気づくが、三つどもえになったりはせず、
もっぱらボンドと一味のチェイスが続く。
車は道路からはずれ、工事現場みたいな所へ。
運転を誤り崖から落ちる一味の車。
ボンド側はドアがはずれ、マシンガンで応戦。
この工事現場のチェイスは、何かドクター・ノオのチェイスのリアル版と言う感じ。
もう1台も倒すと、ボンドは石のレンガに囲まれた狭い通路を通って某所へ。
そこでトランクを開けると、中には前作のラストに出てきたホワイトが。
「さあ出ろ」と言うボンド。
ここで前作のようにガンバレルが出てくる事もなく、テーマ曲に突入。

 闘牛だかの祭りをするとある広場の近くの建物。
そこにはボンド、そしてM、幕僚長のタナーらが集まっていた。
Mはボンドがベスパーの復讐心を持っているのではと心配するが
ボンドは心配無用と言う。
ベスパーが裏切った原因である恋人は死体が見つかったとされたが、
それは別人である事が判明。どうやら「恋人」は一味でベスパーは利用されたらしい。
ボンドらはホワイトの尋問をする事に。
組織の事を何も知らないくせにと笑うホワイト。
突然、Mの護衛であるミッチェルがホワイトを射殺?
(射殺したんだと思うけどバタバタしてよくわからず。その後再登場はせず)
Mらにも発砲し逃走。下水道みたいな通路を抜ける。
ボンドも追跡。彼らは地上へ出て、ミッチェルは祭りの人混みの中で発砲。
騒ぎになり、さらに屋根の上に上がるミッチェル。それを追うボンド。
またもヤマカシ風に屋根から屋根へ飛び移ったりして追跡。
格闘になり建物の天窓を破って工事中の部屋へ落ちる。
ボンドはロープが足に絡まり宙づりに。銃も落としてしまう。
一方ミッチェルは足場の上で銃を取り撃とうとするが、間一髪ボンドが射殺する。

 Mはミッチェルが8年間彼女の護衛をしており、
信頼しきっていただけにショックを受け、組織の不気味さを感じる。
それだけに、手がかりであるミッチェルを簡単に射殺したボンドを責める。
続いてボンドは、ミッチェルのつながりを追ってボリビアへ。
とある男のホテルを訪ねる。
そこに潜んでいた男と格闘に。これまた簡単に倒して外へ。
ロビーで男に扮して預けられていたアタッシュケースを受け取り外へ。
すると車の女性が乗れと言う。
どうやらケースを見て、約束をした地質学者と思いこんだらしい。
中の書類は白紙で、だまされたと気づく女カミーユ。
ボンドは彼女が命を狙われていると忠告するが、カミーユはいきなり発砲。
車から避難し、立ち去る車をバイクで追跡する。
カミーユは港にある私有地へ。ボンドは外からひそかに見張る。
グリーンという男の所へ行き、だましたわねと怒る。
彼女はグリーンの愛人だったが、その真の目的はばれていて始末されかかったのだ。
地質学者という男は港に沈められていた。
彼女の目的は、家族の敵というメドラーノ将軍に復讐する事。
将軍は失脚したが、グリーンがクーデターの費用を出す事を約束。
その代わりとして、砂漠の土地の権利を要求。
将軍に言わせれば、石油も出ない土地なのだが。
グリーンは、カミーユの目的を知りつつ、彼女を将軍に引き渡す。好きにしていいと。
将軍もまた彼女の目的を知りつつ、慰み者にしようと船へ。
これはいかんと、ボンドはバイクで近くのボートに飛び移り
さらにボートを将軍の船にぶつける。
衝撃で倒れた将軍を殺そうとするカミーユだが、ボンドは彼女を連れ出し脱出。
復讐は後だと港内を走り回り、一味を倒す。
戦いの中で頭を打ってカミーユは気絶。ボンドはホテルのボーイに渡して立ち去る。

 また手がかりを殺したと責められるボンドだが、グリーンを調査しろと依頼する。
グリーンは環境団体のトップで、犯罪とは無縁そうだ。
MはCIAに問い合わせると、南米局長ビームに回される。
ビームはグリーンについて何もつかんでいないと言うが、その傍らにはライターが。
Mはボンドが真相に近づいていると直感し、ボンドのため飛行機を手配する。
グリーンは専用機で移動。その機にはまさにビームとライターがいた。
実はビームはグリーンの悪事を知りつつ、利害が一致していると称し手を貸していた。
ライターはそんな関係に不満げだ。
グリーンはボンドの写真を見せ、こいつが邪魔だと言う。
ビームは知らないと言い、
ライターは前作で一緒に戦っているので知っているのだが、知らんと称する。
だがグリーンは自身の情報網で、それがMI6のボンドだと知っていた。

 ボンドはグリーンを追って、某所のオペラ会場へ。
ここへはグリーン以下、組織の幹部たちが集まっていた。
彼らは受付でもらった袋の中のイヤホンを耳に。
席は全員バラバラなのだが、会話は互いに聞こえていて、
会議になっているという寸法だ。
見張りを倒したボンドは、イヤホンを奪い、「場所を変えて話さないか」と言う。
一同はやばいと感じ、あわてて立ち上がって退散。
ボンドはそれが一味と考えすかさず撮影する。
出口でグリーンと対面し、一味の手下と格闘に。
最後に残った男から一味について聞こうとするが、何も語らず、
建物から突き落として倒す。
ボンドは幹部らしき一味の写真をMに送ると、
それがロシア、米国、そして英国などの重要人物と判明。
ボンドが殺したのは英国の重要人物の護衛だ。
大臣は事態を重く見る。ボンドは証拠もないまま重要人物に疑いをかけ
手がかりを次々殺している。すぐに止めろと言う。
再三のMの命令も聞かないため、ボンドのカードを停止する事に。
ボンドは、空港でカードが無効と言われ事態に気づく。
そこで彼はマチスに助けを求める。
マチスは、前作でボンドの誤った報告で裏切り者とされ、
疑いは晴れたが引退して別荘で暮らしていた。
そんな彼にグリーンを追ってボリビアへの旅券がほしいと頼む。
自分を陥れた男に反発するが、結局受け入れるマチス。一緒に飛行機で移動する。
ボンドは眠れず、ベスパーが作ったマティーニを飲み続ける。

 空港でボンドを待っていたのは、Mの手配で来た女性駐在員フィールズだ。
ロンドンへ送り返せと命じられたが、次の便は1日後なのでホテルへ。
経費節減で安ホテルへ連れて行かれるが、
ここは気にいらんと勝手に高級ホテルへ切り替えるボンド。
フィールズは結局ボンドの魅力に勝てずベッドイン。
マチスの所へグリーンから招待状が来たと、一同は慈善パーティへ。
グリーンは環境保護を訴え、資金援助を求めるが
現れたカミーユが裏の悪事をほのめかす事を言い出したので不発に。
怒ったグリーンはカミーユにキスしつつ突き落とそうとするがボンドが止める。
ボンドらは退散。殺し屋が追おうとするがフィールズが転ばせる。
ボンドらは車で去るが、これを警官が止める。
実はこの警官も一味でトランクを開けさせられると、
そこには傷つけられ弱っていたマチスが。
一味を格闘で倒し、マチスにかけよるが虫の息。君を許すと言って死ぬ。
ホテルへ戻ると「逃げて」のメモが。部屋に戻るとそこにはMがいた。
Mは、ボンドがマチスと警官を殺した容疑で手配されていると告げる。
グリーンの話も証拠がない。
そしてベッドルームにはオイル漬けにされたフィールズの死体が。
その構図はまさに「ゴールドフィンガー」のジルと同じだ。
Mはボンドを連行するよう指示。部下が手錠をするが
手錠をしても彼らより強く、たちまち倒して退散。
再びMと対面し、グリーンを追うと告げる。
Mもまた上への命令には従いつつ、ボンドを信じて見逃す。

 ボンドとカミーユは車を売って飛行機を買い、グリーンの狙う土地を探る。
実はカミーユを担保にしてようやく入手したと白状。
途端に敵機の銃撃を受け、黒煙を上げる。
敵を断崖にぶつけて倒し、2人は1つのパラシュートで脱出。
断崖のすきまの地下へ着地する。
そこには大量の水が蓄えられていた。
付近は水不足で苦しんでおり、
グリーンは水をせき止めて村人に高額で売ろうとしていたのだ。

 グリーンは証文を持って、将軍とホテルで取引していた。
このホテルは太陽電池でエネルギーを蓄えているという施設だ。
ボンドとカミーユはここへ乗り込む事に。
カミーユは将軍を殺すのが目的だと告白。
彼女の父は将軍の政敵だったが殺され、母と姉もレイプされ殺されたのだ。
ボンドは復讐は心を惑わす、冷静さを保てとアドバイス。
2人は施設へ乗り込む。
将軍は証文にサインをすると、悪い癖で給仕の女性を襲おうとするが
カミーユが乗り込んで格闘に。
一方ボンドも大暴れで、何やらあちこちで爆発が始まる。
逃げようとするグリーンと格闘に。
たたきのめすと、グリーンは、おまえに触れた者は皆死ぬと嫌みを言う。
急にカミーユの事を思い出したように、グリーンをそのままにしてかけつける。
カミーユも将軍を倒していたが、火の手が広がり脱出不能。
ボンドが部屋に突入。もはや観念しているカミーユだが
ボンドがタンクを撃つと爆発して壁が壊れ、そこから脱出する。
ボンドは逃げているグリーンを捕らえる。
砂漠の真ん中にグリーンを置き去りにする事に。
俺が殺さなくても組織に殺される。のどが渇いたら飲めと
1本のペットボトルを渡して去る。
村へ行くボンドとカミーユ。グリーンの技術陣を使えば水は戻るだろう。
復讐で心は安らかにならない。死者は復讐を望まないと言うボンド。
あなたの心に安らぎをあげたいとキスするカミーユ。
普通なら最後にラブシーンだがそれもなく立ち去る。

 某所。親しげなカップルがアパートへ。部屋で待っていたのはボンドだ。
男に銃を突きつける。女はカナダの情報部員だった。
男はベスパーの「恋人」だった男で、女からも情報を奪おうとしていた。
ボンドは女を逃がす。男は殺せと言うがボンドは手を出さず逮捕させる。
外で待っていたMは、意外だったと言う。
グリーンは砂漠で撃たれた死体で見つかった。
復帰してと言うが、辞めたつもりはないと言って去るボンド。
そしてここで昔ながらのガンバレルが出て、エンディングへ。

