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イケない先生 /
Bad Teacher /
Malas enseñanzas /
Bad Teacher: una prof da sballo /
Professora Baldas /
Professora Sem Classe

Jacob Kasdan

2011 USA 92 Min. 劇映画

出演者

Cameron Diaz
(Elizabeth Halsey - 落第生タイプの教師、1年勤務)

Lucy Punch
(Amy Squirrel - 優等生タイプの教師、6年勤務)

Jason Segel
(Russell Gettis - 太った体育教師)

Justin Timberlake
(Scott Delacorte - 新任教師、身内が大金持ち)

Phyllis Smith
(Lynn Davies - 内気なベテラン教師)

John Michael Higgins
(Wally Snur - 校長)

Matthew J. Evans
(Garrett Tiara - 生徒)

Molly Shannon
(Melody - ギャレットの母親)

Kathryn Newton
(Chase Rubin-Rossi - ギャレットに気に入られた生徒)

Jennifer Irwin
(チェイスの母親)

Kaitlyn Dever
(Sasha Abernathy - 生徒)

Deirdre Lovejoy
(サッシャの母親)

Christopher Rockwel
(チェイスの父親)

Igal Ben Yair
(Arkady - 生徒)

Daniel Castro
(Rodrigo - 生徒)

Adrian Kali Turner
(Shawn - 生徒)

Eric Stonestreet
(Kirk - エリザベスの同居人)

Paul Bates
(教育委員長)

David Paymer
(Vogel - 全国統一テストの関係者)

見た時期:2011年6月

何を期待して見るかによりますが、コメディーとしては笑えます。キャメロン・ディアスの作品としてはまあまあですが、彼女にはこれより優れた作品がいくつかあります。

コメディーのレベルとしてはアンナ・ファレスが出る作品に似たレベルです。ディアスはただ笑うだけのコメディーではなく、上手に捻った作品が多いので、そういう期待をしていると外れます。他方、彼女には声優を除くと最近あまりこれはと思える作品が無いので、また活動を開始するのでしたら、これをきっかけにして今後に期待します。イケない先生の大部分のシーンは他のコメディアンでも務まりますが、一部分、これぞキャメロンというシーンもあり、それが今後に期待する理由です。

★ ティンバーレークとディアス

2人にはアメリカ・インディアンの血を引く以外これといった共通点はありません。ディアスは歌手としてはひどく能力を欠き、歌手の役はとてもできないですし、ティンバーレークは俳優としてはイケない先生を見る限りかなりひどいです。逆にそれぞれ自分の本職では輝きます。

ティンバーレークは子供番組やオーディション番組から上昇した人で、じっくり聞いたことはありませんが歌はまあ行けるようです。ただ私が見たビデオでは多重録音してあったり、コーラスがついているので、彼の声をじっくり聞くことができませんでした。

ステージでの踊りは本職がダンサーではないので、まああのぐらいでいいでしょう。振付師に言われた通りに体は動くのですが、ポーズが決まらないです。マルチ・エンターテイナーとして歌も踊りもこなさなければならない大スターのレベルでしょう。そこを抜いてあと一歩行けば才能があると言えます。踊りはチラッと見ただけですが、ディアスの方が才能があるかも知れません。

ティンバーレークで特に評価できるのは大勢の観客を前にして全く動じない度胸の良さです。不安を感じるどころか大勢の観客に大騒ぎされることをエンジョイしている様子が伺えます。

子供の頃から芸能界にいたためか、恋人として名が挙がるのはブリトニー・スピアーズ、キャメロン・ディアス、ジャネット・ジャクソン、スカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビールなど。ディアスとはただの噂ではなく、本当に2003年から4年間付き合っていました。

やや子供っぽいスピアーズからかなりプロ根性を持ったディアスに乗り換えたティンバーレークですが、噂によるとディアスとの交際中にスカーレット・ヨハンソンに乗り換えたとのことです。ディアスは以前にもヨハンソンに自分の恋人を取られたことがあるそうです。ジャレット・レトのことです。キャメロンは芸能界では比較的安定した恋愛関係を保つ人らしく、一旦相手が決まると自分の方から浮気をしたという話は聞きません。ただ、この手の話はあくまでも噂ですので眉に十分唾をつけてご鑑賞ください。

