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慶応3年以前に建てられた築後150年の古い民家の再生と一部の増築である。
もともと茅葺き屋根の民家であったが、昭和26年頃に小屋組みと共に瓦葺きに変更し、2階部分を増設。 また当初の土間部分をダイニングキッチンと応接室、浴室等に新建材で改装していた。 今回、嫁がれていた娘さんの家族がこの家に同居する事をきっかけに、この民家を全面的にリフォーム。 以前の愛着のある古い建物の良さを生かしながら、居住性・耐震性を向上させたモダンな住まいとして 再生を行った。 古い部分材料を残しながら、新しい部分と対比させることで時間の経過を形として表すことを心がけて計画を行った。
特に北側の庭に面したダイニング・キッチンは、低い天井をはずし丸太を露出させることで、本来の空間の豊かさを持った吹抜けのある家族の憩いの場:リビングへと生まれ変わった。リビングにはトップライト・シーリングファン・電気床暖房を設置し、居住性を向上している。

また震度6程度の地震に対して軽微な被害で済むような耐震性能を目標に基礎・軸組を補強設計されている。補強の構造計算は、従来の壁量規定による許容応力度計算法を基準に、基礎をやり変えた上で、耐力壁を配置している。耐力壁の一部は、面格子は軽快なデザインの耐力壁を採用している。

再生のポイントは、次の5点が挙げられる。

@伝統的な外観、素材を使用し、懐かしい風景になじむ様に配慮。
A改装により隠れていた柱・梁を現し、本来の空間の豊かさを取戻し、モダンな要素を入れ込むことで、古いものと新しいものの調和を図る。
Bトップライト、床暖房、シーリングファンにより居住性の向上を計り、外部・庭との関係を配慮したプランで、 豊かな生活の場を目指す。
C屋根の軽量化、水平面の剛性向上、壁のバランス配置、増強を行う。
D階高による床の高低部分以外は、床の段差を無くす。

関西電力「住まいの設計コンテスト」リフォーム部佳作

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建築地 兵庫県
地域・地区 市街化調整区域
構造・規模 木造・伝統工法 2 階建

敷地面積 912.39u(257.9坪)
建築面積 334.25u(101.1坪)
延床面積 350.09u(105.9坪)

意匠設計: 古田建築設計事務所 古田充 淵上由香(元スタッフ)
構造設計: 田原建築設計事務所
施   工: いない建築、野間電気(電気)、三栄設備(機械)
大   工: 倉 力

□外部仕上表
  屋根/瓦葺
  軒裏/(2階)しっくい塗り、(1階)杉板化粧
  外壁/漆喰壁、焼杉板
  建具/木製建具、アルミサッシ
  
□内部仕上表
  壁/しっくい塗り、土壁
  床/杉板t=30、窯変敷瓦
  天井/杉板ベンガラ塗り

□主な設備
  冷暖房/空冷ヒートポンプ式エアコン、電気床暖房
  給  湯/電気温水器(オール電化)

□ホームページ/TOP
□住宅作品集/Archive
□設計監理の流れ/Flow Chart
□事務所プロフィール/Profile

(株)古田建築設計事務所