 と言うわけで、長いことシリーズをやっていると様式美と言うのがあって
007にもいくつかの決まり事がある。
 ・オープニングは銃口に向かって撃つガンバレルで始まる。
 ・主題曲の前にちょっとエピソードがある。
 ・主題曲の後で事件の概要の説明がある。
 ・どこかで「マイネームイズボンド」と自己紹介がある。
 ・悪役とボンドガールは突き詰めると1人ずつ。
 ・最後はこのボンドガールとラブシーン。
 ・エンディングは主題曲がもう1回流れる。
 ・エンドクレジットの最後で、次回作をお楽しみにと出る。
多少守られない事もあるけど、おおむねこんな感じ。
かなり重要なところがガンバレルだったが、前作でこの使われ方が崩され
なくなってはいないが、主題曲の前へ移動。
今回はさらに後ろへ行って、エンドクレジットの前に。
まあこのルールも前作で破ってしまったので、逆にこの使われ方は面白いかも。
 逆に過去の作品のオマージュと言うべきシーンもあって、
冒頭のカーチェースはひょっとすると、製作サイドも意識してないかも知れないけど
第1作「ドクター・ノオ」のカーチェースに似てる。
第1作は「ブリット」前なので車も合成だったりしたが
今回は本物カーチェースでリアル版リメイクと言う感じ。
そして協力者である女性が、オイル漬けで殺されるシーンは
明らかに第3作「ゴールドフィンガー」の焼き直し。ポーズまで同じ。
 物語はベスパーの死の背後に存在する謎の組織を追う話で
今後のシリーズで、現代のスペクターになって行くのかと言う気もするが
未だ多くは語られず、巨大基地を構えたりはしていない。
いろんな国の重要なポストに幹部が存在。
会議も実際には会わず、マイクで話すだけという設定が面白い。
怪物的殺し屋も出てこない。
 物語はスピーディで、いささか人物関係とかわかりにくいところもあり
前作の続きという点もあって、ちょっとつらい感も。
その間に派手なシーンが次々出てきて、結局どういう事なんだろうと
頭の中で整理するような余裕も与えず、どんどん進行していく感じ。
いわゆるボンドガールもちょっとキスするだけで
お約束のラブシーンもなく、単なる協力者という程度。
Mには否定してたけど、やっぱり個人的な復讐で展開。
小説でおなじみマチスは殺され、タナーは相変わらず影が薄く
レイターはCIAでも下っ端という感じ。
 今回も単品としては面白いんだけど、シリーズとして今後どうなっていくのか。
そろそろ普通になってほしいものです。
 



これでいいのか「007/スカイフォール」を見た。(2012年英)

 007について改めて語るのはしつこいから抑えめにして、
6代目ダニエル・クレイグが主演の3作目。
ダニエルになってから、作風が変わり、007の様式美も崩れハラハラさせられる。
本作は、アメリカンビューティでアカデミー賞を取ったサム・メンデスが監督。
この作品自体がアカデミー賞を狙えるのではと言われ、Mの命を狙うなんて敵と対決。
評判もよく、ちょっと長いけど、期待して見る。

ジェームズ・ボンド 英国情報部員007号(ダニエル・クレイグ)
M MI6の長(ジュディ・デンチ)
シルバ 元英国情報部員(ハビエル・バルデム)
イブ 英国情報部員。現場でボンドと行動
マロリー MI6を統制(レイフ・ファインズ)
Q 装備担当
ビル・タナー 幕僚長
セブリン 敵に操られてる女
パトリス リストを盗んだ
キンケイド スカイフォールの番人(アルバート・フィニー)

 今回も冒頭のガンバレルなし。
ボンドは某所にかけつけるが、仲間は重傷を負っている。
応急処置をしようとするが、指示を出すMは、いいからリストを追えと言う。
MI6のスパイリストが奪われたのだ。
建物を出ると、仲間のイブが車で来ていて飛び乗る。
逃げる敵の車を追跡。
撃ち合いで横転させるが、這い出した敵は、追跡してきた警官のバイクを奪い逃走。
ボンドもスーツのままバイクに乗り追跡。
道がふさがれてるので、階段から屋上に上がり、
屋根の上を逃げる敵とそれを追うボンド。イブも車で必死に追跡。
敵は列車に飛び乗ったため、ボンドも橋の欄干からジャンプして列車の屋根に。
撃ち合ったりする。
敵が連結機を撃ったため、ボンドの乗ってる貨車は次第に離れてしまう。
そこでボンドは、貨車に積まれたショベルカーに乗り込み、
ショベルを盾に敵の弾を防ぐ。ショベルカーを進め、隣に積まれていた車を踏み潰す。
通信でイブと連絡してるMは、その物音に「今のは何?」と聞く。
「フォルクスワーゲンです。たぶん」と答えるイブ。
ボンドはショベルの部分を列車に食い込ませ、上を伝って前の客車にたどり着く。
屋根の上で敵と格闘に。
並走していたイブだが、道路が行き止まりで、列車はまもなくトンネルに。
このままでは見失う。
イブは狙撃態勢に入るが、格闘しているため、ボンドに当たる可能性もある。
ためらうが、Mは撃てと言い、弾はボンドに命中。
ボンドは下の川に落ちるのだった。
ここでアデルによる主題歌のタイトルバック。

 ボンドは死んだものとされ、Mが死亡記事を書く。
MI6を統括する組織から来たマロリーは、今回の件を失態と責める。
リストが漏れた事により、既に数名が殺されたのだ。
Mは取り合わずにいたが、彼女が外出し、車で移動している際に、
MI6本部が爆破される事態に。
某所で悠々自適な生活していた、生きていたボンド。
本部爆破のニュースを見て、舞い戻る事を決意。
Mの家に現れ、彼女を驚かせる。
任務に疲れたボンドは、死んだと思われた事を好機と考え、
そのまま死んだフリをしていたのだ。
じゃあ、なぜ舞い戻ったの?この危機に自分が必要と考えたのかも知れないけど、
あなた抜きでも解決できた的な事を言うM。一応、復帰には検査が必要と言う事に。
本部は爆破されたため、チャーチルがシェルターに使っていたと言う地下に移設。
ボンドはイブと再会。彼女はマロリーの部下に。現場には向かないかもと言うボンド。
自身は体力検査などを受ける事に。
心理テストでは、Mから連想する言葉としてくそばばあと言い、
スカイフォールと言われると勝手にテストを切り上げてしまう。
スカイフォールが何かは、この時点ではわからない。
射撃テストでは、敵に撃たれた傷のせいか、的にうまく当たらない。
ボンドは傷を自ら切り開き、弾の破片を取り出す。
それを幕僚長タナーに分析させる。
その結果、弾は特製で、それを使う者は3名しかいないと判明。
顔写真からパトリスこそ敵だと突き止める。パトリスは上海にいるらしい。
Mはボンドは合格だったと復帰を許可するが、
実際は射撃も心理テストも不合格だった。彼女は、ボンドの何かに賭けたのだ。
ボンドは美術館で兵器係と待合せする事に。
現れた新任の兵器係Qが若造だったので困惑するが、Q本人は若くても凄腕だと言う。
天才ハッカー風だ。
そんなQが渡したのは、
ボンドしか撃てない仕掛けがあるワルサーPPK、そして発信機だけだった。

 ボンドは上海の高層ビル街へ。
パトリスを見張り、彼が警備員を倒して、エレベーターに乗るのを見て、
その下に飛びついて目的の階まで上がるボンド。
体力が衰えたか、ぶら下がるのはちょっときついが、
何とか目的の階へパトリスに気付かれずに到着。
パトリスは向かいのビルにいる男を狙撃。標的を倒すが、隠れていたボンドと格闘に。
ボンドはパトリスを死なせてしまい、手掛かりを失ってどうするのとMに怒られる。
向かいのビルにいた女に見られ、パトリスの持ち物からカジノのチップを発見。
そこでマカオにあるカジノに乗り込む事に。
チップを渡すと、殺しの報酬らしき大金を渡される。
さらに向かいのビルにいた女セブリンに声をかけられる。
彼女は敵の一味だが、どうも脅されてるらしく、助けてやると言うボンド。
セブリンは動揺するが、そんなの無理と言い、この後あなたは取り巻きに襲われるが、
もし切り抜けられたら船に来てと言って立ち去る。
たちまちボンドは男たちに襲われ、箱庭みたいなところで格闘に。
ボンドは銃を奪われるが、本人でないので弾は出ず、
箱庭になぜかいるコモドドラゴンみたいなのに襲われる男。
ボンドは無事店を出て、出航しようとしていたセブリンの船に飛び乗る。
ボンドが切り抜けた事に意外だった様子のセブリンとラブシーン。
だが、敵の本拠が近づくと、
引き渡さなければならない的な事になり、捕らわれるボンド。

 敵の本拠の全景は、長崎軍艦島を撮影。
毒を流したとデマを流したため、住人がいなくなった無人の島だ。
ボンドの前に現れたのは、同様にMの部下だったシルバだった。
彼は優秀なスパイだったが、ある作戦で暴走し、
その結果Mに見捨てられ、恨みを持つようになったのだ。
シルバは例え話をする。
ある男が、ナッツだかをネズミに食われて困っていたので、罠を仕掛けた。
すると大量のネズミがかかったが、男はそのまま放置。
しばらくすると生きていたのは2匹だけになり、ナッツを与えても食べなくなった。
彼らは共食いしか出来なくなったのだ。
そして我々が、2匹のネズミだと。
シルバは仲間になれと誘うが、反発しながらも、Mに背を向ける気のないボンド。
それでは賭けをしようと言うシルバ。
結局、裏切り者とされたセブリンの頭の上に酒を入れたグラスを置き、
交互に撃ってどちらが先に空にするか競うと言うのだ。
先にボンドが撃つ事になるが、手が震えてまともに撃てそうもない。
仕方なく外すボンド。
やれやれと言う感じで、シルバはセブリンを撃ち、倒れて酒はこぼれる。
これで今回のボンドガール出演シーンは終わり。
ショックを受けてると装い、たちまち手下を倒したボンドは、シルバとにらみ合いに。
その時、ヘリがアジト上空に到着。なぜここが、と驚くシルバ。
するとボンドは、Qの装備を見せ、いわゆる発信機だと説明。
シルバも凄腕なら持ち物検査しろよと言う感じだが。
シルバは拘束され、強化ガラスの部屋に入れられる。羊たちの沈黙風だ。
Mは大臣による審問を受ける事になり某所へ移動。
Qはシルバのパソコンを分析。
解読に苦戦するが、ボンドは地下鉄の駅名が隠されている事に気付く。
地下鉄で何かする仕業だと考えるが、
気が付くとシルバが見張りを倒して逃走していたと判明。
地下鉄に乗って逃げるシルバを追跡するボンド。
Qが付近の状況を確認し、無線で指示。24風だ。
ロンドンの人混みの中をボンドが追跡する光景は、なかなかに異色。
線路の地下みたいなところを移動するシルバを追い詰めるボンド。
だがシルバは、いわゆる発信機を取り出して、爆弾を爆破。
床が抜けた状態となり、走ってきた地下鉄が突っ込む事態に。
その混乱に乗じて、シルバはMが審問を受けている会議場を襲撃。
会議場の近くに地下鉄が走り、
爆破によりMI6が地下鉄の近くに移転する事も計算ずくだったのだ。
会議場は撃ち合いになり、マロリーが負傷。
ボンドがかけつけ、消火器を撃ったため、煙幕が張られた状態となり、
やむなくシルバは退散する。

