中級室 プレイ計画と関連手法 7 2003/03/11
2003/03/16
目次    
 
 
 その他の手法

クーとシンプル・スクイズを紹介しておきます。
確実な情報がなく、仮定で行動する前に、一度試してみてください。


 クー

クー(coup)はデクレアラーの使う素晴らしい手法のことをいいます。


□ モートンズ・フォーク

Aのない2つのスーツからウイナーをつくる手法です。

    3NT/W OL= Q
 
W N E S
  1H X /
1NT / 3NT A.P.
  Q95
K853
Q2
K1075
AK3
A
KJ853
QJ98

ウイナーは5個で、4個不足です。ダイヤモンドが4−2の分れで、ロウでAを追い出せばダイヤモンドだけで不足数を補充できます。
オポーネントのHCPは全部Nにあります。マイナーのANにあります。
Aで勝ち、Qでハンドに入り、2をリードしますAでとれば、ダイヤモンドはエスタブリッシュします。それで、Nはホールドアップします。ここでWはクラブに切り替えます。これで3トリックとれます。


□ バス

ホールドアップの手法です。

    3NT/W OL= K
 
W N E S
1NT / 3NT /
/ //    
  K852
AJ2
Q84
AK7
A64
5
AJ1095
10842

Kのリードなので、NはQ10をもっています。あとNからハートはリードできません。
このようにAJxを持っているときに、Kのリードに対しホールドアップするのをバス・クーといいます。
これはホイストの昔からある手法です。
このデールでは、あとダイヤモンドのフィネスをしてコントラクトをメークできます。

次のように、AJが分かれているときも適用できます。

  J84 A32

       

 シンプル・スクイズ

スクイズ(Sqeeze)は1トリック足りない時に使う手法です。
オポーネントの一人に特定スーツでのデスカードを強制して、自分達ののルーザーをウイナーにします。
1トリックを確実に増やさねばならない時や、確定情報がなくフィネスする時には、スクイズでのトライを検討してみでください。


□ 条件

スクイズを行うためには、つぎの条件が必要です。

・ルーザーを1つにする。(他のトリックはすべてウイナー)
・1人のオポーネントに特定の2スーツがあり、そのスーツでしかデスカードできないようにする。
・そのスーツにメナス(1枚のものと2枚以上のもの)を用意する。
長いメネス(2枚以上のもの)はスクイズカードと反対側にあること。
・メナスのスーツにリンクを用意する。 

以上の条件が揃った時、スクイズカードをプレイします。

用語については下図を参照してください。

    AJ
K
-
-
 

Wがスクイズされるオポーネントで、 Aのリードに対し、ハートかスペードをデスカードしなければなりません。
WがAを捨てると、NJを捨てます。Qを捨てると、K を捨てます。

Aがスクイズカード、
AJKがメナスです。
メナスは原則として1枚ものと2枚以上のものの2種類があります。
そして、メナスには必ずルーザーが1つなければなりません。

  KQ
A
-
-
7
9
10
-
    2
4
-
A
 

□ 例題1

図1は8番目のトリックが終わった時のデールです。

図1   4
-
-
AKQ4
  Aがスクイズカード、
4AKQ3がメナスです。

S がAをリードします。
Wが6を捨てると、Nの3がウイナーになり、J を捨てると、4がウイナーになります。

  J
-
-
J976
-
J10
-
1085
    106
-
A
32
 

このデールの最初のハンドは下図のとおりです。

図2   6NT/W OL= K
 
W N E S
  / / 2C
/ 2D / 2NT
/ 4NT / 6NT
    432
432
432
AKQ4
 
  KQJ9
76
862
J976
87
J10985
1097
1085
    A1065
AKQ
AKQJ
32
 

オープニングリードはホールドアップします(ルーザーを1つにするため)。次のQAでとり、ハートとダイヤモンドをそれぞれ3回キャッシュしたのが図1です。図1になれば、どうプレイすればよいか一目瞭然ですが、図2から図1を想定するには少し訓練が必要です。

□ 例題2

今度はスクイズに持っていくプロセスを調べて見ましょう。

    3NT/W OL= 6
 
W N E S
1C / 1D /
1H / 1S /
1NT / 3NT A.P.
  Q6
AK42
QJ2
Q872
A874
Q53
AK106
54

ウイナーは8つで1つ足りません。(1)スペードでのフィネス、
(2)ハートのキャッシュが考えられますが、確実ではありません。しかし、クラブのオープニングリードのあと、4トリック続けて取られました。(これで、ルザー1つ、ウイナー8つの状態になりました。) 幸いなことに、オポーネントのクラブは4−3の分かれでした。
NはSのシグナルをみて、10に切り替えます。取られるわけにいかないのでAでとります。

図2はこのときのハンドです。図1は図2にいたる経過です。

図1 図2
W N E S
C2 C6 C4 CK
C7 S9 C5 C10
C8 CJ D5 C3
CQ CA S4 SJ
S6 S10 SA S2
  95
107
9753
-
 
Q
AK42
QJ2
-
7
Q53
AK106
-
  K3
J986
84
-
 

図2で善後策を考えます。クラブ以外のスーツの情報が不足なので、ダイヤモンドで3トリック、ハートで2トリックだけキャッシュしてみます。図4はこのときのハンドです。

図3 図4
W N E S
DQ D3 D6 D4
DJ D5 D10 D8
D2 D7 DK S3
HK H7 H3 H6
H2 H10 HQ H8
  95
-
9
-
 
Q
A4
-
-
7
5
A
-
  K
J9
-
-
 

ここまでくると、スクイズができることが分かります。
Sがスクイズされるオポーネントで、Aがスクイズカードになります。A4Qがメナスです。Sがハートを捨てれば、4 がウイナーになり、Kを捨てればQがウイナーになります。


□ 1枚メナスの位置

1枚メナスの位置で、スクイズを次のように分類します。

  1枚メナスの位置 オポーネント
ポジショナル スクイズカードの反対側 メナスのスーツを保有するオポーネントはスクイズカードの左側でなければならない。
オ−トマテック スクイズカードと同じ側 メナスのスーツを保有するオポーネントの位置に関係なくスクイズができる。

図1 ポジショナル・スクイズ 図2  オートマテック・スクイズ
  AJ
K
-
-
 
KQ
A
-
-
98
-
4
-
  2
2
-
A
 
  AJ
2
-
-
 
98
-
4
-
KQ
A
-
-
  2
K
-
A
 

図1では、WとEのハンドが入れ替わるとスクイズは成立しません。
図2では、A2をデスカードします。これで、Eはスクイズにかかります。

       

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