■ fC:文藝研究III
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2007年12月26日(水)
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「恋空」に関する覚書
・悪くない。
・3章までと4章からは別物と考えていい。
・「恋空」読者女vsヲタ高校生。
・3章まで →語り手の女の主観による日常が余すところなく書かれている。おそらく普通の小説読みが面食らうのは、小説そのものが半ば無意識に義務としている「客観性」というものを排除しているところではないか。描写に関する修飾、感想含む。 同世代の女子が読むものとしての導入としては完璧じゃないか。
・男に関する造形が恐ろしい。ギャル男だったはづのヒロが自分のために髪の毛黒くしてきたり、妊娠したら働いて自分を護るといってくれたり、自分の寝ている間に両親に頭下げにきたり。 その一方で男同士は平気で殴ったり、元カノにも容赦なかったり、姉と仲が良かったり。 →たいへん、読者にとっての欲求に忠実である。
・その一方で、主人公の女がピンチのときにはこれといった役にたたない。うっかり他の男にキスされたら暴れるだけ。堕胎の原因となった現場にも現われず。
・あとまぁ、元カノにつけまわされたり、飲みつかれて一緒にいた彼氏じゃない男にキスされたり、合コンでホストもどきにおそわれかけたり、二人だけの秘密の川原があったり、と、幸か不幸かはともかく、女子がダイレクトに想像したり夢想したりすることはたいてい網羅してる。 このダイレクトに、というのはヲタとの比較においてキーワードになるんじゃないか。
(疲れたので休憩)
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