 Mは車で退散するが、一緒に乗ろうとしたタナーが置いてかれる。
実はボンドが運転手に扮していて、独断でMを避難させようとしたのだ。
まず、某所で古いアストンマーチンに乗り換えさせる。
悪態をつくMに、ギアにあるボタンを押すフリをするボンド。
もちろんゴールドフィンガーに出てきた、
助手席の敵を放り出す機能を使うぞと言う意味だ。
ボンドが暴走したと知るタナーらだが、これがシルバをおびき寄せるためだと気付く。
派手に動けば怪しまれるが、適度にパン屑を落とすようにするば、食い付くはずだ。
ボンドはスカイフォールと言う場所へ。
そこは、ボンドが生まれ育った屋敷で、今は管理人のキンケイドが1人で守っていた。
ボンドらは、ここでシルバを迎え撃つため、ホームアローンみたいに罠を仕掛ける。
やがて一味が現れ、撃ち合いに。
仕掛けで倒したり、アストンマーチンの機関銃を遠隔操作で撃ったり。
(この機能はゴールドフィンガーの時はなかった)
だがアストンマーチンは簡単に破壊されてしまい、敵ヘリも銃撃。Mは負傷する。
ボンドはキンケイドに、地下通路を通って、離れた礼拝堂へ行くよう指示。
自らはガスを放出。
ちょっとためらうが、ここは嫌いだったと言って、屋敷を爆破する。
これでヘリが墜落したりする。
シルバはボンドが死んだか調べさせつつ、Mが礼拝堂に行った事に気付いて追跡。
ボンドは凍った池の上を移動し、シルバの手下と格闘。これを倒す。
シルバはMを捕らえ、彼女に抱きつき、自分と一緒に頭を撃ち抜こうとする。
これぞ最高の幕切れだ的な事を言って。だが、かけつけたボンドがナイフを投げる。
刺されたシルバは、
ボンドが自分の気持ちを理解できなかった事が意外そうな顔をして死ぬ。
俺が最後のネズミだと言うボンド。
Mは遅いわよなんて軽口をたたくが、実は意外に深手を負っていて危険な状態だ。
ボンドは助けを呼ぶと言うが、もう手遅れだ、
あなたを選んだ事は違ってなかったと言って死ぬ。

 ボンドが屋上でたたずんでいると、イブが声をかける。
Mの遺言で、ブルドックの置物が渡されたのだ。
本部が爆破された際も無事だった、ボンドがちょっとバカにしていた代物だ。
イブは、結局現場を離れる事を決意。
本名言ってなかったわね、イブ・マネペニーよと言う。
もちろん、Mの秘書ミス・マネペニーだと言う訳だ。
一方、マロリーの所にも挨拶。ボンドはMと声をかける。
もともとMとは略称のはずだったが、いつしか「新任のM」なんて言われる役職に。
まあ、マロリーだからどっちでもいいんだけど。
新しい任務があると言う新任のM。
シリーズ継続を思わせる終わり方で、最後に移動したガンバレル。

 と言うわけで、冒頭にガンバレルがないのは諦めました。(慣れてはいない)
タイトル前は、ボンドが敵を追跡するシーン。
その理由たるや、スパイの名前が載ってるリストが奪われたなんて、
エイリアスみたいな話。
007って、その時代の最新テクノロジーや政情が絡んだ話が基本だったので、
この設定はちょっと古くさい。
とは言え、ボンドと敵の追跡シーンは、007ならではで、
屋根の上をバイクで走ったり、列車の上でショベルカーに乗ったりする派手なもの。
その後タイトル曲があって、死んだと思われたボンドが生還する展開は、
007は二度死ぬや、ダイアナザーデイを連想させる。
MI6本部が爆破されるシーンはワールドイズノットイナフ。
出だし悪くない感じです。だが、ここからなかなか盛り上がらない。
ボンドは復帰テストに合格しておらず、Mが特別に許可する形に。
撃たれた傷のせいか、射撃の腕はいまいちに。
つまり、この後彼はあまり凄腕を見せない。
若造のQが武器を与えるが、拳銃と発信機だけ。
狙撃犯と格闘したり、ボンドガールたる女性の取り巻きと戦ったりするが、
ボンドらしい戦いっぷりとは言えない。
長崎軍艦島を利用して撮影したという敵のアジトに到着。
敵ボスの目的は、Mに復讐したかっただけと言う、スケールの小さいもので、
なぜそんな目的で手下が従うのか理解できない感じ。
そして、本作がかなり異色なのは、
ボンドガールがちらっと出ただけで早々に死んでしまう点だ。
舞台はロンドンに移り、捕われた敵は、
羊たちの沈黙的な拘束を破り(どう破ったかは描写されない)、
まんまと地下鉄を脱線させる。
その混乱に乗じて、M襲撃を行うと言う寸法。これってダイハード3だよね。
ボンドは敵ボスを追跡するが、ロンドン市内をボンドが走り回るシーンも異色。
普段は独断で動くボンドが、Qの指示を受けながら動くのも異色。
24を見てるみたいだ。
意を決したボンドは、Mを連れて生家スカイフォールへ。
なぜか個人持ちしていたアストンマーチン(秘密兵器つき)で向かうが、
この車もたいして活躍せず爆破される。
敵ボスは、言ってみればゴールデンアイの006だが、
凄腕を見せるでなく、撃ち合いの末、比較的簡単に倒して拍子抜け。
ただし、意外な結末もあり、アストンマーチンと同様、
過去の007を葬ったと言う事か。
様式美を壊し続けた本作だが、最後にシリーズ続行を感じさせるシーンもあった。
ボンドガールより目立っていたエージェントのイブが、意外な素性を明かす。
と言う話を雑誌で見てたので、てっきりレイターの娘だと思っていたが、
そっちかよと判明。(旧作見てないと、何の事かわからないけど)
イブ役の人と、レイフ・ファインズは次回作にも出ると報じられたけど、
そりゃそうだよねと言う落ちだ。
過去にも、女王陛下の007や消されたライセンスという作品で、
ボンドの内面を描こうとした事があった。
これらは「番外編」と言われたが、様式美は守っていた。
ダニエルになってから番外編は続き、様式美も守られない。
そろそろ本編に戻ってよと言う気持ちは強い。
仮に今回の展開のままでも、もう少し007ぽく描く事は出来たと思うよね。
 



007/スペクター」(2015年英)を見た。
 007と言えば、シリーズ全作を劇場で見て(前のカジノロワイヤルも)、
全作のDVD購入が自慢だった。(サントラも)
ボンド俳優も6代目ダニエル・クレイグとなり、
リブート式に今までの話をなかった事に。
それ自体は構わないんだけど、
シリーズのお約束的な所も破られて、異色編と言う印象が強い。
中でも、前作スカイフォールは、新しいファンには好評だったようだが、
個人的にはダメで、初めてDVDを買ってない次第。
このままシリーズが続くとつらいけど、
ここへ来て、シリーズ初期の敵スペクターが登場するとの事。
どうなるかわからないけど、もちろん見ます。

ジェームズ・ボンド 英国情報員007号(ダニエル・クレイグ)
フランツ・オーベルハウザー ボンドの義兄
マドレーヌ・スワン ホワイトの娘(レア・セドゥ)
M ボンドの上司(レイフ・ファインズ)
Q 兵器係(ベン・ウィショー)
ミス・マネーペニー Mの助手(ナオミ・ハリス)
ルチア・スキアラ スキアラの妻(モニカ・ベルッチ)
C(マックス・デンビー) MI5
ビル・タナー 幕僚長
ミスター・ホワイト 前々作の敵

@テロを阻止するボンド

 冒頭は久々に復活したガンバレル。
メキシコシティで開催される「死者の日」と言うお祭りの中、
仮面をつけた007号ジェームズ・ボンドは女性と共に建物へ。
すぐ戻ると言って、窓から外へ。
これで、一暴れした後に本当に戻ってくると往年のボンド風だが、
本作では戻ってこない。
ボンドが見張るのは、スキアラという男。
彼がスタジアム爆破を企んでいると言う情報を得て窓越しに撃つが、
爆弾が爆発して、周囲の建物が崩壊。
もちろんボンドは無事だが、スキアラも難を逃れて退散。
ヘリで逃げようとするが、ボンドも飛び乗り、墜落しそうな状況で格闘に。
周囲は大混乱。スキアラの指輪を奪い、彼を倒す。
ここで主題歌。

Aボンド謹慎に。スカイフォールの燃え跡から見つかった物を見て驚く

 本部に戻ったボンドは、メキシコシティでの騒ぎをMに問題視され、謹慎処分に。
ボンドは、かの地での任務は、死んだ前任のMの指示だったとマネーペニーに告白。
そのマネーペニーは、
ボンドの生家スカイフォールの燃え跡から見つかった写真を手渡す。
それを見たボンドは、何かがひっかかるのを感じる。

Bスキアラの未亡人から組織の会議について聞く

 続いてQの所へ行ったボンドは、
愛用のアストンマーチンDB5の修理が終わったと聞くが、
他の00要員用のアストンマーチンDB10(最新)を拝借する。
ローマに着いたボンドは、スキアラの未亡人ルチアに接近。
このルチアに扮するのがモニカ・ベルッチで、史上最年長のボンドガールとされたが、
エンドシーンをボンドと過ごす役ではなく、中盤のお相手。
結局、ボンドに心を許したルチアは、
亡き夫がとある組織に所属し(指輪が目印)、その会議があると知らせる。

C組織の会議に潜入するが、見つかって退散

 ボンドはとある屋敷に到着し、そこで行われていた会議に潜入する。
サンダーボール作戦の会議に相当するのだが、
本作の一味がやってる悪事は、かの作品よりも地味で陰湿な印象。
ボンドは組織の首領がオーベルハウザーなる人物だと知る。
彼は次の作戦を遂行する者を探し、とある部下が名乗り出る。
だが、もっと適任がいると現れたミスター・ピンクスがこの男を一撃で始末。
一方、オーベルハウザーはボンドを知っているらしく、
彼の潜入に気付いて、「久しぶりだな。ジェームズ」と言う。
これはやばいと、ボンドはDB10で退散。
ピンクスがそれを追跡した為、ボンドはロケットエンジンで距離を広げ、
最後は脱出装置で脱出して難を逃れる。DB10は大破したけど。

D旧敵ホワイトから組織の情報を聞き出す。

 ボンドは、前々作で戦ったミスターホワイトが、組織の一員だと知り、
彼が幽閉されている山小屋みたいな場所へ。
ボンドに捕まって当局に突き出された様に記憶してるけど、
今は組織の影に怯えていると言う事らしい。
君は糸のない凧だみたいな事を言われ、組織には太刀打ちできんと脅されるが、
それでビビるボンドではない。
彼は娘マドレーヌを守ってくれと言い、「アメリカン」が秘密の鍵だと知らされる。
ボンドなりの礼として、ホワイトにワルサーを渡すと、
ホワイトはそれで自殺するのだった。

EMI6はCに牛耳られる。

 その頃ロンドンでは、MI5のCは、00要員を中心としたMI6の活動を問題視。
さらにCが推進役となって、各国の機密情報を一元化しようと言う動きが進む。
まあ各国が無警戒に仲良くするとも思えないから、ここらへんはちょっと絵空事ぽい。

Fボンドマドレーヌに会う

 ボンドは、山の上にある医療施設を訪れ、ホワイトの娘マドレーヌに会う。
彼女はボンドに警戒する(もともとホワイトは娘を隠す意図で山で働かせていた)が、
現れたピンクス一味に捕まってしまう。
車で退散する一味を、ボンドは奪った輸送機で追跡。
最後には翼が折れて、雪の斜面を滑りながら車に体当たりし、マドレーヌを奪還する。

Gマドレーヌからスペクターについて聞く

 ボンドとマドレーヌは、同じく一味の襲撃を受けたQと合流。(かけつけてた)
彼によって、ルシッフルもベスパー・リンドも、
名前は忘れたけど慰めの報酬やスカイフォールで戦った敵も、
すべて同じ組織らしいと知らされる。
組織の名前は不明だと言うと、マドレーヌはスペクターだと言う。
一方、アメリカンとは、ホワイトが新婚旅行に行ったホテルの名前と判明。
いつも泊まる部屋には、壁裏に隠し部屋があるのを発見。
そこには、スペクターの本拠らしき場所の情報が残されていた。

Hスペクターの本拠に乗り込む

 ボンドとマドレーヌはスペクターの本拠に乗り込むが、
(途中、列車で敵と戦ったような記憶もあり)
来る事は想定済みだった様で、オーベルハウザーに歓待される。
実はCもまたスペクターの一員で、その情報一元化計画により、
各国の情報はスペクターに筒抜けになるのだと知らされる。
オーベルハウザーはまた、ホワイトが自殺した際の映像も持っていて、
それを見たマドレーヌはボンドが銃を渡したと知り、ショックを受ける。

I基地を爆破して退散する

 気がつくと、ボンドは拷問台に縛られていた。
オーベルハウザーは脳に何やら注射して従わせようとする。
実はオーベルハウザーは、ボンドの義兄だった。
(まあ、ボンドは序盤から気付いていたって話だけど)
両親を失ったボンドの養父となった人物の息子なのだ。
だが、オーベルハウザーは事故に見せかけて実父を殺害。
自身も死んだと思わせていたのだ。
オーベルハウザーと言う名は捨て、
今はエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドと名乗っていると言う。
ブロフェルドとはショーン・コネリーの頃の宿敵で、
本作の悪役オーベルハウザーがブロフェルドかと噂されていたから、意外性は今一つ。
と言うか、本作のボンドはブロフェルドと言う名前を知らなかった訳だから、
名乗ってると言われても、そうなんですかと言う程度のショックしかないはず。
ホワイトの死の件でブロフェルド側についたかに思えたマドレーヌだが、
もちろんそんな事はなく、
ボンドの指示でQ特製の腕時計で爆発を起こしてボンドを救出して退散。
一度の爆発が誘爆を起こして基地が崩壊するあたりは、慰めの報酬と同じ。
同じ組織だったと言うのもうなづけます。
本作で映画史上最大の爆破シーンがあると聞いたけど、ここの事かな?

