皇帝の正しくないチェス

第1回−バンコクの夜は手強い(2002年10月18日記)


写真−1.1
【写真−1.1 バンコクのエアポートホテルの部屋(1泊100$也)】

 日本からネパールのカトマンズへは、直行便もあるのですが、多くは成田からバンコクを経由します。
 私も10月16日に東京の本社に立ち寄り、東京で1泊。翌17日にまずはバンコク入りすることになりました。

 飛行機の乗り継ぎの関係で、往路はバンコクで1泊、復路は数時間の乗り継ぎでそのまま成田へ直行というスケジュールになります。
 そこで、往路のバンコクの夜にチェスを楽しもうという計画を立てました。

 事前にインターネットで調べたところ、チェスサイアムというタイのHPがありましたが、これはタイ語で書かれており、解読不能。
 さて、どうしようかというときに、codfishさんからバンコク・チェスクラブの情報を頂きました。

 バンコク・チェスクラブのHPによると、毎週金曜日の夜にアイリッシュパブというところで、ブリッツの大会が行われている様子。
 しかし、私が泊まるのは木曜日の晩。とりあえず、バンコク・チェスクラブの電話番号を控えて、日本を発ちました。

 カトマンズには日本人社員がいますが、日本−カトマンズ間は一人旅です。ほとんど「はじめてのおつかい」状態で、日本テレビが密かに取材していたらどうしようか、というレベルですね。

 日本とバンコクとの時差は2時間。成田11時発の飛行機がバンコクに到着する時間は15時半、ということで6時間半かかるということです。

 私の勤めている会社は、一部の人はよくご存じの一部上場企業なので、当然のようにビジネスクラスと思いきや、この不況。経費節減でエコノミークラスのしかもディスカウントチケットを使用します。
 エコノミークラスの座席は新幹線よりも狭いんですね。国内線と国際線の座席は広さが違うんじゃないかと、甘い期待を抱いていた私がバカでした(涙)。
 W杯に出ることが出来なかった高原の気持ちがちょっとだけわかりました。まぁ、そんなことはともかく・・・。

 バンコクでの宿泊は空港に隣接したエアポートホテルです。ホテルから、首都のバンコクまでは30分程度だとか。

 バンコクではビザは不要で入国審査も実にスムーズです。ホテルのフロントで、早くも英語力の無さを露呈し、フロントのお姉ちゃんの失笑を買いつつも、何とか17時過ぎにはチェックメイトじゃなくて、チェックイン。早速、バンコク・チェスクラブに電話をかけます。

 電話をすると、これまたお姉ちゃんが出てきました。

 「ワシは日本からカトマンズへの旅行者なのぢゃが、今晩はバンコクに泊まることになっておる。ついては、バンコクでチェスをやりたいのぢゃが、バンコク・チェスクラブはやっておるのかな?」と尋ねる(一部、意訳しています)と、

 「ゴーメンナサイネ、カトマンズ・チェスクラブは金曜夜の大会だけなの。本日はお休みよ、陛下」と連れない返事(おそらく、相当意訳しています)。

 「な、なに、休みだと。そいつは困ったものぢゃ。それでは、バンコクに他のチェスクラブは無いのかね?」と尋ねる(しつこいけど、意訳しています)と、

 「他のチェスクラブについては、私は知らないわ。申し訳ないけど、インターネットで調べてみたら如何かしら、陛下」と、これまた連れない返事(それでも、相当意訳していると思います)。

 ということで、とりあえずはバンコク・チェスクラブは断念。しょうがないので、ホテルのボーイをとっつかまえまして、同じような質問をしました。

 「よっ、そこの兄ちゃん、ちょっと良いかい?実はバンコクでチェスが楽しめる場所を探しているんだよね。さっき、このチェスクラブに電話したんだけど、ここは金曜の夜しかやってないらしいんだよね。他のチェスクラブを探したいんだが、何とかならないかなぁ」(当然ながら、意訳です)

 ボーイの兄ちゃんはちょっと考えた後に「チョト待ってクダサーイ」と豪快に日本語で(笑)答えた後に、ホテルの日本人女性スタッフを連れてきました・・・って、ワシの英語は通じてへんのかい!!

 そのお姉ちゃんにチェスクラブについて尋ねてみると、「チェス・・・ですか?」と、これまたつれない反応。海外に出れば、多少はチェスの扱いも向上しているかと思いきやダメみたいっすね。

 ホテルのビジネスセンター(インターネットの出来るところ)に連れて行かれ、タイ人のスタッフをも巻き込んで、バンコクのチェスクラブを探すものの、タイ人スタッフも困った様子。
 私がネットで探したチェスサイアムのHP(タイ語で書かれたやつ)を見てもらったが、
 「ここに書いてあるのは、チェスやマックルック(タイ式チェス)の歴史や遊び方だけ。住所や電話番号は書いてないよ」とのこと(これも意訳だけれども)。
 どうやら、これはタイ版のハンゲームみたいなもので、チェスやマックルックのネット対戦が可能なHPのようだ。

 他にも、電話で調べてもらったりしたが、一向に要領を得ず、気付いたら18時半。外はもう暗く、私のテンションも一気に下がってしまったのでありました。

 結局、この晩はホテルを出ることもなく、得られた教訓は

 「バンコクでチェスを指したきゃ、金曜の夜に行け!」

ということだけなのでした。みじめ〜(号泣)。