レーゲンスブルクの街から船で10kmほどドナウ川を下った丘の上に、唐突に現れる白いギリシャ風神殿。
それがヴァルハラである。ノイシュバンシュタイン城を造ったルートヴィッヒ2世の祖父である
ルートヴィッヒ1世によって建てられたこの神殿の中には、ドイツ文化に光彩を与えた偉人達の胸像やプレートが
飾られている。
夏の間だけ運行する船は1日2便。45分かけて客をこの神殿に運び、1時間ほど停泊した後、客を連れて戻る。
所用時間約3時間の、のんびりした旅である。料金は往復16DM(約950円)。
女王様が乗った便は、遠足の小学生(?)の団体と一緒であった。幸い元気な子供達は甲板に集中していたので、
ビールとソーセージの昼食を取りつつ、意外に見るほどのこともない外の景色を眺めながらまったり過ごした。
しかし、着いた先のヴァルハラ神殿までの道のりは結構きつい。もう若くない女王様は、階段の途中で立ち止まって
景色を眺めるふりをして、元気な小学生にさりげなく追い抜かれていくのであった。余談だが、この道には
異常に大きな茶色のナメクジがたくさん落ちていた。レーゲンスブルク在住のA嬢によれば、ドイツは寒くて
蚊は少ないが、なぜかナメクジは多いそうだ。
ようやく階段を上りきり、神殿から眺めるドナウ川の景色は気持ちが良い。神殿の中に入って(有料;4DM)
両側の壁を埋め尽くすように並べられた偉人達の胸像を見学した。かなり節操なく集められているような気がしたが、
後でA嬢に聞いたところ、この神殿に胸像が残されることは非常に名誉なことで、最近でも入れ替え問題(?)で
話題になっていたそうである。しかし、私がここで時間を潰せるのはせいぜい20分だった。
船の約1時間の停泊時間は実に絶妙な時間配分である。(船着場から神殿まで15分ほどかかる。)
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