KブロフェルドMI6を襲撃

 ボンドとマドレーヌはロンドンへ。
Cがスペクターに関わっていたとわかり、Mらは一元化計画を阻止する事に。
マドレーヌは危険だからと返される。
だが、ボンドは一味に捕らわれ、気がつくとかつてのMI6本部にいた。
建物は解体待ち(前作で破壊されたんだっけ?)で、中は無人だ。
現れたのは、本拠の爆破で死んだかに思えたブロフェルドだった。
彼の顔は本拠爆発で傷ついており、007は二度死ぬのドナルド・プレゼンス風に。
マドレーヌを捕らえてどこかに拘束しており、建物は3分で爆破すると告げて退散。
ボンドは建物の中を探し回り、某所でイスに座らされているマドレーヌを発見。
全身に大量のロープが縛りつけられており、さすがに3分での脱出は無理かに思えたが
次のシーンですべてのロープを外されたマドレーヌはボンドと共に建物を脱出。
一方、Mは対岸にある新庁舎にいた。
今まさにCが一元化システムを起動しようとしていたが、Qが妨害。
MとCが格闘になり、Cは吹き抜けから階下へ転落して死ぬ。

L逃げるブロフェルドを追跡

 Mらは旧庁舎が爆破されるのを見るが、
脱出したボンドはボートに乗り、ヘリで退散するブロフェルドを追っていた。
何発か撃つと、ヘリは橋に墜落。
這い出したブロフェルドに、かけつけたボンドが銃を向ける。
ブロフェルドは撃てと言うがボンドは撃たずに退散。
かけつけたMによって、ブロフェルドは逮捕されるのだった。

Mボンド引退すると言う

 一件落着し、引退すると言っていたボンドが現れて、Qは驚かされる。
預けた物を引き取りに来たと、アストンマーチンDB5を受けとったボンドは、
傍らにマドレーヌを乗せて走り去るのだった。

 と言う訳で、冒頭は、クレイグ版になってから後ろの方に回されたガンバレル。
ようやく本来の位置に戻り、
旧作からのファンとしては、「まず、ここが違う」と言うポイントが減った感じ。
タイトル曲前に派手な戦いがあり、
本編に入ってからも、時々ボンドらしいアクションシーンあり。
そして、その間に展開する物語が、割にシンプル。
前作スカイフォールが個人的にいまいちだったのは、
物語がわかりにくくて、ボンドや敵が何を目指してるのかピンと来ない点。
その点も本作は好感が持てる。
やがて、ルシッフル以降の一連の事件が、スペクターと言う組織の仕業だと判明。
慰めの報酬で、新時代のスペクターと思わせた連中が、やっぱりスペクターだった訳。
サンダーボール作戦を思わせる会議の描写もあるが、彼らの計画はちょっと地味。
情報網を掌握し、世界を影で支配すると言う事らしい。
スペクターと言えば、首領は誰もが恐れるブロフェルドで、
本作で登場するのかも関心事に。
そう言えば、マックス・フォン・シドーが出てると聞いた気がして、
番外編ネバーセイ・ネバーアゲインのブロフェルドが本家にも登場?と思ったが、
シドーが出てるのはスターウォーズだった。
種を明かせば、ブロフェルドとボンドは義兄弟だったと言う設定で、
世界は狭いなと言う印象です。
クラーク・ケントとレックス・ルーサーが幼なじみにされたみたいな微妙な気持ちに。
終盤に黒幕が、「私はブロフェルドと名乗る事にした」と言うシーンがあるが、
これは旧作を知らない人はおろか、ボンド自身にも何の意味もない。
ああ、そうですかと言う感じ。
終盤の戦いは、すべてボンドに都合よく展開しすぎ。
ラストで、ボンドが引退したと言うセリフがあるが、
なるほど、一連のクレイグ版としては締まった印象。
次作は役者を替えてリブートするのに適当だけど、
映画ならずとも、辞めるのをやめたと言う話はよくあるものです。
全体としては、今までのクレイグ路線を維持しつつも、
スペクターなど旧作ファンが好きなシーンを出して、歩み寄った感じ。
アクションとアクションの間に展開する物語が意外にシンプル
と言う点も好感が持てるが、クレイグ版から入ったファンがどう思うかは微妙。
音楽は前作と同じトーマス・ニューマンで、前作とほぼ同じ曲だったと言う印象。
 

007/カジノ・ロワイヤル(67)

監督 ジョン・ヒューストン他

 英国情報部のMことマクタリー(ジョン・ヒューストン)、
米国CIAのランサム(ウイリアム・ホールデン)、仏情報部のルグラン、
ソ連KGBのスメルノフは、ジェームズ・ボンド(デビッド・ニブン)卿の所へ。
彼は史上最高のスパイだったが、恋人マタ・ハリの死亡で引退。
同じ名を語るニセ者をよそに、豪邸で優雅な生活を送っていた。
だが、英軍の誤爆でマクタリーが死亡。復帰を決意し、未亡人の所へ。
未亡人の家は、娘ばかりで大変な歓迎。力比べで勝ち、未亡人はほれてしまう。
翌日、鳥猟へ。ミサイルの攻撃を受けるが迎撃。
未亡人によれば、名声をくじくよう首領に命じられたと言う。彼女は修道院へ。
続いて、爆弾搭載の車に襲われるが、これも回避。
各地でスパイがやられており、甥のジミー・ボンド(ウディ・アレン)は約立たず。
対女スパイ戦術が必要と、マネペニーの娘に、クーパーと言う男を選出させる。

 ボンドは、全員007と呼び、敵をまどわす作戦を取る。
女性実業家ベスパー・リンド(アーシュラ・アンドレス)も仲間に。
カードの名人イブリン・トレンブル(ピーター・セラーズ)も招き、007に。
ボンドは、「国際母性援助機関」がスメルッシュの表機関と判断。
娘マタ・ボンド(ジョアンナ・プテット)を迎え、潜り込ませる事にする。
西ベルリンのマタハリ舞踏学校と言う名のスパイ養成所へ。
そこで、ルシッフルの事を聞く。彼は組織の金を使い込み、命を狙われているのだ。
彼の美術品が競売にかけられるが、マタは妨害して脱出。
ルシッフル(オーソン・ウェルズ)は代理人を爆破し、ベルリンの壁に穴が開く。
トレンブルらはカジノへ。ルシッフルはいかさまで連勝中。
だが、トレンブルとの対決で、ルシッフルは大敗。

 ルシッフルは、小切手を奪うため、トレンブルを心の拷問にかける。
しかし、夢に出てきたベスパーに撃たれて、死ぬ。
現れた殺し屋は、時間切れとルシッフルを処分。
マタは、騎兵にさらわれ、街に着陸した円盤へ。敵はボンド一味をすべて捕らえた。
ボンドはカジノロワイヤルへ。そこは、スメルッシュ、ノア博士の本部だった。
そして、ジミー・ボンドがノアと判明。
全女性を美人にし、150p以上の男性を全滅させる細菌をばらまく計画だ。
支配者とロボットをすり替える計画も。
しかし、新007の中の女性に、丸薬式の水爆を飲まされる。
捕らえられたボンドらは脱出。ベスパーは愛で寝返ったと言うが、騎兵隊が到着。
インディアンまで現れ、大乱闘に。しかし、時間切れとなり、大爆発。全員昇天する。

 というわけで、007本家が唯一映画化権を獲得できなかった1作。
無茶な展開が面白いが、羽目はずしすぎて、つながらなかったり、意味不明の部分も。
ルシッフルの代理に、「ロシアより愛をこめて」のクロンスティーン。
トレンブルにせまる美女、ミスふとももにジャクリーン・ビゼット。
彼の心の拷問に、ピーター・オトゥールが登場。
ラストの乱戦では、ジョージ・ラフト。仏軍として、ジャン・ポール・ベルモント。
音楽は、バート・バカラック。主題曲はけっこう有名だ。

LD
 



ネバーセイ・ネバーアゲイン(83)

 監督 アービン・カーシュナー

 ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は英国情報部員。
しかし、上司M(エドワード・フォックス)は彼らを買っていない。
一方、犯罪組織スペクターは、ブロフェルド(マックス・フォン・シドー)を中心に
米軍の核ミサイルを奪取する計画を実施。
ペタッチ大尉を味方につけ、演習用の疑似核弾頭を本物とすり替え
さらにこのミサイルを妨害電波でコントロールして奪取。各国に大金の支払を要求。
ボンドは、ナッソーの富豪ラルゴ(クラウス・マリア・ブランダウアー)に注目。
ファティマ(バーバラ・カレラ)という女性が、何度もボンドを罠にかける。
CIAのフェリックス・レイター(バーニー・ケイシー)が到着。
ラルゴの愛人ドミノ(キム・ベイシンガー)が、ペタッチの妹である事に気づく。
ドミノと接触するため、ラルゴが開く慈善パーティに紛れ込む。
ラルゴと「支配」というゲームで対戦。ボンドが大勝し、ドミノとダンス。
ボンドはドミノに彼女の兄がラルゴに殺されたと伝える。
だが、ファティマがボンドの女性助手を殺害。
激しい追跡の末、ファティマはボンドを逆に捕らえるが、Q製ペン型の特製銃で倒す。

 スキューバで船の調査をしたボンドを、ラルゴは歓迎。
ラルゴが監視していると承知で、ボンドはドミノにキスし、ラルゴを挑発。
怒ったラルゴは、到着した島でボンドをハゲタカのエサにし、
ドミノは島の男たちに売られる。
脱出したボンドは、馬に乗ってドミノを救出し、馬ごと海へ落下。
米軍の潜水艦がかけつけ、レイターらに救出される。
ボンドの連絡で、ワシントンに仕掛けられた1つ目の核弾頭が発見される。
「アラーの涙」という場所の地形が、ドミノのペンダントの模様と同じ事に気づく。
ボンドとレイターは、ペンダントに示された場所に潜入。
ラルゴたちは遺跡のトンネルを基地に、核弾頭をセットしようとしていた。
ボンドらが襲撃し、ラルゴは逃走。
追跡したボンドは海中でラルゴと格闘になり、ドミノが水中モリで兄の仇をとる。
一仕事終えたボンドの前にMの使いが現れ、ボンドの復帰を要求。
しかし、ボンドはもう決してやらないと断言する。