とは言え、イケない先生のエイミーの役を深読みしてみるとおもしろいかも知れません。

ディアスはファッション・モデル出身の女優としては例外的に大成功しています。しかも女性のコメディアンとして女性にも好かれるというこれまた例外的な立場。その上他のコメディアンとは違い、顔の表情を妙に不自然にしたりせず、自然な表情で人を笑わせてくれます。作品の選択の良さが光っており、彼女自身は自分のエージェントの功績だと誉めています。

有名人の恋人としてはマット・ディロン、ジャレッド・レト、ジャスティン・ティンバーレイク、アレックス・ロドリゲス(芸能人ではない)の名が挙がりますが、最近ロドリゲスと別れたとゴシップ雑誌に書かれています。

その理由が不思議なことにイケない先生とそっくり。これまでかなり自立した女性というイメージを作っていたディアスが、ロドリゲスのために尽くし、何と豊胸手術をする決心をし、間もなく手術というところまで行っているという記事を目にしました。2011年6月号です。この雑誌は所謂ゴシップ雑誌なので、話をどこまで信じたらいいのか分かりませんし、プロモーションのために一芝居打っている可能性もありますので、ここでも眉にいっぱい唾をつけてご賞味ください。

★ 深読みしてもしなくても笑える

ゴシップ雀を全部無視して、この作品だけを見てみましょう。

あらすじは以下の通り。

一応教師として学校に勤めてはいますが、教職に全く興味が無く、ただただ玉の輿に乗る方法を考えている女性教師がキャメロン演じるところのエリザベス。これまでは上手く行ったようで、乗る車はメルセデスのスポーツ・カー。間もなく寿退職の予定。

ところが間もなく婿になる男の母親がモンスター・イン・ロウではなく、ちゃんと目の効くお母さん。あと少しでゴールインという時に破談になり、学校から送別のプレゼントまで貰って1年で退職のはずが逆戻り。

非行少女の教師版で、やっては行けない事に全く良心の咎めも無く手を出す非行教師。なので授業は手抜きを通り越して、殆どやらない。にも関わらず同僚や校長から鼻つまみになるわけではなく、何とかやっています。

学校に戻るとそこで耳に入って来たのが、「新任の教師スコットの実家が大金持ちだ」という噂。早速エリザベスはスコットを目当てに動き始めます。時々口から出任せを言うので同僚も驚きますが、度を越すことは無いので、同僚の間では何とか丸く収まります。

スコットに対して猛烈にアタックを開始した直後から目の上のたんこぶになるのがエイミーという優等生タイプの教師。この学校に勤めて6年になり、熱心に仕事をするため、同僚はみな彼女に牛耳られた形です。

エリザベスのアタックはまだ効果が無く、エイミーの方が分が良くなって来ます。エイミー自身はスコットが徐々にエイミーに傾いて行くことに気づく前からエリザベスの脱線ぶりに頭に来ていて、校長に御注進に出向きます。校長は物事を過激に取らない人なので反応せず。

スコットがエイミー徐々に傾いていく中、エイミーは罠にかけてでもエリザベスを仕留めようとしたため、エリザベスも反撃。修学旅行に行く寸前にエイミーはエリザベスの仕掛けた罠にかかって病気になってしまいます。

エリザベスは旅行中にスコットにアタックを強め、少なくとも同じホテルの部屋のベッドで何やら妙な事を始めます。それをエイミーの携帯に発信。エイミーは完全に頭に来ます。そのため生徒と同僚がいない間にエリザベスの机を探ろうとして、机を取り替えてしまいます。

そこで発見したのはエリザベスが持っていた試験に関する書類。気立てのやさしい同僚がエリザベスに「全国試験の点数が高いと5000ドルを超えるボーナスが出る」と教えてくれたので、エリザベスはそれまでのサボり授業を突然止めて、ガリ勉クラスに変更していたのです。成果を確実にするために、ジャーナリストを装って全国試験の問題を持っている教育関係者の元を訪ね、ハニー・トラップにかけて問題を盗み出すことにも成功していました。そのためエリザベスのクラスは慣例を破り上位に入ります。当然ボーナスはこれまでのエイミーではなく今年はエリザベスの手に。

