二十世紀カウントダウン連句「ミレニアム」の巻(5/10)
0801 ピアソラのタンゴ奏でる蓄音機 みど 0802 マルキシズムに匂ふ青春 鶴鳴 0803 タンスにゴン亭主元気で留守がいい ロコ 0804 個食パックを探す単身 梨乃 0805 デパートも閉店前は五割引き 玄鴻 0806 通用門に元彼の影 縄文 0807 古の城にSALEの札下がり みど 0808 春の菩薩の笑みたまふ頃 鶴鳴 0809 チケットの代金数えるヅカのファン 梨乃 0810 ぼったくりだよ引越し公演 みど 0811 限界の東京抜けだし首都移転 ロコ 0812 会津訛に混じる江戸弁 縄文 0813 風よ吹け宵闇よ来い月近く 鶴鳴 0814 打ち越すものは魅力たっぷり みど 0815 J1に踏みとどまってグッズ売れ 梨乃 0816 ダイエーホークスつかむ優勝 鶴鳴 0817 大鷹と同居できるかこの施設 みど 0818 畑を守りて案山子片足 縄文 0819 米軍のアンテナ象のなんとやら 梨乃 0820 サーカス団の旅はどこまで みど 0821 健康に良いと黒酢の売れまする 縄文 0822 深層水は入荷薄です 梨乃 0823 鮫肌に鳥肌立つもふか情 縄文 0824 スポーツクラブに入り浸る妻 みど 0825 花粉症蟯虫減った報いとか 玄鴻 0826 馬の尿にもあはれ覚えて 縄文 0827 巡礼の白装束を身にまとい みど 0828 ヘリコプターで廻るお札所 玄鴻 0829 ランボーの詩集に酔って安い酒 縄文 0830 ハチ公と呑む恋文横町 玄鴻 0831 ジァンジァンは公園通りにありました みど 0832 ハンズの袋ずっと取っとく 玄鴻 0833 大賞はあの大将が持ってった みど 0834 背が高いが半鐘泥棒 縄文 0835 出稼ぎの村は婦人の消防団 玄鴻 0836 金塊みなで撫でてさすって みど 0837 竹薮があれば転がる二億円 縄文 0838 喧嘩相手は刎頚の友 玄鴻 0839 票田となるか信濃の河川敷 縄文 0840 歩くアベック拉致で消え行く 玄鴻 0841 お返しに第一号のミサイルを みど 0842 世界連邦夢のまた夢 玄鴻 0843 国民を説得できないウィンストン みど 0844 奴隷制度は今もどこかに 玄鴻 0845 平等の名の元不条理横行す みど 0846 限界にきた神様ごっこ 海砂 0847 朕はただ狆ではなくて人間で 玄鴻 0848 パンティーさえも買える自販機 玄鴻 0849 猿股はすでに通ぜぬサルマタケ 宗海 0850 蟹にその名をのこすふんどし 海砂 0851 今日も遠赤外線でぽかぽかと みど 0852 焼肉店で薬喰ひなり 海砂 0853 嫌煙も排煙装置もなんのその 無耶 0854 なんのその子は白い化け物 海砂 0855 金妻も愛人バンクに登録し 次郎 0856 強請りたかりは今や茶飯事 宗海 0857 使い捨て携帯阻む逆探知 海砂 0858 馬鹿もコップも使ひ様なり 宗海 0859 探偵に夫と息子尾けさせて 無耶 0860 秘境ツアーの流行る昨今 みど 0861 キルギスにいったいいくらやったのか みど 0862 アラーの教え守りしのみよ 海砂 0863 断食の明けてパン屋の香わしさ 海砂 0864 高田馬場に徹まんの宿 海砂 0865 少子化に予備校パイの奪ひ合ひ 宗海 0866 儒教の国は教育熱心 みど 0867 推薦の入学狙う厩火事 海砂 0868 蛇が怪我してへぃびぃちぃでぃ 宗海 0869 三匹の熊ちゃんヤルタでひそひそと みど 0870 くぐっちゃいけないベルリンの壁 みど 0871 子等は皆金掛けずとも遊ぶはず 卯舟 0872 同級生が実はハッカー みど 0873 不具合はバグではなくて仕様です 卯舟 0874 馬具と武具とが並ぶ道具屋 宗海 0875 竹馬は五歳のみぎり乃木将軍 海砂 0876 身を捨ててこそステッセルなれ 宗海 0877 分別の要求される台所 みど 0878 アル中製造工場にして 海砂 0879 蔵立てて上戸は高額納税者 宗海 0880 旧国鉄を養う煙草 みど 0881 町商家鰻の寝床にわけがある 海砂 0882 モボとモガとが鳴らすどぶ板 無耶 0883 大掃除つい読みふける古新聞 宗海 0884 銭形平次行くは鍛冶橋 海砂 0885 レモネード昔の耳にラムネなり 海砂 0886 馬糞を踏めば背イが伸びるぞ 海砂 0887 一粒に七神もいちゃうるさかろ みど 0888 五時から男のイッキ呑みなり 次郎 0889 ホーリイナイト反吐をいろどる鳴門巻 海砂 0890 いつの間にやら祝日が増え みど 0891 カレンダーだけが頼りのオギノ式 卯舟 0892 恋のサインは食卓の花 海砂 0893 ひたすらに上昇カーブの離婚率 みど 0894 クレイマークレイマーフレンチトースト 海砂 0895 沢庵と目刺は医者に止められて 無耶 0896 トーニョーボーイ制すダービー 海砂 0897 局アナの咄嗟ら抜きがこぼれ出づ 海砂 0898 ラジオは叫ぶ贅沢は敵 含胡 0899 髪切って袂を切って銃後なり 海砂 0900 サラダだけでも記念日となる 次郎 