 というわけで、多くの人が期待したと言うコネリーのボンド復帰作。
もっとも、映画化権が外部にあった「サンダーボール作戦」のリメイクで
007のリメイクって何か変な感じ。
おまけに、製作者はシリーズとは別で、スタッフも違う。
結果として言える事は、かつての007シリーズが面白かったのは
何もコネリーが主役だったからだけではないと言う事だ。
スタッフその他にも、センスがあったと思う。
それに対してこの映画は、ただ1本の映画化権を利用して
バカでかいスケールの話を作ろうとしたり、楽屋落ちをやろうとしたり
いろいろやりすぎて、結果として自己満足だけになってしまったきらいがある。
キャストはなかなか豪華だが、エドワード・フォックスなどはマヌケな役。
話の展開上、敵役はラルゴなのに、1作だけだからと言う事で
ブロフェルドまで大物を使ってしまった。
こうしてみると、キャストを使いこなせていない感じがある。
もっとも、バーバラ・カレラなどは、どうしてもB級映画専用女優と言う感がある。
キム・ベイシンガーはこの映画がデビューだと思ったが
「サンダーボール作戦」に比べると、ずいぶん下品な感じのドミノになったものだ。
ボンドとラルゴが、お互いに正体がばれている事に気づきながら
演技し続けるのはマヌケ。
水中から行って、見つかっても平然としているのはおかしすぎる。
水中での格闘シーンは、誰と戦っているのかよくわからなくて盛り上がらない。
親切にも、ワシントンに核弾頭を仕掛けたと、言って去っていく奴はマヌケ。
しかし、ワシントンだけで場所がわかるのはすごすぎる。
「アラーの涙」のペンダントを渡したのはマヌケだし、
男たちに売りに出した時に、取り返さなかったのもマヌケ。
などなど、ケチをつければきりがなく、
ラストでボンドが「もう二度とやらない」と言うあたりは、
そんなに面白かったわけではないぞと思い、2度とやらなくて言いと思うほど。
ボンド役者というイメージを退治したコネリーが
余裕で取り組んだのだろうが、芸歴に傷がついたようなものだ。

TV放送 91/09/27 04CH 21:00-22:52
 

0086笑いの番号(80)

 いったい何の組織かよくわからない情報部の
世界一アホでマヌケなスパイである86号マックス・スマートは
悪の組織ケイオスによる犯罪の数々を、
その悪運で偶然にも問題を次々と解決していくという
TVシリーズ「それゆけ!スマート」の映画化版。

 飛行機上で18人の殺し屋に囲まれ、絶体絶命のマックス(ドン・アダムス)は
どうやったか危機を切り抜けてしまい、上司の召集を受ける。
ケイオスの総統が、すべての繊維を一瞬に溶かしてしまうというヌード爆弾を開発し
これを世界各都市で爆破すると脅迫。
その代償として、毎月多額の金の支払を要求する。
マックスは、姿をなかなか見せない女性スパイ22号の警備の中、
大統領自らの命令を受け、国連へ向かう事になる。
ケイオスはマックスの悪運を恐れ、数発のヌード爆弾を発射する。
マックスはヌード爆弾の存在を信じようとしなかったが、
彼らもヌード爆弾の攻撃を受けたりする。
マックスの所へ有力な情報を持つ人物から電話があるが、
彼は眼帯義手義足の男に撃たれる。
彼によると、ケイエスのボスと同じドレスを着たモデルがいる事が分かるが
彼女も義手の男に撃たれる。
ユニバーサル撮影所に問題のドレスがあると知り、ここを調査。
ここにも義手の男が現れ、アトラクション会場で追いかけあうが逃げられてしまう。
義手の男の身元が分かり、彼が爆弾製造に関与していた事も分かる。
義手の男の分かれた恋人を追って外国へ飛ぶ。
そこで34号(シルビア・クリスタル)に接触。
義手の男の恋人により、次第にケイオスの総帥の正体に迫るが
ケイオス一味がここにも追っていた。
一味は倒すが、情報が漏れているようだ。
情報部は総動員で出動。しかし、マックスは二重スパイの存在に気づく。
二重スパイはマックスの上司だった。
車で逃げる上司をマックスは特殊な机で追跡。
捕まった上司はケイオス総帥の居場所を白状。
マックスと22号は敵の基地に潜入。だが、総帥に捕まる。
デザイナーでもある総帥は、
世界一の縫い士であるおばさんをコピー人間製造機でコピーして
衣服の世界唯一の供給者となろうと言うのだ。
だが、マックスはこのコピー機で総帥が、
マックスの上司のコピーを作って二重スパイにしたと推理。
さらに、義手の男が自分のコピーを作っておきながら、
コピーが総帥になり、オリジナルは事故で負傷し、結局コピーに殺されたと推理する。
だが、総帥はマックスらの殺害を決定。ミサイルの発射を指示する。
しかし、マックスと総帥は格闘になる。
総帥はコピー機で自分の総帥を作るが、マックスも負けていない。
だが、総帥の1人が防毒マスクをして毒ガスを流し、
自分のコピーを含めて全員を殺害。
しかし、マックスの1人もマスクをしていて、総帥を倒す。
マックスはコンピューターを破壊し、22号や本物の上司と脱出。
だが、ヌード爆弾の灰を浴び、彼らもヌードになってしまう。

 というわけで、ふざけた話なので、あれこれ言っても始まらないのだが、
ふざけた話にしては、意外にマックスが活躍したりして中途半端だった点もある。
TVだから成り立ったふざけた話を、特番的な映画にしたのは無理があったかも。
つまらない秘密兵器はいらないし、シルビア・クリステルはほとんどゲスト的出演。
22号の方がかわいいからよかったのだが、
かなり期待した22号のヌードが見られなかったのが残念。
こういう話にエッチなのを期待する方が間違っているのか?
ユニバーサル映画のシーンは、真面目な映画で真面目にやったら、面白かったかも。

TV放送 91/06/01 12CH 04:00-05:40
 

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年米)

マヤ CIAの女性

 2001年9月11日。同時多発テロが発生する。
 2003年。CIAのマヤは、テログループに対する拷問に同席していた。
 2004年。マヤはビンラディンに近づく人物として、アブアフメドに注目。
調査は難航し、同僚の女性は帰国するが、マヤはとどまって調査を続ける。
 2009年。アルカイダの20人の幹部の内、始末できたのは4人だけだった。
ようやくアブアフメドに関する有効な情報を入手。
出入りする建物にビンラディンらしき人物がいると判断。
だが作戦決行には時間がかかった。同僚が確率は半分程度と否定的だったのだ。
マヤは100%ビンラディンだと確信。CIA長官はマヤを適任だったと認める。
 2011年5月。作戦の決行が決まる。
深夜に軍が建物に突入。標的を始末し資料を回収して退散する。
兵士が持ち帰った死体を見たマヤは、ビンラディンであると確認。
仕事を終えたマヤは帰国する事になるが、どこへ行くか答える事が出来なかった。

 と言うわけで、911テロの首謀者ビン・ラディンを追うCIAの女性の話。
テロの後、ラディンは姿をくらまし、捜索は難航。
非道な拷問等で得たわずかな情報から、
主人公マヤは、とある屋敷にラディンがいると確信。
2時間半の映画で、そこに至るまでが1時間半くらい。
しかも、マヤの相棒みたいな人物はおらず、その場その場で必要な人物と組むだけ。
単調で見ていてつらい。
マヤは屋敷の襲撃を主張するが、CIA上層部は確証がないと二の足を踏む。
その後、新たな証拠が出た訳でもなく、
長官の鶴の一声で攻撃が決まったのが、残り30分くらいの所。
軍が暗闇を暗視スコープつけながら襲撃し、
何が何やらわからないまま、それらしき人物を射殺。
兵士たちは、周囲にいる連中に、これは誰だ?と聞く始末。
遺体は基地に持ち帰られ、マヤが顔を見て本人と判断。(DNA鑑定とかではなく)
軍の精鋭による「カッコいい」襲撃シーンはよく見るが、本作は結構違和感を感じる。
マヤも、今さら別人ですなんて報告できないと思うし。
と言う事で、勘違いしてたけど、
これは米軍によるビン・ラディン暗殺を称える話ではなく、全否定する話だったのだ。
それならそれでもいいんだけど、もう少しとっつきやすい構成にしてほしいかな。

TV放送 2014/02/23 WOWOW 1915-2153
 

0(ゼロ)の決死圏(1969年アメリカ)

監督 J・リー・トンプソン

 10年前から音信不通のスン教授が、中国で新しい酵素を開発したと判明。
ノーベル賞受賞者のハサウェイ博士(グレゴリー・ペック)は、
中国へ潜入し、その秘密を探る事に。監視用に体には盗聴器が埋め込まれる。
捕らわれた博士は、主席と面会させられる。
実はシェルビー長官の指示で、博士の体内には爆弾が仕掛けられており
主席殺害も可能だったが、アメリカ代表の反対で中止に。
研究所で教授の研究を見せられるが、複雑で記憶は不可能。
フィルムを盗み出すしかないが、事前にフィルムははずされてしまう。
教授は毒で自殺。危険を察知した博士は、ロシア国境への脱出をはかる。
中国軍の追跡の中、長官は博士の抹殺を指示。
だが間一髪ロシアに救出されて帰還。
教授が残した手帳には、分子構造が隠されていた。
長官は影響力を考え、その秘密を封印すると言うが、
博士は社会生命を賭けて戦う事を決意する。

 と言うわけで、グレゴリー・ペックが中国に潜入する話で
中国がどんな国かわからない頃の映画で、もっぱらそう言う視点で展開。
実はかつて本であらすじを読んだ事があり、
その本が説明不足だったのか、作戦失敗で命を狙われたペックが、
これまた敵対するソ連へ亡命すると言う結末だと思っていたのだが
この映画の中では、ソ連はむしろ友好国という描き方で
普通に助けられただけで拍子抜け。
異色のエンディングと思ってたのに。
音楽はジェリー・ゴールドスミス。

TV放送 2005/03/12 BS05 0620-0800
 

戦雲(1959年米)

トム・レノルズ大尉 指揮官(フランク・シナトラ)
カーラ トムの恋人
ダニー トムの友人
リンガ伍長 トムの部下(スティーブ・マックイーン)
ダンフォース トムの部下(チャールズ・ブロンソン)

 第二次大戦中。ビルマで日本軍と戦う米軍は、現地人カチン兵の協力を得る。
大尉のトムは、日本軍との撃ち合いで負傷した部下を安楽死させる。
大佐の運転手であるリンガがやり手と気付き、自分の部下に抜擢。
カーラと言う女性と知り合い、親密になる。
襲撃を受けて負傷したトムは、病院でのカチン兵の待遇が悪い事を知り、
共に改善を求める。
日本軍の基地を奇襲し、成果を挙げたかに思えたが、多数の部下が殺される。
それが中国人の仕業と知り、領域外にも関わらず、一味のアジトを襲撃。
重慶政府が、彼らに略奪する権利を政府が与えていたと知る。
米兵から奪った武器を、日本側に売って儲けていたのだ。
司令部は捕虜の解放を命ずるが、
友人ダニーを殺され、怒ったトムは捕虜全員を射殺する。
この事態に中国側将軍はトムの謝罪を要求。
米側大佐は、安楽死や病院での騒ぎも問題視する。
だが、米側将軍はトムの行為は正しいとし、
蒋介石から届いたトムの釈放を認める書簡を見せるのだった。

