中級室 プレイ計画と関連手法 14 2003/07/05
目次    
 
   
 エリミネーション・プレイ

ノートランプレイでスローインを覚えました。エリミネーション・プレイ(Elimination Play)もスローインと同じようにプレイ後半で使う手法です。

  AQ2
-
-
2
 
J42
-
A
-
K9
A
J
-
83
K
-
3
 

これはルーザーを減らす手法です。デフェンダーに特定のスート(以下、キー・スート(Key-suit)といいます。)をリードさせてトリックを増やし、それ以外のスーツをリードすると、ラフ・アンド・デスカード(ラフ・スラフ(Ruff-sluff)ともいいます。)で、キースートのルーザーを捨てます。

左図で切札はクラブです。この場合、キースートはスペードです。SがKをプレイし、Nは2をデスカードします。Eが勝ちますが、スペードをプレイすると、AQへのスローインになり、ダイヤモンドをプレイするとSがラフして、NはQをデスカードします。

エリミネーション・プレイは切札が豊富で、オポーネントからリードさせると有利になるスーツ・コンビネーションがある場合に使用します。

  エリミネーション・プレイの手順

エリミネーション・プレイの手順は次のとおりです。

@ 切札をすぐドローする。(必ず、各ハンドに1枚は残しておくこと
A キースート以外のスーツを除去しておく。
Bデフェンダーに リード権を渡す。

リード権を渡すカードをエグジット・カード(EXIT CARD)といいます。

4/S
OL= K
A6
AJ972
AK4
J83
 
KQJ42
4
Q1083
K105
10975
5
J962
A762
83
KQ10863
75
Q94
 

このデールはSの4Hです。ルーザーは=1、=0、=0、=2で、全部で3つです。クラブは自分から動くとルーザーが増える可能性があるので、デフェンダーからリードさせます。クラブがキースートになります。
オープニングリードをAで勝ち、直ぐ切狩りをします。両方がフォローしたので、サイドスーツをストリップします。ダイヤモンドをA,Kとキャッシュして3枚目をラフします。

  6
J972
-
J83
 
QJ42
-
Q
K105
1097
-
J
A762
  8
KQ108
-
Q94
 

このときの各ハンドは右図のようになります。
ここで、Sは8をリードします。どちらかのデフェンダーが勝ちますが、いずれの場合も、切札以外のスーツをリードできます。
クラブクラブをリードすれば、クラブで1トリックとれます。
スペードかダイヤモンドをリードすれば、ラフスラフでクラブを捨て、クラブのルーザーは2つになります。


●スローインとエリミネーションの違い

この例のように、エリミネーション・プレイはキースートへのスローインの他、「ルーザー減らし」に有効です。 

(a) スローイン   (b) エリミネーション
NT K
K10
-
-
    切札= -
K10
A
10
 
2
AQ
-
-
3
32
-
-
  2
AQ
3
-
3
32
2
-
  J
-
AK
-
      -
98
10
A
 
スペードでNにリード権を渡すと、Nはハートしかリードできないので、AQのテナスに打ちこむことになる。   ダイヤモンドでNにリード権を渡すと、Nはハートかクラブしかリードできません。クラブをリードしても、Eでラフし、Wはハートをデスカードします。

 有効なスーツ・コンビネーション

次のスーツ・コンビネーションはオポーネントがリードすると良い結果が得られるものです。
パタンTはデフェンダーを特定し、パタンUはデフェンダーを特定しないケースです。

●パタンT

例1 AQ 83

Nがリードすると、2トリックとれます。

例2 AQ10 83

Nに2回リードさせると、3トリックとれます。Sからリードしても、2トリックはとれます。

●パタンU

例1 AJ4 K103

どちらのオポーネントがリードしても、3トリックとれます。

例2 Q107 K92

どちらのオポーネントがリードしても、2トリックとれます。

例3 Q65 J83

どちらのオポーネントがリードしても、1トリックとれます。

スローインでは、全部のパタンが使えませんが、エリミネーション・プレイでは全部使えます。

 
   

 パタンTのケース

このケースは特定のオポーネントにリードさせる工夫が必要です。
また、エグジット・カードをプレイするときはキースートのルーザーを1つにしておかねばなりません。


□例題1(EXIT=オープンニング・リードしたスーツ)

  6/W
OL=Q
QJ104
3
J1098
K762
 
K7
AQ1084
A74
AQ3
A2
KJ76
KQ32
854
W N E S
1H / 2NT /
3H / 3S /
6H / / //
98653
952
65
J109
 

ルーザーは2つ。
クラブにAQのテナスがあります。Nにリードさせる必要があります。JがNにあります。
ハンドで勝ち、切札を3回ドローした後、スペードをとり、ダイヤモンドを3回キャッシュします。
Sがスペードをデスカードしたので、Nのダイヤモンドは4枚です。(この時の、各ハンドは下図のとおりです。)

  -
-
J
K762
 
-
A4
-
AQ3
-
J
3
854
  98
-
-
J109
 

ここで、3でNにリード権を渡し、デクレアラーはクラブをデスカードします。
Nはクラブをリードせざるをえず、コントラクトはメークします。

 

 

 

 

□例題2 (EXIT=切札)

  4S/W
OL=J
J5
Q5
J10984
9876
 
A1063
872
AK3
Q103
K974
K63
Q62
AK4
W N E S
1C / 1S /
2S / 4S A.P
Q82
AJ1094
75
J52
 

ルーザーは4つ。
NのJAでとり、切札を2回ドローし、Qが残りました。この後、クラブをA,K,Qとキャッシュしてから、ダイヤモンドをキャッシュします。Sは4をデスカードしました。
仕方がないので、スペードをリードします。幸い、Sが勝ちました。クラブのリードなら、ラフスラフ、ハートならスローインになります。


□例題3 (EXIT=キースーツ)

  6H/W
OL=Q
KJ4
104
8762
QJ109
 
AQ10
AQJ32
KQJ
83
652
K9865
A94
AK
W N E S
1H / 2NT /
3H / 4NT /
5H / 6H A.P
9873
7
1053
76542
 

ルーザーは2つ。
スペードがキースートです。Nにスローインさせます。
Aで勝ち、すぐ切札を2回ドローします。
次に、ダイヤモンド、クラブをキャッシュした後、Eからスペードをリードし、10をプレイします。
失敗しても、Nがスペードをリードすれば、スローイン、他のスーツはラフ・スラフになるので1つ取られるだけですみます。

 
 

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