あらすじ 匂い拡散装置に向かって歩を進めていたケンとチャコですが、ケンの足が止まります。下を見ると、ケンの足にボロボロになったしんのすけがしがみついているのです。しかしケンはしんのすけを振り払い、再び歩き出します。しんのすけも再びケンの足にしがみつきますが、3度目にはもう一度しがみつくだけの力は残っていませんでした。そして匂い拡散装置の前に来たケンとチャコですが、ケンが一言「ダメだ」どういうことかというと、最高潮だった匂いのレベルがどんどん下がっているのです。野原一家の姿を見て、夕日町のみんなも21世紀を生きたくなったのだと悟り、夕日町の住民に「外に行っても元気でな」と解放宣言をしたのです。しかしチャコは信じられない様子です。「現実の21世紀なんて醜いだけなのに!」と言うのですが、それに対して倒れこんだままのしんのすけが「オラ大人になりたいから」などと語るのです。それを聞いたチャコは涙を流し「おしまいね」ケン「ああ、20世紀は終わった」しかしチャコは外には行かないと宣言し、ケンも了承します。そして、ケンはしんのすけに未来を返すと言い残し、どこかへ消えていきました。その直後、ひろしたちも展望室へ上がってきてしんのすけを抱きかかえるのでした。そしてケンとチャコですが、展望室の屋上に出て、ゆっくりとその端へと歩いていっているのです・・・。 |
感想など
あんなに傷だらけ、あざだらけで息も絶え絶えなしんのすけの姿、あんな姿はもう見られないかもしれないというほどの状態です。それでも必死にケンの足にしがみつく、この場面では階段駆け上がり時とは一転して物静かなBGMに変わりますが、それがまた涙を誘うというのか、とにかくこのあたりは普通の心情では見られません。しんのすけがチャコに対して言った言葉「オラ・・・、父ちゃんと母ちゃんとひまわりやシロと、もっと一緒にいたいから・・・ケンカしたり、頭にきてりしても一緒がいいから・・・。あと・・・オラ大人になりたいから!・・・大人になって、おねいさんみたいなきれいなおねいさんといっぱいお付き合いしたいから!」と言っています。最後の一言はしんのすけらしいとも言えますが、それはともかくここまで言い切れる5歳児が他にいるでしょうか。世間の目はいまだ「お下品」といった偏見に満ちあふれています。そういう人にこそ、ぜひこの作品を見ていただきたいのですがここにいくら書いたところで偏見を持つ人はここを見たりしないんですよね・・・。