 と言う訳で、フランク・シナトラ主演の戦争もの。
ジョン・スタージェス監督作で、
後の荒野の七人と大脱走に出ていたスティーブ・マックイーンと
チャールズ・ブロンソンが出ている点がポイント。
シナトラらは太平洋戦争でビルマに駐留する米軍。
現地のカチン兵と言う連中の待遇改善を求めたり、
なぜか現地にいる女性と恋に落ちたり。
そんな感じで、何が目的かわからないまま、映画は終盤へ。
こういうのを私は、始まらない映画と呼んでます。
終盤になって、日本ではなくて同盟国中国と対立する展開に。
ここはまあ面白いんだけど、何か軍事的な作戦で突破した訳ではなく、
将軍が水戸黄門みたいに裁いただけ。
マックイーンはやり手の若造としてシナトラが抜擢。
ブロンソンは最初からシナトラの部下で、中国人の襲撃で死ぬ。
もう1人、病室のカチン兵役にジョージ・タケイ。タイトルに名前は出てない。

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戦火の馬(2011年米)

アルバート 少年。通称アルビー。ジョーイの飼い主
テッド アルビーの父
ローズ アルビーの母
ライオンズ 地主
エミリー ジョーイを拾った少女
コリンとペーター 戦地でジョーイを救った兵士

 農家の息子アルビーは、近所で生まれた子馬を気に入る。
父テッドが地主と競った挙げ句落札。
アルビーはジョーイと名付け、農耕馬として調教する事に。
第一次大戦でジョーイは徴用されるが、アルビーは必ず見つけ出すと約束する。
兄弟の脱走兵に連れ出されるが、彼らは捕まり、
ジョーイはエミリーと言う娘に拾われる。だが、大砲を引くため再び戦地へ。
鉄条網に引っ掛かるが、英独の兵士が一時休戦して救出。
コインで勝った英兵コリンが引き取る事に。
アルビーもまた戦地にあったが、毒ガスで目をやられていた。
奇跡の馬の話を聞き、ジョーイだと気付いたアルビーは、
殺処分されそうなジョーイを助け出す。
終戦を迎え、ジョーイは競りに出される事に。
アルビーは戦友のカンパを持って臨むが、エミリーの祖父が落札してしまう。
だが、ジョーイがアルビーになついてる事に気付いた彼は、アルビーに譲る事に。
アルビーはジョーイに乗って、故郷へ戻るのだった。

 と言うわけで、私事ながら、昔ルーツと言うミニドラマを見た際、
それをヒントに、馬がいろんな歴史的事件に立ち会う物語を思いついた事があった。
思いついただけですが。
同じ様な事考える人がいるもんで、しかもそれをスピルバーグが映画化。
本作では主人公が可愛がった馬が軍に徴用され、可愛がる人が次々変わると言うもの。
馬を救うために、英独の兵士が一時休戦。戦地で主人公と馬が奇跡的に再会。
戦後に競売に出されるが、落札した男が主人公こそ本来の飼い主と悟り、
彼に譲るなんて、ぼちぼちツボなエピソードはあるんですが、
何か昔に自分がイメージしたよりも「数奇な」と言う部分が物足りない感じ。
未発表のアイデアと比較されても困るだろうけど。

TV放送 2013/05/03 WOWOW 2100-2326
 

戦火の勇気(96)

 湾岸戦争。サーリング中佐(デンゼル・ワシントン)は地上戦で混乱し、
誤って味方の戦車を攻撃。ボイラー少佐ら死者を出してしまい苦悩する。
終戦後、名誉勲章を決めるため、カレン中尉(メグ・ライアン)を調査。
彼女は救援ヘリパイロットで、孤立した部隊を救出したが戦死したのだ。
元同僚のイラリオは、カレンを勇敢だったと言うが
モンフリーズ軍曹は臆病だったと言い、証言が食い違う。
軍曹が何か隠していると気づき追及すると、彼は自殺。
イラリオは真相を語る。戦闘に軍曹はおびえ、誤ってカレンを撃って負傷させる。
援軍が来た際に、カレンは助けを呼びに行かせるが、軍曹は生存者なしと告げ
ナパーム攻撃がされたのだ。記者ガードナー(スコット・グレン)は
交信記録から中佐が最善を尽くしたと判断。
カレンは表彰され、中佐はボイラーの両親に真相を告げる。

 と言うわけで、デンゼル・ワシントンが誤って味方を攻撃したことに比べると
メグ・ライアンが見殺しにされた事のインパクトが弱く、
大騒ぎしていた割に、その程度の話かと言う感じだ。
しかも、最後に両方とも悪くなかったと結論づけるのも何か弱い。
音楽はジェームズ・ホーナー。

TV放送 98/04/12 BS05 20:00-21:57
 

戦艦ポチョムキン(25)

監督 セルゲイ・エイゼンシュタイン

 ロシア革命。戦艦ポチョムキンの水兵らは、食事に不満を感じやがて暴動に。
艦はオデッサ港に着き、噂を知った人々が立ち上がる。
だが、軍隊が鎮圧に。戦艦は政府軍司令部を砲撃。
海軍分遣隊が迫り、迎撃の準備をするが、かれらもまた同志だった。

 と言うわけで、映画史上三大傑作等と言われる作品なので見たが、
話はいまいちだし、撮影等の手法に意外なものがあるわけでもなく、
どこが傑作なのかわからず、困ってしまった。
鎮圧シーンで、階段を乳母車が転がるシーンは、「アンタッチャブル」に流用された。
でも、あれは何の意味が?人々が逃げまどうシーンは多少感心したが。

TV放送 93/02/23 BS11  22:00-23:15
 

戦場(89)

 監督 ジョン・ミリアス

 1945年。太平洋戦争末期。
英軍大尉フェアボーンは、日本軍に敵対する部族をまとめるためボルネオへ。
部族の王である白人のリーロイド(ニック・ノルティ)に出会う。
米軍を脱走したリーロイドは部族に捕まり、やがてこれを統一して王となったのだ。
フェアボーンは彼に協力を要請。リーロイドは自由の保証を条件に協力を約束。
部族の訓練が開始。行方不明になったフェアボーンをリーロイドが救出。
フェアボーンは司令部へ行き、マッカーサーにリーロイドとの協定に署名させる。
平和な日々が終わり、戦闘が始まる。日本兵は敗走するが、抵抗する部隊もある。
リーロイドらの待ち伏せを突破し、村が襲撃を受ける。
妻を殺されたリーロイドは復讐に。追いつめられた日本兵を虐殺。
原爆が投下された日、フェアボーンは負傷。気づいた時には戦争は終わっていた。
連合軍はリーロイドとの協定を破り、王国をつぶそうとする。
フェアボーンは、大佐(ジェームズ・フォックス)に塩の道を絶てと忠告。
リーロイドは自らや日本軍大佐と交換に、村人の安全を保証させる。
フェアボーンは昇進し、リーロイドは脱走兵として同じ船で帰国。
だが、座礁したスキに、フェアボーンはリーロイドを逃がす。

 というわけで、ジョン・ミリアス作の、
戦争中に自分の王国を作っていた話と言うと「地獄の黙示録」のようだが、
リーロイドはそれほど独特の哲学を持っているようではない。
平和を求めるリーロイドに、フェアボーンが同調する姿勢はわかるが、
なら、日本軍と対決するのを避ける事もできたはず。
最後には日本軍大佐も、子分になっていたようなので、カリスマがあるようだが。

TV放送 92/02/06  12CH  21:02-22:54
 

戦場にかける橋(57)

監督 デビッド・リーン

 1943年。日本軍第6捕虜収容所に、新しく英軍捕虜が収容される。
斉藤所長(早川雪洲)は、バンコクからラングーンまでを結ぶ鉄道工事のため、
クワイ川にかける橋の建設を、捕虜たちに命令。将校も働くよう指示。
だが、ニコルスン大佐(アレック・ギネス)は、将校の労役は条約違反だと拒否する。
周囲は、ジャングルで脱走はほぼ不可能。ニコルスンは脱走を軍律違反だと言うが、
米軍捕虜のシアーズ中佐(ウイリアム・ホールデン)は、残れば死ぬと主張。
翌日、日本人技師の下で作業が開始されるが、ニコルスンら将校は拒否。
斉藤は将校を営倉へ、ニコルスンを小さな箱へ押し込める。
シアーズは何とか脱走に成功。川を泳ぎ、現地の村にたどりつく。
クリプトン軍医(ジェームズ・ドナルド)の説得にも関わらず、
ニコルスンは原則を曲げず、英兵たちの作業ははかどらない。
斉藤は妥協案を出すが、ニコルスンは納得せず、しかたなく、将校の労役を免除する。

 ニコルスンは、建設場所の変更と、作業班の再編成を提案。
シアーズは、セイロンの病院でウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス)に会う。
ウォーデンは情報部の人間で、橋の爆破のため、シアーズに同行を求める。
シアーズの階級詐欺が発覚し、やむを得ず同行を決意。
橋の建設は順調に進むが、クリプトンは反逆行為ではと疑問視。
だが、ニコルスンは戦後も誇れる橋をかけようと言う。
シアーズらは川を進む。完成翌日、要人を乗せた汽車が通過する予定だ。
ニコルスンは、期日に間に合わせるため、将校や負傷者もかり出す。
シアーズらは完成した橋へ到着し、夜のうちに爆弾をセット。
翌日、水が引き、コードが水面から現れる。ニコルスンはそれに気づき、斉藤に警告。
特殊チームのジョイスが斉藤を刺殺。日本兵に撃たれ、シアーズとジョイスは死ぬ。
戸惑うニコルスンは、迫撃砲でスイッチの上へ倒れ、橋は爆破。汽車は転落する。
皆が死に、一部始終を見ていたクリプトンは、正気じゃないとつぶやいた。

 というわけで、泰緬鉄道を舞台にした、戦争の無意味さを強調した映画。
英兵が、労働をいやがるニコルスンに同調するのは、どうも納得いかない。
また、爆破までのシーンが妙に長くて、後半は別の映画のようだ。
結局、生真面目なニコルスンが、いちばんいけない気がするが。
有名なクワイ川マーチはあまり出てこず、テーマ曲も別の曲。

TV放送 92/05/01  BS11  22:00-00:43
 

戦争の犬たち(80)

 監督 ジョン・アービン

 傭兵のシャノン(クリストファー・ウォーケン)は仕事を終えて帰国。
続いて大企業の人物エンディーンに会い、
西アフリカのザンガルという独裁国に出資したいので、
クーデターの可能性を調査してほしいという依頼を受ける。
雑誌のカメラマンとして入国。
ホテルの主人の娘と親しくしたが、彼女がキンバ大統領の情婦だったため
スパイとして逮捕され、拷問を受ける。そして国外退去を命じられる。
エンディーンへ、シャノンはクーデターの可能性はないと報告する。
優秀な傭兵部隊でも組織しない限り、キンバ打倒は実現しない。
シャノンは仕事で得た金で、かつての恋人と結婚しようとするが彼女が拒否。
そこでエンディーン依頼の作戦を受ける。
シャノンは傭兵仲間のドロー(トム・ベレンジャー)やノース、
そしてデレク(ポール・フリーマンら)を集める。
さらに武器を調達。貨物船も用意する。
ザンガルで出会ったジャーナリストは、
シャノンに不信感を抱いて尾行するが、何者かにひき殺される。
彼の雇い主がエンディーンだと言う事を聞き出す。
怒ったシャノンはエンディーンの家に、この殺し屋の死体を返す。
ついに出港。途中で、現地の若い兵隊たちと合流。
上陸して官邸に接近。総攻撃を仕掛ける。
ドローは女性に気を許し殺されるが、シャノンがキンバを射殺。
エンディーンが用意した代わりの大統領がかけつけるが、彼もシャノンが射殺。
第3の候補だった穏健派の医師が大統領になる。

