ビルとテッドの地獄旅行
BILL&TED’S BUGUS JOURNEY
1991年
監督:ピート・ヒューイット
脚本:クリス・マシソン、エド・ソロモン
キアヌ・リーブス、アレックス・ウィンター、ウィリアム・サドラー、
ジョス・アックランド、パム・グリアー、ジョージ・カーリン
未来を担うロック・バンド「ワイルド・スタリオンズ」のメンバー、 ビル・プレストン(アレックス・ウィンター)とテッド・ローガン(キアヌ・リーブス) が学校の歴史の発表会するためにタイムマシーン を使って奮闘する姿を描いたSFコメディ
「ビルとテッドの大冒険」
の続編が本作「ビルとテッドの地獄旅行」であります。 制作費がアップしたせいか、前作よりも格段に上がっている映像技術には目を見張るものが ありますが、それ以上に前作よりグレードアップしているのが内容のバカさ加減。 ほんの少しの文学的要素を含んだ前作に対し、本作はとことんバカに仕上がっています。
2691年のカリフォルニア州サンディマスは、20世紀の「ワイルド・スタリオンズ」の成功がきっ かけで、平和で明るいロック社会が繁栄していたのだが、しかし一方で、密かにその体裁を 嫌う反乱軍もデ・ノモロス(ジョス・アックランド)という人物を中心に組織されていた。彼らはビルとテッドにそっくりの ロボットを20世紀に送り、本物を殺してふたりになりすまし、ロック・バトルで逆説を述べること でロックが広まってゆくという未来を変えようとしていた・・・。
現代のサンディマス。ビルとテッドは、前作で恋人にした15世紀の貴族、ジョアンナと エリザベスを「ワイルド・スタリオンズ」のドラムとキーボードに加え、ロック・バトル に出場するためのオーディションを受けていた。ひどい内容ながらもなんとか出場権を得た ふたりは、このバトルに優勝したら彼女たちと結婚すると決意するのだった・・・。 電話ボックス型タイムマシーンに乗り現代にやってきたロボットのビルとテッドは、 まずジョアンナの声色を真似てメンバー内に亀裂を作り、「その事を解決するために 未来から来た」とビルとテッドに近づくのだった。そして、ロボット達を未来の自分達だと 信じきっているふたりは彼らの言いなりになり、そのまま崖から落とされて殺されてしま うのだった。
死んで幽霊となったビルとテッドは、自分達の偽者の暴走を止めようといろいろ試してみる のだが、上手くいかないどころか悪霊として地獄に落とされてしまう。何とか地獄から脱出 して更に現世に蘇るために、ビルとテッドは未だかつて誰も勝った事のないという『死神との 勝負』にすべてを託すのだった。果たして彼らは現世に帰ることが出来るのか。またロボット 達の野望を止められるのか。そしてロック・バトル、結婚は一体どうなってしまうのか・・・。
前作に引き続きアレックス・ウィンター、キアヌ・リーブスのバカっぷりは健在です。 前作、タイムマシーンに乗って過去と現在を行き来した時もふたりには緊迫感がまったく ありませんでしたが、死んでしまって地獄や天国を行き来することになった今回も彼らは やはりマイペースでした。さらに今作では、性格までふたりにそっくりのロボット達や、 どこか抜けてる死神(ウィリアム・サドラー「ダイ・ハード2」「ショーシャンクの空に」) も加わっているので全体のバカ面白さに拍車がかかっていると言えます。 「マトリックス」や「スピード」、
「ドラキュラ」
等のスマート な役柄もいいですが、この「ビル&テッドシリーズ」や
「殺したいほど アイ・ラブ・ユー」
のような天然ボケのキアヌ・リーブスの方が、本人が楽しみながら演 じているのもよくわかり、一番似合っているような気が個人的にはします。