6Rのお相手は、社会人1年生(笑)のO君。
hiyagon先生のお弟子さんということで(?)、そこここで会っており、既に仲良し(^^)。
過去の対戦成績は、僕の1敗1ドロー。
このドローは、福岡選手権4Rの「泣きのドロー」だったので、今回はお互いに決着をつけようと気合い十分(だったと思う)の対戦です。
2002年6月の名古屋オープン終了後の飲み会で、この全日本の自戦記をお願いしたところ、OKの返事を頂きました。O君、ありがとう!
なお、文中の斜文字は、私の解説です。
皇帝さんとは去年の全日本選手権と3月の福岡選手権でも対戦しています。
去年の全日本では皇帝さんの得意のラトビアンを破っての勝利でしたが、福岡では新幹線の時間を気にする皇帝さんと不完全燃焼のドローでした(局面は互角でしたけどね)。
今回はなんとしてもその決着をつけるべくゲームに臨みました。
[Event "Zenkoku Taikai"]
[Site "PIO"]
[Date "2002.05.01"]
[Round "6"]
[White "T.O"]
[Black "anon-emperor"]
[Result "1-0"]
|
|||||
【図−1】 |
福岡と同様に私のキングスインディアンアタックに対して皇帝さんがダッチで受けるという展開になりました。
|
||||||||||||||||||||
【図−2】 |
7. ... Nxe4?には8.Qd5+があるのでポーンを取ることはできません。
|
||||||||||||||
【図−3】 |
11. ... a6は、b5のマスを抑えて、ナイトが b5へ跳ねるのを防ぐ手ですが、こういう手は弱気な感じです。
こういう手の是非は、個人的にいつも悩むところです。
|
|||||||||||||||||||
【図−4】 |
ここまでは互角の展開です。
黒が16...Rd8から...d5を狙っているようだったので、e5のポーンに狙いを定めてその狙いを防ぎます。
|
|||||||||||||||||
【図−5】 |
ナイトが不可思議な動きをしています(笑)。
実は、18. ... Nc6と指そうと思い、ナイトを手に取ったのですが、その瞬間に「19.Nd5とされたら、19. ... Nd5と取れないじゃん!」などと考えてしまい、タッチ・アンド・ムーブでやむを得ず、18. ... Neg8としてしまいました。
別に、18. ... Nc6 19.Nd5でも、放っておけば良いんですけどね(笑)。
というわけで、20. ... Bf7と引いてから、改めて20. ... Nc6です。
考えすぎて、微妙にパニックに陥っていますね(苦笑)。
白は駒が行ったり来たりしているだけですが、どうしても勝ちたい私としては相手の...d5を防ぎつつ、相手が無理に攻めてくるならカウンターを狙うという作戦で局面の打開を狙っていました。
もちろん黒も何もしないようなら白から仕掛けていくしかありませんが、福岡の決着をつけたいのは相手も同じだったようです(^^;
|
|||||||||||||||||
【図−6】 |
いるか師匠に言わせれば、「白が言ったり来たりしている時点で、黒はドローオファーするぞ」とのことでしたが、やはり僕としても決着は付けたい。
となれば、キングサイドから仕掛けるしかないと思って、22. ... g5と突きました。
それは良いとしても、23. ... Kh7以下、キングとルークを入れ替えたのは良くないようです。
|
||||||||||||||||
【図−7】 |
28.Rxd5?は勿論、悪手。さりげなく、26. ... Be8とルークを狙っていた甲斐がありました。
キングサイドから攻撃を狙う黒に対して白も積極的に駒損も気にせず(?)、強引に攻めに転じます。
ただFritzによれば28.exd5の方が安全でした。
これで、黒のエクスチェンジ・アップです。
|
|||||||
【図−8】 |
この手を指した直後に32. ... Qf7!とクイーン交換を強制する手を発見して愕然としましたが、皇帝さんが違う手を指したために事無きを得ました。
ぐへぇ、全く気付かなかったぁ!超ショック・・・(涙)。
よーするに、f3のビショップが浮いていることが、全然見えていないわけですな。
ここでは、32.Qb3の代わりに 32.Qc4 Qf7 33.Qe2から 34.Bh5とあくまで白マスの弱さを突いていくべきでした。
実は私が気にしていたのも、白マスの弱さでした。
「エクスチェンジ・アップでラッキー!」と思いきや、白マスビショップがいなくなったおかげで、キングサイドの白マスがすかすかになっていることに気付いていたのでした。
「実は、エクスチェンジ・サクリファイスなのでは・・・?さすがはhiyagon先生の弟子。さては謀られたか・・・!?」などと変に考え過ぎていたのでした。
|
||||||||||||||||||||||
【図−9】 |
32. ... Qf7!が指せなかったが故に、32. ... Nc6??は大悪手(涙)。
とりあえず考えたのは、駒交換。
そしてクイーンサイドをクイーンに荒らされるのは覚悟し、毎度毎度のキングサイド勝負に出ることにしました。
が・・・。
|
|||||||||||||||||
【図−10】 |
クイーンの交換になってしまいましたが、32. ... Qf7とする変化と比べて白は2ポーンを取っていますし白のナイトもNd2-c4-d5といいポジションを取れるので白に負けはないだろうと考えていました。
|
|||||||||||
【図−11】 |
ここで時間切迫だった皇帝さんに悪手が出て一気に逆転してしまいました。
「凌げば勝てるかも・・・」と頭をよぎったものの、時間を使いまくってエンディングに・・・(涙)。ミスも出るというものですな(号泣)。
感想戦では 45. ... Ke7の代わりにf-fileにルックを重ねて攻撃すれば勝てるのではないかということで、いるかさんも加わって検討しましたが、
45. ... Rca7 46.Nb6 Rf8 47.Nd5+ Ke6 48.Nb6 Raf7 49.Rf1 Bg3 50.f3 Ra7 51.Nd5=(途中図)
のように黒はa6のポーンをどちらかのルックで守る必要があるので攻めきれません。
【途中図】 |
|
||||||||||||||||||||||
【最終図】 |
次に53.Rb6からa6のポーンが落ちるので黒投了となりました。
大会終了後の飲み会では皇帝さんの全日本選手権飲み会レポートにもあるようにhiyagon師匠から説教を受けるなど、勝ったものの反省する点の多いゲームでした。
黒にもかなり勝つチャンスがあったと思いますが、最後は福岡の決着をつけようという執念が幸運をもたらしたのかもしれません(^^;
ううっ、執念は僕もあったんだけどなぁ。
ともあれ、またもや弱点のエンディングをさらけ出して負けてしまったのでした(って、こんなに弱点をさらけ出しまくって良いのかなぁ・・・)。
TOP | INDEX | << PREV | NEXT >> |