二十世紀カウントダウン連句「ミレニアム」の巻(6/10)
1001 根こそぎにした台風のうらめしき 宗海 1002 ラニーニョかしらエルニーニョかしら 唐辛子 1003 チェ・ゲバラ恋して俺を捨てたやつ 海砂 1004 帰って来いよりんごの村に 兼坊 1005 束の間に変わる世間を寝て過ごし 兼坊 1006 先住権を唱える人々 みど 1007 日本もあともう少しで2000年 いちろ 1008 今日の夜食は仕出し弁当 宗海 1009 糯の眠る竃の神の側 縄文 1010 血の滴れるローストビーフよ 無耶 1011 かたはらに万力男酔ひつぶれ 野猿 1012 ガスコーニュとはどこのあたりか 鶴鳴 1013 一夜にて昭和新山お目見えし みど 1014 婚約解消りえの知らぬ間 宗海 1015 くるくると土俵を舞うは舞の海 ロコ 1016 酸素不足に泣くむつごろう 縄文 1017 朱鷺の子のたちまちでかくなりにけり 無猿 1018 だんごだんごで暮れる半年 宗海 1019 三人の産婆揃ってサンバ好き みど 1020 A CHI CHI A CHI CHIで年の瀬を過ぐ 蘭石 1021 恙なく午前0時は過ぎにけり 宗海 1022 かぼちゃに変わるY2Kとは 野猿 1023 今頃は部長も課長も会社です 鶴鳴 1024 冬の夜空に花火どんどん みど 1025 リバーシブルファスナーちょっと硬すぎる 縄文 1026 ネット麻雀ランキング入り 蘭石 1027 おほぞらに競馬の神は帰還せり 野猿 1028 禊の水はやはりエビアン みど 1029 六甲のおいしい水で雑煮だあ 蘭石 1030 香具師に混じってふうてんの寅 縄文 1031 めでたやなけつの周りはくそだらけ 玄鴻 1032 浮世の果ては大五郎なり 宗海 1033 エリツィンが辞意表明し大旦 鶴鳴 1034 さあ取り戻せ北方領土 蘭石 1035 はまなすの咲くはなんにもない春か 縄文 1036 フェリーで二泊卒業旅行 みど 1037 偏差値で言えば彼女は5、60 玄鴻 1038 まずおともだちからはじめましょ 蘭石 1039 世はなべて自己中心の処世感 縄文 1040 ウォークマンからシヤカシヤカシヤン 蘭石 1041 満員電車ヒールの踵意志表示 縄文 1042 Y2Kとは何だったのか 鶴鳴 1043 ウィルスが勝手にお掃除ハードディスク みど 1044 絶叫残し猿ちゃ落ち行く 蘭石 1045 三蔵法師お助け給へこの苦界 縄文 1046 子供従え復活ゴダイゴ みど 1047 昼休みカーペンターズをリクエスト 梨乃 1048 拒食過食は文明の病 縄文 1049 不夜城の深夜零時の三尺玉 卯舟 1050 テトリス最終ステージクリア 蘭石 1051 何人もマリオ殺して姫に会う みど 1052 独身貴族冷食漬けで 卯舟 1053 S&Bのレトルトカレー辛いんだ 鶴鳴 1054 即席麺の蒐集が趣味 縄文 1055 想い出は鴨居に並ぶマッチ箱 卯舟 1056 スパコンとかいうものもあったな 野猿 1057 掃除機と同じ形のiMac みど 1058 叩いて吸い取る因業親父 卯舟 1059 米糠で磨いてましたその昔 蘭石 1060 古い油で手作り石鹸 みど 1061 横顔の月のマークがめくばせを 野猿 1062 牛乳マジで入ってるのか 蘭石 1063 床の間に博多人形転がって みど 1064 バスクリンならレモン好きです 鶴鳴 1065 坂道にスキップしてる老夫婦 みど 1066 博多めんたいとんこつ男 鶴鳴 1067 生国は三大ブスの産地です 卯舟 1068 履歴書に書く嘘の経歴 みど 1069 三年で結婚退社趣味読書 蘭石 1070 娘に託す宙組の夢 卯舟 1071 おリボンをバレエシューズに縫い付けて みど 1072 乙女の定番いつもピンクで 卯舟 1073 大階段あの頂点は誰のもの 蘭石 1074 青田買いにも仁義はあるさ みど 1075 内定を貰ってからがひと勝負 みど 1076 アテにならない会社倒産 卯舟 1077 フリーター四十過ぎても扶養枠 蘭石 1078 児童手当を延長します 卯舟 1079 若かったあの頃二人神田川 みど 1080 ピースマークのTシャツ姿 みど 1081 マフラーにした手ぬぐいは濡れてます 蘭石 1082 我々はぁと声を嗄らして みど 1083 戦いの相手見えなくなって今 蘭石 1084 トルコ改めソープで遊ぶ 卯舟 1085 キャバクラはお金ばっかり使うとこ 蘭石 1086 電話一本宅配の恋 みど 1087 ヤラセとは知らず身の上同情し みど 1088 パー券買っての日々が懐し 卯舟 1089 生命線薄い左手冷たくて 蘭石 1090 天井桟敷に熱いため息 みど 1091 NHKホールの舞台総檜 蘭石 1092 釘1本が変える運命 卯舟 1093 黒豆は浸しただけじゃ駄目らしい みど 1094 今年豆にはいらぬ重曹 蘭石 1095 魚沼に泥棒トラック出没し みど 1096 群馬名産ゴロピカリなり 卯舟 1097 二人ではなかなか減らぬ20k 蘭石 1098 ディンクスの住む高層マンション みど 1099 金妻は独りの午後に花を買い 