皇帝の正しくないチェス

2002 全国大会 11R


はじめに

 11Rの相手は、柏チェスクラブ代表のOさんです。

 Oさんは、yahooチェスにもよくお見えになりますし、私も柏に何度かお邪魔しているので、ここらで一発、勝って恩返しといきたいところ。

 ところが!試合開始時間になっても、Oさんは現れず、結局5分ほど遅刻。「・・・、舐められている・・・」と、こちらは怒り心頭なのですが・・・(超嘘)。

 実際の私といえば、6日目でもうバテバテの状態だったわけですな(笑)。

棋譜解説

[Event "Zenkoku Taikai"]
[Site "PIO"]
[Date "2001.05.04"]
[Round "11"]
[White "anon-emperor"]
[Black "S.O"]
[Result "0-1"]

   
1 e4 e6
2 Nf3 d5
3 e5 c5
4 b4(図−1)
図−1
【図−1】

 オープニングは、フレンチ・ディフェンスです。

 対フレンチとして私が用意しているのは、勿論(?)、4.b4のウィング・ギャンビットです。

 果たして勝負になるのでしょうか(自爆)。

   
4 ... Nc6?!
5 bxc5 Bxc5
6 d4 Bb6
7 c3 Nge7
8 Bd3 h6
9 0-0 Bd7(図−2)
図−2
【図−2】

 黒はこちらのギャンビットを受けずに、4.Nc6?!としました。

 となれば白は7.c3 として、中央をポーンでがっちりと固めます。
 8.Bd3 として、狙うは黒のキングサイドです。が、しかし・・・。

             
10 Na3 Rc8
11 Bd2 a6
12 Rb1 Qc7?
13 Qe2? Ba5
14 Rfc1 b5?
15h3?0-0(図−3)
図−3
【図−3】

 ・・・・・、なんなんすかねぇ、この「?」の応酬は・・・(苦笑)。

 さてと、おそらくこのウィング・ギャンビットでペースを乱したのは、間違いなく黒のOさんでしょう。

 白のキングサイドアタックは、ある意味ミエミエですし、それ故に黒のキャスリングもやや遅れてのものでした。

 と同時に、クイーンサイドで勝負に出るのも、黒としては当然の戦略と言えるでしょう。

 12. ... Qc7? では、12. ... 0-0!?が正着です。
 13.Qe2? では無く、13.Qb3 Ba7 14.Qxb7 Qxb7 15.Rxb7 で、黒はクイーンサイドを破られてしまいます。

 14. ... b5? では、14. ... f6!? で耐えるところでしょうか。
 15.h3? では無く、15.Bxb5!? axb5 16.Nxb5 でクイーン取りとし、次の17.Nd6+が厳しいです。
 黒のキャスリングは不可能となり、同時にクイーンサイドも破られるということになります。

 「キングサイドは危険だ」という思いが、逆に黒番のクイーンサイドに隙を作る結果となっています。

 ああ、しかし、私の目はずーーーーーっと黒のキングサイドを血走った目で見続けていたのでした(ガックリ)。
 だから、いつも「盤面全部をまんべんなく見渡せ!」って注意しているだろ(オレが)!

   
16 Nh4 f5
17 exf6 Rxf6
18 g4? Rcf8
19 Rf1 g5
20 Ng2 Qd6
21 Nc2 Rf3(図−4)
図−4
【図−4】

 15. ... 0-0を見た私は、ウヒョヒョヒョとキングサイドアタックを敢行するわけですが、これは無茶攻めです。

 18.g4? では、18.Re1!? でまだまだ互角模様だったでしょう。

 19.Rf1 では、19.f4!? でギリギリ耐えられたかもしれませんが、21. ... Rf3 で完全にfファイルは黒番のものとなってしまいました。

   
22 Bf4? R3xf4
23 Nxf4 Qxf4
24 Nb4? Bxb4
25 cxb4 Nxd4(最終図)
最終図
【最終図】

 24.Nb4? でさらに墓穴を掘っています。

 25. ... Nxd4 でクイーンにあてられ、次の26.Nf3 が既にメイト模様です。
 26.Bh7+ Kxh7 27.Qd3 Ng6 28.Qg3 でメイトだけは避けられますが、白に望みはありません。