エリザベスはスコットが巨乳好みだと知り、自分の貧乳を豊胸手術で巨乳に変えるつもりでいました。彼女を見守っていた太り気味の体育教師は反対したのですが、どうしても玉の輿に乗るつもりだったエリザベスはあらゆる方法を駆使してお金をかき集め、手術をするつもりだったのです。まず片方の胸の分は生徒に自動車の洗車のアルバイトをさせて集め、もう片方の胸の分はこのボーナスで集まり、晴れて整形外科に行き予約を入れます。

特にエイミーにスコットが傾いていることを知ってからは必死のエリザベス。ところがスコットを取り敢えず手中の収めたエイミーはそれで止めておけばよかったのに、どうしてもエリザベスを討ち取るつもりになっていて、墓穴を掘ることになってしまいます。

悪い事をしたままエリザベスは自分の幸せに気づき学校勤務を続行、エイミーはエリザベスを罠にかけようとしたことがばれて、罰として(!)黒人の多い学校に転勤となります。つまり所謂道徳家を満足させるハッピーエンドではなく、エリザベスに取ってのハッピーエンドになります。この辺にキャメロン・ディアスの作品選択の趣味が覗きます。

道徳にうるさい人ですと、ディアスが使ったアンフェアな手、彼女自身の不道徳な問題はどうなるのか、エイミーは規律を正そうとして始めた事がエスカレートしただけではないかなどと言うかも知れません。そこをきれいに交通整理しないところがこの作品の特色で、ディアス・ファンなら納得するところです。

こういう風にわざと道徳、規律を外す映画が時々ありますが、あまり上手く行かなかったのがバッド・サンタで、上手く行くのがディアスが出る作品です。

★ ぎりぎりのところで事実と違う?

この作品が撮影に入ったのが2010年の春先。ティンバーレークとディアスは4年付き合った後、3年ほど前に別れており、その2人が共演すると話題になることは承知していたと思われます。

むしろゴシップ雀が騒ぐのはディアスとロドリゲスの間が壊れかけていて、ロドリゲスのためにディアスが豊胸手術をやりそうになっているという話の方でしょう。ロドリゲスはスポーツ界の人で、生活のリズムの合わせ方が違い、俳優の同僚とは勝手が違うようです。ただ、この話全部が映画のプロモーション・ギャグの可能性があり、ロドリゲスとディアスはぜんぜん揉めていないという話すら出ています。

ティンバーレークは周囲の共演者(サタデー・ナイト・ライブの人も出演)と比べて演技力に差があり、どちらかと言えば自分の事をジョークにして笑い飛ばすための出演かと思われます。本人は全然こだわっている様子が無く、これも芸能界での度胸の良さを示しているのかも知れません。共演中のディアスとは仲良く行っていたとのことで、私生活ではなく仕事を一緒にするにはいいパートナーだというコメントも出ています。

私はディアスがロドリゲスのために豊胸手術をするかも知れないという記事を確かに読んでいます。なのでメディアがこの映画のプロモーションに手を貸したのかと考えているところです。個人的な趣味から言うと、私の目にはディアスは今のままで十分美しいと映ります。

★ あの美しいディアス、美しく作れるディアスがなぜ

元々ファッションモデルなのでメイクには詳しく、各種の化粧がカメラにどういう風に映るかを熟知しているディアス。なので、40歳を越えても20歳台に見せるぐらいはお手の物。その彼女がこの作品ではかなり年を取って見えるメイクで登場します。

彼女が醜い姿で映画に出て来ることはわりと知られており、「これがあのディアスか」という姿で登場する作品もあります。簡単に言うと、彼女は役に合う姿をして出て来るわけで、どんな映画に出ても美しく輝いてしまうスターとはタイプが違います。

イケない先生ではトウが立ち始めた美人の役。贅沢に慣れていて、玉の輿に乗ればどんどんお金を使う心の準備のできた人。デフレ時代の現代、経産大臣が大喜びしそうな人物です。メイクはあまり上手ではなく、目の周りを黒く塗ってしまい、真っ赤な唇のあばずれスタイルで出て来ます。とは言っても美しさには注意深く気を使っており、メイクを(あまり)していないシーンできれいさをさりげなく出しています。

最後のシーンでは服の色と目の色を上手く合わせていて、衣装係か監督のアイディアなのか、本人のアイディアなのか分かりませんが、さすがと思わせてくれます。

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