サンスーシ宮殿は、プロイセンのフリードリヒ大王が建てた夏の離宮。
ベルリンからSバーンかDBで30~40分のポツダムにあります。
(ポツダムといえば、第二次世界大戦終了時のポツダム宣言で有名。)
ポツダム駅からバスで10分ほどでサンスーシ宮殿近くにたどり着くので、まずは、サンスーシ宮殿入場の予約をする。
この日は、7月、晴天の水曜日。11時前に到着して、予約が取れたのは12:20。
宮殿入場までは、広い庭の散策で時間をつぶすことにした。
サンスーシ宮殿は、横に長いので、全景の写真を撮るには相当離れなければならない。
噴水のある辺りまで来ると、美しい緑の階段のような庭と宮殿の黄色い壁がよく映えて遠目にも綺麗です。
(写真 左)
まだ時間があるので、宮殿から離れて公園内を歩き「中国茶館」に行ってみた。
ここは、当時の間違った中国趣味大爆発で笑えます。(写真 右→)
屋根の頂には、傘をさした怪しい中国風爺さんの金ぴか像があり、緑の壁は、中国風の装束、ポーズをした金色の人物像に
ぐるりと取り巻かれている。しかし、どんなにがんばっても、顔が西洋人なのである。目から鼻の彫りが深いこと。
目を細くしてあるけれど、こんな顔立ちの中国人はいない。
2DM(約120円)の入場料を払って中に入ってみた。ロココ様式の内装の壁には中国製の陶磁器や、変な人形
が飾ってある。壁画は一層怪しげな中国人の風俗画で、写真撮影禁止なのが本当に惜しい気分だった。
更に時間があったので、がんばってもう少し遠くにあるローマンバスまで行ってみた。ここは庭師達の住居として
使われていたそうで、イギリス、バースにあるローマンバスを小さな規模で模倣したような感じであった。
ヒラメの口から水が出る出水口(?)が印象的だった。外からちょっと覗いて終了。
さて、ようやく12:20になり、宮殿の入り口の鍵が開いた。入場チケット(10DM:約600円)を見せると
「JAPANESE?」と聞かれ、日本語の説明ファイルを渡される。ちなみに、この宮殿は土足厳禁。
大きなスリッパを靴の上から履きます。
観光客が一部屋移動する毎に、部屋は施錠される。なんだか怖いくらい厳重な警備だ。
そして、ドイツ人のおばさんガイドが熱心に説明してくれるのだが、何しろ
ドイツ語は全然わからないから、渡されたファイルを読みながら独自鑑賞となる。
この宮殿は、ロココの華奢で華美な雰囲気が、広く取った空間にうまく消化され、実に洗練されている。
さすがに大王は、変わり者のルートヴィッヒ2世のように無駄に派手好きではない。
と思ったら、フリードリヒ大王も人嫌いで、死んだら愛犬と一緒に埋葬して欲しいと遺言していたと書いてある。
だが、ファイルの説明を読むうちに、彼の人嫌いも納得。なんと、彼は若い頃、王位継承を嫌って亡命を企てたのだが、
事前に発覚し、協力者の友人達は処刑され、しかも、その処刑を見ることを強要されたという過去があるらしい。
そんなことがあったら、人嫌いにもなるなあ。
フリードリヒ大王と愛犬達の墓は、宮殿を出て庭に向かう途中にあります。
この日は、一輪の小さな薔薇の花が、大王の墓の上に置かれていました。
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