 というわけで、フォーサイス原作の第3作目の映画化。
クリストファー・ウォーケンはちょっと危ない感じでいいが、
前2作に比べると、緻密な計画とかと言う印象が弱い。
ラスト近くのえんえんと続く戦闘シーンも退屈だし、
なぜシャノンが真の独立をさせようとしたかが描かれていない。

TV放送 91/08/02  06CH  01:20-03:10
 

戦争のはらわた(77)

監督 サム・ペキンパー

 ロシア戦線の独軍にストランスキー大尉(マクシミリアン・シェル)が派遣される。
伝説的なスタイナー軍曹(ジェームズ・コバーン)は大尉にも逆らう。
軍曹は入院を経て帰還。大尉は鉄十字章のため、活躍を証言してほしいと頼む。
だが、大尉は指揮していなかったと証言。そのため大尉は異動が決定。
敵攻撃に撤退したスタイナーの隊を、大尉の副官が攻撃。
怒った軍曹は副官を射殺。大尉を連れて共に敵陣へ突入する。

 と言うわけで、独軍側から戦争を描いた話で面白い場面はいくつかあるが
全体としての物語の狙いはいまいちよくわからず。
上官ブラント大佐にジェームズ・メーソン。副官キーゼル大尉にデビッド・ワーナー。

TV放送 98/06/14  01CH  02:20-04:40
 

戦場のピアニスト(2002年仏独英ポーランド)

ウワディク・シュピルマン ピアニスト(エイドリアン・ブロディ)
ドロタ チェロ奏者
ヘンリク ウワディクの弟
ヘラー 裏切り者
ヤニナ 歌手
独将校

 1940年ポーランド。ユダヤ人ピアニストのウワディクは、
家族と共に収容所へ入れられる。
 1942年。裏切り者と言われるヘラーの手引きで、ウワディクだけ移送を免れる。
荒れ果てた町に残された彼は、過酷な労働に耐える。
やがて知り合いの歌手ヤニナにかくまわれ、隠れ家で暮らす事に。
 1943年。住人にユダヤ人とばれて退散。
チェロ奏者ドロタにかくまわれる。ウワディクは病に倒れるが、何とか回復。
ドロタが出産の為に出ていき、1人残される。
 1944年。独軍の戦闘が近づくが、隠れ家から出ていく事は出来ない。
廃墟に残された食料で飢えをしのぐ中、独将校に出くわす。
ウワディクのピアノに感心した将校は、こっそり食料を渡し、
ソ連軍が迫っているので、数週間の我慢だと伝える。
やがて町に人々が戻り、ウワディクも解放される。
彼は再びピアニストとして活躍するが、捕虜になったと言う独将校を気にかけ、
2000年に88歳で他界した。

 と言う訳で、ユダヤ人ピアニストの実話もの。
エイドリアン・ブロディはポーランドに住む著名なピアニスト。
だが、ユダヤ人だった為、ナチスによる迫害を受ける。
収容所に入れられる話は何回も見た気がするが、
本作では何となく免れてしまうあたりがポイント。
収容所や隠れ家で仲間と励まし合いながら過ごすのではなく、
まるで無人島の様に1人でサバイバルすると言う訳。
だが、似たような題名で比較してしまう海の上のピアニストに比べると、
数奇な感じはもう一つ。
独将校との関係を掘り下げたりすれば良かったのでは。
監督:ロマン・ポランスキー

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センター・オブ・ジ・アース」(2008年)を見た。

 センター・オブ・ジ・アースとは、ディズニーシーのアトラクションで
もっとさかのぼればジューヌ・ベルヌの「地底探検」の映画化。
今回は最新3D技術で、ブレンダン・フレーザー主演と来れば
見るしかないと思って見る。

トレバー ブレンダン・フレーザー。
ショーン トレバーの甥
ハンナ 山岳ガイド。父はベルヌ崇拝
ショーンの母 トレバーの義姉

 トレバーは、兄が恐竜に追い回される悪夢を見る。
彼の所を義姉が訪ねる。今は亡き兄の妻だ。
何かの用事で不在の間、息子ショーンを預かってほしいと言うのだ。
兄と同様トレバーも研究に没頭しており、ショーンと会うのも久しぶりだ。
一方ショーンはトレバーと話すのもおっくうそうな若者だ。
トレバーは大学教授で、地質学?の専門家。
独自の理論で世界各地にセンサーを設置していた。
多額の資金を得て研究したが成果は出ず、
まもなく研究室を追い出されようとしている。
そんな時、トレバーに着いてきたショーンは、面白がってモニターを見て
4つの点は何と聞く。3つしかないはずと言って見るが、確かに4つの点が。
これは何やらバランスを意味する位置で、4つ目が現れたと言う事は
そこから地中へ入れるかも知れないと言う事に。
かつてジューヌ・ベルヌが「地底探検」と言う小説で書いた理論で
兄はこれを事実と考えて研究し、消息を絶ったのだ。

 トレバーとショーンは真相をつかむためアイスランドへ。
そこで山岳ガイドのハンナに案内を頼む。
彼女の父もまたベルヌを崇拝しており身を崩した。
ハンナはベルヌの話が事実でない事を証明してやると言って同行する事に。
一行は炭坑の穴を入り、インディみたいな派手なトロッコで急降下。
ロープで下へ下りたりして徐々に地底奥深くへ。
気がつくと水晶の床の上を歩いており、これは非常にもろくて
割れてしまい一同真っ逆さま。
ところが、どんどんどんどん落ちるのになかなか下へ着かない。
(物体は落下すると加速するはずだが、この人たちは一定スピードで落ち続けてる)
その内、滝みたいな所へ落ちて、水へ落ちたので無事と言う事に。

 彼らが落ちたところは、まさにジューヌ・ベルヌが描いていた世界だ。
巨大なキノコ、光る鳥、巨大な宝石、地底湖。
地底には小屋があり、そこにはかつてトレバーの兄がいた痕跡が。
彼はここで死んだのだ。
(て事は、トレバーの兄は死が確認されたわけではなくて、行方不明だっただけ)
兄を葬るトレバーとショーン。
火山活動で温度が上昇し、長くはいられない。
小説の通りならば、湖を越えれば脱出できるはず。
一同はイカダを作り、風に乗って湖を渡る事に。
すると周囲をピラニアみたいなトビウオが取り囲む。
襲われそうだとオールとかで野球の要領で撃退。
それでも数が多くて苦戦するが、首長竜みたいなのが現れ、一網打尽に。
首長竜は人間には関心ないらしい。
今度は風で帆が折れ飛ばされそうに。
これはいかんとショーンが飛びつくが、そのまま凧のように飛ばされてしまう。
愕然とするトレバー。彼らも嵐で浜へ漂着。
ハンナは、ショーンも行き先は知っているはずだと言い、先へ進む事に。

 一方、ショーンは磁力で浮いている岩を、マリオのごとく飛び移り対岸へ。
今度は恐竜が現れ逃げるハメに。
ほぼ目的地にいたトレバーは、ハンナを残してショーンを探しに戻る事に。
恐竜に追われるショーンを助けて共に逃げるが、
またも水晶の上へ来てしまい、恐竜は奈落の底へ。
ハンナとも合流し、恐竜の頭蓋骨でできた船に乗り、途中で引っかかる。
このままでは溶岩に飲み込まれてしまう。
付近の岩はマグネシウムなので火がつきやすい。
爆発させれば一気に外へ出るはずだ。
トレバーは身を乗り出し、発煙筒で火をつけようとするが
湿気っていてなかなかつかない。
最後の1本で火がつき爆発。一同は吹き飛ばされ火山の噴火口から外へ。
畑を滑り落ちて小屋を壊して止まる。
小屋の住人はショックを受けるが、ショーンが巨大な宝石を渡すと大喜び。
彼は大量に持ち帰っていたのだ。
トレバーらはイタリアだかの火山まで移動してきていたとわかる。
大発見に喜ぶトレバーは、研究所を後任に気前よく譲る。
ベルヌが描いた新たな探検の地を追う事に。
ショーンは光る鳥も持ち帰っており、それが逃げ出して大騒ぎに。

 と言うわけで、物語はジューヌ・ベルヌの小説を事実とする兄を持つブレンダンが
彼の足跡を追って地底へ行き、結局小説と同じイベントを展開すると言うわけ。
設定は現代風にするための口実で、基本は小説の映画化というわけ。
まあ堅い話はヌキの見せ場連続で、
インディ風のコースター、ピラニア風トビウオ、恐竜、マリオ風飛び石など
なかなか3D的な見せ場もあって面白い。
技術も進んでいるようで、3Dによくあるわざとらしさもあまりない。
CMの上戸彩まで3D。少し高いがこの手の映画は時々見たいものです。
 

センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島(2012年米)

ショーン かつて地底探険をした
ハンク ショーンの義父(ドゥエイン・ジョンソン)
ショーンの祖父 (マイケル・ケイン)
ガバチョ パラオで観光ヘリを操縦
カイラニ ガバチョの娘

 ショーンは人工衛星の施設に侵入し、警察沙汰に。
行方不明の祖父からの信号を受信したと言う。
通信によると、祖父はベルヌの作品にある神秘の島を発見。
さらに他の作家による宝島とガリバー旅行記も同じ島を描いていると言うのだ。
3つの小説の絵を重ねると、座標が現れる。
継父ハンクはショーンに手を焼いていたが、
現実を見せるためと、ショーンに同行して座標の地点パラオへ。
ガバチョと娘カイラニの観光ヘリで島へ向かうが、嵐に巻き込まれ島に墜落。
そこは巨大な蝶や小さな象がいる幻想的な島だった。
一行は巨大なトカゲに襲われるが、現れた祖父が助ける。
祖父によると、そこは数千年前に水没した島で、
火山活動で水没と浮上を繰り返しているのだ。
だがハンクは、島の液状化が進んでおり、数日で沈むと指摘。
祖父は潜水艦ノーチラスでの脱出を提案。
ネモ船長の日記から、ノーチラスが島の反対にあると知り、島を横断する事に。
ガバチョは金の火山から噴き出した岩を持ちかえろうと列を離れ、
カイラニらが探しに。
ショーンとハンクは、既に水没した洞窟でノーチラスを発見。
巨大な電気うなぎを利用して起動する。
ガバチョは金を諦め、合流地点へ。
水没が始まるが、ノーチラスが現れ、一同を救出する。
 6か月後。ガバチョはノーチラスの観光ツアーで儲かり、カイラニは米国の大学へ。
ショーンの誕生日に祖父がかけつけ、本を贈る。それは月世界旅行だった。

