中級室 プレイ計画と関連手法 11 2003/03/15
目次    

 クロスラフ

デクレアラーとダミーに短いスーツがあり、そのスーツのルーザーを交互にラフする手法です。
この場合、クロスラフに着手する前に、サイドスーツのウイナーをプレイしておく事が大切です。

例題1 4S/W
OL=Q
65
QJ10
52
KQ10743
 
AKQ94
A873
-
J952
J1032
52
AQ10864
6
W N E S
1S / 3S /
4S / / //
87
K964
KJ973
A8
 

ルーザーは7つ。
デクレアラーはAで勝ち、クラブをプレイします。Sは勝ち、直ぐ切札をリードします。WはAで勝ちますが、このときのハンドは下図のようになります。

 

 

 

KQ94
873
-
J95
J103
2
AQ10864
-

クラブとダイヤモンドのルーザーをお互いの切札でラフすれば、8トリックとれます。既に、2トリック確保しているので、コントラクトをメークします。


例題2 6S/W
OL=Q
6532
J6
102
QJ1097
 
AQ98
542
AQ763
8
KJ107
AK73
4
A652
W N E S
1D / 1H /
1S / 4NT /
5H / 6S A.P.
4
Q1098
KJ985
K43
 

ルーザーは5つ。
典型的なクロスラフのパタンです。
QAでとり、A,Kをキャッシュし、Aをとります。このあと、ダイヤモンドとクラブをクロスラフします。

切札8枚とトップアナー4つでコントラクトはメークします。

 


 ラッフィングフィネス

これは、スーツコントラクトだけで使えるフィネスです。
切札がウイナーの役割をし、デスカードができます。

-
KQJ87
432
A3
KQJ103
2
765
K2

ハートが切札です。Kをリードし、SがAをカバーしなければ、ダイヤモンドをデスカードします。カバーすれば、ラフし、クラブで移り、スペードでダイヤモンドをデスカードします。


例題1 4S/W
OL=K
6
QJ10
762
KQJ1065
 
AKJ32
A94
3
A874
Q54
K62
AQJ105
32
W N E S
1S 3C 3D /
3NT / 4S A.P.
10987
8753
K984
9
 

Wのルーザーは4つ。ダイヤモンドがラッフィングフィネスのパタン。
WはKAでとり、Aでダミーに入り、Qをリードします。
カバーしなければハートをデスカードします。失敗しても、あとクラブを1つとられるだけです。

 


例題2 4H/W
OL=Q
K864
42
QJ2
QJ104
 
AQJ10
AJ1098
863
7
7
KQ765
K94
K932
W N E S
1H / 2NT /
4H / / //
9532
3
A1075
A865
 

Wのルーザーは5つ。
Wは2トリック目をラフし、2回切札をドローした後、Aをプレイし、Qをリードします。Nがカバーしなければ、ダイヤモンドを捨てます。カバーしたら、ラフし、残ったスペードでダイヤモンドを2枚捨てます。
これで12トリックとれます。
Qからリードしてたら、1ダウンでした。


 ルーザー・オン・ルーザー

他のスーツのルーザーで、ルーザーをプレイする手法を「ルーザーオンルーザー」(Loser on loser)といいます。

これはラフしてもオポーネントにオーバーラフされるとか、ラフするとオポーネントの切札をドローできなくなる時によく使われます。
また、アボイダンスプレイやエンドプレイでも使われます。

・トランプコントロール保持
・オーバーラフ対策
・その他

 トランプコントロール

オポーネントのウイナーをラフできるが、それで切札のコントロールを失う時に、ラフしないで他のスーツのルーザーをプレイします。 

□ 4−3フィット

7枚切札での心得の一つです。

例題1 4H/W
OL=K
AKJ97
5432
42
52
 
54
AKJ9
J87
KQ86
632
Q106
AK53
AJ10
W N E S
1C 1S 2D /
2H / 4H A.P.
Q108
87
Q1096
9743
 

ルーザーは3つ。
スペードの3回目をハンドでラフすると、切札のドローができないかもしれません。
サイドスーツは7以外はウイナーです。
ラフしないで、ダイヤモンドを捨てます。この後、Sが何をリードしても、すぐ切狩りをして、のこったトリックをとります。

 

例題2 4S/W
OL=K
9876
AK987
K7
52
 
AKQ10
5
A93
AK1084
J32
J106
J8642
QJ
W N E S
1C 1H / 2H
3S / 4S A.P.
54
Q432
Q105
9763
 

ルーザーは3つ。この場合も、2トリック目をスペードでラフすれば、トランプ・コントロールを失う可能性がある。ダイヤモンドのルーザーを2つデスカードして、4トリック目は何がリードされても勝てるので、直ぐ切札をドローして、クラブで走る。

 


□ 4−4フィット

8枚フィットでも、オポーネントの切札をコントロールできないことがあります。

例題1 5D/W
OL=7
87642
A6
8754
76
 
AJ9
3
AK32
A8543
5
KQ10742
QJ109
J2
W N E S
1C / 1H /
2D / 5D /
/ //    
KQ103
J985
6
KQ109
 

Wをロングハンドとすれば、ルーザーは7つ。Eを基準に考えれば、ルーザーは3つになります。
QAでとり、3 をリードします。NはAでとり、スペードをリードします。ダミーはラフしないで、クラブを捨てる。Sは Kでとり、Kをリードする。WはAでとり、3でダミーに入り、ハートのローをプレイし、Aでラフする。オポーネントはともにフォローしたので、残りは2枚。Kをプレイした後、ダイヤモンドをキャッシュし、ハートで走ります。


□ リエントリー

エントリーを確保するため、ルーザーオンルーザーを使うことがあります。

例題1 2H/W
OL=K
AK10
Q5
Q10742
KJ10
 
87
K109742
AK3
98
5432
A3
65
A7642
W N E S
  1NT / /
2C / 2D /
2H / / //
QJ96
J86
J98
Q53
 

ルーザーは5つ。
スペードの3トリック目をラフし、A,Kとキャッシュし、3をラフします。
Aをプレイし、切狩りを続行したいところです。
Aをプレイした後、ダミーのスペードをプレイし、クラブをデスカードします。これで、Sはクラブかハートしかリードできないので、あとハートで1つとられるだけですみます。



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