自由千韻「ばいばいBIGLOBE」の巻(3/5)
起首 2001.10.06 満尾 2000.07.14
0401 ちょっと来いケンタウルスが酒盛りし 梨乃
0402 ワルプルギスの魔女のひそひそ みど
0403 冴返る四辻どこへ王の危機 無耶
0404 策を弄して青色申告 みど
0405 毎年よ工事渋滞二三月 海砂
0406 演歌の似合う派手なトラック みど
0407 江ノ島は岩本院の稚児あがり 海砂
0408 前世偲ばす姫の横顔 みど
0409 絵が動く子供の夢の金の熊 唐辛子
0410 アニメのキャラが揃うお祝い 無耶
0411 着ぐるみの熊罷り出る親心 海砂
0412 運動会の玉をころがす 無耶
0413 タイマーが鳴って半熟ゆでたまご 海砂
0414 コロンブスにはもう飽きました 無耶
0415 禁煙の指しゃぶりするわが上司 海砂
0416 読んで口惜しいリストラの沙汰 無耶
0417 空っぽの第三セクターローカル線 海砂
0418 遠くの村と縁組をする 無耶
0419 どさと問ひゆさと答へる寒い国 海砂
0420 唇細うして饂飩すする夜 無耶
0421 激辛の真っ赤っかなる涙にて 海砂
0422 オリンピックの判定に泣く 無耶
0423 審判も採点すればいいかしら 薊子
0424 口やかましく女房しゃしゃり出 無耶
0425 蒼ざめた青鮫奔る日本海 海砂
0426 お湯割にするチュウは白波 無耶
0427 ただひとつ憂いはγGTP 海砂
0428 喧嘩っ早いは先祖代々 薊子
0429 裾まくる勢いばかり尻に帆を 無耶
0430 棒ちぎれなど撫してまた酒 海砂
0431 道具やのいつまで経っても見習で 無耶
0432 火事場で拾うなまくらの鋸 海砂
0433 目を立てて塵を探すはお姑 無耶
0434 消費カロリー少し足りない ロコ
0435 ぴちぴちで花も挿せないボタン穴 みど
0436 BMIの数値知ってる ロコ
0437 電卓を叩く指先凍え気味 みど
0438 鍋は食べてもビールは飲めない ロコ
0439 その昔タップでならしたこの肢体 みど
0440 地味な服ないフラメンコダンサー ロコ
0441 ひょっとしてリューマチなのかと悩む夜 みど
0442 相談したいみのもんた様 梨乃
0443 にんまりと笑ったときは「残念」で ロコ
0444 縁起善し悪しよろずお答え みど
0445 見るだけは嫌われるのよパチンコ屋 梨乃
0446 拾い玉して全開が夢 ロコ
0447 シケモクを並べて思案してみても みど
0448 橋の欄干残るばかりで 梨乃
0449 ブルースは夜のとばりに消えてゆく ロコ
0450 昨日見た月誰と見た月 みど
0451 露濡れて猫のひっそり石畳 梨乃
0452 サザエさんたら裸足のままよ ロコ
0453 つぼ焼きを横目で見てる糖尿病 みど
0454 カロリー計算電卓が友 梨乃
0455 ぶつくさと方言混じりのひとりごと みど
0456 牛とトマトは出身隠し 梨乃
0457 無国籍料理の看板塗りつぶす みど
0458 味の判らぬグルメたくさん 梨乃
0459 ちょび髭の紳士は詐欺の常習犯 みど
0460 コレを見たまえワトソン君と 梨乃
0461 霧深きロンドン塔に尽きぬ謎 みど
0462 震えて眠れ姫ら王子ら 野猿
0463 株分けのゼラニウム咲く異国の地 みど
0464 温暖化してシベリアに夏 海砂
0465 にょっきりとマンモスの骨吼える犬 みど
0466 コピーは成るか眠る遺伝子 海砂
0467 これがまあ大文豪の息子とは 無耶
0468 髭の剃り痕恥じる女子房 薊子
0469 前立腺肥大が鬱のはじめにて 海砂
0470 朝顔の露こぼすべからず 無耶
0471 丈高きもの皆アジア蔑視なり 宗海
0472 旧正月もお年玉くれ ロコ
0473 長崎の夜はランタン揺らめいて 梨乃
0474 衣装自慢の花魁の意地 蘭石
0475 チョッキ着て犬ころ連れて散歩する 鶴鳴
0476 ベリーショートをなぶる春風 みど
0477 お祝いに越乃寒梅ちょっとなめ 梨乃
0478 女怪盗つまむ枝豆 鶴鳴
0479 半月に一度はトロイの木馬来る 蘭石
0480 三層目より出土の髑髏 みど
0481 発掘を趣味にできます「ときスリー」 鶴鳴
0482 ヲタク夫は若ハゲでデブ 蘭石
0483 自閉気味猫が唯一なつく人 みど
0484 ホームページにテクスチャを貼る 鶴鳴
0485 幸せは帰る処がある暮らし 蘭石
0486 セピア色した入学写真 みど
0487 セックスをセクースという人がいて 鶴鳴
0488 蜜たっぷりのパイのあやうさ 蘭石
0489 純情のこぼれる宵の沈丁花 みど
0490 東北にあるキリストの墓 鶴鳴
0491 貴種流離して伝説の幕上がる 蘭石
0492 形代になき両のおん腕 海砂
0493 桐箱の蓋をもそっと開けてたも みど
0494 御簾を透してにじむ雪洞 海砂
0495 古雛の頬にかすかな染みの生れ 無耶
0496 いつきの宮のほのと薫物 海砂
0497 鼠捕る猫の揃って月の庭 みど
0498 白木蓮は瞑想の花 海砂
0499 仏なき石窟院に砂塵よす みど
0500 ふんころがしが渇く夏雲 海砂
