自由千韻「ばいばいBIGLOBE」の巻(2/5)
起首 2001.10.06 満尾 2002.07.14
0201 ご近所の歯医者とっても抜き上手 梨乃
0202 根が切れないと嘆く連衆 みど
0203 回線はそのままにしてメール読む ロコ
0204 先行予約は先手必勝 梨乃
0205 寝袋の並ぶ路面を照らす月 みど
0206 新型ソフトは母の熱望 ロコ
0207 子供より親が夢中のハリー様 梨乃
0208 棚の埃を魔法で払う みど
0209 誰がいつすればいいのか大掃除 ロコ
0210 年が明けたらお当番待つ 梨乃
0211 数え日を数えそこなふ年齢となり 無耶
0212 猫の茶碗を買う歳の市 海砂
0213 どう見ても掘出し物と騙されて 無耶
0214 木槌の響くサザビーの館 海砂
0215 王様の使いは今だ現れず 無耶
0216 月を獲らんと足場つぎ足す 海砂
0217 富士山の煙と消えるラブレター 無耶
0218 木花咲耶姫のしゃっくり 海砂
0219 姉様はびっくりぎょうてんお漏らしし 無耶
0220 小さい虹のかかる朝顔 海砂
0221 七人がエイエイホーと山仕事 無耶
0222 にこにこ顔でおにぎりを食う ロコ
0223 午後の陽は背中をじんわり暖めて みど
0224 あなたの入れたお茶がおいしい ロコ
0225 宿帳に夫婦と小さき嘘を書き みど
0226 友に頼んだアリバイ電話 ロコ
0227 読みかけのミステリ持って乗る電車 みど
0228 名探偵に会いたくないわ 梨乃
0229 小包は開けられぬまま保管され ロコ
0230 ポンペイの地を照らす凍月 みど
0231 あの人はどこへ行ったのビンラディン 梨乃
0232 賞金稼ぎは鵜の目鷹の目 ロコ
0233 WANTEDポスターを貼る保安官 みど
0234 光る遺跡に眠る魂 梨乃
0235 空耳に歌声を聞く春の宵 みど
0236 窓の外には花の吹雪いて 梨乃
0237 朝寝する僕に付きあう猫親子 みど
0238 お腹空いたよ肩をふみふみ 梨乃
0239 撮り溜めたビデオの山が宝物 みど
0240 標準で録る特撮オタク 梨乃
0241 うん十年ゴジラの中にずっぽりと 野猿
0242 腰痛首痛顔面痛なり 無耶
0243 アナタハ神ヲ信ジマスカ冬うらら 海砂
0244 賽銭箱にも監視カメラが 薊子
0245 手を打てば愛犬アイボが駈けてくる 宗海
0246 ユーロコインの裏に国柄 海砂
0247 福袋買い物客が殺到し ロコ
0248 整列するのは日本の美徳 みど
0249 正月のおせち洋風オードブル ロコ
0250 野沢菜だけは忘れないでね みど
0251 豚足をじっくり煮込んでコラーゲン ロコ
0252 辛子めんたいピリ辛味で 梨乃
0253 老舗には口先上手のおばあちゃん みど
0254 客もウルサイ博多街並 梨乃
0355 渡来顔縄文顔が混ざり合う みど
0256 もくりこくりに脅え泣き止む 海砂
0257 不審船騒ぎ藻屑と消え果てて 薊子
0358 アナウンサーの吼えるピョンヤン 海砂
0259 衛星がちょっと一杯見張ってる 薊子
0260 国のご法度豚肉と酒 海砂
0261 族長の第五夫人の愁い顔 薊子
0262 儀仗兵には美形そろへる 海砂
0263 いつの日かカエル王子が帰る城 薊子
0264 月面着陸うそだったのか ロコ
0265 駆け落ちと言えぬかぐやのはかりごと みど
0266 出逢い系には危険がいっぱい ロコ
0267 ミュージカル俳優目指す六年生 みど
0268 まずはカメラ目線を覚える ロコ
0269 笑顔には歯のない口がよく似合う 無耶
0270 ひとり遊びをあやす産土 海砂
0271 あんひとはどうせ盆まで帰りゃせん 無耶
0272 茄子の馬を供う伯楽 海砂
0273 円環のゴールはいづこ天皇杯 野猿
0274 小腹空かせておけら街道 海砂
0275 ラーメンの縁にこぼれる涙雨 無耶
0276 稲光して泛ぶ横顔 海砂
0277 龍王のお髭の先にぶらさがり 無耶
0278 宝珠を盗むお転婆の姫 海砂
0279 きりきりと裾をからげて尿すれば 無耶
0280 春立ちながら虹も立つなり 海砂
0281 愚一直去年拓きたる畠二反 薊子
0282 種蒔き手伝ふ老鴉ゐて 無耶
0283 勧善に懲悪伊曽保物語 海砂
0284 ウソをついたら鼻が伸びるよ ロコ
0285 腹中も住めば都ぞ大鯨 野猿
0286 花粉症よけ真田虫飼う みど
0287 呪はしき杉の梢が手を振りて 野猿
0288 爆破事件の犯人いずこ みど
0289 蜂起せよ西新宿500人の宿無しよ 野猿
0290 野菫一本づつを掲げて 無耶
0291 ガリ版に包んだコッペパンの味 みど
0292 托鉢僧の寒い駅頭 海砂
0293 流行るもの冬の花火に冬の雷 無耶
0294 ドミノ倒しの違法駐輪 みど
0295 ケンタッキーをぢさんの辻日脚伸ぶ 海砂
0296 梅は咲いたか桜はまだかいな 無耶
0297 空青く東を向く風見鶏 海砂
0298 なんでもかんでも作る中国 無耶
0299 新年度どっと増えたる留学生 宗海
0300 絵文字で綴る便の往来 海砂
0301 言葉には何の恨みもなけれども 無耶
