皇帝の正しくないチェス

3.3 2000年


2月20日

 JCAの福岡選手権に参加。仕事が忙しく、公式戦は柏での対抗戦以来である。4局で1.5P。うーん・・・。

3月12日

 JCAの関西選手権に参加。目的はやっぱり飲むため。というのはちょっとウソで、アンパッサンに行ってみたかった。4局でやっぱり1.5P。う──────ん・・・。

5月26日

 朝霞チェスクラブに行く。会社の研修があり、最終日の懇親会をさぼった。yamaoさんを頼りに、ピノーさんと対局させてもらおうと企んでいたが、yamaoさんはドタキャンで欠席(涙)。前年のゴールデン・オープンで負かされたK女史と対局。私としては復讐というかリベンジby松坂大輔ということで気合い十分だったが、K女史は私のことなど忘れていた(爆)。しょうがないので2戦2勝して、しっかりと借りを返す。

6月3日

 新橋の大道チェスに参加。目の前の大道将棋に圧倒される。やっぱりチェスはマイナーやね。ところで、大道将棋はおじさんがほとんどだが、駅前の場外船券場に出入りするドロドロおやじとの区別がつかなくて困る。

6月4日

 チェスセンターで1局。レート1163のお兄ちゃん(S君)に負ける。レートほど弱くはないと思ったが、それにしても対局不足なのかチェスの調子が狂っているのがよくわかる。

7月28日

 この日はつくばの土木研究所に出張。夕方までかかると思いきや、昼過ぎには自由の身に。このまま福岡に帰っても夜の6〜7時だし、朝霞を急遽訪問することとした。翌週は柏オープンだし、3次元駒の感覚も取り戻さないと。
 相手していただいたのは、Kさんというおっちゃん(失礼)。私の白番ではアレキンにされ、「うーん・・・」というところだが、序盤はそれなりで通過。中盤でフォークを食らってナイト損(涙)。
 私の黒番ではラトビアンになったのに、キャスリングを遅らせたが故にドツボはまって2連敗。いろいろと反省の多い2局でした。

8月5日〜6日

 柏オープンに参加。主目的は飲むため(本当)。いるか師匠、黒白師匠、とくとのいつものメンバーにhiyagon、その先輩のT氏を加えて計6人。とても楽しい飲み会だった。hiyagon氏とは初対面で、会うのを楽しみにしていたのだが、実にさわやかな好青年だった。ただそれ以上に、T氏の年不相応な美少年ぶりが気になる私であったが。おっと、チェス日記だったな、ここは(爆)。
 結果は涙・涙のまさかの5戦全敗。フリッツ君で解析もしたことだし、以下に簡単に私の負けっぷりを書いておきましょう。
・1R vsM氏(レート1907) 私の黒番
 M氏の初手は1.d4ということで、いつもどおりに1. ... e6からダッチへと進む。私がダッチを指す際に、クイーンサイドのビショップをフィアンケットすることが多く、この対局でも実際にそうしたのだが、感想戦の時、M氏に「最近はフィアンケットしませんね」と冷たくあしらわれた(笑)。
 大きな悪手は無かったものの、慎重を期す余りに余計な手損があり、じりじりと押されてそのまま負け。力負けですな。
・2R vsT氏(レート1540・・・本当かよ!?) 私の白番
 私の初手1.e4に対して、T氏は1. ... Nc6。「なんじゃこりゃ(ニムゾビッチ・ディフェンスって言うらしいですね、後で調べたら)!?」という心の叫びとともに、2. Nf3 e5。ほっ、普通になった(笑)。ということで、スコッチ・ギャンビットから、マックス・ランゲ・アタックもいつものパターン。
 10手目を終わったところで私の使用時間は3分。これに対してT氏はよーく考えていらっしゃる。後で聞いたところ、良く知らないオープニングだったらしい。慎重に考えるT氏の様子に、私は「間違えてくれないかなぁ」と不埒なことを思っていたが、14手目までは完璧についてこられた(涙)。
 15手目の黒の手で定跡からはずれ、ここから私が怒濤の攻撃。圧勝模様だったが、悪手を連発(フリッツ君によると、都合4発「??」の手を指した)して逆転負け(涙)。
・3R vsM氏(UR) 私の白番
 相手のM君は、公式戦は1年以上ぶりで、JCAのレートが消滅していたそうな(笑)。
 局面はシシリアンのグランプリ・アタックへ。最初の駒得チャンスを逃したが、19手目で2ポーンアップ。ところがここからビショップを無料で進呈して、逆転負け(大泣き)。
 試合には関係ないが、このM君、なかなかにナイスなキャラで、また次回お会いしたい方である。
・4R vsT氏(レート1428・・・麻布のレートはインチキだ・笑) 私の黒番
 T氏の初手は1.c4。イングリッシュかよ、おい、というツッコミもほどほどに、局面はシシリアン・グランプリの白黒逆に進む。
 これも大きな悪手は無いものの、数度の手損でじりじりと劣勢に。結局見せ場のないまま押し切られた。
・5R vsTcT(とくとだよ、とくと) 私の白番
 とにかく私はとくとと相性が悪い。私の1.e4に対して、ヤツは1. ... d6。おいおい、ピルツかよ。・・・と思ったら、シシリアン・ドラゴンにトランスポーズし、13手目にとくとが勝負に出てきた。
 ここからは悪手の応酬で、とてもyahooの人々には見せられませんなぁ(爆)。結局は私の悪手が命取り。