0901 逢い引きの缶チューハイの青春よ 海砂 0902 トロール船の大漁旗裂け みど 0903 なんもなんも拿捕は覚悟のたらば漁 海砂 0904 深海域に山脈のあり みど 0905 雪嶺を行くテンジンとヒラリー卿 海砂 0906 河内の悪党忠臣となる 含胡 0907 菊水の幟押し立て街宣車 海砂 0908 壁は薄くてピアノ殺人 みど 0909 早口の音頭各地で受けまして みど 0910 三味線ロックにギター浪曲 海砂 0911 家元はDNAが決め手です みど 0912 月も朧に三角野郎がぁ 無耶 0913 ともがらは四角四面のオセロSIG 海砂 0914 発明したのは同級生なの 無耶 0915 ママチャリの荷台にたっぷり備蓄品 みど 0916 トイレットペーパー主婦を走らす 次郎 0917 大晦日何が起こるかわからない 無耶 0918 アトピーの子は年越カレー 無耶 0919 星きららちょと覗かせて望遠鏡 海砂 0920 宇宙を曲げたアインシュタイン みど 0921 数式にΣ加えた不覚なり 海砂 0922 青カビパンにペニシュリン棲む みど 0923 ペンギンとタロージローの昭和基地 玄鴻 0924 臨界に挑むH2ロケット 次郎 0925 花かすめ世界一周熱気球 みど 0926 そのつもりではあったをぢさん 海砂 0927 なにもかも大きいことはいいことだ 海砂 0928 ヒンデンブルグが燃えるのを見た 唐辛子 0929 ベルリンに示威の五輪をゲッぺルス 海砂 0930 宣伝こそが生き残る道 宗海 0931 お客様とマニュアル通り型通り 無耶 0932 小金を貯めた老人が鴨 海砂 0933 暴漢に刺さるる最期さる商事 海砂 0934 マルチ育てる欲のかたまり 海砂 0935 タニマチの御祝儀申告しそびれて みど 0936 麺麭も饂飩もどれもちゃんこだ 縄文 0937 火車はしる複合不況でメセナ消え 次郎 0938 お醤油借りて今日も幸せ 含胡 0939 福引で当てたハワイのお正月 みど 0940 便所こおろぎころころと鳴く 蘭石 0941 貞子さんビデオテープの中に住み 梨乃 0942 振興券に化けた税金 梨乃 0943 銭洗う巣鴨地蔵の裏の井戸 縄文 0944 厚底ブーツはおよしなさいよ 海砂 0945 短銃に優る竜馬の法知識 縄文 0946 ジェームズボンドはベレッタが好き 宗海 0947 もったいなやメリケンサックにロレックス 海砂 0948 日読み月読み潮を読む日々 縄文 0949 釣り馬鹿と言はれて意気を投合し 宗海 0950 宴会部長も重い職責 海砂 0951 通販のビデオで習ふ安来節 宗海 0952 田の落し水泥鰌漁る 縄文 0953 雲南の鯰は殿下のご学殖 海砂 0954 次の候補地駿河湾なり 宗海 0955 何の肝だかわからないあんきも缶 海砂 0956 仲人口の二割増強 縄文 0957 憂国の士は早婚をさせたがり 宗海 0958 清水次郎長愛妻の伝 海砂 0959 無宿者国土保全の役に立て 縄文 0960 麻薬所持する座頭市なり 宗海 0961 税関の犬が股間にかぶりつき 海砂 0962 記事にならずに去る宝島 縄文 0963 コウノトリ今度は巣作りしてあげて 真由 0964 右往左往はマスコミの常 宗海 0965 もの知らず秘すれば花といふことの 海砂 0966 大和撫子昔語りに 縄文 0967 人前の化粧なんぞはなんのその 宗海 0968 知り合い以外かぼちゃ唐茄子 海砂 0969 むかつくも切れるのもあり幼稚園 宗海 0970 悪魔と名付ける親の酔狂 海砂 0971 何事も流行り廃りは世の習ひ 宗海 0972 屑籠にさへならぬパソコン 宗海 0973 インベーダーゲームは粗大ごみとなり 海砂 0974 何が育つか夢の島では 宗海 0975 保険金ひと夜ひと夜にひと殺し 海砂 0976 かたに取るなら目玉生き肝 宗海 0977 白蟻のジェノサイトから学ぶもの 海砂 0978 手遅れと言ふ意味の重さよ 宗海 0979 無謬なぞあるはずないに官僚は 海砂 0980 競争の間に忘れしは何 宗海 0981 山の樹が育てるという海の幸 海砂 0982 ダイダラボッチひそと微笑む 宗海 0983 クリオネのこの可愛さはどうだろう 海砂 0984 浅蜊の餌となりし蟹の仔 宗海 0985 縞馬に蹴られて死ぬる獅子がゐて 海砂 0986 蟻が侮るキリギリスなり 宗海 0987 山一が潰れるなんて世も末だ 蘭石 0988 無くてもがなの葬式仏教 海砂 0989 気の毒な嬰子に涙落とす暮 無耶 0990 人権なんてマスコミになし 兼坊 0991 なにやらの一つ覚えの絶叫調 宗海 0992 ダイアナ妃追うパパラッチたち 海砂 0993 太っちょのヴィッキー孫に囲まれて みど 0994 ダイエットしてリバウンドまた 蘭石 0995 谷深きゆえに尊き山もあり 含胡 0996 川の流れに鐘の鳴る丘 次郎 0997 見たくないでも見てしまう紅白を 兼坊 0998 りんご娘が唄う追分 次郎 0999 月夜には白い花弁が風に散る 宗海 1000 世界各地のカウントダウン みど |