 と言うわけで、ジューヌ・ベルヌの小説の舞台は実在すると言う連中がいるらしく、
地底探険の話をブレンダンらがなぞった体験をしたのが前作。
本作はブレンダンは不在で、甥ショーンが再登場。
ショーンの継父がドゥエイン・ジョンソンと言う、ハムナプトラな人選だ。
今回は神秘の島と言う小説が舞台で、
ハリーハウゼンが映画化した事があるらしいが、いまいちなじみがない。
そこで、宝島とガリバー旅行記と言う他の作家の小説を持ち出し、
描かれたのは同じ島だったと称する大風呂敷。
とは言え、巨大生物の島だから、繰り広げられる話はミクロキッズで見たような光景。
土壇場でノーチラス号が登場する見せ場があるが、
ディズニーの海底二万哩のデザインではないので、感慨ももう一つ。
全体的にお手軽な感じ。
ショーンの相手役の巨乳なお姉ちゃんはHな感じ。

TV放送 2013/02/01 WOWOW 2100-2234
 

センチメンタル・アドベンチャー(1982年米)

レッド・ストーバル 流しの歌手(クリント・イーストウッド)
ホス レッドの甥(カイル・イーストウッド)
アンスプリガー レッドから借金する(ウォーゲームの将軍)
マーリン 歌手志望の少女

 流しの歌手をするレッドは、酔っぱらって問題ばかり起こしている。
オーディションへ行くと言い出し、彼を慕う甥ホスも同行する事に。
金を貸したアンスプリガーに持ちかけられ、
保険金詐欺の芝居を打つが、警察に追われる羽目に。
歌手志望の少女マーリンがついてきてしまうが、歌がへたくそで閉口。
何とかオーディション会場にたどり着くが、咳き込んで歌えず断念。
誘われてスタジオで録音するが、ここでも咳き込み、吐血する。結核だったのだ。
やがてレッドは死に、ホスはマーリンと組んで流しの仕事をする事に。
ラジオではレッドの曲が流れていた。

 と言う訳で、クリント・イーストウッドが流しの歌手に扮し、
息子であるカイル少年と旅をする話。
クリントは家族の中ではダメ男の扱いを受けていたが、
カイル少年は歌手である叔父クリントに憧れて旅に同行。
ドタバタの旅を経て、クリントは評価を得るようになるが、
結核の為に歌もままならなくなると言う訳。
どこか聞いた様な話で、ロードムービーのエピソードとしては不足気味だが、
後に傑作を連発する監督クリントの片鱗は見える気がする。

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セント・オブ・ウーマン 夢の香り(1992年米)

監督 マーティン・ブレスト

 苦学生のチャーリー(クリス・オドネル)は、カレンと言う女性に頼まれ、
彼女が旅行する間、叔父フランク(アル・パチーノ)の世話をする事に。
退役軍人のフランクは盲目で気難しい。
悪友がトラスク校長にイタズラし、怒った校長はチャーリーに犯人を聞き出そうとし
答えねばチャーリーを退学にすると脅す。
フランクは突然ニューヨークへ。腕をとる事を嫌がり、高級店へ案内すると言う。
兄ウイリー一家を突然訪問するが、どう接していいかわからず彼らも困惑。
昇進を見送られ、手榴弾で自ら負傷して失明したらしい。
チャーリーは彼に手を焼くが、もう少しいてくれと頼む。
レストランで彼氏を待つドナ(ガブリエル・アンウォー)に声をかけ、彼女とダンス。
さらには車を暴走させ、警官に捕まるが、盲目である事は気づかれない。
しかしフランクも悩みを抱え、自殺しようとするのをチャーリーが止める。
学校に戻ったチャーリーは、公開集会でイタズラについて追求される。
ここへフランクが現れ、親代わりとして証言する事に。
同じく追求されたジョージは密告。チャーリーはあくまで語らず、
校長はジョージは罰せず、チャーリーを退学にすると言い出す。
ところがフランクは、密告屋を優遇するのは創立の精神に反すると演説。
人々は同調し、懲罰委員会はイタズラをした3人を保護観察に。
ジョージは何のメリットも得られず、チャーリーもおとがめなしに。
フランクはチャーリーと再会の約束をする。

 と言うわけで、苦学生のクリス・オドネルが
頑固者の盲目の元軍人アル・パチーノに振り回される話で、
盲目なんだけど、なかなかそれを感じさせない洞察力で
振り回されながらも、どこか頼れる存在になっていくのだが、
彼には彼の悩みがあったなんて展開。
最後に校長をやりこめるところなどは、痛快感あり。
アル・パチーノの盲目演技もいいのだが、
個人的にはガブリレル・アンウォー狙いで見たところもあり、
あんなにチラリとしか出ないとはまいった。

TV放送 2003/01/10 25ch 0130-0330
 

セントルイス銀行強盗(1959年米)

ジョージ・ファウラー 若造(スティーブ・マックイーン)
アン ジョージの元恋人。ジーノの妹
ジョン・イーガン リーダー
ジーノ 仲間
ウィリー 仲間

 イーガン一味は銀行強盗を計画。
ジーノと親しいジョージは強盗を嫌がり、運転手として参加する事に。
もともとの運転手ウイリーはこれに不満だ。
 ジーノの妹で、ジョージの元恋人アンは、彼らが何かを企んでいると感付く。
見過ごせない彼女は、強盗が銀行を狙っていると落書き。
厄介だと感じたイーガンは、アンを階段から落として殺害してしまう。
 結局ウィリーが運転手に戻り、ジョージは強盗として参加する羽目に。
銀行を襲撃するが、たちまち警察が包囲して撃ち合いに。
ウイリーは退散してしまう。
イーガンは人質をとって射殺され、絶望したジーノは自殺。
追い込まれたジョージは、女性客を人質にするが、悪魔じゃないと言って結局解放。
突入した警察に逮捕されるのだった。

 と言う訳で、スティーブ・マックイーン主演のサスペンス(?)
時期的には絶対の危機と荒野の七人の間。
マックイーンはちょいワル仲間に誘われて、銀行強盗に参加。
危険な事をしたくない彼は運転手役となるが、途中で計画変更があって強盗役に。
さらに仲間が射殺されて、一人で立てこもる羽目になると言う訳。
緻密な計画ぽい描写だが、計画を立ててるのは車の移動についてのみで、
肝心の銀行の方は出たとこ勝負。
印象に残ったのは、銀行を包囲した警察が人質の安全も考えずにやたら撃ちまくる点と
計画に気付いたマックイーンの元恋人が冷酷に始末される点。

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クライム・スピード(2014年米)

ジェームズ 自動車修理工(ヘイデン・クリステンセン)
フランキー ジェームズの兄(エイドリアン・ブロディ)
エミリー ジェームズの元恋人。警察のオペレーター(ジョーダナ・ブリュースター)
レイ 仲間
シュガー 仲間

 自動車修理工のジェームズは、出所した兄フランキーと再会。
かつて悪事に引きずりこまれ、
自身も刑務所に入れられたジェームズは、兄を快く思っていない。
 フランキーに紹介され、レイとシュガーの2人組と知り合う。
彼らは強盗を犯し、ジェームズは運転手をする羽目に。
次は銀行を襲うと言う。
 仲間も増え、50万ドルが手に入ると言うが、ジェームズは抵抗を感じる。
しかし、フランキーは2人組に恩義があり、逆らえないと言う。
さらに元恋人エミリーも危険だと脅され、やむなく参加する事に。
 ジェームズとエミリーとの関係が再燃。
だが、一味はエミリーが警察の指令室で働いている点を問題視。
やむなく、エミリーには町を出ると告げる。
 一味は爆破騒ぎを起こし、警察が出動したスキに銀行を襲撃。
運転手役のジェームズは、通報されたと警告に行くが、
その間に裏切った仲間が車で逃走。
警察が包囲し、撃ち合いでフランキーが負傷。
ジェームズは留まるが、レイらは裏口から逃げて射殺される。
 死を覚悟したフランキーは、ジェームズを人質にとったフリをして外へ。
フランキーは射殺され、ジェームズは保護される。
救急隊員に犯人だと気付かれるが、ジェームズは隊員を倒して退散。
通報を受けたエミリーは犯人がジェームズだと知って愕然。
報告せずに、立ち去るのだった。

 と言う訳で、ヘイデン・クリステンセン主演のクライムサスペンス。
顔合わせで面白そうと思ったが、
先日見たスティーブ・マックイーンのセントルイス銀行強盗のリメイクとの事。
かの作品、そんな有名とは思わなかったが。。
ヘイデンがマックイーンに相当する主人公。
エイドリアン・ブロディが刑務所帰りの兄(旧作では元恋人の兄)。
ジョーダナ・ブリュースターが元恋人役。
微妙に設定が変わってて、言われないと同じ話とは気付かない感じ。
もっぱらの関心はジョーダナが冷酷に始末されるかにあったが、
さすがにそんなシーンはなかった。
リメイクと言う点がなければ、今風のありがちな話と言う印象。

TV放送 2016/10/23 WOWOW 2315-0050
 

潜望鏡を上げろ(95)

 ドッジ少佐はオンボロ潜水艦スティングレーの艦長に起用される。
彼の任務は、防衛網の中、米国へ攻撃可能か否かを試すと言うものだ。
乗組員も問題がある連中ばかり。レイク大尉(ロレーン・ホリー)は初の女性乗員だ。
ドッジは乗員に歌を歌わせ、敵艦に漁船だと思わせ包囲を突破。
グラハム提督(ブルース・ダーン)は、ドッジを評価せず、自ら追跡する事に。
ドッジはタンカーの下に潜り、次の目標へ。タンカーのコース変更で見つかるが、
捕捉される以前に、ダミー艦を撃破。見事に任務を達成。
その成果を評価され、ドッジは最新鋭艦の艦長に選ばれる。

 と言うわけで、はみ出し連中が、潜水艦で妙に活躍する話なので
ポリアカ潜水艦版かと思ったが、ドッジが意外にマトモな人物でそれほどはみ出さず。
他の乗員もそれほどおかしな事をするわけではなく、徹底したコメディとも言えず。
ドッジの作戦は奇想天外だが、実現不可能と言うほどでもなく、実際に使えるかも。
機関長にハリー・ディーン・スタントン。

TV放送 97/11/15  BS05  20:00-21:40
 

戦略大作戦(70)

 第2次大戦末期。米兵のケリー(クリント・イーストウッド)は、独軍大佐を誘拐。
独軍がとある銀行に大量の金塊を所有している事を聞き出す。
上官がパリへ行く3日間休暇となり、ケリーはその間に金塊を強奪する事を計画。
ジョー(テリー・サバラス)は無謀な作戦に否定的だったが、結局参加。
味方の攻撃中に敵の前線を突破。だが、味方機にジープをやられたため、徒歩で進行。
オッドボール(ドナルド・サザーランド)の戦車部隊は敵の鉄道施設を攻撃。
味方の攻撃で橋が爆破されたため、修復用に大部隊を呼ぶ。
ケリーらは地雷源を突破し、敵のパトロールを撃滅。オッドボールと合流する。
激戦の川を通過し、町へ到着。奇襲し、敵をほぼ壊滅させる。
だが、銀行の門は開かず、広場には残る敵戦車が構えている。
ケリーらは、独兵に金塊と交換に門を撃ち破らせる。
町は解放され市民は大喜び、噂を聞いた将軍もかけつける。
ケリーらは金塊を持ちだして去る。

 というわけで、ナバロン的な特殊チームものと思いきや、
それが戦争スペクタクル的にもなり、コメディタッチにもなり、
戦争の物悲しさも表現してしまうという、手を出しすぎてどっちつかずの映画。
ケリーの計画は、結局ないに等しかったし、途中敵を倒した作戦もよくわからない。
普通では突破できなかった敵前線を、突破した手口等をもう少し工夫してほしかった。

TV放送 92/02/14 04CH 21:00-22:52