アトリエ・リング 一級建築士事務所

home > column > 2009 > 10

monthly column

PALS楽風展’09

芳賀敏夫 今野秀一 アトリエ・リング 福田正 この窓からの景色

去る10月8日から13日までの6日間、PALS(埼玉建築士会 さいたま南支部有志の会)による第6回目の建築展「住宅-住まいの多様な形」が開催されました。会場の『楽風』での建築展は、隔年で5回目となり、二階のギャラリーで、住宅の図面・写真・模型等が展示されました。
 上の写真は会場に入って左手を見た様子です。今回は、入って一番手前がアトリエ・リングのスペースとなりました。(写真の中の各展示スペースをクリックすると、拡大画像が開きます。)


あなたにとって「住まい」とは 3.ひとつながりの空間に住む 4.集まって住む 6.記憶を引き継ぐ 7.自然の恵みを生かす・味わう 1.環境に向き合う、2.場のつながりをしつらえる-街・家・部屋をつなぐ- 5.地域の素材を選ぶ 「加須の家」のページへ

こちらが、今回のアトリエ・リングの展示です。写真左は、これまでの設計活動のなかから、「7つのコンセプト」にそった写真や図面をピックアップするスタイルをとっています。あえてパネル化せず、コルクシートにプッシュピンでレイアウトすることで、それぞれの要素が柔軟性を持ってつながっていくような・・・私にはそんな可能性が感じられました。会場を訪れた方々も、顔を近づけて見たり、少し離れて全体を見たりと、楽しんでくれていました。
 「7つのコンセプト」は、以下の通りです。写真の各領域をクリックすると、拡大画像が開きます。

  1.環境に向き合う
  2.場のつながりをしつらえる-街・家・部屋をつなぐ-
  3.ひとつながりの空間に住む
  4.集まって住む
  5.地域の素材を選ぶ
  6.記憶を引き継ぐ
  7.自然の恵みを生かす・味わう

そして、写真右が「加須の家」のパネルと模型です。左右に並べてみると、コンセプトが具現化されたひとつのかたちとしても、見て頂けたことと思います。「加須の家」の詳細はこちらをご覧下さい。



福田正 この窓からの景色 アトリエ・リング PALSのパネル 三島泉 和井田信雄 森大樹 松澤静男 松澤静男 森大樹 樋口順子

上の三枚の写真で会場全体の様子がわかります。一枚目の写真にあるPALSの赤いパネルは、第1回展示からおよそ10年に亘って使用されているものだと聞くと、なんとも歴史を感じさせてくれます。それぞれのスペースをクリックすると拡大画像が開きますので、他のPALSメンバーの展示も、ぜひご覧下さい。


屋外展示(試作)

PALS楽風展では毎回屋外展示にも挑戦していますが、残念ながら今回は台風襲来により中止となりました。写真左は、会期前の試作段階で撮影されたものです。展示室からのばした布を庭の木々に纏わせ、内と外をゆるやかにつなげることで、内(展示室)へと誘い込むような仕掛けを模索していた様子がわかります。
 会期中の屋外展示は断念したものの、この日写真を撮っておいたおかげで、写真右のように過去の展示風景シリーズと一緒に室内(展示室への階段〜受付)に展示することができました。こまめに記録を残することの大切さを再認した出来事でした。


スライド会の様子

また、会期中の土曜日には、恒例の「スライド会の夕べ」が開催されました。アトリエ・リングからは「うらわ建築塾」の活動報告、他のメンバーからは近作の発表があり、『楽風』という場所性も手伝ってか、終始和やかな雰囲気。一般参加の方々も交えて盛んに意見交換がなされ、「住まい」や「地域」、「環境」について考える本当に良い機会となりました。

2001年に始まり、今年で10年目となるPALS楽風展。住まいについて考えるすべての人々の交流の場として、今後も永く引き継がれていくことを願っています。
(文;北川奈美 写真;青山恭之)


※2001年〜2007年のPALS楽風展の様子は、columnのバックナンバーでご覧になれます。
   こちらからもどうぞ。 -2001年- -2003年- -2005年- -2007年-