0501 ファーブルが挨拶をする昼の蟻 無耶
0502 蔵に鍵して追い払う客 みど
0503 街宣車きょうはなぜだか戸川純 野猿
0504 啓蟄すぎて街の賑はひ 無耶
0505 地上げ屋の靴底すっかり擦りへって みど
0506 夢よふたたびうたかたの泡 野猿
0507 十二社通りの古いアパートに 無耶
0508 ぴったんぴったん止まぬ水漏れ みど
0509 時よ留まれそなたはなんと美しい 無耶
0510 新馬戦から連戦連勝 海砂
0511 血統が目覚しにするファンファーレ 薊子
0512 母娘ともどもヅカのトップよ 海砂
0513 大階段下るは王妃か死神か 無耶
0514 毒饅頭でアン殺の計 海砂
0515 南洋の冒険ダン吉団子好き 無耶
0516 九郎判官くらう羊羹 海砂
0517 信長が長ツ尻する厠なか 無耶
0518 蘭丸あるか紙がござない 海砂
0519 御前に候などと春はんべり 無耶
0520 聚楽第より花のおん召し 海砂
0521 お土産は亜剌比亜馬に籠の鳥 薊子
0522 僕の叔父さん船長さんだぞ 無耶
0523 お咄は法螺と知りつつ掌に汗を 海砂
0524 握ればこれは賢者の石じゃ 無耶
0525 春休みどこに行こうか思案中 ロコ
0526 山には山の厄介がある みど
0527 街の中どこにでも飛ぶ杉花粉 ロコ
0528 ムネオに文句ある奴ばかり みど
0529 政治家ってワイドショーに出てる人 ロコ
0530 北方領土も買ってみしょうぞ 野猿
0531 この秋は大風呂敷展民族館 みど
0532 八畳以上あるぞと威張る 野猿
0533 馴れちゃえば一人暮しの気楽さよ みど
0534 ぼくが鉄男になるのいつの日 野猿
0535 とりあえずハーゲンダッツで一休み 梨乃
0536 公演予定をチェックしてみる みど
0537 銀行員ドラァグクィーンにひょいと化け 野猿
0538 オタクの嫁はビデオ地獄で 梨乃
0539 十二時にカボチャに化ける夢遊病 みど
0540 万聖節とて拳銃乱射 野猿
0541 明るいわ工事現場の夜の道 梨乃
0542 まかりいでたるコロリまが玉 みど
0543 親王は虎に喰はれて往きにけり 野猿
0544 秘密結社の暗躍するは 梨乃
0545 世が世ならヨガ行者にも良か夜が 野猿
0546 針の莚か花の莚か 無耶
0547 涙目の集ひて春のNGO みど
0548 白い粉ならなにもかも毒 海砂
0549 「稚児求ム」貼紙のある花まつり 野猿
0550 乳母車にて運ぶご馳走 みど
0551 奥様の日傘くるくる回さばや 野猿
0552 そ知らぬ顔で爆弾を抱き 無耶
0553 そのかみのれじすたんすもてろとなり 無耶
0554 名指しをされる悪の枢軸 海砂
0555 あんなにも頼うだ人を下野させて 無耶
0556 年々歳々花はおなじく 海砂
0557 寝そべりて春彼岸待つ四方の山 無耶
0558 壬生浪たむろす月は朧に 海砂
0559 まだ降らぬ雨にじれたか京娘 無耶
0560 背丈の高さなやむ舞姫 海砂
0561 いいじゃない君を見上げる僕がゐる 無耶
0562 鵺を射落とし名をぞあげたり 海砂
0563 不眠症の治療は任せる源三位 無耶
0564 蛍に化して恋を誘ふ 海砂
0565 露連れてカラコロ下駄の来るを待ち 無耶
0566 百物語消えるローソク 海砂
0567 新世紀は魑魅魍魎のはびこりて 無耶
0568 霞ヶ関に烏群れ立つ 海砂
0569 国産と思えばうまし豚と鶏 無耶
0570 ちゃらんぽらんにラベル貼り替え 海砂
0571 なにをかも知る人ぞ知る恥知らず 無耶
0572 あはれ矢鴨や不忍の池 海砂
0573 これはもう許しちゃおかぬ猫に釘 無耶
0574 祟りあらたか後世は野鼠 海砂
0575 有り難き神も仏もみそなはす 無耶
0576 弥勒下天の光待たるる 海砂
0577 遊ぶ子に魂をこそゆるがるれ 無耶
0578 かごめかごめに加護垂れたまへ 海砂
0579 いつの間に後ろの正面花盛り 無耶
0580 友禅流す雪解けの川 海砂
0581 武者人形来るわ来るわでおおわらわ 野猿
0582 柱の傷に住まう白蟻 みど
0583 三日月を額に刻む好い殿御 野猿
0584 姉と弟は国を追われて みど
0585 哀れ父アガメムノンの死にざまよ 野猿
0586 唖の奴隷の暗い眼差し みど
0587 ただひとり銀の三角かなでゐて 野猿
0588 川辺に葦の揺れるチグリス みど
0589 羊飼い指差す先に超新星 みど
0590 時の大河の花咲くほとり 野猿
0591 このダムはあの先生のお陰です みど
0592 老いた漁師の指は震えて 野猿
0593 三線は村一番と胸を張る みど
0594 踊る阿呆の住む高円寺 野猿
0595 托鉢僧改札口に待ち構え みど
0596 ゴールドカードやたら持ってる 野猿
0597 警戒の厳しい今日の組事務所 みど
0598 いつまでできる小指のリング 野猿
0599 わけありの屋台の過ぎる花の道 みど
0600 二人でならば気にならないわ 梨乃
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