 結果的に0勝5敗という涙無しには語れないものだったが、それ以上に得たものは大きかった。
 ひとつはチェスを通じた友人がまた増えたことですね。これで私の野望も一歩前進してます(謎)。
 もうひとつは、自分のチェスの実力を再認識して、勉強する気がさらに湧いたことですね。特にエンドゲームは勉強しないとね、わははははははははは。
 私は実際にネット上でチェスをすることが多いけれども、やっぱチェスはボードと駒だよねー。勝てなかったけど楽しかった。勝てればもっと楽しいだろう。っちゅうことは勉強しなきゃな。

9月3日

 久しぶりに福岡チェスの例会に参加。久しぶりどころか、実に11ヶ月ぶりである(汗)。しかもこの日は日曜日にもかかわらず、夕方まで仕事で、その後に参加である。
 ということで、言い訳がましいことを言うと、チェスを指す準備が身体ともに為されていなかった。結果は2連敗。気合い十分で望んだ柏オープンとは違い、充実感もへったくれもない負けである(涙)。
 対戦した相手は、大分チェス主宰のKさんと、これまた宿命のライバルS君。お二人には申し訳ないが、ここらへんに着実に勝たないことにはレートの上昇は望めないのです。特にS君には初めての負け。序盤にてフォークを食らうという何とも情けない負け方でショック倍増である。

9月5日

 「チェスにはまってしまった人のためのサイト」主宰のd_caplanさんと初対局。「日記に書いて下さい」とリクエストしたからには、こちらも書かないと礼儀に反します(笑)。
 レートが下の私が白番で、初手は勿論e4。これに対して、d_caplanさんはe6。「そうか、そういえばフレンチ勉強しているって日記に書いていたなぁ」などと考えて、2.Nf3 d5 3.e5 c5 4.b4 とウィング・ギャンビットでお出迎え。強豪の方との初対戦となれば、ギャンビットしないと相手に失礼というものですね。
 まぁ、正面からぶつかっては、読みの力で負けるのは明らかですから、なんとかわけわからん局面に持ち込むしかない意味もありますけどねぇ(自爆)。
 結果的に28手で私の時間切れ負けとなったものの、ワンポーンダウンで主導権はこちら。白の私が指しやすい局面で終了・・・、のはずですが、コレをフリッツ君で解析すると「黒が優勢」と出るわけです。
 d_caplanさんは御自分の日記の中で以下のように書かれています。
 「ChessAssistantによれば、4手目のb4のギャンビットの時点で既に黒優勢の評価とのことである。それでもギャンビットする価値はあるのだろうか」
 この場で私なりに答えておきましょう。  まず、zahhak君の御報告によりますと、白不利のウィング・ギャンビット、意外にGMの対局でも出現しています。しかも白の勝率の方が良い(爆)。
 つまり、チェスの対局なんてのはコンピューター同士の計算勝負ではなく、人間同士の対局なんですね。
 お互いが限られた知識しか持っていないという条件下において、しかも心理的作用があるとするならば、ギャンビットをする価値は大いにあると言えるのではないでしょうか。