卯舟 1100 蝶々追って新玉界隈 蘭石 1101 長崎にしよう小倉は曇ってる 唐辛子 1102 男の恋は無法松だな 海砂 1103 代行にプチンとはまたやな予感 海砂 1104 チェチェンの朝はどんよりとして みど 1105 銃持ちて並ぶ兵士は無表情 宗海 1106 白昼夢めくアキノ暗殺 宗海 1107 イスラムの躍進きざす大アジア 無耶 1108 原理主義とは厄介なもの 海砂 1109 スー・チーの愁眉ひらかず秋の暮 海砂 1110 深夜特急尻のポケット 蘭石 1111 ジャイアント馬場の座右の哲学書 野猿 1112 武蔵と天狗いづれが強い 次郎 1113 それはさてお通がいちばん強いかも 海砂 1114 英国気質ガリバーに見る 海砂 1115 初春の未知との遭遇ときめきて 次郎 1116 屠蘇にいただくシャトーブリアン 海砂 1117 ほろ酔いの家族麻雀誰の勝ち? みど 1118 ゆかいな父さん花持たされて 無耶 1119 オレンジと牛肉並ぶ食卓に みど 1120 石油禁輸はもはやあるまい 含胡 1121 爆弾で平和買えるかべ平連 次郎 1122 ミスサイゴンの重き選択 みど 1123 王様と私はタイでは観られない 唐辛子 1124 武神に祈るキックボクサー 海砂 1125 じんわりとボディブローが利いてくる 宗海 1126 国債発行巨額残高 海砂 1127 増えもせず定期預金は眠るだけ みど 1128 低利の時は旧暦がよい 含胡 1129 風水に適いしビルはプール付き みど 1130 小判が出るは温泉噴くは 海砂 1131 年令を満でかぞえて若返る 海砂 1132 アラン・ドロンが消えた銀幕 海砂 1133 必殺の闇を切り裂く仕事人 次郎 1134 ダムに埋もれる故郷の村 みど 1135 箱根路を駈け駅伝の幾年月 無耶 1136 昭和元禄散りいそぐなり 次郎 1137 百年をつらぬく棒のごときもの 海砂 1138 小さきネットに00のツケ 縄文 1139 大事なしとは年頭の記者会見 海砂 1140 お節番組中の清涼 海砂 1141 モンゴルの人民公社の貸し駱駝 みど 1142 旭鷲山は国のお宝 海砂 1143 ノーブラで歩行者天国闊歩する 次郎 1144 五色のホットパンツゆらゆら みど 1145 二分待てひと味違う麺にする 次郎 1146 ペペロンチーノぺろり平らげ みど 1147 効率を申さば米に上がる旗 縄文 1148 食糧自給は二割そこそこ 海砂 1149 お取寄せ流行らせ平成グルメ連 無耶 1150 生きてる蟹がお歳暮となる みど 1151 タンカーの事故に水鳥汚されて みど 1152 漁船も集めてノルマンジーへ 唐辛子 1153 敵陣もリリーマルレン口ずさむ 海砂 1154 ディートリッヒのけだるい耽美 みど 1155 地中海クルーズツアー大人気 みど 1156 退役軍人思い出に泣く 海砂 1157 接戦というよりこれは泥試合 みど 1158 不死身にあらぬアキレスの腱 縄文 1159 モサド追うオデッサファイル地の果てへ 海砂 1160 砂漠を越える耐久レース みど 1161 神殿に聖火を守る乙女たち みど 1162 IOCが改心をした 海砂 1163 古具屋にこそり売られる日本刀 みど 1164 帳簿を焼けば万事めでたし 海砂 1165 騒がせて記憶にないとは遺憾です 次郎 1166 模型機関車走らせる孤独 海砂 1167 軍閥の爆殺事件は僕じゃない 含胡 1168 マルなんとかに息子とられた みど 1169 四畳半窓の下には川流れ みど 1170 礼敷一月眺望絶佳 海砂 1171 上水に浮かぶ太宰に花吹雪 みど 1172 あっと驚くタメゴロちゃん 次郎 1173 コメディアン知事当選の両都なり 蘭石 1174 拡声器からショコショコショーコー みど 1175 上祐がのらりくらりと言い抜けて 蘭石 1176 破防法には世間ためらう みど 1177 キツネ目の男は闇に紛れゆく 唐辛子 1178 グリコの威力三百メートル 宗海 1179 合格者とりまいてゐるバンザイ研 海砂 1180 むかし吉永いま広末 唐辛子 1181 十七歳伊豆の踊子愛らしき 海砂 1182 野菊のやうと言はれ頬染め みど 1183 情に棹させば流れる草枕 みど 1184 峠越ゆれば海の輝き 宗海 1185 隧道にコンクリートの剥がれ落ち 繩文 1186 通勤列車が脱線するとは みど 1187 葉は森に隠せと連続殺人犯 無耶 1188 ドーバー越えて探偵ごっこ みど 1189 テクノなら女王陛下のMI6 海砂 1190 死刑の是非はいまだなかなか 海砂 1191 そんなわけですと会社へEメール 海砂 1192 横長TVフラットに負け みど 1193 夢千代が微笑む春のめでたさよ 海砂 1194 小指が痛む甘い思い出 次郎 1195 キティちゃん模様のパジャマお見舞いに みど 1196 朧月夜の猫の集会 みど 1197 ぞろぞろと浅利慶太のテント小屋 海砂 1198 いろはに託しほめる仇討ち 含胡 1199 月組の月づくしにて春興行 海砂 1200 卒業式の勘九郎親子 みど |