中級室 プレイ計画と関連手法 12 2003/03/30
目次    
       
 
 共通手法

ノートランプで使った手法はスーツコントラクトでも使います。

・スーツ・エスタブリッシュ
・ホールド・アップ
・アボイダンス
・ダッキング
・フィネス

 スーツエスタブリッシュ

スーツコントラクトでは切札がオールマイテイなので、初心者はルーザーがあればラフしたがります。
しかし、ダミーに短いスーツがない時はラッフィングは使えません。
エスタブったスーツでルーザーを消したほうが効率がよいことがあります。
切札を使えば、容易にエスタブリッシュできます。 

□ 例題1

  4S/W
OL=4
65
Q10643
A985
74
 
AKQ32
A72
Q103
83
J984
95
7
AK10652
W N E S
1S / 3S /
4S / / //
107
KJ8
KJ642
QJ9
 

ルーザーは5つ。
ダミーに長いスーツがあります。オポーネントの枚数は5枚です。3−2の分れなら、1回ラフすればエスタブリッシュします。
Aでとり、2回ドローします。その後、クラブを2回キャッシュしたら、オポーネントはフォローしました。つづけて、クラブをプレイし、Q でラフし、スペードでダミーにはいり、クラブを走ります。ハート2枚、ダイヤモンド1枚を捨てて、ダイヤモンド1枚ダミーでラフして12トリックとれました。


□ 例題2

  7S/W
OL=Q
653
J3
QJ109
Q1032
 
AKQJ987
85
K87
A
10
AK762
A643
J54
W N E S
    1H /
1S / 2D /
4NT / 2H /
5NT / 6D /
7S / / //
42
Q1094
52
K9876
 

ルーザーが1つあります。ダミーでラフできません。ハートのエスタブリッシュを計画します。
オポーネントのハートを4−2と仮定します。ラフ2回、エントリ2つ必要です。10
Aを使います。
Kでとり、ハートを2回キャッシュし、3回目をAでラフし、
10で入り、つぎのハートをKでラフし、残りの切札をドローします。そのあと、Aで入り、最後のハートでダイヤモンドをデスカードします。


 ホールドアップ

スーツコントラクトでも、ホールドアップは
@オポーネントの通信を遮断する、Aオポーネントにリードさせるなどの目的で使います。

□ 例題1

  4S/W
OL=5
6
Q10852
J842
754
 
AQJ98
A63
KQ
1092
K105
974
107
AQJ83
W N E S
1S / 2C /
3S / 4S A.P.
7432
KJ
A9653
K6
 

ルーザーは4つ。
クラブのフィネスしか救済策がありません。
5-4-Kと進みました。Aでとると、リードバックの可能性があります。それで、ホールドアップして、2回目にAでとります。このあと、切札を2回ドローし、10でクラブのフィネスをします。オポーネントはハートのリードバックができないので3トリックしかとれません。
AがNにあったり、Sのハートが3枚なら失敗しますが、それは仕方がありません。

□ 例題2

  4S/W
OL=3
964
Q93
75
J10765
 
AKJ732
A10
J86
83
Q108
72
AQ1094
K92
W N E S
1S / 2D /
2S / 4S A.P.
5
KJ8654
K32
AQ4
 

ルーザーは4つ。
ダイヤモンドのフィネスを計画します。ダミーのKについてみれば、危険なオポーネントはNです。2トリック目にAで勝ち、Jをリードします。
フィネスを失敗しても、Sはハートをリードできません。Aをとってオーバートリックを防ぐでしょう。Nにはリード権が移らないので、デクレアラーは切札をドローした後でダイヤモンドを走ります。SがAをとらなければ、11トリックとれます。


□ 例題3

  2S/W
OL=Q
72
QJ104
Q765
K54
 
AJ94
965
KJ4
J83
K1063
A32
A102
Q92
W N E S
    1C /
1S / 2S /
/ //    
Q85
K87
983
A1076
 

ルーザーは7つ。
ハート以外はオポーネントにリードさせると1トリック得します。最初のトリックはホールドアップして、2トリック目にAでとり、引き続きハートをプレイします。
これで、オポ−ネントが何をリードしてきても、ルーザーが1つ減るので、コントラクトはメークします。


 アボイダンス

危険なオポーネントにリード権を与えない手法ですが、スーツコントラクトでも使います。

□ 例題1

  4S/W
OL=J
98753
K972
J
A108
 
AKJ1042
5
A83
K54
Q6
AQJ63
K72
763
W N E S
1S / 2H /
3S / 4S A.P.
-
1084
Q109654
QJ92
 

ルーザーは4つ。
このケースでは危険なのはSです。したがって、ハートはラッフィングフィネスをします。
Aでとり、直ぐ切札を狩ります。5回ドローしたのち、Aでダミーに入り、Q3を捨てます。NはKでとりますが、クラブかハートしかリードできません。クラブをリードすれば、Kが生き、ハートをプレイすれば、Jでクラブを捨てます。このあと、ハートをラフし、ダイヤモンドでダミーに入り、NがAをとらなければ、12トリックとれます。


 ダッキング

ダッキングはエントリーが足りない時に使う手法ですが、スーツコントラクトでも使います。 


□ 例題1

  6D/W
OL=K
J9
KQJ96
73
K874
 
53
7
AQJ10986
A102
AK742
A10
K42
653
W N E S
1D 1H 1S 4H
5D / 6D A.P.
Q1086
85432
5
QJ9
 

ルーザーは2つ。
ルーザーはスペードで消すよりない。
Aでとり、A,Qで2回ドローした後、スペードをリードし、ダックする。
多分、オポーネントはハートをリードしてきますが、これをラフし、スペードでA,Kとキャッシュし、クラブを1枚捨てる。次に、スペードをラフし、切札でダミーに入り、最後のスペードでクラブを捨てる。これで、12トリックとれます。


□ 例題2

  6S/W
OL=2
1062
K1052
Q942
J4
 
AKQJ83
A
K1063
82
75
J843
A7
AK976
W N E S
1S / 2C /
3S / 4NT /
5H / 6S A.P.
94
Q976
J85
Q1053
 

ルーザーは2つ。
ルーザーはクラブで消すよりない。
Aでとり、A,K,Qでドローした後、クラブをリードし、ダックします。
多分、オポーネントはハートをリードしてくるでしょう。
これをラフし、クラブでA,Kとキャッシュし、ダイヤモンドを1枚捨てます。次のクラブをラフし、Aでダミーに入り、最後のクラブでもう1枚のダイヤモンドを捨てます。


       

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