10月7日〜9日

 ジャパンオープンに参加。東京の大会は、いろんな人と対局できて嬉しい。
 試合前の会場では、とくとと二人で隅っこの方でおとなしくしていたのだが、そこへzahhak君、hiyagon先生、ryuujii先生、tkosawa君が登場。さらに柏のsunkingさん、ryohma59さん、ふと気付けば日本チャンピオンのW氏(1999年夏の大分チェスセミナーでお近づきになった)まで集まってきた。実力といい、格といい、色といい、艶といい、私ととくとがその場になじんでいなかったのは言うまでもない。
 ところで、私のレートであるが、公式戦9連敗中(!)であり、1436まで急降下していた。
 3日間で8局の結果は、1勝3敗3ドロー。対戦相手のレートは1559〜1791と全て格上であり、パフォーマンスは1550ちょいとそれなりの合格点であった。でも、中身がなぁ(涙)。そこは以下に書いておきましょう。
・1R vsH氏(レート1604) 私の白番
 H氏は福岡の方ではないのですが、チェスの全国行脚が趣味らしく、これで3回目の対戦である。戦績は2戦で2ドロー。こちらとしても3度目の正直と行きたいところである(向こうもそうだよね・笑)。
 さて、このH氏、誰が呼んだ(Jony君が呼んでいた)か「シシリアン−ナイドルフの帝王」ということで、私の1.e4に対しては当然1. ... c5である。となれば、グランプリ・アタックとなるのだが、黒の5手目にして定跡から外れた。「以前もグランプリ、やったやないか!勉強してこんかい!」などとは言えません(笑)。
   28手目にRサクリファイスを繰り出し(H氏は取りませんでしたが、取ったらドローだったようです)、そのまま押し切りました。連敗も止めて、上々の滑り出しです。
・2R vsK氏(レート1576) 私の白番
 JCAの名物オヤジ(笑)こと、K氏との初対決。私の初手1.e4に対して、K氏は1. ... e6。フレンチとなれば、ウィング・ギャンビットの出番です。4. b4は取ってくれなかったので、こちらは中央を占拠し、いい感じ。
 クイーンサイドにキャスリングした黒キングへの攻撃ばかりに目がいって、思わずポーンでビショップとナイトのフォークを食らう(涙)。
 終盤で今度はK氏が間違えて、私のエクスチェンジアップとなったものの、最後は私が間違えてドロー。忙しいゲームでした(苦笑)。
・3R vsU氏(レート1791) 私の黒番
 2戦目まで負け無しとなれば、いよいよ3Rは強敵U氏。ところが、隣の机で対局をしている某麻布生が咳払い等々でうるさいことうるさいこと。U氏の集中力が削がれているのが見て取れます。
 これで、思わず駒のタダ取りを見逃してくれて、こちらのピースアップ。有り難う、某麻布生。しかし、今後は静かにしろよ。
 このピースアップから、2Pアップになったものの、U氏のキングサイドのポーンが前進。クイーン交換のタイミングを見定められなかったので、パペチュアル・チェックしてドロー。感想戦では、まだまだ私が余裕の優勢だったことが判明しましたとさ(涙)。
・5R vsW氏(レート1764) 私の黒番
 2日目の1局目、4Rはbyeで、ここまで2.5Pです。
 ということで、W氏の初手は1.Nf3。レティは知りません(自爆)。しょうがないので、こちらは1. ... f5として、指し慣れたダッチ模様にしてみました。いいのか?こんなんで(汗)。
 さすがと思ったのは、W氏の指し回し。クイーンサイドとキングサイドの両方から攻撃を見せられ、こっちは動揺しまくり。盤面全体を見渡す重要性を教えられ、為す術もなく負かされました。
・6R vsM氏(レート1752) 私の白番
 これまたベテランがお相手。しかしながら、スコッチ・ギャンビットはご存じなかった様子。早々に間違えていただき、黒はキャスリング不能の上、私の1ポーンアップ。
 実は、局後にTcTに指摘されたのだが、実は1ポーンどころかピースアップ出来るチャンスがあったのだが、鮮やかに見逃してしまった、ショック(涙)。
 1ポーンアップのまま終盤戦まで来たものの、クイーン交換しておらずに、そのクイーンをうまく使われて負け。こちらのキングサイドのポーンは黒マスに並び、向こうは白マスビショップが残るというところをうまく利用されました。
・7R vsH氏(レート1611) 私の黒番
 H氏の初手は1. e4で、やっと来ましたラトビアンの出番です。
 早々にエクスチェンジダウンし、キャスリングも不可能となりましたが、そんなことは承知の上で、キングサイド1点勝負で集中砲火をかけました。
 明らかにH氏の表情は困惑し、局面の主導権はこちらのもの。気持ちの良い展開でしたが、つめを誤り、勝つチャンスを逃して、結局は攻めを抑えられてしまいました。悔やまれる1局です。
・3R vsS氏(レート1559) 私の白番
 最終局は、レート以上の実力の持ち主、S氏です。1.e4 c5となれば、グランプリアタックです。
 本来はfファイルあたりをオープンにして、攻撃権を得るのですが、何故か30手目までポーンが消えず、ガチガチのクローズに。
 43手目までで、合意のドロー。途中から「ドローだろうな」と思っていたので、そこをきちんとドローに出来ただけでも何となく嬉しいものです(苦笑)。

 これ以降は自分自身が忙しくなり、このジャパンオープンが2000年の最後の公式戦となりました。
 今回は、いわゆるベテランの方々との対局ばかりだったので、これも面白いものでした。
 緊迫したムードを楽しめた3日間でした。