4Rのお相手は、ベテランのAさん。全日本選手権は初出場だそうです。
過去の対戦は、1戦して私の勝ち。時に1999年のゴールデンオープンの出来事でした。
当時の棋譜を探してみると、おおっ!シシリアンのウィング・ギャンビットで勝っている(笑)!!
[Event "Zenkoku Taikai"]
[Site "PIO"]
[Date "2002.04.30"]
[Round "4"]
[White "anon-emperor"]
[Black "H.A"]
[Result "1-0"]
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【図−1】 |
せっかくの白番なのに、フレンチかぁ(涙)。はっきり言って苦手です(笑)。
そんな時にどうすれば良いかと申しますと、3.exd5でエクスチェンジ・バリエーションにしちゃうのですね。
フレンチでありながら、最もフレンチではない戦型になります。ようするに、知識でなく「チェスの力」で勝負しようということです。
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【図−2】 |
とりあえずは、お互いに駒を展開し、キャスリングを目指します。
5.Bd3の時には、千歳の「Be2(Be7)禁止令」を思い出しました(笑)。
実際の定跡でも、このバリエーションにおける白マスビショップの位置は d3で正しかったのでした(笑)。
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【図−3】 |
7.Bg5でとりあえずクイーンをピンします。
このピンを如何に外すのかというのも意外に難しい問題です。
Aさんが取った方法は、ダブルポーン覚悟の、9. ... Qb6?!でした。
ちょっと乱暴ですね。フリッツ君は、9. ... Nbd7 10.Qd2で互角としています。
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【図−4】 |
ダブルポーンを作れるなら、ということで、10.Bxf6でビショップとナイトを交換することにしました。
黒は、せっかくクイーンを展開したということで、10. ... Qxb2とします。
白は何も焦る必要がありません。さらに、11.Bxg7とポーンを取って、キングサイドを荒らします。
ここで、11. ... Qxa1とすると、12.Bxh6が攻めの手です。次の13.Qd2が、Qg5+を狙う手で、2つのビショップとクイーンによって、黒のキングは一気にメイトされそうですね。
キングの頭のポーンが無くなると、キングは如何にも危なっかしくなります。当然、白がやや良し、です。
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【図−5】 |
白は、黒のキングを狙って、2つのナイトをキングサイドへと展開します。
勿論、狙いはお得意のキングサイド・アタックです。
14. ... Qb6は手損です。せっかく出てきたクイーンを引いてもあまり意味がありません。
フリッツ君によると、14. ... Re8 15.Rxe8 Nxe8 16.Bf5の方が、まだ良かったそうです。
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【図−6】 |
15.Qd2で f6のポーンに狙いをつけましたが、フリッツ君によると、15.Bf5 Qc7で白良し、とのこと。
16.Ne5は、仮に 17. ... Bxe5 18.dxe5となれば、e5のポーンで中央の黒マスを抑えて、キングサイドのポーンを押し上げるのも面白いかなと思って指したです。
黒から 16. ... Ng4とナイト交換に来ました。
私としては、攻撃の主役となるべきナイトはh4のナイトだと思っていましたから、黒の守備駒となるナイトとの交換はオッケーと思いました。
18. g3と、h2の位置を守ります。
これで、次の19.Bf5が楽しみですね。
この手を防ごうと思った黒は、18. ... f5?と思わず悪手。
18. ... Qd7で守るしかないようですが、その時には 19.f3からg4とポーンを突いていく予定でした。
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【図−7】 |
単純な手ですが、19.Re6でしっかりと悪手を咎めることが出来ました。
f7のポーンはe6の地点を守る駒でもあったのです。
19. ... Rf6は大悪手。自ら首を絞めてしまいました。
ルークを交換した後の、21.Qxh6+で白がはっきりと勝勢です。
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【最終図】 |
最後はクイーンを交換して、ナイト+2ポーンアップの形で勝ちとなりました。
しかし、フリッツ君は容赦ありません(笑)。
24.Nxd6+が正着だそうで、キングが逃げる(24. ... e7)と、25.Re1以下メイトなので、24. ... Qxd6 25.Qxd6でクイーン・アップになるんだとさ(笑)。
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