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ヴィドック /
Vidocq /
Dark Portals: The Chronicles of Vidocq

Pitof
(Jean-Christophe Comar)

2001 F 100 Min. 劇映画

出演者

Gérard Depardieu
(ヴィドック、探偵)

Guillaume Canet
(Etienne Boisset、ジャーナリスト、ヴィドックの伝記を執筆中)

Inès Sastre
(Préh、ダンサー、ヴィドックの愛人)

André Dussollier
(Lautrennes、ヴィドックに捜査を依頼した警視総監)

Moussa Maaskri
(Nimier、ヴィドックの探偵事務所の共同経営者)

Jean-Pierre Gos
(Tauzet、警視総監の部下)

Isabelle Renauld
(Marine、死んだラフィットの妻、夫の死後阿片中毒)

Jean-Pol Dubois
(Belmont、軍事兵器製造業、稲妻に当たって死亡)

André Penvern
(Veraldi、化学者、火薬に強い、稲妻に当たって死亡)

Gilles Arbona
(Lafitte、マリーヌの夫、稲妻の3番目の犠牲者のはずだった人物)

François Chattot
(Froissard、新聞記者)

見た時期:2002年8月、ファンタ

2002年 ファンタ参加作品

フランス人フランソワ・ヴィドック (1775-1857) は私立探偵の元祖で、1833年に探偵事務所を開いています。元々犯罪者で、ムショ入りも何回か。内部事情に詳しいから捜査ができたというのが本当のところ。犯罪者を止めてからはナポレオンの元で警察に勤めたという波乱万丈の人生を送った実在人物です。日本の私立探偵の元祖、岩井三郎が、井上さんの店からさほど遠くない京橋に1895年に開業、アメリカの元祖ピンカートンもヴィドックと岩井の間あたりの時期に開業しているので、日本もさほど遅れを取っているわけではありません。ちなみにポーの探偵小説が1841年、シャーロック・ホームズのデビューは1887年。

というわけで実在の人物を主人公にした話です。映画はどんどん話が先に進んでしまい、私はフランス語がからっきしだめなので、物語の始めにカメラが写す新聞記事が読めなくて、悔しい思いをしました。DVD を買った人、フランス語の分かる人はぜひあそこをよく見て下さい。ヴィドックの業績、町の評判などが分かる仕掛けになっています。

主人公がのっけから死んでいるので、物語は回想のような動きと、ヴィドックの業績を伝記にしようというジャーナリストの動きが重なりながら進みます。筋をばらすとおもしろさが半減するので、あまり詳しく筋は追いません。

ですから話はストーリー以外の方へ。とにかく楽しめる映画です。普通に見に行っても楽しいですが、フランスの冒険ロマンが好きな人は絶対に気に入るでしょう。アルセーヌ・ルパンなんか好きな人、いいですよ。子供の時に何冊かそういうフランスの本を子供向きに書き直した物を読んでいたので、本当に楽しい100分でした。ベルフェゴール、くそ食らえ。あ、どうもはしたない事を言って済みません。

とにかく贅沢に作ってある映画で、セット、衣装、家具の引出しに至るまで、手がかかっています。からくり人形、秘密のドアなども出て来ます。町の様子も時代に合い、汚らしくて、ぬかるみばかり。そういう時代だったのです。物事を科学的に考える人が増えて来る時代で、1年前のファンタのジェヴォーダンの獣にも、そういう探偵が出て来ました。ついでに思い出すのがスリーピー・ホローのイカボット。何でもかんでも電子顕微鏡やスキャナーという時代でないところがとても楽しいです。

時代物だからアクションは無いだろうと思ったら、それが違うんですね。ジェヴォーダンの獣でもいきなりカンフーが飛び出し驚きましたが、こちらはもっとエレガントな動きを見せる怪人。そうです。フランスの冒険ロマンには怪人が出ないと行けません。そして迎え撃つジェラール・デパルデュー。あれあれ、おじさん、病気がちで、太り過ぎて、アクションはだめなはずじゃなかったの?と言いたくなるような派手な殺陣。がんばっています。スタントがついていたとしても、結構自分も動いています。ちょっと前元気がなさそうでドイツのゴシップ記事にもしおれている写真が出ていましたが、どうやら元気を取り戻したようですね。ヴィドック 2、待っています。

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