0302 飯風呂寝るで今日も一日 宗海
0303 糠味噌の底に隠した二十両 薊子
0304 ちゃんが戻らにゃ骨になるしか 宗海
0305 ことことと母が押し行く乳母車 宗海
0306 眠る子の手に風車鳴る 海砂
0307 忍者にも故郷ありて寒時雨 無耶
0308 甲賀の山に落ちるいが栗 海砂
0309 金団に良き芋太る良夜かな 薊子
0310 ほうれん草を背負った豚生れ 無耶
0311 崩れ去るバーミヤンなる磨崖仏 海砂
0312 悟空くるりと捻る如意棒 宗海
0313 夜だけはいつでも大艦巨砲主義 鶴鳴
0314 だって私はノンポリだもの ロコ
0315 古ぼけたフォークギターの弦張り直す みど
0316 泣く子もいるよ8割セール 梨乃
0317 大宰府にお御籤結ぶ受験生 みど
0318 ギヤマングラスに梅を一輪 梨乃
0319 いと白きうなじに目をば奪われて みど
0320 かいがいしくもお粥炊きつつ 梨乃
0321 名を呼べば返事甘やかロボット犬 海砂
0322 息子も孫ももはや遠くて 無耶
0323 取りいだす小さいチュチュとトウシューズ 海砂
0324 異人さんと一緒に行く港町 無耶
0325 都鳥このあたりではかもめなり 海砂
0326 泣き泣き編んだセーターのこと 無耶
0327 紅白の舞台衣裳のこれはこれは 海砂
0328 羽根を背負って大階段に 梨乃
0329 職人の技あればこそ薔薇も咲く みど
0330 鍛え鍛えて光輝き 梨乃
0331 天翔ける乙女は英雄導きて みど
0332 ボクの好みは姉さんタイプ 梨乃
0333 押入れにどっさりリカちゃん人形 みど
0334 娘オヤジの後継ぎとなり 梨乃
0335 引き際が大切だよと遺言に みど
0336 今は楽しくチケット予約 梨乃
0337 したたかに盗品もネットオークション 海砂
0338 待てど届かぬ約束のもの 無耶
0339 二百年海辺に暮らす亀の春 みど
0340 乙姫様は長いうたたね 無耶
0341 龍宮に地下鉄新線乗り入れて 海砂
0342 SUIKAは吸えぬキセルとあいなり みど
0343 人間は無口無言の動物に 無耶
0344 神も仏もデジタルになる 海砂
0345 呼び出してパソコン墓に手を合わせ 無耶
0346 ご先祖さまは落雷に消え 海砂
0347 歴代のたまっごち並ぶ年賀状 みど
0348 牛の悲劇に馬がおびえる 無耶
0349 駅頭のマックバーガー秋の風 海砂
0350 無理矢理捨てる鯨もったいな 無耶
0351 神々の終末を見るリストラ社員 みど
0352 残った奴らに何ができるか ロコ
0353 くず野菜ことこと似込む冬の夜 みど
0354 春は恋しい花粉はきらい ロコ
0355 新聞は番組欄を丹念に みど
0356 あちらこちらで民事再生 梨乃
0357 付き合いの善し悪しわかる困ったとき みど
0358 合併続き増える事務処理 鶴鳴
0359 ニッポンにピサの斜塔が増えている 梨乃
0360 銀座鼠も痩せてきました みど
0361 蘭石は髪をばっさり切りました 鶴鳴
0362 春風受けて1歩先行く 梨乃
0363 お気に入りトリュフ一箱平らげて みど
0364 バレンタインだジャスコダイエー 鶴鳴
0365 取りあえずサティも催事頑張ってる 梨乃
0366 スノーブランド消えた店頭 みど
0367 牛肉を食べぬ習慣ついてもた 梨乃
0368 ソルトレイクのお祭り騒ぎ みど
0369 遊ぶヒマがあるなら遊べ春うらら 海砂
0370 痒い目こすり花の探索 みど
0371 飼い猫は外に出すなとおふれ有り 唐辛子
0372 恋するポチの哀れ遠吼え みど
0373 ピーポーと緊急車ゆく春の月 海砂
0374 くしゃみ押さえる張り込みの刑事 みど ※刑事(デカ)
0375 手作りのチョコ恵まれて嬉し泣き 無耶
0376 義理しがらみも世渡りの味 海砂
0377 月仰ぐ赤城の山も今宵限り 無耶
0378 南を指して渡る雁が音 海砂
0379 どんぐりのころころぽっちゃん池の音 無耶
0380 学校卒えためだか売られる 海砂
0381 行列は時間限定八割引 無耶
0382 廻転ドアにたじろぎてをり 海砂
0383 これよりはジムに通いてエアロビも 無耶
0384 ウエストサイズ物語にて 海砂
0385 腹芸の政治屋建てるムネオハウス 無耶
0386 クルマでなくてクマのハイウエー 海砂
0387 死んだふりしなくていいよ外務省 無耶
0388 男の涙も時に殺すぞ 海砂
0389 易水に蕪流るる寒い朝 無耶
0390 クツハラという原っぱは何処 海砂
0391 爺婆を頼むさつきの鯉のぼり 無耶
0392 確定申告かくて深刻 ロコ
0393 家計簿の横に赤ペン常駐し みど
0394 目のちかちかは老眼のせい ロコ
0395 どうしたのこのごろあなたいい男 ロコ
0396 詰襟似合うボク中学生 みど
0397 金メダル二つ出すとは苦肉だな 梨乃
0398 白銀の地に国の思惑 みど
0399 宵闇の道の奥から花香り 梨乃
0400 春をぶら下げあやかしが行く みど
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