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【図−7.6.1】 |
さて、エバンス・ギャンビットです。
図−7.6.1に示した、4.b4がエバンス・ギャンビット開始の合図なのですが、これはジオッコ・ピアノ(あるいはイタリアン・ゲーム)から派生した手です。
ジオッコ・ピアノはイタリア語で「静かなゲーム」という意味ですが、このエバンス・ギャンビットは白がbポーンをサクリファイスすると共に、激しい戦いが始まります。
さて、エバンス・ギャンビット直前のジオッコ・ピアノですが、実際はこの局面に達するのが難しいのです(笑)。
というのも、1.e4に対しては1. ... c5とシシリアンにするのが最も多く、1.e4 e5 2.Nf3とした後に2. ... Nf6とペトロフにする方もいる。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4までたどり着いても、3. ... Nf6とツーナイツにする人のほうが多い、というのが私の実体験です。
とはいえ、ここで主に用いる本「PLAY THE EVANS GAMBIT」では、"Queen of Openings"と讃えられているわけでございまして、是非とも一度は使ってみたいギャンビットなのでございますね。
さて、図−7.6.1以降、普通は4. ... Bxc4 5.c3と続きます。
この5.c3は、白からd2-d4とポーンを突く準備と共に、クイーンをb3へと配置するための道を作る意味もあります。
白番としてはクイーンをb3に配置することで、白マスを支配し、特に黒の弱点であるf7にプレッシャーをかけます。
その後、白としてはd4とポーンを突くことで中央をポーンで支配し、さらびビショップをa3に配置することで、黒のキングサイドキャスリングを防いだりする等の狙いがあります。
さて、前述したジオッコピアノの場合は、白からは4.c3〜5.d4とするわけですが、5.d4とする以前に黒は4. ... Nf6あるいは... Qe7とすることで防御可能です。
そこで、エバンスギャンビットではc3を突く前に、一つ準備をします。4. b4 Bxb4とビショップをおびき寄せ、5.c3と突くことで黒はビショップを逃げる必要があります。ここで、白は手数を稼げます。
さらに、黒はビショップの逃げ場についても選択を迫られます。
e7まで対局しキングを守るか、a5と引くか、あるいはもっと攻撃的にc5を拠点とするかです。
エバンス・ギャンビットの概要は以上にして、実際にゲームを見ることとしましょう。
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